漆黒王の英雄譚
第26話 秘密
「全部アルト君にあげよう!」
「はい?」
突然何を言い出すかと思えばそんなことを言い出した。
「すみません、何をくれるんですか?」
「何って、ガムストロの領地とか」
「いやいやいやいや、何を言ってるんですか?俺貴族でも王族でも無いんですよ?」
「それなら大丈夫さ。既に国の会議でアルト君に騎士職、もしくは貴族の爵位を与えることが決定している」
「いや聞いてません」
「だって今言ったからね」
「・・・・・・」
え?待ってこの人こんなキャラだったっけ?
「しかしハドルフ、アルトはまだ10歳なんだぞ?領地を持つには早いし、俺としては子供に無理をさせたくないんだよな」
「親父・・・」
親父が俺の将来のことをこんなにも思っていてくれてたなんて・・・・・・
「いや、けどアルトなら大丈夫か?」
前言撤回・・・こいつやっぱりクソ親父だ。
「だろ?やっぱりそれがいいんじゃないかな?」
「なるほど、確かにそれならばいいかもしれませんが・・・他国が許可を出すでしょうか」
「そ、そうですよ。他の国がいいと言うわけがありませんって」
「リュシュトベルト帝国ならば大丈夫だと思います」
「アドミレア?!」
ここで突然の裏切りアドミレア。
「ん?どうしてだい?」
「それは・・・」
「ストップ!アドミレア、余計なことは言わなくていい。特に何も無いですよ。アドミレアの勘違いです」
「しかしマスター。リュシュトベルトには多くの貸しがあるじゃないですか。」
「貸し?どういうことだい?」
不味い不味い。やばい方向に話が進んでいる!
「アドミレア、辞めるんだ」
「実は旅の途中何度もリュシュトベルトによっているんです」
「アドミレア・・・」
「そこで何度も魔物から街を守ったり、街の闇を葬り去ったりしていたのでかなりの貸しがあるはずです。確かお金もその頃は有り余るほどあったので受け取っていないはずですし」
「なるほどそれはいい情報だ」
くそぉ、ダメだった。しかし珍しいな。アドミレアが俺の言葉に背くなんて。
「それにあの方の件も・・・」
「アドミレア、まじでそれはやめろ!!」
「う、はい」
マジで危なかった。あのことを言われたらどんなことになるか・・・・・・
「まあ、あの方の件というのも気になるが・・・あとは金でなんとかなるか?」
「んな簡単には・・・」
「はい、実際多くの国が小国が多いのと戦争によって疲弊している国が多いはずです。資金でなんとかなるでしょう」
「ば、馬鹿な・・・」
この時完全にアルトは戦意を無くした。
「よし、それじゃあそれで決定だね。」
「しかし領土にしては大き過ぎませんか?ガムストロの領土は占領していた分も合わせて大陸の3分の1もあります。この大陸は広いですからかなり大変なことになりますよ。」
「確かにそうだな。それにアルト君が助けた王族の件もある。それに関しては要話し合いが必要だな。」
「別にいいんですよ?領土なんて」
「気にするな。何とかするさ。」
いや、そういうことじゃないんだが・・・・・・
「それじゃあ今日はありがとう。とりあえず話は終わりだよ。アルト君は何かあるかい?」
「そうですね・・・そう言えば学院のことってどうしましょう」
「ああ、そうだ。お前に言い忘れてたな。正直これから飛び入りで学院に通うことは無理だ。」
「やっぱりか・・・」
「実を言うと今学院は休校になってるんだよ。理由は戦争をしていたから。だから今年の入学式はまだやっていないんだ。今のところ再開は一ヶ月後の予定なんだ。そしてその一ヶ月後にちょうど編入試験が開催される。」
「編入試験ですか?」
