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漆黒王の英雄譚

夜叉神

第21話 因縁の対決

【強欲】のエキューデ。姿形は違うが5年前感じた気配と魔力、そして発言からそうなのだと分かった。

「さて、俺は神の使徒としてお前のことを倒す。こっちは人数が多いからな。今のうちに倒させてもらうよ」

アルトがそう言うとアドミレア達はそれぞれ武器を構えた。


「貴様を合わせて9人か。確かに私が不利ですね。それではこうしましょう」

エキューデが手を挙げて、何かを呟いた。
すると遥か遠い所から・・・と言っても周りを囲んでいる森や山から複数、いや何万にも及ぶ気配が向かってくるのを感じた。

「何をした!」

「なに、近くにいた魔獣共を呼んだだけだ。な?簡単だろ?」

既に近くにいた魔獣達によって戦場は囲まれていた。


「だいたい10万ほどか。即席にしては随分と集まったものだ。さて、これで10万対9人だが、どうする?」

「ちっ・・・」

先程までの数の有利が全く無意味になった。


「おい、8人で10万相手できるか?」

「少々難しいですが・・・何とかなるかならないか・・・ギリギリのところですね」

「そうか・・・」

1国を相手に余裕の力がある奴らでも10万対はきついものがあるか。確かに魔獣はピンキリだ。冒険者ギルドでSランクと呼ばれる超危険な魔物からFランクの低級の魔物までバラバラ。

「俺がアイツを倒すまででいい。出来るだけ数を減らしてくれ。終わったら加勢する。大丈夫か?」

「マスターこそ大丈夫なんですか?」

「俺は問題ない、それよりどうなんだ?」

「旦那、俺らを舐めてもらっちゃ困るぜ。」

「そうなのじゃ。妾達は主によって集められた最強の仲間じゃ。」

「信用して欲しいっすね」

「お前達・・・」

そうだ。仲間を信用しろ。

「じゃあ命令だ。敵軍10万。殲滅しろ!」

『了解!』

それぞれが全力でその場から動き始めたか。

「あなたもかなり惨いことをしますね。さすがに無理じゃないですか?」

「まあ不安はあるが・・・あれでも俺が集めた最強のメンバーだ。問題ない。それよりも始めようか」

「そうですね。五年ぶりのリベンジマッチ。あの時は油断しましたが今回は最初から全力で行きますよ!」

「それはこっちも同じだ!!」


互いに当時に動き始めた。

「神器召喚!破壊の剛腕!」

アルトの腕にガントレットが召喚される。先程とは込めている魔力が桁違いな為ガントレットから放たれる力も桁以外だ。


互いに拳を振り上げ殴りつけた。互いが互いの拳を殴り競り合いとなる。


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


「おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

しかし決着はつかず互いに距離を取って次の行動に移った。

「神器召喚!オディルグングニル!」

投擲用の神槍オディルグングニルが召喚された。

「貫き滅せ!グングニル!」

それを勢いをつけて思いっきり投げつけた。それはいとも簡単に音速を超える視認できない速度となった。しかし相手は使徒だ。それをジャンプして避けた。

「はずさねぇよ!」

グングニルはぐにゃりと軌道を変え飛び跳ねた状態のエキューデに向かっていく。

「めんどくさいですね!」

エキューデは空中でグングニルを避けると同時にグングニルを掴み、膝を使ってへし折った。

「神器折った!」

「さて、次は私から行きますよ!【断絶】!」

エキューデが手刀を作り上段から振り下ろす。
アルトは嫌な予感を感じたので受け止めるのを辞め横に飛び退いた。突如大きな亀裂が地面に生み出されそれは終わりが見えないほどだった。

「なんつぅ攻撃だよ」

「余所見をしている暇はありませんよ!」

アルトが亀裂を見ているとすぐさま近づき同じ技を放つ。

「やべっ!」

それを前に転がって避ける。しかし姿勢は崩れたままだ。直ぐにエキューデが次の攻撃をしてくる。

「いい加減に・・・しろ!」

何度も避けている最中にある程度の呼吸は読めたのでその隙をついて蹴りを繰り出す。見事腹部にヒットしてエキューデは後ろに下がらされた。それによって連続攻撃は終了した。

「ちょっと危なかったな。」

「全部避けてたくせによく言いますね。」

今のところ実力は拮抗しているとも見えるかもしれないが、劣勢なのはアルトの方であった。

先に攻撃したとはいえ、ペースをエキューデに掴まれてるな。取り戻すにはチャンスは今しかない!

アルトは無限収納から一振の刀を取り出す。5年前戦った時と同じ麒麟刀だ。

「覡神鳴流・改 壱の型 雷斬!」

アルトは麒麟刀に魔力を込め振り下ろす。すると飛ぶ斬撃が出る。しかも雷を纏った特殊な斬撃だ。

「単純な攻撃ですね」

そう言ってエキューデが横に飛び避けた所に既にアルトは次の型を準備していた。


「参の型 雷冥断!」


強力な雷を放ちながら放った技がエキューデを襲う。エキューデの体勢は未だ崩れたまま。避けることが出来るとは思えない。
そして予想通り【雷冥断】は直撃してその勢いごとエキューデは吹き飛ばされた。

「さすがに無傷とは行かねぇだろ」

そう思っていた。そう思っていたからこそ次の光景に驚かざるを得ない。

「ま、マジか・・・!!」

「さすがに今のは危なかった。まさか普通の剣術であそこまで危険なものが放てるとは思いせんでしたよ。少しでも防御が遅れていたら怪我をしたかもしれませんね」

「化け物が・・・!」

確実に直撃したはずだった。しかし戻ってきたエキューデは無傷の状態だった。


「今のはいい技でしたよ。しかし・・・あまり舐めてもらっては困りますね。何故あの時の技を使わないんですか?」

エキューデが言っている技とは恐らく【雷神の鎧装ゼウス・カウスアルマ】のことだろう。

「はっ、わかったよ。そんなに倒されてぇならお望み通りやってやるよ!」

アルトは魔力を高めていく。

「『我が纏うは雷の化身。其れに名は無く、誰の記憶にも残らない・・・・・・」

次第にアルトの身体に雷が纏われていく。

「・・・・・・しかし我らは知っている。幾多の痛みをその身に刻み無冠の英雄たる者・・・」

だんだんとアルトの身体が雷と一体化していく。

「其の者、破壊と崩壊を齎し新たに名を刻もう・・・!』」

そして一気に輝きが増し光が収まった時アルトの身体は完全に雷と一体化し、魔法と成った!

「真・魔纏術 雷門 雷神の鎧装ゼウス・カウスアルマ!」


5年前アルトが用いた切り札が今再び発動された。



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