俺の周りの女性は全員美少女なんだが必ず何か重大な欠点がある!

サクえもん

34話 前髪で顔隠してる子が髪切ると可愛いのはテンプレだよね!

 「なあ愚王。 質問があるんだけどいいか?」
 「別に構わないよ」
 「葵の奴隷紋を消してやることは出来ないのか?」
 「無理だよ。 奴隷っていう身分は、 この世界の各国のトップが決めた法律によっていろいろと条約があって、 僕個人の力ではどうしようもできないんだ。  だから葵ちゃんをシュン君の奴隷にするのがあの場では、 最善の手だったわけだよ。 いや~もしシュン君があの時葵ちゃんと契約していなかったら彼女は、 今頃この国の貴族たちの玩具にされていただろうな」
 「そ、 そうだったのか」


 あの時断らなくて本当に良かった。


「それともう一つだけ質問がある。 さっきお前は、 一度奴隷の身分に落ちた人間が二度と同じ地位に戻ることはできないといったが、 あれは本当か?」
 「本当だよ。 でも手がないわけじゃないよ」
 「本当か! それならその方法を教えてくれ!」
 「その方法はね。 君が魔王を倒すことだよ!」
 「は?」


 なぜ俺が魔王を倒したら葵が奴隷から解放されるんだ?


 「どうやら理解していないようだね。 仕方ないな~優しい僕が説明してあげよう!」


 こいつ死ねばいいのに!


 「えっとね。 まず君が魔王を倒した場合、 君は国民から英雄として扱われるようになるわけだ」
 「ふむふむ。 それで?」
 「そんな君のパーティの仲に奴隷がいるのは、 よろしくないと思わないかい? なにせ奴隷は、 国民達からあまりよく思われていないからね」
 「なるほどな。 だから俺が魔王を倒し、 英雄になった場合パーティに奴隷がいることが不味いわけだ」
 「その通り! そうすれば葵ちゃんの奴隷紋を消しても何ら問題がなるわけだ!」
 「でもそれなら葵を殺してしまうという手も考えられるんじゃないか?」
 「確かにその可能性もないとは言えないかな。 でもそこは、 君が彼女を守ってあげればいいんじゃないかな?」
 「それもそうか」
 「さてこの話は終わり! 今度は、 僕から質問させてもらうね!」
 「却下!」
 「なんでさ! シュン君だけ質問してずるいよ! 僕も質問したい! したい! したい!」


 駄々っ子かこいつは。
 

 「わかったよ。 それで何が聞きたいんだ?」
 「やったぁ! それじゃあ質問するね? シュン君ってさ役者の経験ある?」
 「なんでそんなこといきなり聞くんだ?」
 「いや~それはさ。 さっきのシュン君の演技があまりにも完璧すぎたからだよ! 僕はこれでも演劇を見るのが趣味でね。 色々な役者を見てきたんだけどシュン君ほど演技が優れた人を今まで見たことがなかったからだよ!」
 

 ふ~んこいつは、 演劇を見るのが趣味なのか。
 そう言う所は、 貴族っぽいな。


 「俺は今まで役者の経験なんてないよ。 完全なる素人だ」
 「そうなのかい? いや~それだと少し怖いな」
 「怖いとは、 一体どういうことだ?」
 「だってあの時のシュン君の演技があまりにも完璧だったからね」
 「それは自分が怒ってる姿を真似るだけだからな。 完璧にもなるさ」
 「いやそうでもないよ。 確かにシュン君の言う通り今回君が演じたのは、 君自身が怒っている真似だ。 だけどそれ自体だって必ずボロがでるものなんだよ。 それなのに君は、 違和感を相手に感じさせず完璧に演じて見せた。 こんなこと素人が出来るわけがないんだよ。 こんな真似が素人でできるのは、 “機械”ぐらいなものだよ!」
 「なぜ機械には、 そんな真似ができるんだ?」
 「だって彼らには、 感情というものがないからね。  だから言われたことを完璧に演じることができる 」
 「それじゃあお前は、 俺が機械か何かで、 感情がないとでも言いたいのか?」 
 「いや。 君は、 紛れもない人間だよ。 だからこそそんな真似ができる君が怖く感じたんだよ。 だってもしかしたら今の君も演じているだけの存在なのかもしれないのだから」
 「……」


