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職業執行者の俺、 天使と悪魔と契約して異世界を生き抜く!!(旧題: 漆黒の執行者)

サクえもん

十五話 変装

 「ねぇねぇそこのお姉さん方、 俺たちと一緒にパーティー組まない? 俺達強いから守ってあげるからさ」
 「すいません。 人を待っているので、 遠慮しておきます」
 「ええ~いいじゃん。 どうせそいつ弱いんだろ? それならCランクの俺達と組んだほうが安全だぜ?」
 

 ー今時こんなナンパするやつ実在してたんだな
 雪達は元々の世界でもよくナンパはされたことがあり、 優もその様子を結構目撃していたのだがここまで文章力が残念な輩にはあったことはなかった。 
 雪はナンパされている輩に一応は受け答えはしていたが、 顔の表情は困り果てていることが目に見えていた。
 雪以外の三人はというと相手が何を話しかけてきても相手にせず、 空気のように扱っていた。 


 「優君遅いわね」
 「本当にお兄ちゃんは何してるんだろう?」
 「もしかしてナンパでもしてるんじゃないですか? 先ほど見た時やけにあの受付嬢にご執心でしたし」
 「ふふふ……もしそれが本当なら後でお仕置きしなくちゃね……」


 -ヤバい。 そろそろ出ないと姉さんに確実にお仕置きされる……
  優は人ごみをかき分け、 四人の元に近づいた。 
  

 「四人とも待たせたな」


ーうわ~このセリフ恥ずかしい! 
 優は羞恥心で今にも死にそうな顔をしていたが四人はそれに気づかず優の元に駆け寄った。


 「優君!」
 「お帰りお兄ちゃん! 遅かったけどどうかしたの?」
 「それは……」
 「ナンパしてたんですか?」
 「違うわ! モンスターの素材を換金してたんだよ!」
 「そうだったのね! やっぱりそうよね! 優ちゃんが私以外の女に興味あるわけないものね!」
 

 -いや普通に興味あるけど?
 そう言いたかった優だがそんなことを言った暁には確実に詩織からお仕置きされるので黙っていた。
 ただナンパしてきた男たちにとって優たちの会話は唯いちゃついているカップルにしか見えず、 ユ優に絡み始めた。 


 「なんなんだ? お前? 今俺が、 話してんだろうが。 Fランクのザコ風情がでしゃばんじゃねえよ」
 「そうだよ。 お前みたいなやつは、 家に帰ってミルクでも飲んでな」
 「……ご愁傷様」
 「あ? 何言ってんだお前?」
 「頭沸いてんじゃんねぇのか?」
 

 チンピラ二人は優をからかって笑っていると突如猛烈なさっきに襲われた。
  

「すいません。 いい加減にしてくれませんか? じゃないとぶち殺しますよ?」


 雪を筆頭にそこには完全に切れた様子の四人が立っていた。
  

  「「ヒ、 ヒィ!」」


 チンピラは雪達の事が余程恐ろしかったのか情けない声を上げると走ってどこかに逃げ出した。
 

 「さて優君。 早くいこう?」
 「お、 おう」


  優の返事を聞くと雪は優の腕に抱き着いた。


 「あの雪さん。 これはどういうことでしょうか?」
 「まあまあ気になさらず」
 「いやいや。 気にせずには……」
 「き・に・せ・ず!」
 「はい……」


 雪のその有無を言わせない迫力に優は黙って頷く他なかった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 

 「なあ雪。 いい加減離してくれないか?」
 「ご、 ごめん!」
 

 そう言うと雪は優の腕から手を離した。


 「優君腕抑えてるけど痛いの?」
 「え? い、 イタクナイヨ。 ダイジョウブ。 ハハハ!」


 この言葉当然嘘である。
 雪は優の腕に抱きついている際の力は凄まじく優の腕からは軋むような音がしていた。 
 

 「ええと。 ひとまず四人とも無事か? あいつらに何かされてないか?」
 「うん。 私は大丈夫だよ」
 「てかあの二人組は、 いったい何なの? 雑種のくせに私の優ちゃんのことを馬鹿にするなんていい度胸してるわよね」
 「本当にね。 ああいう輩は、 ちゃんと駆除しなくちゃいけないよね」
 「そうですよ。 これは一度冒険者ギルドを見直さなくてはいけませんね。 そのついでであの二人も始末してしまいましょう」


 雪の怒りは先ほどの事で収まっている様子ではあったが三人の怒りはまだまだ収まる様子はなかった。
 

 「俺は、 別に気にしてないから。 そんなことより早く宿を探そうぜ」
 「わかった。 優ちゃんがそう言うなら我慢する」
 「私も、 お兄ちゃんがそう言うなら我慢するよ」
 「本当に優さんは、 お優しい方ですね」
 「俺は前から言ってるけど全然優しい人間じゃないよ」
 (ねぇねぇ優。 こいつらは何に怒っているの?)
 (別に大したことじゃないから気にしなくていいよ)
 (そう言われると余計気になるじゃない!)
 

