漆黒王の英雄譚
第30話 謝罪と第四騎士団長
親父達の立ち去ったあとの部屋はとても静かだった。
「アシュレイ、エミリアのことは別に浮気とかそうゆうのじゃなくて、ほんとに偶然なんだ。別にアシュレイのことがどうでも良くなったとかじゃ··········」
アルトの言葉をアシュレイは静かに聞いている。
「いや、ただの言い訳だな。本当にごめんなさい。ついこの間も、今回もアシュレイの気持ちも考えず、本当にごめん」
アルトは頭を深く提げた。
「·····アルト君。頭を上げてこっちみて」
アシュレイの言葉にアルトは頭を上げ、アシュレイのことをじっと見つめる。
「別に謝って欲しいわけじゃないんだ。アルト君がどうしてエミリア皇女の所に言っていたのかは聞いたし、納得もしてる。けど、やっぱり不安になっちゃうよ·····わかってても、信じたいって思っててもまだどこかで信じられないところがあるの·····」
「アシュレイ·····」
「ごめんね。私、自分勝手なことばっかり言って、迷惑だよね」
「いや、そんなことない。俺がアシュレイに出会ってからの5年間はアシュレイのことは常に考えてたし、すぐに居なくなったことに申し訳なく思ってた。今まで自分勝手な行動をしてきたのは俺だ。だから、これからは一緒にいて欲しい。」
「信じていいんだよね?」
「ああ、もちろんだ。」
アルトはアシュレイと抱き合った。
そしてしばらくした頃「ごほんっ」と声が聞こえて俺達は慌てて離れた。
「私がいること忘れてないですか?」
「い、いや。忘れてないぞ。」
「もちろんよ、エミリア皇女様」
実際は2人とも互いに感傷に浸っていたので全然意識していなかったのだが、ここで忘れてましたなんて言ったら大変なことになりそうなので、そういった2人であった。
「それでエミリア皇女はアルトのことが好きなんだよね」
「ええ、もちろんです。心の底から慕っていますとも」
「私達が婚約してるのも知ってると思うけど」
「ええ、それもついさっきまであんなに抱き合ってたら嫌でも認識させられますね」
「ううっ」
あまりの恥ずかしさにアルトとアシュレイは顔を赤くする。
「そ、それは置いておいて!わかったわ。とりあえず私エミリア皇女様とお話がしてみたいの。申し訳ないのだけど、アルト君は少し出ていってもらってもいいかしら?」
「え?俺出てかなきゃ行けないの?」
「お願い!女の子二人だけで話したいのよ」
「わかった。それじゃあ俺は外に出てる。2人で話し合って欲しい。けどくれぐれも喧嘩だけはやめてくれ。2人のそんなところは見たくないから」
「もちろんですよ、アルト君。私がアシュレイ様と喧嘩なんて絶対しません」
「もちろんよ。私もしないと約束するわ」
「ありがとう。」
アルトは部屋の外に出る。
「けど、2人で何を話すんだろ。」
少し気になるが盗み聞きをするのは気が引けるのでやめた。
「さて、どうするか。久し振りにオスカーの所に……いや、あいつも王族だしいろいろとあるか。どこ行こうかな。暇だから騎士団の訓練場にでも行くか。」
アルトが騎士団本部へ出向くと、何やら騒がしい。
受付へ向かうとよく受付にいる騎士団員がいた。
名前はたしかクロードだったはずだ。
「たしかクロードさんだっけ?どうしたの?こんな忙しそうにして。」
「あ、こんにちは、アルベルト様。それはそうでしょう。一応秘密裏とはいえ、リュシュトベルト皇帝陛下とそのご令嬢がいらっしゃてるんですから。騎士団は大忙しなんです。ところでアルベルト様は本日はいかがしたのですか?」
「いや、王城に来てたんだけどちょっと時間ができたから遊びに来たんだ。ところでなんで俺が様付けで呼ばれてるんです?」
「騎士団本部は十歳の子が遊びに来るような場所ではないと思うんですが。それと様付けなのはアルベルト様が戦争をおわらせ、その大本を解決した英雄だからですよ。それに副団長のご子息でもありますからね。騎士団上層部でもすでにアルベルト様のことは副団長、団長クラスの重鎮扱いが決まってますよ。副団長は気にしすぎだと言ってましたけどね。ところで、サインもらえます?」
「まじか~、じゃあ俺はどこに向かってるんだろうな。ちなみにサインはない。なんで必要なんだよ。ところでなんかおもしろいことない?それ目当てで来たんだけど。」
「面白いことなんてありませんよ。あるわけないじゃないですか。ここ騎士団本部ですよ?あ、それとも第一騎士団名物のワイバーン狩りでもしますか?あと、サインが欲しいのは私じゃなくて私の甥です。」
「お前な、一応重鎮である俺にワイバーン狩りなんて危ないことさせんなよ。その甥っ子は何歳なの?」
「え、エルヴィン副団長も、アルペリーニ団長もたまに行きますよ。その日はごちそうです。ワイバーン肉うまいんすよ。甥っ子は今年で六歳になります。」
「確かにワイバーンの肉はうまいよな。今日の夕飯はワイバーンのステーキにするか。仕方がないな、サインしてやるから、あとで紙持って来いよ。」
「今日の夕飯招待してくださいよ。とりあえず部屋に案内しますんで、待っててください。」
「招待しないからな。あ、ちょっと!…聞かずに行きやがった。」
部屋に置いてけぼりにされた俺はソファに座り、待っているとまたクロードが来た。
「お待たせしました。これサインお願いします。それと第四騎士団団長のステラ・ツーベルグ様が用事があると言ってましたよ。」
「…お前あほか?サインよりまずそれだろ。案内しろ。」
「はい」
あほの頭をはたいて案内させ、第四騎士団長のいる部屋にきた。
