〜幼馴染編〜7話

 旅からの学び(たびまな)  7話


 父さんは、驚きのあまり動きをとめた。


「リード。今、自分の剣に光が纏わっていたのが分かるか？」


「うん。オルデンのことを思い出したんだ。そうすると、いつのまにか剣が光に包まれていたんだ。」


「なるほど。それで、光の魔法が少し発動したんだな。光の魔法は、人のことを思い大切にする心に共鳴すると言われている。もしかしたら、オルデンが、リードを守ってくれているのかもしれないな。」


「うん。オルデン・・・。ありがとう。」


 僕は、オルデンに感謝の気持ちを込めて言った。これからも、人のために行動していこうと心に誓ったのだ。


「暗くなってきたな。今日は、ここまでにしよう。お風呂に入りな。準備しといてやる。」


「うん。ありがとう！」


 僕は、疲れを取るためにお風呂に入った。庭の方では、いつも通り父さんが薪を割っている。パカン、パカンという音は、聴き心地の良い音だ。なぜか、安心する。


 お風呂から出ると、母さんが作ってくれたご飯を食べてゆっくり休むことにした。お気に入りのゆりかごで、グッスリと寝てしまった。


次の日。この日は、師匠のところで修行だ。今日は、依頼をこなすことだったはず。どんな依頼だろうか。どんな依頼でも仲間とともに頑張ろう。
 仕度を済まし、丘の上にある師匠の家に行った。僕が一番だったようだ。
 師匠に昨日のことを話した。光の魔法のことだ。


「そうか。光の魔法が少し発動したんだな。人を思う気持ちに共鳴したのは確かだろう。リードの父さんが言うようにオルデンが守ってくれているかもな。」


「オルデンのことは忘れない絶対に！」


「リード。人を思う気持ち、思いやりの力はこれからも大切にするんだぞ。」


「思いやりの力！うん。分かったよ！」


 師匠と少し話し込んでいると、みんなが集まってきた。


「よし！みんな集まったな。今日は、依頼がある。村の外れに見たことのない魔物がいるらしい。その調査だ。討伐ではなく調査だ。」


 アクシスが、口を開いた。
「師匠、その魔物は危険でしょうか？どのような魔物か分かりますか？」


「詳しいことは分からない。だから、調査のみだ。」


 みんなは、気を引き締めた。久しぶりの依頼だ。最近は、修行や学習がメインだった。ドキドキする気持ちと、ワクワクする気持ちもある。
 ムドは、拳と拳を叩きあわせていた。リラは、杖を握りしめていた。


「準備はいいか行こう！」


 師匠の掛け声とともにドアを開け前に進んだ。村の外れとは、どこら辺のことなのだろうか。不安を抱きながら村の外に出た。村の外は、魔物が出るのだが、そこまで凶暴な魔物もいないため比較的に平和で安心感はある方だ。
 僕のお気に入りの場所も村の外にあるのだ。


 村を出て、しばらく歩いていると僕は見慣れている道に出た。あれ？もしかして、僕のお気に入りの場所の方に向かっていないか？このまま、もう少し歩いて登って行くと、見晴らしの良い丘の上にでる。間違いない、僕のお気に入り場所だ。


 この前来た時に感じた魔物のことなのかな？でも、そこまで危険な魔物のような感じはしなかったような？


「ここだ！」


 師匠が、みんなに知らせた。みんなは、魔物に対応できるように構えている。僕も剣を構えた。どんな魔物なのか気になっていたから、ちょうどいい。どんな魔物なのかな。


 草むらが、動いた。みんなに緊張が走った。ザワザワと草は揺れている。みんなで、少しずつ近寄って行く。草をかき分けて見てみるとそこには・・・。




つづく。