 俺が自身を演じている?
 そんなわけがない。
 だって俺は、 俺のはずだ。
 だがもし無意識化で自身を演じているのだとしたら、 俺は一体……


 「シュン君……シュン君!」
 「ハッ!」
 「大丈夫かい? 顔からすごい汗をかいているよ?」
 「俺は……」
 「さっきは少し変なことを言ってごめんね。 まさか君がここまで思い悩むとは、 思ってなかったんだ」
 「……」
 「いいかいシュン君。 これ以上深く考えないほうがいい。 じゃないと君壊れちゃうよ? だからスマイルだよ! スマイル!」


 スマイル……


 「ああ、 そうだな。 悪い。 少し深く考えすぎていたみたいだ」
 「うんうん。 やっと調子が戻ってきたみたいだね! さてそろそろアオイちゃんの方も準備が終わっただろうし行こうか!」
 「そうだな」


 俺と愚王は、 そう決めると地下から上に上がり葵の待つ部屋へと向かった。


 「ここがアオイちゃんのいる部屋だよ」
 

 俺は、 王にそう言われ扉のノズルを回し中に入った。 
 中に入るとそこには、 メイド服を着た美少女が立っていた。
 その美少女は、 俺の好みドストレートだった。


 「グハッ!」
 

 な、 なんだあの美少女は、 か、 可愛すぎる!
 俺は葵の余りの可愛さに血を口から吐いた。


 「シュ、 シュン君いきなりどうしたんだい! あ、 なるほど……」
 「我が生涯に一片の悔いなし……」
 「あ、 あのこれは一体どういう……」
 「あ、 心配しなくても大丈夫だよ。 きっとアオイちゃんがあまりにも可愛すぎてシュン君は、 こうなっただけだから」
 「か、 可愛いですか? そんなわけありませんよ……」
 「自信もっていいと思うんだけどな~」
 「おい愚王。 なに葵を口説いてんだよ」


 こいつさてはロリコンだな?


 「あ、 シュン君回復したんだね」
 「あ、 あの……」 
 「どうかしたか?」
 「わ、 私のこの格好おかしくありませんか?」
 「そんなわけないだろ! とっても似合っていると思うぞ!」
 「そ、そうでしゅか……」


 どうやら葵は、 照れるとかむ癖があるようだ。
 愛い奴め。


 「さてそれじゃあ今から俺の仲間にお前を紹介しようと思うんだが……」
 「あ、 あんな美人の集団の中に、 わ、 私みたいなブサイクが入ったら失礼じゃないですか?」
 「お前いくらなんでも自分に自信なさすぎだろ……」
 「す、 すみません……」
 「いや、 謝って欲しいわけじゃないんだけどな。 ええい、 まどろっこしい!」


 俺は、 そう言うと葵の手を掴み、 玉座の間へと向かった。


 「俊お帰りなさ……」


 俺と葵が部屋の中に入るとエルザ以外固まってしまった。


 「シュンお帰りなのだ~それでこの女性はだれなのだ?」
 「ああ、 こいつは……」
 「なんで俊さんは、 あの蛆虫のパーティにいた女を連れているんですか!」
 「シュン。 詳しい話を聞かせてもらおうか?」
 「しかもその女性の首輪についているのは、 奴隷がしているものですよね? まさか……」
 「俊? きちんと説明してもらおうかしら?」
 

 あれもしかして皆さん怒ってらっしゃる?
 いや、 ラピスさんなら……


 「シュン様。 私も詳しい事情が知りたいです」


 あかん! 顔は笑っているのに、 目が全く笑っていない!


 「ええと。 とりあえず全員落ち着け。 俺と葵の関係は……」
 「聞きましたか千鶴さん! 今俊さんあの女のことを呼び捨てで呼びましたよ!」
 「これは、 有罪ね」
 「ガルㇽㇽㇽㇽㇽㇽㇽㇽ!」
 

  こいつら本当にめんどくさいな!


 「それでシュン様。 早く続きを話してくださいませんか?」
 「わ、 わかりました」


 俺は、ラピスさんにそう聞かれ、 怯えながらもなんとか説明しきった。


 「そう言うことだったんですね」 
 「わかってくれてよかったです」
 「でもシュン様ってかなりの女たらしですよね?」
 「確かにそうですね」
 「まあそんな事は今にはじまったことでもないだろう」
 「私は、 その女が俊のことを狙ってるわけじゃないなら別にどうでもいいわ」
 「そ、 そんな! 私が俊を好きになるなんてありえませんよ!」


 わかってはいたけどそう言われると傷つくな......


 「話し合いは、 終わったのだ?」
 「ああ、 終わったよ......」
 「あ、 あの皆さん……こ、 これからよろしくお願いします......」


 こうして葵は、 俺のパーティへと無事加わることができた。
 てか男1に対し女7ってさ。
 一応ハーレムなんだけどさ。
 全く嬉しくない!



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