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職業執行者の俺、 天使と悪魔と契約して異世界を生き抜く!!(旧題: 漆黒の執行者)

サクえもん

第十七話 武器屋

 鳥の鳴き声とともに優は目を覚ました。


 「あ……もう朝か……」
 「すぅ……」


 優の隣ではルーが気持ちよさそうな顔で寝息を立てていた。
 

 「はぁ……これが俗にいう朝ちゅんとかいうやつか? にしてもなんで俺こんなことしてるんだろう……」


 優は自嘲気味にそう呟いた。


 「う……う~ん……あれもう朝?」


 まだす少々寝ぼけた様子でルーは目を覚ました


 「おはようルー」
 「あ、 優。 おはよう。 それと昨日はありがとうね。 緊張している私を優しくリードしてくれて嬉しかったわよ。 それに後半からは優も私の事を求めてくれたし……」
 「お願いだからそういうこと言わないでくれ……恥ずかしさのあまり死にたくなる……」


 優の顔は羞恥心からか真っ赤であった。
 

 「ふふふ。 照れる優可愛い」
 「うっさい! そんなことよりこの状況速く何とかしないと……」


 ベットは昨日の優とルーの行為で生じたルーと血の優の精液でひどく汚れていた。
 シラサギではこういうことを目的としたホテルではない。
 その為優は早く証拠の隠滅を図りたかった。
 ただ一番の理由としては雪やシアに自分がこのようなことをしていたことを知られたくないからだった。
 

 「別にこんなの放っておけばいいじゃない。 この宿にはもう止まるわけじゃないのだから」
 「そういう問題じゃない!」
 「全く。 優は変なところで固いんだから」
 「ほっとけ! てかお前はさっさとベットから出て服を着ろ!」
 「フヒ!」


 ルーは不敵に笑った。
 

 「な、 なんだよその顔は!」
 「ねぇ優。 今の優の言葉は私に対してお願いしているわけよね?」
 「ん? まあそう……まさかお前……」
 「あら察しがいいわね」


 ルーは自分がベットからどく代わりに優に対してまた何かお願いを聞いてつもりだったのだ。


 「おいおい。 これぐらいの言うことも聞いてくれないのか?」
 「私は悪魔よ? 悪魔は昔から強欲なのよ。 だから人の弱みには付け込まないといけないでしょう?」
 「まるでそれが悪魔の指名みたいな言い方をするんじゃない!」
 「あら? 別に私はどかなくてもいいのよ? それで困るのは優だけなのだし」
 

 この言葉に優は自身の敗北を認めるほかなかった。


 「分かったよ。 それでお前は何を俺に望むんだ?」
 「そんなに嫌そうな顔しないでよ。 別にそんな難しいお願いじゃないんだから」
 「それなら早くいえ。 時間が押してるんだ」
 「もうせっかちなんだから」


 ルーは唇を可愛らしく前に出し不満そうな表情を見せた。
 優は不覚にもその表情に少しときめいてしまった。
 

 「優顔真っ赤だけど大丈夫?」
 「だ、 大丈夫だ!」
 「そう? それならいいけど……」


 まさか自分の表情に優がとときめいたとは微塵に思わないルーだった。
 

 「それで私のお願いだけど今度また昨夜みたいな事を私としましょう。 たったそれだけの簡単な御願いよ」
 「別に簡単なお願いではないような……」
 「それならどかな……」
 「ああ! 分かった! そのお願い聞くから!」
 「よし! これで言質もとれたわ!」




