異世界を楽しみたい転生者
少年期[251]それで納得するのか
夕食を終えたゼルートは結界石を発動してからテントの中へと入る。
「いよいよ明日、か・・・・・・」
「随分とテンションが低いわね。あなたなら三十層辺りのボス魔物でも後れを取る事は無い筈よ」
「それは分かってるよ。今まで格上とばかり摸擬戦してきたんだからな」
自身の今まで特訓相手になって来た雷竜、リザードマンの希少種、オーガの亜種。
それらと比べたら大した事は無い。
実際に三十階層のボスと何回も戦った事がある訳では無いが、ゼルートはそう確信していた。
(今までダンジョンの中で戦ってきた魔物の強さを考えて、三十階層でのボスがあいつら並みに強かったらバグとしか言いようがないな)
ゼルートの考えは間違っていない。ただ、世の中には三体の魔物程強くは無いが、三十階層でA、Bランクの魔物がボスのダンジョンも存在する。
そういったダンジョンは初心者には完全に不向きであり、一階層からE~Dランクの魔物が出て来るため利益は大きいがその分序盤からハイリスクを背負う事になる。
「そうね。なら・・・・・・心配しているのはセフィーレ様達の事かしら?」
「ああ、俺の予想通りボスの魔物がオーガジェネラルだった場合、力と耐久と狂化のスキルを考えるとな」
セフィーレは信じられない程の速さで強くなっている。ただ、それは技術面での話であり、正確に言えば強くなっているのではなく上手くなっている。
なのでレベルは少し上がってはいるが、力でオーガジェネラルに勝つのは不可能に近い。
大剣を扱うカネルもセフィーレよりは良い勝負を出来るかもしれないが、オーガジェネラルも身体強化のスキルを使う事が可能なので、はやり力で勝つ事は難しい。
「例えそうだとしても、ゼルートなら上手くサポートをする事は可能なんじゃないのか?」
「どうだろうな・・・・・・俺のサポートは完全に相手に傷を与える形になる。それが決定打になる事は無いけど。小さくは無い傷になる筈だ。てか、そもそもサポートが得意って訳じゃないからな。支援系のスキルを持っている訳でもないし」
確かに自分の攻撃ならばセフィーレ達がもろに攻撃を貰いそうになった時に、何かしらの方法で助けになる事が出来る。
(ただ、そういった方法でセフィーレさんが納得出来るかどうかが問題なんだよな。ミーユさんが過去に一人で倒す、もしくは同行した冒険者の助けを一切借りずに倒した。って感じだったら今回のボス戦に関して、助けは要らないって言いそうだな)
勿論、護衛依頼という名目で同行しているゼルートはセフィーレ達を死なせる様な真似は出来ない。
なので戦いの続行が不可能だと分かれば、ゼルートは速攻でボスの魔物を倒す。
「ただ、そうしたら護衛依頼は成功してもセフィーレさんの試練の方がな・・・・・・」
「ゼルート、随分とセフィーレ様の事が気になっているのね。もしかして惚れた?」
からかう様に問うアレナに対して、ゼルートは溜息を吐きながら答える。
「はぁーーーーー、んな事無いから。単純に良い人だから死んで欲しくないし、今回の試練も上手くいって欲しいんだよ」
「・・・・・・つまり美女に弱いと言う事か?」
「だからそうじゃないって言ってるだろ!!!!」
アレナに続いて自身をからかってくるルウナにゼルートは思わず大声で否定する。
しかし年上二人はそんなゼルートの様子が面白いのか小さく笑う。
聞き耳を立てているラルも、見た事が無かったゼルートの表情を見て驚いていた。
「たく・・・・・・もういいや。取りあえず今日はもう寝るぞ。それと、明日のボス戦でボス以外の魔物は俺達が全部倒す。異論はないよな」
「勿論よ」
「全くない」
「グルルル」
三人の笑みを浮かべながらの返答を見て安心したゼルートはベットに入り、布団を被って目を閉じた。
