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職業執行者の俺、 天使と悪魔と契約して異世界を生き抜く!!(旧題: 漆黒の執行者)

サクえもん

第一話 異世界

 目が覚めると優たちは城の中と思われる場所におり、 その場所は王が座ると思われる玉座が置かれていた。
 また地面には優が教室で見た奇妙な紋様が書かれていた。
 だが優はそんなことよりも雪や詩織たちの安否を気にしていた。 
 幸い三人はすぐ見つかり、 優は生死の確認をし、 三人ともただ気を失っているだけと確認ができ、 優はそのことに心底ほっとした。
 三人の無事を確認した優は次に周りの様子を確認することにした。


 「どうやら起きているのは俺だけのようだな」


 優がそう呟き、 正面を見るとそこには赤色の髪をした美しい女性が優の事を見詰めていた。


 「おや、 目が覚めたようですね。」


 そう言うと赤髪の女性は、 優の元に近づいてきた。


 「すいません。 私の言葉は通じていますか?」


  どうやら女性は優が返事をしないのが言葉を通じていないからだと思ったらしく、 何度もそう尋ねて来た。
 

 「まあ相手からしたら俺達は外国人ナのだし言葉が通じないと思っても不思議ではないよな」
 「あの……」
 「ああ、 すまん。 今のは独り言だ。 だから気にするな。 それとそちらの言っていることは理解しているから安心しろ」
 「それならよかったです。 無事勇者召喚は成功したのですね」


  そう言うと赤髪の女性はどこか安心したような表情を見せた。


 「さてと言葉も通じることだし少し質問してもいいか? それとついでに君の名前を教えてくれないか?」
 「質問は内容によりますが私が答えられる限りのことはお答えしましょう。 それと私のことはそうですね。 今はとりあえずシアとお呼びください優様」 


 この時優は何故かシアが自身ととても似たような存在であると感じていた。
 だがそんな事よりも優は自分で名前を名乗っていないのにも関わらず、 自分の名前を知っているシアの事を不審に思った。


 「そう警戒しないでください。 私があなたの名前を知っているのは、 それは私が相手の心と名前を知ることのできる魔眼を保持しているからですよ」


 そういってシアは自分の目を指さした。


 「なるほど。 魔眼ね。そんなものが仮にあるのだとしたら、 ここは異世界か何かか?」


 優がそう質問すると、 シアは丁寧な口調で質問に答えた。


 「そうですね。優様の言う通りここは皆様方からしたら異世界と呼ばれる場所で相違ありません。 この世界の話についてはのちにこの国の王から詳しく説明されますのでご安心ください」
 「わかったその言葉は信じよう。 それで次の質問だがシア。 お前は何者だ?」
 「それも後程説明があると思いますので、 その時まで楽しみにお待ちください。それと、ほかの皆さま方も目をさまし始めたようですよ?」


 シアがのその言葉は事実であり、 クラスの面々も続々と目を覚まし始めていた。


 「優君おはよう~」


 そんなどこか抜けたような挨拶とともに雪は目を覚ました。


 「ああ、 おはよう雪。 どこか体の異常はないか?」
 「うん。 大丈夫。何処も悪くないよ」
 「そうか。 ならいいんだ」
 「本当に優君は私のこととなると過保護だね」


 そういった雪は、 笑顔でまたどこか嬉しそうだった。
 優はそんな雪の笑顔に、 少しみとれてしまっっていた。


 「優ちゃん。 浮気は許さないよ?」
 「そうだよお兄ちゃん。浮気は、 即刻死刑なんだよ?」
 「何が浮気だよ。 第一俺たちは結婚できないだろ。 馬鹿な事言ってないで、 せっかく二人とも頭いいんだからこの状況についてどうすればよいかを考えてくれよ 」
 「「は~い」」


 そういって手を挙げた二人の姿は、 姉妹だけにとても似ていた。
 

 「あれ? そう言えばシアは?」
 「シアって誰?」
 「ん? 赤髪の女性なんだがさっきここまでいたんだけど……」
 「へぇ優君。 私が寝てる間に女の人と仲良くお話していたんだ……」
 

 そういう雪からは少し不穏な空気が流れ始めて、 雪は独り言をぶつぶつとい言い始めた。
 雪がそんな独り言を言っている間にも続々とクラスの面々は目を覚まし、 数分後には最後の一人が目を覚ました。 
 すると部屋の扉は開かれ、 そこから王都思われる人物と騎士の格好と思われる人物が部屋の中に入ってきた。
 王は部屋に入り、 玉座に座ると優たちの事を見回し始めた。


