漆黒王の英雄譚
第15話 借りたら返す、100倍返しだ!
アルトが屋敷の扉を開けて中に入るとアルトが渡した皮袋を持ったリリスがいた。
「ただいまリリス。よく帰ってくるって分かったね」
「・・・・・・・・・」
「ん?リリス?」
アルトが何度か話しかけるがリリスからの返事はない。それどころか微動だにしない。
「おーい!リリス!おい!どうしたんだ?!」
いつまで経ってもリリスが元に戻らないので何かあったのではないかと焦るが、次の瞬間目を覚ました。
「あ、アルト・・・様・・・・・・」
「おい!どうしたんだよ!何があったんだ!」
「あれ?えっと・・・」
話を聞くとどうやら気を失っていたらしい。理由は俺の渡した皮袋にあった。
「なななな、なんですか?!この大金は!」
「大金って、別にそうでもないだろ?」
俺が渡したのは金貨10枚ほどだったはずだ。
「金貨10枚くらいじゃなかったか?」
「き、金貨10枚って・・・そんな生易しいものじゃありません!なんですか!?星金貨が沢山入った皮袋なんて?!」
「あれ?」
リリスから皮袋を受け取って中身を確認してみる。そこには金貨でも、白金貨でもなく国の予算30年分がぎっしりと入っていた。
「あ、ごめん。渡すの間違えた。こっちだ」
そう言ってアルトは星金貨の入った皮袋をしまって、また同じような皮袋を取り出した。そして中に金貨10枚入っているのを確認してリリスに渡す。
「こっちだった。ちゃんと金貨10枚だけだから心配しなくていいよ」
「いえ、そういう問題ではなくてですね?金貨10枚もあればある程度の高級料理店でランチができますよ?」
「そうなんだ。よく知ってるな。行ったことあるのか?」
「い、いえ、友人から聞いた話です・・・ってそうじゃなくて!さっきの星金貨もそうですがどうしてそんな大金をアルト様が持っているのですか?!」
「それはまあ、旅で稼いだんだよ。ちょっと稼ぎすぎたかもしれないけど」
「か、稼いたって・・・そう簡単に稼げるお金じゃないですよ?!しかも稼ぎすぎって量じゃないです!!」
「そうか?」
「そうです!どんな大国でも10年先の星金貨を貯めるのがやっとなんですよ?それを5年間で30年分の予算と同等なんて?!どうやって稼いだんですか?!」
「普通に稼いだだけだよ。多少大きなこともしてたけどな。リヒトに旅の最中は商人になってもらってたって言ったろ?それの伝手とか、国の都の闇ギルドを壊滅させて国と冒険者ギルドから報酬を貰ったりしてたんだ。それについてはまた今度話すよ。金の事で思い出したことがあったから、また出かけてくる」
「ちょっとぉぉ・・・」
そう言ってアルトは屋敷を出て行った。
「借りたものか返さなきゃな」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「それで今日はどうしたんだい?」
アルトは王城に来てハドルフと面会していた。(わかっていて欲しいが国王にそう簡単に会える訳が無い。これはアルトだからである。あと、セバスさんが優秀なのよ)
「はい。俺は旅に出る前にハドルフさんに金貨20枚を借りましたよね?」
「ああ、貸したね。あれは役に立ったかい?」
「ええ、もちろんです。」
「それは良かった。」
「それで返金の事なんですが。」
「返金?大丈夫、それはいいよ。義理の息子なんだから」
「いえ、それでもお金関係は後々面倒くさいことになるのでちゃんとしておきたいんです。」
「そ、そうか。それならまあ」
「では」
そう言ってアルトは無限収納から皮袋を取り出して机の上に置いた。
「開けてもいいかい?」
「ええ、もちろんです。利子はしっかりと付けて返します。それごと貰ってください」
「利子なんでいいのに。まあ、失礼するよ」
そう言ってハドルフさんは皮袋を開けて中を覗いた。
そのまま固まって30秒後・・・・・・・・・
「・・・はっ!こ、これは?!」
どうやら息が止まっていたみたいだ。ゼェゼェと息をしている。
「だ、大丈夫ですか?」
「あ、ああ。大丈夫だ。そ、それよりもこのお金はどうしたんだい?」
「借りたお金を返そうと思ってとりあえず白金貨20枚用意したんですけど、足りませんでしたか?」
「いやいやいやいや、十分すぎるよ。逆に返したいぐらいだ。それよりもどうやってこんな大金を?」
「旅の途中で稼いでたんですよ。色々と仕事をしたりしてです。もちろん悪いことはしてませんよ?普通に魔物を倒したり、倒した魔物の素材を売ったり、護衛をしたりして色々と。」
「気持ちは嬉しいけどこんなにいらないよ。これはアルト君にとっても大金だろうし、返してくれるなら同じ金貨20枚、いや、10枚で構わないよ」
「いえ、お金なら沢山あるんで問題ないです。貰ってください。じゃないと俺がリヒトに怒られちゃうんで。あ、リヒトって俺の契約精霊の奴なんですけど、意外とお金とかに厳しくて・・・えへへ、ちょっと商売させてたらどうやらハマっちゃったみたいでね。それでお金は沢山あるんで大丈夫です。」
「そ、そうなのかい?それじゃあ貰っておくとしようかな?」
「ありがとうございます。それと明日なんですけど、予定通りメンバーで攻め込むことに決まりました。こちらとしてはこちらの軍が動き出したことがあっちに知れ渡ってから行動に移すつもりです。」
「そうか、分かったよ。それはアルペリーニに伝えておこう。」
「ありがとうございます。それでは俺はこれで。仕事の最中に申し訳ございませんでした」
「大丈夫さ。一息ついた頃だったしね」
「そうですか。それでは失礼します」
アルトは屋敷へ帰って行った。
