動物ブリーダーの僕が異世界でモンスターブリーダーとして活躍してるんだけど。

マナマナ

三十一話 悪の王vsデュポーン


「これは...」 
デュポーンは自分の主の姿に言葉を失ってしまった。

「あの犬は...死んではおらぬか。魔族もしっかり殺せている。だが、何故だ。主よ。なぜお前だけそんな姿になっておる。」

主の生命反応は消えたが、デュポーンは自分の勘だが、この謎の人物が主だということを悟った。

「貴様、何者だ。」
デュポーンの声に謎の人物は気づく。
「足りぬ…まだ、足りぬぞ。」
謎の人物はほとんど意識はないらしい。何かに操られているような感じだ。まだ力を扱いきれてないらしい。

「犬よ!死んだふりをしているんであれば我を手伝え!」
「げっ!なんで気づいたの?デュポーンさん?」
「お前がそんな簡単に死ぬか。それに、お前も主を助けたいだろ?」
「もちろんだよ。でも、どうすれば...」
「我が一騎打ちをする。主と。」
「え?まさか…」
「大丈夫だ。殺しはしない。ただあの禍々しいオーラを吹き飛ばすだけだ。」
「そんなことできるの?」
「見ていればわかる。」

デュポーンは体から光を発した。

「竜王」発動。

デュポーンの体から光が消えると、神々しい剣を片手に鎧をまとっていた。

「すごーい。なにそれー。」
「お前にも違うタイプがあるはずだ。いずれできる。」
「本当に?やったー!」
「あんまり気をぬくな。これからが本番だぞ。あの主は我とほぼ同等の力を持っている。だが、弱点が多い。」
「弱点?」
「魔力を大量に消費しすぎるのだ。我のこの姿も魔力を馬鹿みたいに使うからな。あまり使いたくないのだが、今日2度目だ。あまり長くは持たない。だが、主の方が魔力は少ないし、発動している時間も長い。精霊の力を借りていても持って後10分だろう。」
「だったら、隠れとけば...」
「この森が消えるぞ。」
「え?」
「今の主は主ではない。闇の王だ。まあ、魔王と似ている。」
「魔王…主って一体何者なんだろう。」
今まで一番近くにいたはずなのになにも分からなかった自分がコロはいやだった。
「何者でもない。あれは我らの主だからな。絶対に取り戻してみせる。」
「うん。頑張ろう。僕はなにをすればいい?」
「メイドを助けに行け。それだけだ。今のお前じゃついてこれないだろうからな。」
「リーエさんを迎えに行けばいいんだね?」
「ああ。多分あいつも主のことに気づいている。こっちに向かっているはずだ。」
「わかりました。行ってきます!」
コロはそう言ってリーエのいる方へ風の如く駆け出した。



「主よ。私が誰だかわかるか?」
「…し…らぬ。」
「お前に聞いているのではない。主に聞いているのだ。」
「…し…らぬ。」
「主を返してもらおう。闇の王よ。その鎧を我が破壊する。」
「シラヌ!」

デュポーンと謎の人物はお互いの剣を混じり合わせた。そのあとはもう誰にも見えない。彼らだけの世界だった。







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