「アシュレイ、エミリアのことは別に浮気とかそうゆうのじゃなくて、ほんとに偶然なんだ。別にアシュレイのことがどうでも良くなったとかじゃ··········」
アルトの言葉をアシュレイは静かに聞いている。
「いや、ただの言い訳だな。本当にごめんなさい。ついこの間も、今回もアシュレイの気持ちも考えず、本当にごめん」
アルトは頭を深く提げた。
「·····アルト君。頭を上げてこっちみて」
アシュレイの言葉にアルトは頭を上げ、アシュレイのことをじっと見つめる。
「別に謝って欲しいわけじゃないんだ。アルト君がどうしてエミリア皇女の所に言っていたのかは聞いたし、納得もしてる。けど、やっぱり不安になっちゃうよ·····わかってても、信じたいって思っててもまだどこかで信じられないところがあるの·····」
「アシュレイ·····」
「ごめんね。私、自分勝手なことばっかり言って、迷惑だよね」
「いや、そんなことない。俺がアシュレイに出会ってからの5年間はアシュレイのことは常に考えてたし、すぐに居なくなったことに申し訳なく思ってた。今まで自分勝手な行動をしてきたのは俺だ。だから、これからは一緒にいて欲しい。」
「信じていいんだよね?」
「ああ、もちろんだ。」
アルトはアシュレイと抱き合った。
そしてしばらくした頃「ごほんっ」と声が聞こえて俺達は慌てて離れた。
「私がいること忘れてないですか?」
「い、いや。忘れてないぞ。」
「もちろんよ、エミリア皇女様」
実際は2人とも互いに感傷に浸っていたので全然意識していなかったのだが、ここで忘れてましたなんて言ったら大変なことになりそうなので、そういった2人であった。
「それでエミリア皇女はアルトのことが好きなんだよね」
「ええ、もちろんです。心の底から慕っていますとも」
「私達が婚約してるのも知ってると思うけど」
「ええ、それもついさっきまであんなに抱き合ってたら嫌でも認識させられますね」
「ううっ」
あまりの恥ずかしさにアルトとアシュレイは顔を赤くする。
「そ、それは置いておいて!わかったわ。とりあえず私エミリア皇女様とお話がしてみたいの。申し訳ないのだけど、アルト君は少し出ていってもらってもいいかしら?」
「え?俺出てかなきゃ行けないの?」
「お願い!女の子二人だけで話したいのよ」
「わかった。それじゃあ俺は外に出てる。2人で話し合って欲しい。けどくれぐれも喧嘩だけはやめてくれ。2人のそんなところは見たくないから」
「もちろんですよ、アルト君。私がアシュレイ様と喧嘩なんて絶対しません」
「もちろんよ。私もしないと約束するわ」
「ありがとう。」
アルトは部屋の外に出る。
「けど、2人で何を話すんだろ。」
少し気になるが盗み聞きをするのは気が引けるのでやめた。
「さて、どうするか。久し振りにオスカーの所に……いや、あいつも王族だしいろいろとあるか。どこ行こうかな。暇だから騎士団の訓練場にでも行くか。」
アルトが騎士団本部へ出向くと、何やら騒がしい。
受付へ向かうとよく受付にいる騎士団員がいた。
名前はたしかクロードだったはずだ。
「たしかクロードさんだっけ?どうしたの?こんな忙しそうにして。」
「あ、こんにちは、アルベルト様。それはそうでしょう。一応秘密裏とはいえ、リュシュトベルト皇帝陛下とそのご令嬢がいらっしゃてるんですから。騎士団は大忙しなんです。ところでアルベルト様は本日はいかがしたのですか?」
「いや、王城に来てたんだけどちょっと時間ができたから遊びに来たんだ。ところでなんで俺が様付けで呼ばれてるんです?」
「騎士団本部は十歳の子が遊びに来るような場所ではないと思うんですが。それと様付けなのはアルベルト様が戦争をおわらせ、その大本を解決した英雄だからですよ。それに副団長のご子息でもありますからね。騎士団上層部でもすでにアルベルト様のことは副団長、団長クラスの重鎮扱いが決まってますよ。副団長は気にしすぎだと言ってましたけどね。ところで、サインもらえます?」
「まじか~、じゃあ俺はどこに向かってるんだろうな。ちなみにサインはない。なんで必要なんだよ。ところでなんかおもしろいことない?それ目当てで来たんだけど。」
「面白いことなんてありませんよ。あるわけないじゃないですか。ここ騎士団本部ですよ?あ、それとも第一騎士団名物のワイバーン狩りでもしますか?あと、サインが欲しいのは私じゃなくて私の甥です。」
「お前な、一応重鎮である俺にワイバーン狩りなんて危ないことさせんなよ。その甥っ子は何歳なの?」
「え、エルヴィン副団長も、アルペリーニ団長もたまに行きますよ。その日はごちそうです。ワイバーン肉うまいんすよ。甥っ子は今年で六歳になります。」
「確かにワイバーンの肉はうまいよな。今日の夕飯はワイバーンのステーキにするか。仕方がないな、サインしてやるから、あとで紙持って来いよ。」
「今日の夕飯招待してくださいよ。とりあえず部屋に案内しますんで、待っててください。」
「招待しないからな。あ、ちょっと!…聞かずに行きやがった。」
部屋に置いてけぼりにされた俺はソファに座り、待っているとまたクロードが来た。
「お待たせしました。これサインお願いします。それと第四騎士団団長のステラ・ツーベルグ様が用事があると言ってましたよ。」
「…お前あほか?サインよりまずそれだろ。案内しろ。」
「はい」
あほの頭をはたいて案内させ、第四騎士団長のいる部屋にきた。
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