異世界を楽しみたい転生者
少年期[262]怒りを通り越して呆れ
完全に自身に殺意を向けて槍を突き出してくるローガスに対し、少し違和感は感じていたゼルートだが全くもって予想外の行動に反応が遅れてしまった。
(こいつ、今がどんな状況か分かっていないのか!? 私怨を爆発させてる時じゃないだろうが!!)
自分に反発的な言葉を発さずにいたが、それでも良い感情は持っていないとは分かっていた。
でもそれを何故今爆発させたのかゼルートは理解出来ない。
精神状態はおそらく正常では無い。体力や魔力を回復させても今の状態では戦線復帰させるのは無理だと判断したゼルートは槍を躱す為に上に跳び、右腕に溜めた雷の魔力を解放させる。
「寝てろ馬鹿野郎、スタンバースト」
「あががががががが!!!! ・・・・・・・・・・・・」
相手を痺れさせるスタンの一段階上の魔法を喰らったローガスは体から煙を上げながら前のめりに倒れてしまう。
「取りあえず壁際に置いてた方が良さそうだな」
右腕を掴み壁際まで引きずったゼルートは取りあえずルウナと変わってセフィーレをサポートしようと思った時、横からカネルに声を掛けられる。
「も、申し訳ありませんゼルート殿!! この戦いが終わったらローガスには私達から考えを変えるように矯正しますのでどうか、どうかあいつに一度だけチャンスを・・・・・・・・・・・・」
「いや、あの、そんな頭を下げなくても大丈夫ですよ。結果的に俺は怪我してないわけですから」
反応が遅れたとはいえローガスの突きが避けられない事は無く、掠り傷一つないゼルートは土下座しそうな勢いで謝って来るカネルに頭を上げるように頼む。
(あ~~~~~あれか、俺が子供の時決闘した貴族の子息をボコボコにして、その貴族の親から全財産決闘の報酬として奪ったのを知ってるんだよな。それならこういう態度になっても仕方がないか)
ゼルートとしては、今回の事に関してそこまで怒ってはいなかった。
今この状況で溜まりに溜まっていた黒い感情を爆発させるのはローガスにとって不本意な事だと思っており、きっかけが何なのかは分かっていないがどこかで押し込めていた負担が外れてしまったのだろうと判断した。
(なんというか・・・・・・今坊ちゃん貴族に抱いている感情は怒りじゃなくて呆れだ。正直怒る気は起きないし精々注意するぐらいか。俺じゃなく他の冒険者だったらブチ切れて半殺しにされるかもしれないし、そういった血の気の多い奴でなくても何かしらの責任問題に発展させて報酬以外に何か要求する可能性は十分にある筈だ)
後者の考えは実行しても良いのではとゼルートは一瞬思ったが直ぐに首を横に振って考えを捨てた。
(公爵家の次女であるセフィーレとそういう問題に発展させるのはな・・・・・・嫌な予感しかしない)
「取りあえずローガスの代わりに俺がサポートに入ります。戻れそうですかカネルさん?」
「はい!! ラル殿にポーションを頂いたので大丈夫です!!!」
空元気でない事を確認したゼルートはアレナとルウナに声を掛ける。
「アレナ!!! ルウナ!!! 俺とカネルさんとチェンジだ!!!」
「分かったわ!!」
「むぅ、中々に楽しめているが・・・・・・しょうがない」
ゼルートの声にアレナは素直に従うが、ルウナは渋々といった表情で交代する。
「さて、今回は完全にサポートだから剣とか素手で戦うのは止めておくか」
手加減していても、良いところに入ってしまえば万が一が有るのでゼルートはアイテムリングから鉄の硬貨が入った袋を取り出す。
「こいつなら急所に当たらない限り大丈夫なはずだ・・・・・・多分」
武器を硬貨に変えても、ついうっかりやってしまわないかという不安はゼルートの中から消えなかった。
(こいつ、今がどんな状況か分かっていないのか!? 私怨を爆発させてる時じゃないだろうが!!)
自分に反発的な言葉を発さずにいたが、それでも良い感情は持っていないとは分かっていた。
でもそれを何故今爆発させたのかゼルートは理解出来ない。
精神状態はおそらく正常では無い。体力や魔力を回復させても今の状態では戦線復帰させるのは無理だと判断したゼルートは槍を躱す為に上に跳び、右腕に溜めた雷の魔力を解放させる。
「寝てろ馬鹿野郎、スタンバースト」
「あががががががが!!!! ・・・・・・・・・・・・」
相手を痺れさせるスタンの一段階上の魔法を喰らったローガスは体から煙を上げながら前のめりに倒れてしまう。
「取りあえず壁際に置いてた方が良さそうだな」
右腕を掴み壁際まで引きずったゼルートは取りあえずルウナと変わってセフィーレをサポートしようと思った時、横からカネルに声を掛けられる。
「も、申し訳ありませんゼルート殿!! この戦いが終わったらローガスには私達から考えを変えるように矯正しますのでどうか、どうかあいつに一度だけチャンスを・・・・・・・・・・・・」
「いや、あの、そんな頭を下げなくても大丈夫ですよ。結果的に俺は怪我してないわけですから」
反応が遅れたとはいえローガスの突きが避けられない事は無く、掠り傷一つないゼルートは土下座しそうな勢いで謝って来るカネルに頭を上げるように頼む。
(あ~~~~~あれか、俺が子供の時決闘した貴族の子息をボコボコにして、その貴族の親から全財産決闘の報酬として奪ったのを知ってるんだよな。それならこういう態度になっても仕方がないか)
ゼルートとしては、今回の事に関してそこまで怒ってはいなかった。
今この状況で溜まりに溜まっていた黒い感情を爆発させるのはローガスにとって不本意な事だと思っており、きっかけが何なのかは分かっていないがどこかで押し込めていた負担が外れてしまったのだろうと判断した。
(なんというか・・・・・・今坊ちゃん貴族に抱いている感情は怒りじゃなくて呆れだ。正直怒る気は起きないし精々注意するぐらいか。俺じゃなく他の冒険者だったらブチ切れて半殺しにされるかもしれないし、そういった血の気の多い奴でなくても何かしらの責任問題に発展させて報酬以外に何か要求する可能性は十分にある筈だ)
後者の考えは実行しても良いのではとゼルートは一瞬思ったが直ぐに首を横に振って考えを捨てた。
(公爵家の次女であるセフィーレとそういう問題に発展させるのはな・・・・・・嫌な予感しかしない)
「取りあえずローガスの代わりに俺がサポートに入ります。戻れそうですかカネルさん?」
「はい!! ラル殿にポーションを頂いたので大丈夫です!!!」
空元気でない事を確認したゼルートはアレナとルウナに声を掛ける。
「アレナ!!! ルウナ!!! 俺とカネルさんとチェンジだ!!!」
「分かったわ!!」
「むぅ、中々に楽しめているが・・・・・・しょうがない」
ゼルートの声にアレナは素直に従うが、ルウナは渋々といった表情で交代する。
「さて、今回は完全にサポートだから剣とか素手で戦うのは止めておくか」
手加減していても、良いところに入ってしまえば万が一が有るのでゼルートはアイテムリングから鉄の硬貨が入った袋を取り出す。
「こいつなら急所に当たらない限り大丈夫なはずだ・・・・・・多分」
武器を硬貨に変えても、ついうっかりやってしまわないかという不安はゼルートの中から消えなかった。
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