「ただいまリリス。よく帰ってくるって分かったね」
「・・・・・・・・・」
「ん?リリス?」
アルトが何度か話しかけるがリリスからの返事はない。それどころか微動だにしない。
「おーい!リリス!おい!どうしたんだ?!」
いつまで経ってもリリスが元に戻らないので何かあったのではないかと焦るが、次の瞬間目を覚ました。
「あ、アルト・・・様・・・・・・」
「おい!どうしたんだよ!何があったんだ!」
「あれ?えっと・・・」
話を聞くとどうやら気を失っていたらしい。理由は俺の渡した皮袋にあった。
「なななな、なんですか?!この大金は!」
「大金って、別にそうでもないだろ?」
俺が渡したのは金貨10枚ほどだったはずだ。
「金貨10枚くらいじゃなかったか?」
「き、金貨10枚って・・・そんな生易しいものじゃありません!なんですか!?星金貨が沢山入った皮袋なんて?!」
「あれ?」
リリスから皮袋を受け取って中身を確認してみる。そこには金貨でも、白金貨でもなく国の予算30年分がぎっしりと入っていた。
「あ、ごめん。渡すの間違えた。こっちだ」
そう言ってアルトは星金貨の入った皮袋をしまって、また同じような皮袋を取り出した。そして中に金貨10枚入っているのを確認してリリスに渡す。
「こっちだった。ちゃんと金貨10枚だけだから心配しなくていいよ」
「いえ、そういう問題ではなくてですね?金貨10枚もあればある程度の高級料理店でランチができますよ?」
「そうなんだ。よく知ってるな。行ったことあるのか?」
「い、いえ、友人から聞いた話です・・・ってそうじゃなくて!さっきの星金貨もそうですがどうしてそんな大金をアルト様が持っているのですか?!」
「それはまあ、旅で稼いだんだよ。ちょっと稼ぎすぎたかもしれないけど」
「か、稼いたって・・・そう簡単に稼げるお金じゃないですよ?!しかも稼ぎすぎって量じゃないです!!」
「そうか?」
「そうです!どんな大国でも10年先の星金貨を貯めるのがやっとなんですよ?それを5年間で30年分の予算と同等なんて?!どうやって稼いだんですか?!」
「普通に稼いだだけだよ。多少大きなこともしてたけどな。リヒトに旅の最中は商人になってもらってたって言ったろ?それの伝手とか、国の都の闇ギルドを壊滅させて国と冒険者ギルドから報酬を貰ったりしてたんだ。それについてはまた今度話すよ。金の事で思い出したことがあったから、また出かけてくる」
「ちょっとぉぉ・・・」
そう言ってアルトは屋敷を出て行った。
「借りたものか返さなきゃな」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「それで今日はどうしたんだい?」
アルトは王城に来てハドルフと面会していた。(わかっていて欲しいが国王にそう簡単に会える訳が無い。これはアルトだからである。あと、セバスさんが優秀なのよ)
「はい。俺は旅に出る前にハドルフさんに金貨20枚を借りましたよね?」
「ああ、貸したね。あれは役に立ったかい?」
「ええ、もちろんです。」
「それは良かった。」
「それで返金の事なんですが。」
「返金?大丈夫、それはいいよ。義理の息子なんだから」
「いえ、それでもお金関係は後々面倒くさいことになるのでちゃんとしておきたいんです。」
「そ、そうか。それならまあ」
「では」
そう言ってアルトは無限収納から皮袋を取り出して机の上に置いた。
「開けてもいいかい?」
「ええ、もちろんです。利子はしっかりと付けて返します。それごと貰ってください」
「利子なんでいいのに。まあ、失礼するよ」
そう言ってハドルフさんは皮袋を開けて中を覗いた。
そのまま固まって30秒後・・・・・・・・・
「・・・はっ!こ、これは?!」
どうやら息が止まっていたみたいだ。ゼェゼェと息をしている。
「だ、大丈夫ですか?」
「あ、ああ。大丈夫だ。そ、それよりもこのお金はどうしたんだい?」
「借りたお金を返そうと思ってとりあえず白金貨20枚用意したんですけど、足りませんでしたか?」
「いやいやいやいや、十分すぎるよ。逆に返したいぐらいだ。それよりもどうやってこんな大金を?」
「旅の途中で稼いでたんですよ。色々と仕事をしたりしてです。もちろん悪いことはしてませんよ?普通に魔物を倒したり、倒した魔物の素材を売ったり、護衛をしたりして色々と。」
「気持ちは嬉しいけどこんなにいらないよ。これはアルト君にとっても大金だろうし、返してくれるなら同じ金貨20枚、いや、10枚で構わないよ」
「いえ、お金なら沢山あるんで問題ないです。貰ってください。じゃないと俺がリヒトに怒られちゃうんで。あ、リヒトって俺の契約精霊の奴なんですけど、意外とお金とかに厳しくて・・・えへへ、ちょっと商売させてたらどうやらハマっちゃったみたいでね。それでお金は沢山あるんで大丈夫です。」
「そ、そうなのかい?それじゃあ貰っておくとしようかな?」
「ありがとうございます。それと明日なんですけど、予定通りメンバーで攻め込むことに決まりました。こちらとしてはこちらの軍が動き出したことがあっちに知れ渡ってから行動に移すつもりです。」
「そうか、分かったよ。それはアルペリーニに伝えておこう。」
「ありがとうございます。それでは俺はこれで。仕事の最中に申し訳ございませんでした」
「大丈夫さ。一息ついた頃だったしね」
「そうですか。それでは失礼します」
アルトは屋敷へ帰って行った。
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