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職業執行者の俺、 天使と悪魔と契約して異世界を生き抜く!!(旧題: 漆黒の執行者)

サクえもん

五十五話 予感

 「これまた酷い状況だな……」
 

 玉座の間はルーとミカが互いに本気で殺しあったせいで見るも無残な状態にになっていた。


 「ファントム様。 アリシア様おはようございます。その様子ですと昨夜はお楽しみだったようですね」


 言い方がいちいち古いな。


 「リーゼお前最初からこうなること知っていたな?」
 「もちろんです」


 リーゼはそれはもう最高の笑顔でそう言ったのだが俺からすると本当にたまったものじゃない。


 「はぁ。 もう済んだことだからこれ以上は言わないが次からはこういうことはしないで欲しい」
 「ふふふ……それは私の機嫌次第ですかね」
 

 はぁ。 これ以上何を言っても無駄だな。
 これからはリーゼの言動にはもっと警戒しておかなくちゃな。
 

 「さてととりあえずこの状況どうするか」
 「その点については私が何とかしておく。 だからお前は今自分のなすべきことをしろ」
 「ありがとな。アリシア」
 「別に気にするな」
 「ファントム様。 ちょっとこっちに来てください」
 「ん? 別に構わないが?」


 俺はリーゼの元に近づくと


 「今度は私の事も愛してくださいね」


 などと言ってきた。


 「お前まさか!」
 「そのまさかですよ。 私だって本当は昨日愛してもらいたかったんですよ?」
 「お前あの豚王子に強姦されかけてたのによくそんな気持ちになれるな」
 「仕方ないじゃないですか。 あんな助け方されて惚れないほうが無理ですよ。 それに私だって人間なんですからやっぱり愛しい人との子供欲しいじゃないですか。 だからこの気持ちは自然なことなんです!」
 「いや、 でも……」
「そんなことよりも私があれほどアプローチをかけているのに気づかないなんて本当にファントム様は鈍感ですね」
 「お前わかっているのか? 俺には……」
 「当然理解しています。 ですから私はファントム様の愛人で構いません。 もしアリシア様にばれた場合はその時は私の事を躊躇いなく切ってくれて構いません」
 「俺が構うわ!」
 「それにファントム様は王様なんですよ? ですから別に奥さんを五人や六人とろうが問題ないんです。 まあでもアリシア様は嫉妬深いですからアリシア様並みに強い女性じゃないと奥さんは無理です。 ですがそんな女性そうそういません。 ですのでファントム様は愛人を作ればいいんです!」
 「それアリシアやルーたちにばれたら絶対殺されるだろ!」
 「ファントム様は不死身じゃないですか。 ですから大丈夫ですよ」
 「お前何気に結構酷いこと言ってるな!」
 「おい! さっきから二人で何を話している!」


 そう言うアリシアの表情は見るからに不機嫌そうだった。


 「別に何でもありませんよ。 ただの世間話です。 それよりもそろそろ日の出ですけどお時間の方は大丈夫なんですか?」
 「全然大丈夫じゃない! おいルー、 ミカ! 二人とも起きろ!」
 「あ、 おはようファントム」
 「もう朝なの?」
 「そうだ! だから早くワープを使ってくれ!」
 「了解よ」
 

 ルーはそう言うと少々けだるそうな様子でワープを使ってくれた。
 

 「それじゃあ俺もう行くから」
 「わかった。 それと......」
 「まだなにかあるのか?」
 「やっぱりなんでもない!」
 「そうか。 それじゃあな」
 

 俺はアリシアにそう返事を返すとワープで作られた穴に急いで飛び込み、 ミスティの屋敷の俺の部屋に戻った。
 

 「それじゃあルーとミカも自分の部屋に戻ってくれ」
 「その前にねぇファントム。 貴方からあの女の匂いが凄くするんだけど一体どういうこと?」
 「正直に答えて。 じゃないと殺すよ?」


 やっぱりこうなったか。


 「え~と実は……」


 そこから俺が二人が喧嘩している間に会ったことを包み隠さず話した。


 「ふ~ん。 私以外の女としたんだ……」
 「優にはお仕置きが必要……」
 

 そう言う二人の目からは光が感じられず、 まるで深淵を見ているようだった。


 「俺も今回ばかりは悪かったと思っている。 だから俺も甘んじてお前たちからお仕置きを受けよう」


 はあ。 一体今日はどんなお仕置きをされるのやら。
 ただでさえルーだけでも地獄レベルの苦痛だというのにそこにミカが加わると考える恐ろしさのあまり鳥肌が立ってきた。
 俺はそんなことを考えながら痛みが来るのをジッと待っていた。
 だがいつまで経っても痛みは襲ってこなかった。 