 「うむ。 どうやら全員無事目が覚めたようじゃな。 さてまずワシの名前から話すとするかのう。ワシの名前はグレゴリウス・アーククラフト。この国の王様じゃ。」


 この事実について優や詩織、 胡桃は大体予想していたためあまり驚きはしなかったが、 雪やほかのクラスメイトは驚きを隠せないでいた。


 「確かにいきなり王と言われて驚くのは仕方ないと思う。 またいきなりこちらの世界に連れてきたことは本当に申し訳ないと思っておる。 実はそなたたちにお願いがあってな。 こちらの勝手な都合だとは思うがどうかこの世界を救ってくれないか?」


 優はこの言葉にあまり興味を示さなかった。
 優にとってはこの世界がどうなろうか知ったことではない。
 優にとって何よりも重要なことは雪や詩織たちがこの世界でも安全に暮らせるかどうかということだけだった。
 そのため自ら雪達を死地に踏み込ませるような真似を優はさせる気はなく、 優はこの王の提案を無視するつもりであった。
 ただ王にはまだ話の続きがあるため、 優はとりあえず今は情報収集のためにも何も言わず聞きに徹していた。


 「この世界は、 ユグドラシルと呼ばれている。 この世界には魔王と呼ばれる存在がおり、 その魔王の手によってこの世界のさまざまな種族たちは、 今も魔王の恐怖に震えておる。 そこを、 勇者様たちには、 救ってほしいのだ。 もちろんただとはいかん。 もし魔王を打ち取ったものは願いを何でも一つだけかなえよう」
 「質問いいですか?」


 そういったのは、 クラス一のイケメン照山光だ。
 彼を一言で表すならまさしく聖人君子と言えるだろう。 
 彼は困っている人間は絶対に見捨てないのだ。
 そのため彼はクラスの女子の大半から恋愛感情を向けられている。
 普通そんな状況男子は嫉妬しないはずがないのだが、 そんなことはなくむしろ憧れとして見られている。
 しかし優だけは違った。
 優は彼の助けた人から何の見返りも求めない姿勢をひどく嫌悪していた。
 普通人間とは必ず何かしらに対価をもとめる。
 しかし彼の場合は一切対価や見返りを求めないのである。
 そのため優は彼と極力関わらないように普段すごしている。
  

 「王様は僕たちが魔王を倒したらなんでも願いを一つ叶えてくれると言いましだが、 もし僕たちが魔王を倒した暁には僕たちはその権利を使い、 僕たちが住んでた世界に帰ることは可能なんでしょうか?」


 優とて自分の世界に帰りたいとは思っている。
 そのためこの質問に対し、 優は初めて王の方を向いた。


 「可能じゃ。もしお前たちが魔王を倒したら汝らを、 必ず全員汝らの世界に返すことをこの世界の神に誓おう。」


 王のその言葉を優は間違いなく嘘だと感じていた。 
 根拠としてはまず神に誓うという言葉がとても嘘くさく、 王からは嘘つきな匂いを感じたからだ。
 詩織たちも優と同じ意見の為かアイコンタクトでそう訴えかけてきた。


 「わかりました。 僕はあなたの言葉を信じます。 それとみんな、早く魔王を倒して一緒に日本に帰ろう!」


 だが照山は優たちとは違い王の言葉を信用することにしたようだ。
 このことについて優は心底落胆した。
 優は口約束をあまり信用しない人間であり、 重要な約束をする場合契約書か何か結ばせる。
 内容に自分の命を懸けるのならばなおさらである。 それなのにも関わらず相手の甘く、 都合の良い言葉を信じるなど凶器の沙汰ではないと感じていた。
 だが優は照山と違い聖人君子などではない。
 そのためそんな忠告する気はなく、 クラスメイトがどこで野垂れ死のうが興味ないという姿勢を示した。
 



 「おお、 魔王討伐をしてくれるか! 本当にありがとう! では、まずそなたらには、ステータスについて説明せねばならぬな」


 優はステータスと言う言葉を聞き、 RPGゲームの画面を想像した。


 「では、 皆はじめにステータスオープンと言ってくれんか?そうすれば、自身のスキルなどが確認できるからのう」


そう言われ優は王の言葉にひとまず聞くことにし、 自分のステータスが強力であることを祈りながら


 「ステータスオープン」


 と口にした。
 すると一枚のカードの様な物が空中に現れ、 そのカードには文字や数字が刻まれていた。

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