俺の周りの女性は全員美少女なんだが必ず何か重大な欠点がある!

サクえもん

32話 俺の血の中毒性がこんなに高いわけがない!

 「シュン! シュン!」


  誰だよ折角人が気持ちよく寝てるっていうのに……


 「シュン朝なのだ! 起きるのだ!」
 

 なんだエルザか。 ああ、 でもまだ眠いし、 だるいし、 何もかもがめんどくさい。
 でもそんなこと言ってる場合じゃないもんな……


 「ああ……もう朝なのか?」
 「シュンおはようなのだ!」
 

 エルザは、 朝から元気だな。
 俺は、 朝が苦手だから朝からそんなハイテンションではいられないな。
 てかよくよく考えると今日は、 千鶴たちに侵入されていないな。
 さすがに城の物を壊すのは、 悪いとあいつらも感じているのかな?
 そうだった場合これから俺が宿屋で寝る場合の安眠は、 約束されるな。


 「おはようエルザ。 それでなんでお前は俺を起こしたんだ?」
 「それは、 血が欲しくなったからなのだ」
 「了解」


 俺が許可を出すとエルザは、 俺の首筋に噛みつき血を吸い始めた。


 コンコン


 エルザが絶賛俺の血を吸っている最中に、 部屋の扉を誰かがノックした。
 こんな朝早くに一体誰だろう?


 「シュン様。 今中に入ってもよろしいでしょうか?」


 声を聴く限り訪ねてきたのは、 クリスのようだ。
 

 「ああ、 いいぞ今カギを開け……」
 「いえ、 カギは持っているのでシュン様は、 そのままの態勢で結構ですよ」


 カチャリ


 「シュン様おはようござ……」


 クリスは俺に挨拶しながら、 部屋に入ってきたのだが俺がエルザに血を吸われているシーンを見て固まってしまった。


 「ああ、 おはようクリス」
 「何暢気に挨拶を返しているんですか! そんな事よりもシュン様は、 一体何をさせているんですか?」
 「何ってエルザに血を吸わせているだけだけど?」
 「ええ!?  なぜそちらの方は、 シュン様の血を吸っていらっしゃるんですか!」
 「ああ、 クリスは知らなかったのか。 実は、 エルザって吸血鬼なんだよ」


 俺がそうカミングアウトするとクリスは、 固まってしまった。


 「お~い。 大丈夫か? 生きてるか?」
 「生きてますよ! そんな事よりもなんで吸血鬼を飼いならしているんですか! 普通吸血鬼って言ったら退治しなくてはいけない存在なんですよ! それなのに……」
 「まあまあそんなに怒るなって。 それにこいつは、 人を襲わないよ」
 「どうしてそう言い切れるんですか!」
 「それは、 こいつが俺の血に夢中だからだよ」
 「あの、 シュン様の仰っていることの意味がよくわからないのですか?」
 「俺にもよくわからんのだが、 俺の血には一種の中毒性があるらしくてな。 そうとは知らず俺の血を吸ってしまったエルザは、 すっかり俺の血にご執心というわけだ」
 「でしたらなぜシュン様は、 吸血鬼を飼っているんですか!」
 「だってこいつ見た目は、 子供だろ? そんな奴を手にかけるのは、 さすがに嫌だったしな。 それとエルザは、 飼っているんじゃない。 対等な仲間だよ。 だから今後そんな風に言わないでくれ」
 「う、 でも……」
 「まあまあ何かあったら俺が全部責任を負うから。 この答えじゃ不満か?」
 「ええ、 大いに不満があります! だってこのままだとシュン様は、 その吸血鬼の一生餌も同然じゃないですか! しかも血を吸われる行為って相当な痛みを伴う行為のはずなんですよ!」
 「ふふふ……」


 餌ね。 確かにクリスの言っていることは、 間違いじゃないな。
 てか普通吸血鬼に血を吸われるのって痛いんだな。


 「何を笑っているのですか!」
 「いや、 クリスが俺の身を案じて怒っていることがつい嬉しくてな」
 「そんな状態の人の事を心配しないほうがおかしいんですよ!」
 「ごもっともな意見だな。 それとお前の心配は、 杞憂だよ」
 「杞憂ですか?」
 「まずこいつの血を吸う際に走る痛みだが、 そんなものは一切ない。 それにエルザは、 俺の事を餌として見ていないし、 他の人間の事も餌とは見ていない」
 「その言葉は、 本当なんですか?」
 「本当だよ」
 