「そう。うちの学院は2年前からある制度を作ってね。目的は才能の発見さ。元々うちの学院は貴族や商人などのある程度のお金を持っている人や権力を持っている人が通う場所だったんだ。けどこれからは平民からも才能を見つけたくてね。2年前から平民も入学できる制度を作ったんだ。場所は同じで学院内では身分は表しては行けないことになっている。2年前から生徒は増えたよ。けど住んでいる場所などの事情によって入学試験に間に合わなかった平民やまあ、諸事情で入学試験を受けることが出来なかった貴族の子息にチャンスの場として編入試験が行われることになった。試験は普通の試験よりは難しいがアルト君なら問題ないと思う。どうだい?受けるかい?」
「もちろんです。受けさせてもらいますよ」
「分かった。その手続きはしておこう。」
「ありがとうございます」
良かった良かった。同年代で俺だけ通ってませんとか悲しすぎだからな。
「他にはあるかい?」
「いえ、特にはありません。ありがとうございました」
「こっちこそ来てもらって悪かったね。」
「いえいえ、それでは失礼します。」
「それじゃあ俺も退室させてもらうよ。それじゃあ、後でな。」
「ああ、」
俺とアドミレア、親父は部屋から出る。
「アルト、俺はこれから第一の本部に戻るがお前はどうする?」
「屋敷に帰るよ。まだやることがあるからな」
「そうか、たまにはこっちの屋敷にも帰ってこいよ。エルザ達が会いたがってる」
「はいよ」
俺とアドミレアは親父と別れて王城を出る。
「さてアドミレア」
「はい」
「お前どういうつもりだ?」
「すみません。あの時は自分でもおかしくなってました。マスターが王になれると聞いてピキーンと来るものがあって・・・」
「おま、あのなぁ。」
「だってマスターが一国の王になるのですよ!興奮しないわけないじゃないですか!」
「はあ、もういいよ。正直するつもりは無いんだけどな。」
「しかしあの方々もそうですし、アシュレイさんには言わなくていいんですか?あの事」
「うっ、それは・・・まあ、そのうちな」
「あーあ、アシュレイさん可哀想。自分の知らないところで旦那が女作ってるなんて知ったら」
「人聞きの悪いことを言うな!別にあいつとはそういう仲じゃねぇよ。」
「けどあの子だってそのつもりじゃないですか?」
「いや、それは・・・」
「マスターの女癖悪いですからね」
「だから人聞きの悪いことを言うな!」
秘密を抱えるアルトであった。
「はい?」
突然何を言い出すかと思えばそんなことを言い出した。
「すみません、何をくれるんですか?」
「何って、ガムストロの領地とか」
「いやいやいやいや、何を言ってるんですか?俺貴族でも王族でも無いんですよ?」
「それなら大丈夫さ。既に国の会議でアルト君に騎士職、もしくは貴族の爵位を与えることが決定している」
「いや聞いてません」
「だって今言ったからね」
「・・・・・・」
え?待ってこの人こんなキャラだったっけ?
「しかしハドルフ、アルトはまだ10歳なんだぞ?領地を持つには早いし、俺としては子供に無理をさせたくないんだよな」
「親父・・・」
親父が俺の将来のことをこんなにも思っていてくれてたなんて・・・・・・
「いや、けどアルトなら大丈夫か?」
前言撤回・・・こいつやっぱりクソ親父だ。
「だろ?やっぱりそれがいいんじゃないかな?」
「なるほど、確かにそれならばいいかもしれませんが・・・他国が許可を出すでしょうか」
「そ、そうですよ。他の国がいいと言うわけがありませんって」
「リュシュトベルト帝国ならば大丈夫だと思います」
「アドミレア?!」
ここで突然の裏切りアドミレア。
「ん?どうしてだい?」
「それは・・・」
「ストップ!アドミレア、余計なことは言わなくていい。特に何も無いですよ。アドミレアの勘違いです」
「しかしマスター。リュシュトベルトには多くの貸しがあるじゃないですか。」
「貸し?どういうことだい?」
不味い不味い。やばい方向に話が進んでいる!