 ルーは自身の計画がうまくいったことに喜びを隠すことはできず、 今度は優とどのようなことをしようか妄想にふけった。


 「ふふふ……今夜が楽しみね」
 「今度って今夜の事かよ!」
 

 優がそう叫びをあげた後、 ルーは約束通りベットから降り、 体の汚れを落とすために風呂へと向かった。
 優はルーが風呂に入っている間創造魔術を使い、 ベットとシーツを作り出し、 汚したものについては消失魔法を使い跡形もなく消した。
 全ての後始末が終わったタイミングでルーが風呂から入り、 今度は優が自身の体の汚れを落とすために風呂へ入った。
 その後は装備をそよ風シリーズに着替え雪達の来訪を静かに待った。


~~~~~~~~~~~


 「優君。 朝だよ!」
 「優ちゃんお姉ちゃんが来たわよ!」
 「お兄ちゃん扉開けて!」
 「優さん。 朝です。 起きてるなら扉を開けてください」


 四人は優が準備を終えた十分後に来た。


 「じゃあルー。 夜まで姿を消しておいてくれ」
 「わかったわ」


 そう言うとルーは昨日と同じように再び姿を消した。
 

 「扉は開いてるから四人とも入ってきていいぞ!」
 

四人は優の返事を聞くと瞬時に入った。


 「「「「おはよう」」」」


 四人のその行動の速さに優は動揺を隠せなかった。


 「お、 おはよう。 ええと皆朝から元気だな」
 「そ、 そうかな?」
 「ねぇねぇ優ちゃん。 実はこの女昨日私たちの部屋で朝優ちゃんに話す内容をず……」
 「あ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
 

 雪は大声を上げた。


 「ちょっと雪様! うるさいじゃないですか!」
 「だ、 だってそれはお姉さんが……」
 「ん? 私がなんだって? それにあなたにお姉さんなんて呼ばれたくないんだけど?」
 「それよりもお兄ちゃんに早くお兄ちゃんに謝って。 きっとお兄ちゃんだって朝からあんな大きな声出されちゃ迷惑だと思ってから」
 「うう……優君ごめんね……」


 雪は胡桃の言葉がかなり心に刺さり、 非情に落ち込んでいた。


 「俺はたいして気にしてないよ。 だから雪もそんな悲しそうな顔しないでくれ。 こっちまで悲しくなるからさ」
 「優君……」


今の優と雪からはカップル特有の雰囲気が流れていた。
 それを心地よく思わない三人は話題をだし、 この空気の破壊に取り掛かった。   


 「そう言えば優さん! 今日の予定はどうしましょうか!」
 「それ私も知りたいな!」
 「お兄ちゃんの事だからもちろん決めてるよな!」
 「お、 おう……」


 三人の作戦は大声を出してムードをぶち壊しにするといった作戦であった。
 この作戦は功を奏し、 優と雪の間に流れる甘ったるい雰囲気は消えていた。
 このことに雪はジト目で三人を睨んだ。
 

 「ええと。 今日の日程だが初めに二チームに分かれて行動しようと思う」
 「二チームに分けるの?」
 「そうだ。 一つは、 ギルドで依頼をこなす組。 これは雪、 俺、 姉さんで行こうと思う。 もう一つは、 こことは別の宿をとり、 そのあと余った時間でこの世界から俺たちの世界に帰る方法を探す組だ。 これは、 シアと胡桃にお願いしたい」
 「人選の理由について教えてもらってもいいですか?」
 「そうだな。 理由としてまずギルド組の方だがこれは単独での戦闘ができる連中を集めった結果だな。 次にもう一つの方は、 単純にシアはこの町について詳しいからだ。 胡桃については、 真面目だし頭が俺なんかより全然いいからな。 一応胡桃の代わりに姉さんでもいいのだけれど姉さんの場合は一人にすると何か余計な事をしそうだからできれば俺が見える範囲に置いておきたい」
 「えへへ。 もう優ちゃんったら! そんなに私の事が見ていたいのね!」


 優の言葉を都合よく解釈した詩織に対し三人は冷たい視線を浴びせた。


 「理由は納得できました。 本当の事を言えば優さんとあまり離れたくないのですがそれは単なる私のわがままになってしまいます。 ですのでここは優さんの言うことを聞いてあげますよ」
 「悪いなシア」
 「胡桃もできる限り頑張って調べてくるから期待しててね」
 「ああ。 期待しているよ」
 「それじゃあ食事に行こうか」


 今日の朝食は、 パオともろこし汁と言ったものであった。 
 味としてはスープの方は優たちの世界で言うコーンスープの味と全く変わりなかった。
 朝食を取り終えた優たちは午後17時に冒険者ギルド前に集合の約束をし、 二手に分かれた。


 ~~~~~~~~~


 「二人共ちょっといいか?」
 「なあに?」
 「優君。 お姉ちゃんの胸に触りたいならいつでも触ってもいいのよ? それどころか揉みしだいてもいいのよ?」
 「そんなことするか!」
 「それじゃあ何? お姉ちゃんとホテルに行って『ピー』したいの?」
 「なあ姉さん。 いつから貴方はそんな変態になったんですか?」
 「優君。 この人元からこんな感じだよ?」
 「嘘だろう……」
 

 優は呆れた様子で詩織を見た。


 「もう! 優ちゃんったら! そんなに見つめられたら照れるじゃない!」
 「優君。 この人の事はもう放っておこう」
 「それがよさそうだな」
 「それで優君。 さっき何か言いかけてたけど何を言おうとしたの?」
 「ああ。 それはギルドに行く前に武器屋によってもいいかなって」
 「そう言えば優君の武器。 あの黒いカマキリと戦った時壊れてたもんね」
 「そうなんだよな。 結構あの短剣気にいってたんだけどな……」
 「それなら武器屋ではやっぱり短剣をまた買うの?」
 「いいや。 今度は弓に挑戦しようと思ってな」
 「なんで急に弓なの?」


 雪には優の意図が分からず不思議そうな顔で首を傾げた。


 「それはな。 俺の武器の中で遠距離攻撃の手段がないからだよ。 だから今のうちに少し練習しておこうと思ってな。 あ、 でも武器屋には俺一人で行くから雪達はギルドでいい依頼がないか探していてくれ。 それで選び終えたらこの場に戻ってきてくれ」
 「分かったよ」
 「えへへ。 優君……」」


