漆黒王の英雄譚
第29話 アルト裁判
アドミレアによって引き戻されたアルベルトは全員の視線を浴びていた。
(こんな辛い視線はいつぶりだろうか)
もちろん殆どは説明を求める視線だが、中には若干殺気がこもっていたり、冷たい視線があったりしている。
「それではまず何故このようになったのか、マスターから説明していただきます。」
何故かこの場を仕切っているアドミレアに話のタスキを渡される。
「・・・はい、まず俺が旅に出て・・・・・・」
そこからアルベルト容疑者の裁判が始まった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
事の始まりは2年くらい前だ。
時期で言ったらガムストロ王国がガムストロ帝国と名を改めた頃だな。
当時俺は南西側から東側に回っていてちょうどリュシュトベルト帝国にいた。
旅を続けるにはお金が必要だ。主な収入源はここ3年ほどで台等して来たユリウス商会。
もちろん俺が作った商会。今のところ回った国に拠点を置いてある商会だ。
そしてこの国ではもう1つ・・・というか慈善事業というか、そんな感じの収入源があった。それは俺が皇帝陛下である、ウォルフォードさんの依頼を処理してその報酬としてお金をもらったり、物をもらったりしているのだ。
ウォルフォードさんがなぜ俺を知っているのかと言うと、帝都に来て次の日の夜にバレた。
街の中で襲われていた人がいたから助けたらウォルフォードさんで、どうやら俺の事を覚えていたみたいでバレたのだ。
それからたまに依頼を受けている。何度か帝国貴族にならないか?とか、直轄の騎士団に入れとか、色々言われたが、全部断わったのでウォルフォードさんも諦めてくれた。
そんなわけで1週間に何度か城を歩いているわけだ。城にいるのだからもちろん、エミリア様にもすれ違う。最初はバレないように慎重に行動していたが、そんなことが長く続く訳もなく、帝都に来て1ヶ月ほどでバレた。それからはウォルフォードさんの依頼をこなしながら、エミリア様に魔法や剣技などを教えながら帝都に来て2ヶ月ほど経った頃には何故かエミリア様は俺の事を好きになっていた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「という訳です。」
俺が説明し終わると、全員がため息をつく。
「お前は何をやってるんだか、それでどうするつもりだ?」
「どうするって?」
「エミリア王女はお前のことが好きなんだろ?」
「うーん、どうしたらいいんだろう」
この世界では一夫多妻は普通にあるし、むしろそれが勧められている傾向すらある。俺は別にそれが嫌なわけではないし、どちらもかなり可愛いのでその二人に囲まれて生活するなんてありがたいものだ。親父たちももしエミリアが王国貴族の娘であったのなら許可したのだろうが、そのエミリアは他国のお姫様なのだ。これは国際問題に発達しかねない。親父や国王陛下のみで「ああ、わかった。いいよ」などと言えないのだ。
「俺はエミリアとアルトの結婚はかまわないと思っているよ」
まさかのウォルフォード陛下は許可を出した。
「ただし、三人でよく話し合ってから決めなさい。」
「っ!!」
三人…それは事の中心人物である俺とエミリア、そして今の話合いの中ずっと下を向いていたアシュレイのことだ。
「はい…」
「それではアルトよ、私たちは国のトップとしての会議があるから退出させてもらうよ。この部屋で十分に話し合うといい。」
ハドルフさんがそういうと俺たち三人を残して全員が部屋から出て行ってしまった。
(こんな辛い視線はいつぶりだろうか)
もちろん殆どは説明を求める視線だが、中には若干殺気がこもっていたり、冷たい視線があったりしている。
「それではまず何故このようになったのか、マスターから説明していただきます。」
何故かこの場を仕切っているアドミレアに話のタスキを渡される。
「・・・はい、まず俺が旅に出て・・・・・・」
そこからアルベルト容疑者の裁判が始まった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
事の始まりは2年くらい前だ。
時期で言ったらガムストロ王国がガムストロ帝国と名を改めた頃だな。
当時俺は南西側から東側に回っていてちょうどリュシュトベルト帝国にいた。
旅を続けるにはお金が必要だ。主な収入源はここ3年ほどで台等して来たユリウス商会。
もちろん俺が作った商会。今のところ回った国に拠点を置いてある商会だ。
そしてこの国ではもう1つ・・・というか慈善事業というか、そんな感じの収入源があった。それは俺が皇帝陛下である、ウォルフォードさんの依頼を処理してその報酬としてお金をもらったり、物をもらったりしているのだ。
ウォルフォードさんがなぜ俺を知っているのかと言うと、帝都に来て次の日の夜にバレた。
街の中で襲われていた人がいたから助けたらウォルフォードさんで、どうやら俺の事を覚えていたみたいでバレたのだ。
それからたまに依頼を受けている。何度か帝国貴族にならないか?とか、直轄の騎士団に入れとか、色々言われたが、全部断わったのでウォルフォードさんも諦めてくれた。
そんなわけで1週間に何度か城を歩いているわけだ。城にいるのだからもちろん、エミリア様にもすれ違う。最初はバレないように慎重に行動していたが、そんなことが長く続く訳もなく、帝都に来て1ヶ月ほどでバレた。それからはウォルフォードさんの依頼をこなしながら、エミリア様に魔法や剣技などを教えながら帝都に来て2ヶ月ほど経った頃には何故かエミリア様は俺の事を好きになっていた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「という訳です。」
俺が説明し終わると、全員がため息をつく。
「お前は何をやってるんだか、それでどうするつもりだ?」
「どうするって?」
「エミリア王女はお前のことが好きなんだろ?」
「うーん、どうしたらいいんだろう」
この世界では一夫多妻は普通にあるし、むしろそれが勧められている傾向すらある。俺は別にそれが嫌なわけではないし、どちらもかなり可愛いのでその二人に囲まれて生活するなんてありがたいものだ。親父たちももしエミリアが王国貴族の娘であったのなら許可したのだろうが、そのエミリアは他国のお姫様なのだ。これは国際問題に発達しかねない。親父や国王陛下のみで「ああ、わかった。いいよ」などと言えないのだ。
「俺はエミリアとアルトの結婚はかまわないと思っているよ」
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「っ!!」
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「はい…」
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