俺の周りの女性は全員美少女なんだが必ず何か重大な欠点がある!

サクえもん

24話 いつからシリアスがないと錯覚していた?

 千鶴side


 私が俊に近づいた時俊は息をしていない様子だった。
 そして体はまるで死人のように冷たかった。


 「ねぇ俊。 嘘でしょう? ねぇ起きてよ。 どうせまた三十分したら起きて私に対して何か文句を言うんでしょ?」


 私はそう言いながら必死にシュンの体を揺らした。
 

 「そしてまた素敵な笑顔を私に見せてよ! それに私まだ俊とやりたいこといっぱいあるんだよ? だから早く起きてよ!」
 「千鶴さん落ちついてください!」
 「うっさい! なんであんたは俊がこんな状況なのに冷静でいられるのよ!」
 「私だって冷静じゃありませんよ! 私だって千鶴さんのように泣き叫びたいですよ! でも泣いたり、 叫んだからといって俊さんの傷が治るんですか!」
 「二人ともいい加減にしろ!」
 「あわわ! わ、 私はどうすればいいのだ!」
 「皆さんとりあえず落ち着いてください!」
 

 私はそう受付嬢に怒鳴られ冷静さを取り戻した。


 「皆さん落ち着かれましたか?」
 「「「「はい……」」」」
 「そうですか。それはよかったです。 それとチヅル様は、 シュン様の体から早く手を放してください」
 「で、 でも……」
 「早く!」
 「はい……」


 まさか受付嬢がキレるとここまで怖いなんて想定外だったわ。


 「ええと。 それじゃあシュン君は、 こちらで治療させてもらうから君たちはここでシュン君の治療が終わるまで待っててね」
 「はい。 よろしくお願いします」
 

  そして俊は、 この国の医者と思われる集団に連れていかれた。
  またその一団の中に、 クリスと呼ばれていた少女がいたのが私は少し気になった。


 「さて、 シュン様の事がひと段落ついたところで、 皆さんに言いたいことがあります。 それは皆さんは少しシュン様に依存しすぎなのではないでしょうか? またこの中で最もシュン様に依存しているのはチヅル様です。 正直チヅル様のシュン様に対する依存度は尋常ではありません」
 「そうよ。 悪い?」
 「ええ、 悪いです。 チヅル様はもしシュン様がご自分よりも先に死んでしまった場合どうなさるおつもりなのですか?」
 「そんなの決まってるじゃない。 私も俊の後を追ってすぐに死ぬわ」


 私がそう言った瞬間、 受付嬢の奴はいきなり私にビンタをしてきた。


 「痛いわね! いきなり何すんのよ!」
 「チヅル様は、 自分の命をなんだと思っているんですか!」
 「私の命は俊の物よ! 私たちの事情も知らないくせに勝手なこと言わないで!」


 そして私も受付嬢の顔めがけて思い切りビンタをした。


 「ッ! ならその理由を教えてください!」
 「なんであんたなんかに話さなくちゃいけないのよ!」
 「それはもしかしてさっき千鶴さんが泣いていたことと関係があるんですか? それに俊さんのことをいつもみたいに呼び捨てではなく“俊君”って呼んでいましたし……」
 

 こいつ! いつもは、 バカなくせにこういう時だけ無駄に勘が鋭い!


 「そうなのか? なあチヅル。 なんでお前がそこまでシュンに依存しているのか理由を話してくれないか?」
 「絶対に嫌よ!」
 「チヅル様!」
 「なあ。 なんでチヅルはそこまで話したがらないんだ? 私たちは“友達”じゃないのか?」
 

 この白髪女今“友達”とか言わなかったかしら?