 雪達と別れた後優は五分程度で武器屋を発見することができた。
 

 「すいません。 今この店やってますか?」


 武器屋の中には様々な武器が置かれていた。
 優が武器屋に入るとガタイのいい二十代くらいの男性が奥から出てきた。


 「ああ、 やってるぞ。 欲しい武器があったら俺に言ってくれ。 すぐに用意してやる」
 「それなら弓ってないですかね?」
 「弓ね。 弓っていっても中距離より用の弓もあれば遠距離用の弓があるからね。 あんちゃんはどういうのがいいんだい?」
 「そうですね。 俺が探しているのは、 どちらかというと遠距離用のものですかね」
 「わかった。 少し待ってろ」


 店主はそう言うと奥に入っていき、 数分後巨大な雪をもって戻ってきた。


 「これなんてどうだ? あんちゃん見るからに剣士もいける口だろ? これは、 破壊の弓って言ってな。 超遠距離からねらえて破壊力もすごいんだ。 ただしこの弓を扱うには弦を引く際相当な筋力が必要らしくてな。  今まで誰も使えた者がいねぇんだよ」
 「へぇ。 破壊の弓ですか」


 弓は少し古風なデザインをしており、 色もかなり落ち着いた色をしていた。


 「あの少し弦を引いてみていいですか?」
 「ああ、 いいぞ」


 俺は店主から許可を取ると弦を引いてみた。
 

 「ん!」
 

 弦を引くのには店主の言う通りかなりの筋力が必要であったがあくまでそれは人間基準であり、 六枚羽の契約者である優からすればたいしたことではなかった。


 「あんちゃんすげえな! まさかこの弓を使える奴が現れるとは思わなかったよ」
 「ん? そんなにすごいことか?」
 「そうだぜ! 一体こいつに今までどれほどの人間が挑戦してきたことか」
 「はぁ。 そうなんですか」


 優にとってそんなことどうでもよかった。


 「ええと。 とりあえずこれ欲しいんですけどいくらですか?」
 「そうだな普段なら金貨二十枚は取りたいとこなんだが今回は金貨十五枚にしといてやるよ。 それとその武器は、 使う矢が少々特別製でな。 矢の方は、 五十本で金貨一枚で売ってやるよ」
 「わかりました」


 優にとってこの出費はかなり痛かったが仕方がないことである。


 「毎度あり。 それと俺のことは、 ダストって呼んでくれ。 敬語も使わなくていいぞ」
 「わかった。 よろしくなダスト」
 「おう! それであんちゃんの名前は?」
 「ユウだ」
 「ユウか! いい名前じゃねぇか!」
 「そうか? まあともかく矢がなくなったらまたここに買いに来るかもしれないからその時はよろしくな」


 優はダストに別れを告げ店から出たのだが雪達が戻っている様子はなかった。
 -何か胸騒ぎがする
 優はそう思うと全力で走り冒険者ギルドに向かった。


 ~~~~~~~~~~~~~~~


 優が冒険者ギルドにつき中に入ると雪達は昨日ナンパしていた二人組に囲まれており、 迷惑そうな顔を浮かべていた。


 「昨日はよくも恥をかかせてくれたなぁ」
 「またあなたたちですか……」


 雪はため息をつき、 二人の事を哀れんだような目で見た。
 その事に二人は余計に怒りを増している様子だった。


 「てめぇ! なんだその目は!」
 「こいつら絶対泣かす! 冒険者ギルドの中で裸にひん向いてから犯してやる! たとえ泣き叫ぼうが絶対にやめねえからな! おい、 お前はどっちの子とやりたいんだ? 俺はポニーテイルのほうがいいな」
 「じゃあ俺は、 あの胸の大きいほうにするぜ」


 二人は下卑た視線を二人に向けた。
 優はその姿を見た瞬間頭が真っ白になり、 気づいたら二人組を殴っていた。


 「ゆ、 優君!?」
 「あ! 優ちゃん!」
 「……」


 優は完全に切れていた。
 その為雪達に何も言わず一瞥すると先ほど優の拳によって壁にめり込んだ二人の元にゆっくりと近づいた。


 「おい三下!  てめえら俺の大切な幼馴染と姉に向かってなんって言った!  生きて帰れると思うなよ! 体を全身バラバラにしてからモンスターの餌にしてやる!」


 優の言葉遣いはチンピラじみたものであり、 これでは優の方が悪者に見えそうであった。


 「ゆ、 優君。 少し落ち着いて」


 雪はそんな優の様子を見て必死に止めようとしていたのだが詩織はというと……


 「優ちゃんが私のために怒ってくれた。 もうこのまま死んでもいいかも」


 などと完全にメルヘンチックな思考に陥っていた。
 ただそのメルヘンチックな言動のおかげで優は元の冷静さを取り戻した。


 「すまん。 二人とも。 こんなことなら俺も一緒に来ればよかった」
 「ううん。 気にしないで。 それに優ちゃんはちゃんと私のこと助けてくれたし」


 雪は照れ半分恥ずかしさ半分と言った表情をしていた。
 詩織はというと先ほど優の言った言葉が余程嬉しかったのか未だ興奮収まらずといった状況であった。


 「これは何の騒ぎだ?」
 

 そう言ったのは髪は年の成果かなり白くなっている高齢の男性であった。

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