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職業執行者の俺、 天使と悪魔と契約して異世界を生き抜く!!(旧題: 漆黒の執行者)

サクえもん

第二十四話 侵入

あれから時は経ち、 優は四人と夕食を終え、 自室に戻っていた。


 「ルー姿を現してくれ」


 優がそう声を上げるとルーは瞬時に姿を現した。


 「ふぅ。 ほんと姿消すのは疲れるわ」
 「悪い」
 「別に謝らなくていいわよ。 対価はきちんともらったのだから」
 「そう言ってくれると助かるよ」
 「それで今から行くの?」
 「ああ。 それでなんだが……」
 「言わなくても分かってるわよ。 私は、 優を城に転移させて、 その後はこの部屋の中で待機してればいいんでしょ?」
 「ルーにしては察しがいいじゃないか」
 「何か言った?」
 「い、 いえなんでもありません」
 「そう。 ならいいわ」
 「え、 えっとそれでなんだがもし俺に万が一の事があったらその時は呼ぶかもしれないからよろしく頼む」
 「優に何かあったらって、 優の強さは人間最強レベルなのよ? そんな優を何とかできる奴なんていないわよ」
 「何事も油断は禁物だからな。 一応言ってみたまでだ」
 「そう。 それじゃあとりあえず装備渡すわね」
 

 優はルーから装備を受け取ると慣れた手つきで着替えた。


 「よし。 これで終わり。 それじゃあルー。 転移の魔法を頼む」
 「わかったわ。 それとあの魔法は、 ワープっていうのよ」
 「そのままの名前だな」
 「魔法なんてそんなものでしょう?」
 「確かに」
 「今はそんなことは置いといて優。 少しこちらに来てくれるかしら?」
 「ん? なぜだ?」
 「ワープは、 自分が知っている場所にしか使えない魔法なの。 だから今から優の記憶を読み取って城の正確な位置とか知りたいからよ」
 「了解。 それで俺は、 何をすればいいんだ?」
 「とりあえず初めに城の中で優が転移したい場所について強くイメージして」
 「わかった」


 優にとって場所を正確にイメージすることは召喚魔術を何度もしている為造作もないことである。
 ただしルーが自身の額を引っ付けてきたため、 そのせいで多少の煩悩が生じてしまった為いつもほど正確にイメージすることはできなかった。 
 

 「よし。 優の記憶は、 無事読み取れたことだし、 発動させるわね」
 「よろしく頼む」
 

 優の返事にルーは無言で頷くとルーは、 部屋の中に巨大な穴を作り出した。


 「はい。終わり」
 「この中に入ればいいのか?」
 「そうよ」
 「了解。 それじゃあ後は頼んだぞ」
 「こっちは、 任せて優は自分のやりたい事をやってきて。 心配しなくても私は優のなんだから言われたことは完璧にこなしてみせるわ!」
 「それは心強い」


