俺の周りの女性は全員美少女なんだが必ず何か重大な欠点がある!

サクえもん

16話 血に渇いた幼女!

 俺は今、 吸血鬼の少女に血を吸われているのだが正直に言おう。
 全く痛くない!
 てか本当に血を吸われているのかわからないレベルである。
 幼女は、 俺の首筋に約十分ほどかぶりついていたのだが、 突然俺の首筋から口を離した。
 一体どうしたんだ?
 もしかしてお腹いっぱいとかか?


 「なんなのだ! この血は! 熱い! 体が熱いのだ!」


 そして幼女は艶めかしい声と放送事故レベルの顔で急にそんなことを言い出した。
 

 「そんなの当然よ。 だって俊の血だもの」
 「全くですね」


 なんでお前ら俺の血の味知ってるの? 
 てか俺の血って普通の人間の血のはずだよな?
 それなのになんでこいつらは、 さも俺の血は麻薬みたいな言い方してるの?


 「もっともっとお前の血をくれ!」
 「ああ、 別にいい……」
 「そんなのダメよ。 だって俊は血の一滴に至るまですべて私の物だもの」
 「ガキのくせに生意気です!」


 お前らは、 何処のジャイ〇ンとスネ〇だよ。


 「ああ、 血を! 血をもっとくれぇぇぇぇぇぇぇぇ!」


 そう言って血走った目で幼女は俺に襲い掛かってきた。
 なにこの子! 超怖い!
 俺は幼女を反射的に拳で殴ったのだがその時奴の頭を確実にふっとばしたはずなのだが、 幼女の頭はすぐに再生した。
 ええい! 最近の幼女は、 化け物か!


 「血ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
 「いい加減にしなさい! まな板!」
 

 千鶴はそう言うと幼女の首筋に一本の注射を打ち込んだ。
 そして幼女は、 それを打たれた瞬間寝てしまった。
 

 「なあ千鶴。 お前今何打ったんだ?」
 「睡眠薬よ。 本当は俊に使おうと思ってたんだけど、 さすがにこれ以上俊の血をこのまな板に上げたくないと感じたから仕方なく使ったのよ」
 「そうなのか……」


 あっぶね! こいつがいなかったら俺はこんな危険なものを千鶴に打ち込まれていたのか!
 千鶴の奴めこれを俺に打って俺が寝ている間にすごいことをするつもりだったんだろ!
 エロ同人みたいに! エロ同人みたいに!
 重要なことなので二度言わせていただきました!
 

 「それより俊さん。 その吸血鬼に噛みつかれた部分の血が止まっていないので治療するのでこちらに来てください」
 「そう言えば吸血鬼にかまれるとよく吸血鬼になるという話を聞いたことがあるんだがこの世界では違うのか?」
 「はい。 ただ吸血鬼にかまれるとしばらくの間性欲が強くなるそうですけど俊さんは、 何か影響ありますか?」
 「いや。 全くないな。 むしろ体が楽になったくらいだ」
 「それはよかったです! でも性欲だけは強くなって欲しかったですね! そして獣になった俊さんが私のことをめちゃくちゃに……」
 「お前に手を出すことなんて一生ねぇよ!」
 「だって俊は私一筋だものね!」 
 「そんなわけないだろ!」
 「あの~そろそろ治療してもよろしいでしょうか?
 「ああ、 頼む」


 俺がそう言った後ルビーは急に俺の首筋を舐めてきた。


 「てめぇ! いきなり何しやがる!」
 「はぁ~俊さんの血。 おいしいでふ~」


 こいつ俺の血を舐めやがったのか!


 「お前次真面目に治療しなかったら殺すぞ?」
 「いえ。 治療ならもう終わってますよ?」
 「は?」
 

 俺はルビーにそう言われ幼女にかまれた部分を確認したらそこに傷跡はなかった。


 「これは一体どういうことだ?」
 「実は私の唾液。 ありとあらゆる傷を治す効果があるんですよ」
 「よし! 今すぐ瓶の準備をしろ! そしてこいつの唾液を回復薬として売り出すぞ!」
 「さすがに唾液ばかりは嫌ですね」
 「良いからさっさと唾を吐け!」
 「わかりました!」


 そう言ってルビーは俺の顔めがけて唾を吐いてきた。


 「違うだろぉぉぉ! このハゲェェェェ! 瓶に吐くんだよ!」
 「そうだったんですか? てっきり私は俊さんが私の唾を浴びたいと思ったのですが。 それと私はハゲじゃありません!」
 「俺がお前の唾を浴びて興奮する変態なわけないだろ!」


 でもラピスさんの唾なら興奮するかも。


 「う、 う~ん」
 

 どうやら幼女の奴は、 目を覚ましたようだ。


 「私は一体何をしていたのだ?」
 「お前は俺の血を飲んだら急におかしくなったんだよ」
 「血? そうだ! 血だ! なあ! お前! 私の奴隷にならないか!」
 

 こいつ今なんて言った?