「いよいよ明日、か・・・・・・」
「随分とテンションが低いわね。あなたなら三十層辺りのボス魔物でも後れを取る事は無い筈よ」
「それは分かってるよ。今まで格上とばかり摸擬戦してきたんだからな」
自身の今まで特訓相手になって来た雷竜、リザードマンの希少種、オーガの亜種。
それらと比べたら大した事は無い。
実際に三十階層のボスと何回も戦った事がある訳では無いが、ゼルートはそう確信していた。
(今までダンジョンの中で戦ってきた魔物の強さを考えて、三十階層でのボスがあいつら並みに強かったらバグとしか言いようがないな)
ゼルートの考えは間違っていない。ただ、世の中には三体の魔物程強くは無いが、三十階層でA、Bランクの魔物がボスのダンジョンも存在する。
そういったダンジョンは初心者には完全に不向きであり、一階層からE~Dランクの魔物が出て来るため利益は大きいがその分序盤からハイリスクを背負う事になる。
「そうね。なら・・・・・・心配しているのはセフィーレ様達の事かしら?」
「ああ、俺の予想通りボスの魔物がオーガジェネラルだった場合、力と耐久と狂化のスキルを考えるとな」
セフィーレは信じられない程の速さで強くなっている。ただ、それは技術面での話であり、正確に言えば強くなっているのではなく上手くなっている。
なのでレベルは少し上がってはいるが、力でオーガジェネラルに勝つのは不可能に近い。
大剣を扱うカネルもセフィーレよりは良い勝負を出来るかもしれないが、オーガジェネラルも身体強化のスキルを使う事が可能なので、はやり力で勝つ事は難しい。
「例えそうだとしても、ゼルートなら上手くサポートをする事は可能なんじゃないのか?」
「どうだろうな・・・・・・俺のサポートは完全に相手に傷を与える形になる。それが決定打になる事は無いけど。小さくは無い傷になる筈だ。てか、そもそもサポートが得意って訳じゃないからな。支援系のスキルを持っている訳でもないし」
確かに自分の攻撃ならばセフィーレ達がもろに攻撃を貰いそうになった時に、何かしらの方法で助けになる事が出来る。
(ただ、そういった方法でセフィーレさんが納得出来るかどうかが問題なんだよな。ミーユさんが過去に一人で倒す、もしくは同行した冒険者の助けを一切借りずに倒した。って感じだったら今回のボス戦に関して、助けは要らないって言いそうだな)
勿論、護衛依頼という名目で同行しているゼルートはセフィーレ達を死なせる様な真似は出来ない。
なので戦いの続行が不可能だと分かれば、ゼルートは速攻でボスの魔物を倒す。
「ただ、そうしたら護衛依頼は成功してもセフィーレさんの試練の方がな・・・・・・」
「ゼルート、随分とセフィーレ様の事が気になっているのね。もしかして惚れた?」
からかう様に問うアレナに対して、ゼルートは溜息を吐きながら答える。
「はぁーーーーー、んな事無いから。単純に良い人だから死んで欲しくないし、今回の試練も上手くいって欲しいんだよ」
「・・・・・・つまり美女に弱いと言う事か?」
「だからそうじゃないって言ってるだろ!!!!」
アレナに続いて自身をからかってくるルウナにゼルートは思わず大声で否定する。
しかし年上二人はそんなゼルートの様子が面白いのか小さく笑う。
聞き耳を立てているラルも、見た事が無かったゼルートの表情を見て驚いていた。
「たく・・・・・・もういいや。取りあえず今日はもう寝るぞ。それと、明日のボス戦でボス以外の魔物は俺達が全部倒す。異論はないよな」
「勿論よ」
「全くない」
「グルルル」
三人の笑みを浮かべながらの返答を見て安心したゼルートはベットに入り、布団を被って目を閉じた。
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