 優はそう言うと素顔を隠すための仮面をつけ、 穴の中に入った。


 ~~~~~~~~~~~


 穴に入ってから五分ほどたつと出口が見え、 優は穴の中から出た。


 「ふぅ。 ここに来るのも久しぶりだな」


 優が出口に選んだ場所。 それは自分たちが最初に召喚された場である玉座の間であった。


 「さてはじめるとするか」


 優は今回王を殺すのを少し急いでいた。
 それは革命軍が突入する日が自分と同じことと言うのもあり、 自分が殺したい相手を取られてしまう可能性があったからだ。


 「にしても王の奴どこにいるんだ? 寝室にでもいるのか?」
 

 優が顎に手を当て王の居場所を考えておると城の中にいる王派の兵が優の存在に気づき大量の兵を連れ、 優の周りを取り囲んだ。


 「貴様何者だ! 名を名乗れ!」
 「いいでしょう! 我が名は、 ファントム! この国の王を殺し、 この国を支配するものだ!」
 「何を世迷言を言っている! この状況が理解できていないのか!」
 「理解できていないのは、 あなたの方ではないのかな?」
 「な、 何を言っている! もういい!はやく全員でこいつを殺せ!」


 だがそんな言葉とは裏腹に動くものは誰一人いなかった。


 「ええい、 貴様ら何をしている! さっさと動かんか!」


 そんな兵達の様子に苛立ったのか男性は周りの兵を触ったのだがその瞬間兵の首は取れ、 体と首は地面に崩れ落ちた。


 「こ、 これは一体どういうことだ! 貴様何をした!」
 「特別なことは何も。 ただあなたが、 しゃべってる間に糸を使って殺したまでですよ」
 「そ、 そんな馬鹿な! ありえない!」
 「そんなことより逃げなくていいのですか? このままだとあなたもこの兵士たちと同じ目にあいますよ?」
 

 優のそんな笑みに男性は顔を青くし、 一目散に優から逃げようとした。


 「い、 嫌だぁぁぁ! 俺はまだ死にたくない! 俺はいずれこの国のトップになる男なんだぁぁぁ!」
 「はぁ醜い。 なんて醜いのでしょう。 そんなあなたを見ているだけで不快といった感情以外浮かんできません。 ですのであなたにはここで死んでもらいます」
 「あ、 あああああああああああああああああああああああ!」
 「安心してください。 楽には殺しません。腕や足を一本ずつ切り落として最大の苦痛を与えた後最後は首を撥ねて差し上げますから」
 

 もちろん優はそんな事をするつもりは一切なかった。
 ただ優の声が相手には本当にやるように思えたようで、 相手は完全に怖気づいてしまい、 恐怖のあまりズボンは尿によって濡れていた。
 

 「はぁ。 あなた本当にそれでも騎士なんですか? 少なくとも私の知っている騎士はそんなみっともなくないのですがね」


 優はそう言うと糸を使い男性の首を痛みすら感じさせることなく撥ねた。


 「さてと王の部屋はわからないから、 のんびり探すとするかねぇ」
 

 その言葉を最後に優は部屋を後にし、 王を探しに出かけた。


 ~~~~~~~~~~~


 「見~つけた」
 

 部屋を出た後優は五分ほど城の中を探し回った末王の寝室を発見した。
 その間何度も護衛の兵に遭遇したのだが、 優は見つけるたびに時間をかけることなく瞬時に首を撥ねた。
 その為城の壁や地面は兵士の血によって真っ赤に染まり、 地面には騎士の生首と胴体が転がっているというまさに地獄のような状況が広がっていた。


「にしてもやっとあいつを殺せると思うと最高の気分だよ」
 

 優はまるで無邪気な子供のような笑みを浮かべるとゆっくりと部屋の扉を開いた。


 「おお。 おお。 よく眠っていらっしゃる」


 王の寝顔はとても安らいだものであり、 今まさに国民達から反逆されているとは夢にも思っていない様子であった。
 

 「さてとそれじゃあ俺の復讐を返しするとしよう」


 優はそう言うと騎士の声を真似て王を起こすことにした。


 「国王様。 急ぎ伝えたいことがあります」
 

 優のその言葉に王は、 機嫌の悪そうな声を上げつつ目を覚ました。


 「なんだ。 今何時だと思っている。 その発言よほど重要な要件でなかった場合貴様は、 打ち首だ」
 「大丈夫ですよ。 なんたって今から打ち首になるのは、 貴方様の方なのですから」


 そう言うと優は王の首を掴み、 持ち上げた。


 「グッ・…… き、 貴様何者だ! お、 おい騎士たちよ! この賊を早くひっとらえろ!」
 「無駄ですよ。 兵は、 皆私が殺しましたから」
 「そ、 そんなわけないだろう! この城の中にいったいどれだけの兵がいるのか貴様にはわかっているのか!」
 「ええ。 もちろん。 今夜城にいるのは約一万人ですよね?」


 優のその言葉に王は、 顔を青くした。


 「捕捉しますとこの国の戦力は全体で五十万。 その中で王派の騎士達は二十万と言ったところですよね? 安心してください。 王派の騎士たちは今まさに革命軍と戦っていますから」
 「か、 革命軍?」
 「おやお知りにならないのですか? この国は今まさに革命されているんですよ?」
 「な!?」
 「ふふふ。 その表情を見るに本当に知らなかったようですね」
 