 ルーはどうしても気になるようで何度も優に話すよう催促してきた。


 「教えて! 教えて! 教えて! 教えて! 教えて!)
 (ええい! 子供かお前は!)
 (教えて! 教えて! 教えて! 教えて! 教えて!)
 

 ルーの抵抗はすさまじく優は折れた。


 (わかった! 教える! 教えるから!)
 (じゃあ速く教えて)
 (変わり身早いな! まあいい。 それで雪達が話していた内容だけどただチンピラ二人が俺の事を馬鹿にした。 そんなつまらないどうでもいいはな……)
 (何それ! 超大事な話じゃない!)
 (どうしてそうなる!)
 (だって私の夫を馬鹿にしたのよ! そんな奴即死刑よ! し・け・い!)
 (おい! 冗談でもそんなことするなよ!)
 「優君さっきから表情がコロコロ変わっているけどどうかしたの? ダンジョンから出た時もそんな様子だったし、 もしかして体の調子悪いの?」


 ーこの状況は非常に不味い。 何とかごまかさなければ! 


 「大丈夫だよ! 俺は超健康体。 だから早く宿を探そうぜ!」
 

 優のその態度に雪はまだ不安そうにしていたが本人がそう言っているならという理由で深く踏み込んではこなかった。




 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 「はぁ。 手痛い出費だ……」


 あの後優たちは必死に宿を探した。
 だが今の時間帯にはすでに埋まっている宿が多く、 優たちは唯一空いていた一泊金貨10枚もする宿屋シラサギに泊まることにしたのだ。
 その際普通なら出費を抑える為全員同室にするところなのだが優は男女別の部屋をとった。
 これには当然理由があり、 優は今日の夜から自分の計画を始めようとしていたのだ。
 その時自分以外がいると一向に実行に移せない為、 男女別にしたのだ。


 「にしてもなんで雪達はあそこまで反抗したんだろう?」
 

 実は四人は優と部屋を別にすることに凄まじい勢いで反対してきた。
 だが優とて譲るわけにはいかず、 説得するのにかなりの時間を要した。
 ただ説得には応じたとは言え四人は不服で有ることには変わらず、 夕食の際優の事を無言で睨んでいた。


 「ルー出てきていいぞ」
 「わかったわ」


 ルーは透明化の魔法を解除すると優の目の前に現れた。
 優はルーが姿をあらわすと初めに謝罪の言葉から始めた。


 「すまんな。 色々面倒かけて」
 「別にいいわよ。 だって優の頼みだもの」


 ルーの態度はあっさりしたものであった。
 だがそんな表面とは裏腹に内心では狂喜乱舞しており、 今にも跳ね回りたい気分であった。


 「それで優は、 今夜どうするつもりなの? いきなり城を襲うの?」


 優は首を横に振っった。


 「いいや。 まだ城は襲わない。 何せ王の奴はまだ城に戻ってきていないからな。 俺が動くのは、 あのくそ野郎が戻ってきてからだ」
 「それなら今夜は何するつもりなの?」
 「今夜は、 とりあえずこの町で王の評判を調べようと思う」
 「その時私は何か手伝うことはある?」
 「ルー一つ聞くがお前って他人に変装することは可能か?」
 「可能よ。 それにその程度の事悪魔ならだれでもできるわ」
 「それならお前は、 俺に化けてここにいてくれ」
 「なんで?」
 「あの四人がもしかしたら俺の部屋に来るかもしれないからだよ。だからルーにはその時の対処を頼む。 もしごまかしきれない質問が来たら、 すぐに俺に連絡をしろ。 わかったな?」
 「了解よ。 それと私との約束忘れたわけじゃないでしょうね?」


 ルーの瞳が不敵に光った。 


 「もちろん覚えているよ。 とりあえず0時ぐらいには帰ってくるからそこから俺を好きにすればいい。 それとお前に預かってもらっている装備をくれ。 今から着替える」
 「わかったわ」


 ルーは優に装備を手渡した。
 優はルーから装備を受け取ると着替えようと裸になったのだがその様子をルーはじっと見つめていた。


 「なんだよ。 人の裸を見つめて」


 優は異性に自分の裸を見られたことなど当然ない。
 その為ルーに自分の裸をまじまじと見られることが非常に恥ずかしかった。


 「べ、 別に何でもないわよ?」
 

 ルーの眼は明らかに泳いでいた。
 優はルーが自身の裸に興味があるのだと気づきはしたが気にしても仕方がないことだと割り切ることにした。
 -この装備なんで俺にここまでフィットするんだろう? 
 優はルーの装備を着たことなど今まで着たことはない。
 それなのにも関わらず優は服を着た瞬間不思議にも懐かしいと感じた。
 

