詩っぽいものたち

青野

泡沫の女王

幼いころ、私は女王だった
私は特別で
世界の中心は私で
全ては私のためにある
そう思っていた
なんのことはない、田舎娘が
家族からちやほやされて
ちょっとだけ勉強もできたからって
女王であり続けられるわけもなく
私は王冠をなくしてしまった
あの人の美貌に目が覚め
あの人の才能に打ちのめされ
ひとつまたひとつと特別が並になっていく
玉座でふんぞりかえった私はもういない

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