 優にはそんな王の絶望した表情が非常に愉快であり、 そのあまりの嬉しさに叫びいほどであった。


 「う、 嘘じゃ……そんなまさか……」
 「嘘じゃありませんよ。 それに国民が立ち上がろうと思うのも当然の事でしょう。 何せ貴方は不当に税金を上げ、 自身の快楽のために国民を苦しめ続けてきたのですから」
 「そ、 それは……」
 「因果応報ですよ。 ですからいい加減諦めてください」
 「クッソ! わしは死んでも諦めんぞ!」
 「そうですか」
 「そんな事よりも貴様の目的はなんだ! 見たところ主は革命軍ではないじゃろう!」
 「おや? それぐらいのことは流石に気づきますか」
 「御託はいい! さっさと言わぬか!」
 「いちいち偉そうですね。 でもまあ最後のわがままぐらい聞いてあげますよ。 私の目的は至ってシンプル。 この国を自分の支配下に置くこと。 そしてあなたと王子の命ですよ。 王子の方は、 あなたを殺してから向かいますけどね」


 因みにシアの母親はすでに死んでいる。
 その為優の殺戮のターゲットからは外れているのだが、 仮に生きていたとしたら優は、 オークの巣に放り込むつもりであった為ある意味死んでいて運がいいと言えた。


 「た、 頼む! どうかワシの命だけは助けてくれ! お前の望みはなんでもかなえる! 金か! 地位か! 名誉か! そのすべてを用意してもいい。 だからワシの命だけは、 助けてくれ」


 先ほどまで強がっていた王であったが自身の首を絞める力が次第に強くなっていっているのを感じ、 命乞いを始めた。


 「ふむ。 それじゃあ一つ質問に答えてくれますか?」
 「あ、 ああ。 なんでも答えよう」
 「あなたは、 なぜ第二王女ユリシアを殺そうとしたのですか?」
 

 その言葉に王は、 一瞬表情を固め、 次の瞬間顔を真っ赤にし叫び始めた。


 「な、 なぜ貴様がそれを知っている!」
 「口には気をつけてくださいね」


 その瞬間優は王の首を絞め上げるのを止め、 王の顔が自身の足の前に来たところで蹴りを放った。
 

 「ガッ!」
 「ほら早く質問に答えてくださいよ。 答えによってはあなたを見逃してもいいですから」
 「わ、 わかった。 い、 言うから! 言うからこれ以上殴らないでくれ!」
 「わかりました。 約束しましょう」
 「そ、 そうか」
 

 もちろんそんな約束優は守る気はなかった。
 だが王はそれに気づくことはなく、 安堵のため息をもらした。


 「ワ、 ワシがあいつを殺そうと思ったのは、 怖かったからなのだ。 自分の心を読まれることが。
 だからワシはあいつを殺した」


 この瞬間優の中で何かが切れた。


 「そんな理由でお前は殺したのか! それでもお前はあいつの親なのか!」
 「貴様には、 わからんだろうな! 他人に自分の心を読まれるということへの恐怖を!」
 「お前は、 一度でもユリシアに自分の心を読まないでと言ったのか?」
 「言っていない!」
 「彼女のことを信じようと思ったことはないのか! 自分の娘なんだろ!」
 「ない! そしてあんな化け物ワシの娘なんかじゃない!」
 「この屑野郎!」
 

 それから優は演技をすることも忘れただひたすら王を一方的に殴り続けた。


 「はぁはぁ……」


 王の顔は変形し、 見るも無残な姿と化しており、 その姿は王と言われなければわからないほどの物であった。


 「気持ち悪い」


 優は自身の手に残る他者の命を奪い取った感触を気持ち悪いとは思いつつも後悔することはなかった。


 「にしても少し感情的になりすぎたな。 次はもっとうまくやらないと……」


 優はそう呟くと王の死体を右手で引きずりながら王子のいる部屋を探し始めた。

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