 「おいガキ。 てめぇ喧嘩うってんのか? 俺は基本女性には優しいがな。 いきなり奴隷になれと言いやがる輩には容赦しないようにしてるんだ」
 「そ、 そんなこと言わないでくれ! 私はもうお前なしでは生きてはいけないのだ!」


 なんかその言い方卑猥だな。
 もちろん俺の血なしでは生きていけないとは理解しているが、 さすがにな。
 それに幼女が言ってるのがさらにヤバい。
 俺の世界だったらそんな言葉警察に聞かれたら一発で警察に捕まる。


 「お前忘れたのか? 俺たちはお前を殺しに来たんだぞ? さっきは情けで血を飲ませてやったが、 こんな生意気なガキならむしろ死んでくれたほうがいい!」
 「ひっぐっ! そんなに強く言わなくてもいいじゃないかぁぁぁ! うわぁぁぁぁぁん!」


 幼女は俺に言われたことがよほどショックだったのか泣き出してしまった。
 俺は〇ョナサンと同じで本物の真摯を目指しているため、 女性の涙には弱い。
 その涙が例え子供でもお年寄りでもだ。


 「シュン様。 さすがに少し可哀そうではないでしょうか? それにこの吸血鬼。 どうやら邪悪な存在ではないようですし」
  「そんなことわかってますよ。 おい吸血鬼」
 「な、 なんなのだ?」
 「とりあえずお前に定期的に俺の血をくれてやる」
 「そ、 それは本当なのか!」
 「ああ、 ただし俺とお前は対等な関係だ。 いいか?」
 「わかったのだ!」
 「それとお前の名前は何と呼べばいい?」 
 「私の名前はエルザと言うのだ」
 「了解だ。 俺の事は俊と呼んでくれ」
 「わかったのだ」
 「俊? 何勝手に決めてるの?」 
 「そうですよ! 吸血鬼は危険な存在なんですよ!」
 

 どうやら千鶴とルビーは、 俺がエルザに血をあげることに反対のようだ。
 はあ~でもラピスさんは、 エルザを助けたいみたいだし、 俺も正直なところこいつを殺したいとはあまり思わない。
 

 「じゃあ、 お前らにも俺の血を定期的にやるから勘弁してくれ」
 「何してるのまな板! さっさと帰るわよ!」
 「早く立ってくださいクソガキ!」


 こ、 こいつらなんて変わり身の早さだ。
 てかこいつらは俺の血をどういった目的で使うつもりなんだ?


 「よかったですね。 エルザちゃん」
 「私は、 とりあえず助かったのか?」
 「ああ、 だから早く帰るぞエルザ」
 「わかったのだ! これからよろしくなのだ! シュン!」


 エルザは俺にそう元気よく返事すると俺の背中に飛び乗ってきた。
 全くこいつ自分では500歳とか言ってたが、 見た目通りまだまだ子供じゃないか。
 まあ、 子供のすることにいちいち腹を立てても仕方ないな。
 俺がそんなことを考えていると首筋にある違和感を感じた。
 それはエルザの奴がまた俺の血を吸っていたのだ。


 「お前! 俺の許可なく血を吸うなよ!」
 「チュー……」


 ダメだこいつ。 全く俺の言うことききやしない。
 結局俺は、 町に着くまでエルザに血を吸われ続けた。
 そして今はぐっすり眠っている。
 さすがの俺もそれだけ吸われ続ければ眩暈がしてきた。
 どうやらエルザの満腹の値は俺が気絶するギリギリのようだ。
 それとわかったことがあるのだが、 どうやら俺の血をエルザが一度吸うと満腹になると眠り、 満腹になる前に一度でも口を離したらあの血に狂ったバーサーカーの状態になるようだ。
 てかよくよく考えたら俺のパーティーメンバーって殺人鬼に、 変態に、 血に狂った幼女ってかなりひどいよね?
 はあ~正直言ってラピスさんこのパーティー入ってくれないかな。
 そうじゃないといづれ俺過労死しそうだ。



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