転移したらダンジョンの下層だった

Gai

百九十四話質が上がっても

「・・・・・・相変わらず視線が集まるな」

「えっと・・・・・・私のせいでしょうか?」

「あぁーーーー、半分はそうかもしれないけど、もう半分は俺のせいだから気にする必要は無いぞ」

ウドモーキの街が保有するダンジョンに向かうソウスケ達はすれ違う人達にの視線を集めている。
主にミレアナが。

実力は神がソウスケに与えたスキルのお陰で実力は見た目以上だが、容姿が少し幼いためお世辞にも強くは見えない。
そんなソウスケの隣を歩くハイ・エルフのミレアナは殆どの男の目を奪う程の美貌を持ち、スタイルも抜群という傷が付いていない完全な玉。
それ程までの容姿とを持つミレアナが武器を持てば、自然と強そうという印象も与える。

「宿を出てから幸いにも未だ絡んでくる奴はいない。それは有難い事だ」

「そうですね。無駄な時間を過ごさずに済みます。ダンジョンを保有する街に在籍する冒険者ともなれば自然と質も上がるのかもしれませんね」

ミレアナとしては自身より本気を出したソウスケが強いと解っているので、すれ違う冒険者達がソウスケの強さを理解して、もしくは勘付いて絡んでこないのだ考えていた。

しかしソウスケの考えは全く違った。

(ミレアナの言う事は合ってはいるだろうな・・・・・・でも、だからと言って見た目が少し幼い俺の実力を見抜く、勘付く事が出来るかと言えばそうでない気がする。ただ俺の実力を判断するよりもミレアナの実力を判断する方が簡単だから、ミレアナの実力を感じ取って近づいてこないんだろう)

ミレアナの実力を感じてから、その仲間であるソウスケも見た目通りの実力では無いのではと思い始める。

そういった流れで自分の実力を周囲の冒険者達は判断しているのであろうとソウスケは思っていた。

「確かにそうかもしれないな。ダンジョンを一つ保有しているだけで街の経済力も変わる筈だ。そういった事もあって冒険者の戦力も上昇する。全員がそうなる訳では無いだろうけど、他の街と比べて色々な部分で一歩上にいっているかもしれないな」

(後は領主が愚鈍でなく有能な人物だから、そういう可能性もある)

どんなに優れた武器を持っていようと、持ち手が素人であれば真価を発揮する事は出来ない。
それはソウスケがこの世界に来る前に生きていた世界でも繰り返されている歴史。

「なんて話している内にダンジョンの手前に着いたけど・・・・・・・・・・・・何だこりゃ? ミレアナ、ダンジョンの入り口手前はこんなにも賑やかなのか? メインストリートより賑やかな気がするんだが」

「人族が管理するダンジョンに入った事が無いので分かりませんが、私もソウスケさんと同意意見です。賑やか・・・・・・と言うよりは騒がしい気がしますが」

入口の手前には野営の道具、武器、ポーション等のマジックアイテムを売る商人。
自分の特技などを口に出しながら売り込む冒険者。
逆に自身のパーティーに足りない役職を声に出して勧誘する冒険者パーティー。
そして自身の出来る事を折りの中から叫びながら目の前を通る冒険者に自身を売り込む、借金を返済して自由になりたい奴隷たち。

「確かに少し騒がしく感じるな。でも、こんな場所に来てまで商売をするなんて、商売根性逞しい事だな」

「ダンジョンのセーフティーエリアで商売をする商人の方もいるらしいですよ。上層に限るらしいですが」

「・・・・・・・・・・・・いやいやいや、十分に阿呆だろ。そんな所で売ってる商品なんて絶対に地上の二倍三倍の値段で売っているだろ」

普通に考えればぼったくり値段が、商品をそこまで無傷に持ってくるために必要な護衛費、帰る時の護衛費は地上での料金より高いためぼったくり値段にしなければ利益は出ない。

「まぁ、ある程度準備はしているから、何も買わず受け入れずに行くぞ」

「分かりました。他の冒険者と組むのは得策ではありませんからね」

周囲を気にせず二人はダンジョンの中に入ろうとしたが、周りの冒険者によって邪魔されることになる。

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