 「ふざけるんじゃないわよ! 誰があんたたちの友達だって! 私の友達は俊だけよ!」
 「今のチヅルの顔。 とっても怖いのだ。 それと同時に私達に対してものすごい憎しみを感じるのだ……」
 「そうよ! 私はね。 俊以外の人間が大嫌いなのよ! あんた達と一緒にいるのも俊があなたたちの近くにいるからなだけよ!」
 「なんでチヅル様はそこまで人が嫌いなんですか?」
 「さっきからあんたはなんでそこまで私達の事を知りたがるのよ!」
 「それは私が俊さんのことを好きだからです! それと同時にチヅル様の事も好きです! 他の皆さんの事も好きです! そして私は皆さんのことを本当の家族のように愛しています! だからこそ私は今苦しそうにしているチヅル様を救いたいのです!」
 

 こいつ相当なお人好しね。
 普通出会って数日の人間にここまで言うかしら。
 全く俊がこいつにたいしてねつをあげる理由がよくわかったわ。


 「あの、 私も同じ気持ちです」


 そう言ったのは、 アホ女神だ。


 「私もですね。 ここにいる皆さんのことを大事に思ってますよ。 だから私もラピスさんと同じで千鶴さんが俊さんにどうしてそこまで依存しているのか知りたいです。 そして可能なら千鶴さんのことを助けてあげたい」
 「私もだ。 私にはもともと友人がいなくてな。 そんな時に俊が私と友達になってくれた。 そしてチヅル。 私はお前のことを私の大事な友人だと思っている。 だからこそ私はお前の過去がしりたい」
 「私もなのだ。 はじめチヅルは私に対してひどいことを言ってきたのだ。 でも今はそんなこと言わないし、 それにチヅルの根はとてもいい人なのだ。  だからこそ私はチヅルの過去を知りたいのだ!」


 全くこいつらは、 なぜこうもお人好みばかりなのだろうか。
 ああ、 きっとそれは俊の影響なのだろう。
 俊の奴。 口では私にひどいことを言いながら結局私から離れなかったしな~。
 まあきっと本人は、 無意識なのだろうけれど。


 「わかったわよ。 そこまで言うなら私の過去を話してあげる」


 結局私も相当なお人好しなのかしらね。
 まさか私に対してここまで真剣に思ってくれる人が俊以外に存在するとわね。
 全く本当に頭にくる連中よ。


 「チ、 チヅル様!」
 「わかってくれたのか!」
 「よかったのだ!」


 私がそう言うと三人は見るからに安堵したような表情をした。
 そんなに私が怖かったのかしら? それはそれで傷つくわね。


 「さてとまずは私と俊の出会いから話すわね」
 

 そして私は、 まず初めに私の小学生の頃の話を三人に向けて話した。
 またその時に私と俊が異世界から転生した存在だということもその事実を知らない人もいるため話した。
 三人は、 私の話を聞いて様々なリアクションをした。
 

 「シュン様は、 昔からお優しい方だったのですね」
 「さすがシュンだな。 やっぱりあいつは他の人間とは違うな!」
 「昔のシュン。 とってもカッコいいのだ!」
 「そうですね。ますます惚れ直してしましました。 こうしちゃいられません! 今すぐにでも俊さんと既成事実を……」
 「今何か言ったかしらルビー?」
 「いえ、 何も……って! そんなことより今千鶴さん私の名前を呼びましたよね!」
 「何よ。 文句あるの?」
 「いいえ! 逆です! とっても嬉しいです! だって今まで千鶴さん私の事名前で呼ぶどころか酷いあだ名でしか読んでこなかったじゃないですか!」
 

 ルビーの奴は私に名前を呼ばれたことがよほど嬉しかったのか私に抱き着いてきた。


 「ちょっと離れなさいよ!」
 「うへへへ。 嫌で~す」


 なんか俊がこいつのことを嫌う理由がわかった気がする。
 でもそれと同時に少し嬉しいという気持ちが沸き上がってきた。
 そう言えば学校時代でも仮初の友人はいたけど本物の友人と呼べる存在は俊しかいなかったし、 それに同性の友達はこれが初めてだからかしらね。
 

 「ええと。 それでチヅル様。 今の話がチヅル様がシュン様に対して依存理由なのでしょうか? これだけではチヅル様がそこまでシュン様に対して依存する理由がわからないのですが……」
 「そう結論を急ぐもんじゃないわよラピス」
 「では、 どうしてお前はそこまでシュンに依存しているんだ?」
 「それにシュンの性格が今と全然違うのだ!」
 

 全く全員せっかちね。


 「だからそう焦るんじゃないわよ。 私と俊の関係が決定的に変わったのは、 中学時代よ」


 そして私は四人に向けて私と俊の中学時代のことを語り始めた。  
 

  




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