 「えっと二人ともどうかしたのか?」
 「さっきの言葉は冗談よ。 それに優は私達に正直に話してくれたもの。 だから今回は特別に許してあげる」
 「私も同意見。 流石に今回の件は優は悪くない。 悪いのは優の優しさに付け込んだあの女」
 「ははは……」


 どうやら俺は助かったらしい。


 「でもこれぐらいさせてね」
 「え?」


 俺が驚いている間にルーは俺の唇に自分の唇を押し付けてきた。


 「ん……これで許してあげる」
 「私ともしてもらう」
 「え、 ちょっと待……」


 ミカは俺の言葉には耳もかさず無理やり俺の舌に自分の舌を絡ませてきた。


 「んんんんんん!」


 俺は驚きのあまり叫びそうになったが口を塞がれているため結果的には呻き声になった。


 「はあ......ご馳走さま」
 「ちょ、 ちょっと! あんた何やってるのよ!」
 「キスしただけ」
 「それキスはキスでもディープな奴じゃない!」
 「私そんな言葉知らない」
 「嘘つきなさい!」


 は! イカン! 意識が半分飛んでた!
 てかそれよりもはやく二人を止めないと!
 それに服も着替えないといけないな。


 「お、 お前らそれ以上叫ぶな! ミスティが起きるだろうが!」
 「で、 でも……」
 「それとミカ。 祝福シリーズをくれ」
 「わかった」


 俺は装備を受け取ると急いでそれに着替えた。


 「よしこれで一通りは大丈夫だ。 さてと今日の予定だがルーとミカ。お前たちは全力でミスティ達を守れ」
 「それはどうして?」
 「それは唯の直感だよ」


 だが俺にはなぜかこの直感が重要な選択になるような気がした。


 「私は優の言うことならNTR以外なら従う」
 「お前相変わらず変な言葉だけは知ってるな」
 「ちょっと私無視して何勝手に話進めてるのよ!」
 「それは優があなたの事をどうでもいいと思ってるから」
 「そ、 そうなの?」
 「そんな不安そうな目をしなくても俺はお前のことを大事に思っているよ」
 「優……」
 「チッ。 もう少しで邪魔ものを排除できたのに」
 「やっぱりあんた殺す!」
 

 ルーがそう言うと二人は互いに大声で罵りあいはじめた。
 そんなことをしていたら当然……


 「ちょっとあんた達! 朝からうるさいわよ!」


 ミスティが起きるわな。
 俺はその状況にため息しか出なかった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「フン!」
「優大丈夫?」
「痛いなら私に言ってすぐに治してあげる」
「いや大丈夫……」


 あの後俺はミスティから顔に思い切りビンタをされた。
 そのせいで今の俺の顔にはミスティの手形がキレイに残っている。
 

 「あんた消したらわかってるわよね?」
 「わかってるよ。 だからそんな怖い顔しないでくれ。 折角朝の朝食の時間なんだからそんな怖い顔しないでくれ」
 「それはあんたのせいでしょ!」
 「仰る通りです……」
 

 そこから俺達は終始無言で朝食を済ませた。
 ただ朝食を終えてもミスティの機嫌は一向に欲ならなかった。


 「なぁいい加減許してくれないか?」
 「フン!」
 「そんな女放っておけばいいじゃない」
 「でもな……」
 「金髪の言う通り。 どんな理由であれそいつは優を殴った。 優を傷つけるものはみな死ぬべき」
 「なんなら私が消してあげましょうか?」
 「二人とも!」
 「冗談よ」
 「私は本気」
 「ついたわよ」


 ミスティが指さした先には大きな一本に木が立っていた。


 「デ、 デカいな」
 「さっさと行くわよ」
 「あ、 おい!」


 ミスティは俺の呼びかけにも止まらず一人入り口の前まで歩いってしまった。


 「これじゃあまるで最初の頃と同じだな」
 「それよりも早く私達も行きましょうよ」
 「いやルーとミカはここからは透明化してくれ」
 「それは何故?」
 「だってお前たちってもともと調査メンバーに入っていなかっただろう? そんな奴が流石に女王と謁見するのは不味いだろ」
 「それもそうね」
 「流石優」
 「ほらそれよりも早く」


 俺がそう急かすと二人は透明化してくれた。
 俺は二人が透明化するのを確認すると木の入り口に向かった。



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