「アドミレア、辞めるんだ」
「実は旅の途中何度もリュシュトベルトによっているんです」
「アドミレア・・・」
「そこで何度も魔物から街を守ったり、街の闇を葬り去ったりしていたのでかなりの貸しがあるはずです。確かお金もその頃は有り余るほどあったので受け取っていないはずですし」
「なるほどそれはいい情報だ」
くそぉ、ダメだった。しかし珍しいな。アドミレアが俺の言葉に背くなんて。
「それにあの方の件も・・・」
「アドミレア、まじでそれはやめろ!!」
「う、はい」
マジで危なかった。あのことを言われたらどんなことになるか・・・・・・
「まあ、あの方の件というのも気になるが・・・あとは金でなんとかなるか?」
「んな簡単には・・・」
「はい、実際多くの国が小国が多いのと戦争によって疲弊している国が多いはずです。資金でなんとかなるでしょう」
「ば、馬鹿な・・・」
この時完全にアルトは戦意を無くした。
「よし、それじゃあそれで決定だね。」
「しかし領土にしては大き過ぎませんか?ガムストロの領土は占領していた分も合わせて大陸の3分の1もあります。この大陸は広いですからかなり大変なことになりますよ。」
「確かにそうだな。それにアルト君が助けた王族の件もある。それに関しては要話し合いが必要だな。」
「別にいいんですよ?領土なんて」
「気にするな。何とかするさ。」
いや、そういうことじゃないんだが・・・・・・
「それじゃあ今日はありがとう。とりあえず話は終わりだよ。アルト君は何かあるかい?」
「そうですね・・・そう言えば学院のことってどうしましょう」
「ああ、そうだ。お前に言い忘れてたな。正直これから飛び入りで学院に通うことは無理だ。」
「やっぱりか・・・」
「実を言うと今学院は休校になってるんだよ。理由は戦争をしていたから。だから今年の入学式はまだやっていないんだ。今のところ再開は一ヶ月後の予定なんだ。そしてその一ヶ月後にちょうど編入試験が開催される。」
「編入試験ですか?」
「そう。うちの学院は2年前からある制度を作ってね。目的は才能の発見さ。元々うちの学院は貴族や商人などのある程度のお金を持っている人や権力を持っている人が通う場所だったんだ。けどこれからは平民からも才能を見つけたくてね。2年前から平民も入学できる制度を作ったんだ。場所は同じで学院内では身分は表しては行けないことになっている。2年前から生徒は増えたよ。けど住んでいる場所などの事情によって入学試験に間に合わなかった平民やまあ、諸事情で入学試験を受けることが出来なかった貴族の子息にチャンスの場として編入試験が行われることになった。試験は普通の試験よりは難しいがアルト君なら問題ないと思う。どうだい?受けるかい?」
「もちろんです。受けさせてもらいますよ」
「分かった。その手続きはしておこう。」
「ありがとうございます」
良かった良かった。同年代で俺だけ通ってませんとか悲しすぎだからな。
「他にはあるかい?」
「いえ、特にはありません。ありがとうございました」
「こっちこそ来てもらって悪かったね。」
「いえいえ、それでは失礼します。」
「それじゃあ俺も退室させてもらうよ。それじゃあ、後でな。」
「ああ、」
俺とアドミレア、親父は部屋から出る。
「アルト、俺はこれから第一の本部に戻るがお前はどうする?」
「屋敷に帰るよ。まだやることがあるからな」
「そうか、たまにはこっちの屋敷にも帰ってこいよ。エルザ達が会いたがってる」
「はいよ」
俺とアドミレアは親父と別れて王城を出る。
「さてアドミレア」
「はい」
「お前どういうつもりだ?」
「すみません。あの時は自分でもおかしくなってました。マスターが王になれると聞いてピキーンと来るものがあって・・・」
「おま、あのなぁ。」
「だってマスターが一国の王になるのですよ!興奮しないわけないじゃないですか!」
「はあ、もういいよ。正直するつもりは無いんだけどな。」
「しかしあの方々もそうですし、アシュレイさんには言わなくていいんですか?あの事」
「うっ、それは・・・まあ、そのうちな」
「あーあ、アシュレイさん可哀想。自分の知らないところで旦那が女作ってるなんて知ったら」
「人聞きの悪いことを言うな!別にあいつとはそういう仲じゃねぇよ。」
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