 クリスは、 俺のその言葉を聞くと大きく深呼吸をした。


 「わかりました……シュン様がそこまで仰るならその吸血鬼を退治することは、 やめます。 ただしその吸血鬼がシュン様に対して吸血行為以外で傷つけるようなことがあった場合は、容赦なく私が退治します」
 「それでいい。 ありがとうなクリス」
 「別にお礼を言われる筋合いは、 ありませんよ。 全くシュン様は、 本当に甘いお方ですね」


 俺は、 甘いのか? どちらかと言うとクリスの方が甘い気がするがここでそんなことを言うと怒らせかねないから黙っておくことにしよう。
 俺がそんなことを考えている間にエルザは、 俺の首筋から口を離した。


 「ご馳走様なのだ。 今日もシュンの血はとってもおいしかったのだ……」


 エルザはそう言うと放送禁止レベルの恍惚とした表情を浮かべた。
 本当にこれだけはいつ見ても変な気分になるよな……


 「ゴクリ……」
 「あのもしかしてクリスも俺の血を飲んでみたいのか?」
 「い、 いえ。 そ、 そんなことクリスは、 思っていませんよ?」


 そういうクリスの目は、 明らかに泳いでいた。
 

 「えっとそんなに飲みたいなら飲んでもいいぞ? 幸い今は、 エルザが俺を吸血したせいでエルザが飲みきれなかった分の血が俺の首筋をしたたっているわけだし……」
 「そ、 そこまでシュン様が言うなら仕方ありませんね!」


 クリスは口では仕方ないとか言ってるくせに顔は、 とっても嬉しそうな表情をしていた。


 「それじゃあ失礼して……」


 クリスは、 そう言いながら俺の首筋に近づいてきた。
 その時自然と体が密着する形になり、 俺とクリスは、 端から見ると抱き合っているカップルにしか見えなかった。
 

 ペロリ


 クリスの舌が俺の首筋を舐めたとき、 変な声が出そうになったが必死に俺は声がでないようにこらえた。


 「そ、 それで味は、 どうなんだ?」
 「……」


 クリスは、 俺が質問しているにも関わらず固まったまま動かなかった。


 「無視は、 寂しんだけど?」
 「ハッ! すみません! 意識がとんでいました!」


 おいおい。 意識がとんでいたってどういう状況だよ……


 「それで味は、 どうなんだ?」
 「そうですね。 すごく鉄の味がしました」


 そりゃそうだよな。 だって血だもの。


 「でもなぜかまた欲しくなるようなそんな気分にさせられるので! ですから意志ではわかっていても、 体が今すぐにでもシュン様を襲ってもっと血が欲しいと訴えています!」


 そう言うクリスの顔は赤く、 鼻息が荒くて、 目がトロンとしていた。


 「おい! クリスしっかりしろ!」
 「はあはあ。 もっと欲しい……」


 ヤバい! クリスに血を飲ませたのは、 完全に失敗だった!
 この状況何とかせねば!


 「クリス悪い!」
 「へ……」


 俺は、 そう言うとクリスの首に思い切りチョップをして気絶させた。
 まさかこんな場面でこの技を使う羽目になるとは……
 クリスは、 気絶してから十分ほどで目が覚めた。
 

 「あれ? 私は?」
 「よかった! いつも通りのクリスに戻ったんだな!」
 「確かあの時シュン様の血を飲んでそれから……」


 いかん! これ以上思い出させてはいけない!


 「そんなことよりクリス! なんでお前は、 俺の部屋に来たのか理由を教えてくれないかな!」
 「へ? ああ、 はい。 私がシュン様の部屋に来た理由ですね」


 ふう。 何とか話を逸らすことに成功したな。


 「私がシュン様の部屋に来た理由ですかが、 それはお父様がシュン様達のことを呼んでいたからです」


 あの愚王が俺達を呼んでいただと?
 なんか碌でもない予感がするな。
 でも行かないわけには行かないし......


 「それで王はなぜ俺達を呼ぶよう言ったんだ?」
 「そのことについては、 玉座の間にて話すそうです」
 「わかった。 とりあえず今からその場所に向かおう。 行くぞエルザ」
 「わかったのだ!」
 「では、 私は他の方々を呼びに行ってきますね」
 「ああ、 頼む」


 そう言った後俺とエルザは、 別れ俺は玉座の間にエルザと一緒に向かった。
 あ、 そう言えば俺の血ってまだ止血してないじゃん。
 まあどうせこの後ルビーに会うわけだし、 その時唾液もらって止めるとするかな。
 




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