 「なあ。 お前って俺の服のサイズとか知ってたか?」
 「いいえ。 さすがの私もそこまでは知らないわよ。 それにその装備を私が作ったのは、 かなり前の事よ?」
 「そうなのか? にしては、 やけに体になじむもんでな」
 「気のせいじゃない?」
 「それもそうか」


 優はルーの言葉を信じ気にしないことにした。
 -そう言えば今の俺のステータスってどうなっているんだろう?
 優は自身のステータスが気になり、 一応確認してみることにした。


時坂 優 年齢 17歳 性別 男性 
レベル:75  職業:執行者
魔力:250000/250000
筋力:175000
防御力:153000
素早さ:5000000


 優のステータスは軽く人間の限界を超えていた。
 そそれだけではない。
 ダンジョンに入る前優のレベルは35だった。
 それが今では75という数字まで上がっていた。


 「な、 なぁルー。 俺のステータスどう思う?」
 「そうね。 まあこんなもんじゃない」
 「マジかよ……」
 「ねぇ。 そんなことよりスキルの方も見せてよ」
 「わかった」


 <アクティブスキル>
 創造魔術
 刻印魔術
 アクセル
 スモーク
 索敵
 スロウ
 ストップ
 マインドハック
 ダークワールド
 ハートブレイク
 必中
 ブラッドクロス
 <パッシブスキル>
 観察眼
 時魔法適正
 闇魔法適正
 消失魔法適正
 直感
 夜目
 大剣適正
 弓適正
 糸適正
 短剣適正
 弓適正
 直剣適性
 鎌適正
 銃適正
 投擲適正


 まず一目見ただけでスキルの数が圧倒的に増えていた。
 そして優はこの時始めて自分が武技を覚えていることを理解した。
 武器とは対照の武器を複数回使用することによって覚えられるものである。
 優はそのうち短剣と銃と糸に関係する武技を習得していた。


 「見たところ消失魔法って一つしか種類ないんだな」
 「そりゃそうよ。 だってあの魔法。 あれ以上強化のしようがないもの」
 「確かに」


 優はこの時一つの疑問が頭から出てきた。


 「そういえば俺ルーのステータスカード見たことないんだけど?」


  優はよくよく考えるとルーからステータスカードを見せてもらったことがなかった。
 その為今回自分のステータスカードを見せた際ルーは持っているの非常に気になったのである。


 「そんなものないわよ。 だってあれは神が自分の力がわからないっていう人間の姿を見て作ったものだもの。 だから天使や悪魔にはそんなものはないし、 もちろんモンスターにもないわよ」
 「それでお前は自分の使えるスキルはわかるのか?」
 「ええ、 当然よ」


 優はルーのその言葉に「そうか」と静かにつぶやいた。


  「さてこの話は終わりにして、 俺は今からあそこの窓から外に出ようと思う。 それでなんだがルーは俺が出た後窓を閉めておいてくれ。 それで俺が帰ってきたら連絡するからその時は開けてくれ」」
 「了解よ。 それと評判を調べるって言ってたけどどこで調べるつもりなの?」
 「酒場だよ。 この世界では、 酒場に基本情報屋がいるらしいし、 庶民の愚痴が聞こえるのはやはり酒を飲んだ時だろ」
 「ふ~ん。 わかったわ」
 「じゃあ行く前に、 クリエイト」


 優は自身の顔を隠すために純白の仮面を作り出した。
 これは優の素顔隠すために作ったものである。
 優の瞳は午後21時を過ぎると赤色に変色する。
 この赤色の目というのが重要で世間一般では赤色の目は契約者しかいないと言われている。
 その為もし自分の瞳がああい事がバレたらほぼ100%の確率で面倒ごとに巻き込まれる予感があった。
 なので優は仮面をつけ自身の姿をわからないようにした。


 「さてルー。 この姿の時の俺は名前を優ではなくファントムと呼べ」
 「いいけど。 なんでその名前なの?」
 「俺の世界ではちょっと有名な演劇が由来だよ」


 優の言う演劇とは言うまでもなくオペラ座の怪人である。
 優は仮面を作る際、 オペラ座の怪人の登場人物であるファントムがかぶっていた仮面をまねて作ったのだ。
 なので 「ここまできたら名前まで一緒にしてしまえ!」 という理由で自分の偽名を決めたのだ。
 



 「じゃあ俺はもう行くから後は頼んだぞ」
 「了解よ」


 優はルーの返事を聞くと窓から飛び出し、 外に出た。
 その際ルーは優の姿が消えるまで手を振っていた。 

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