漆黒王の英雄譚
第11話 また同じ事
俺が目を覚ますと懐かしい天井が目に入る。5年前に数ヶ月ほどだが自宅として過ごした部屋の天井だ。まあ、今も自宅なのだが。
「すぅ、すぅ」
隣でアシュレイが寝息を立てている。
別に昨日の夜一緒に寝たわけでもなく、ましてや大人になった訳でもない。
「なんでアシュレイがここに・・・?」
しかもアシュレイが抱きついていて起き上がることが出来ない。
ああ、この感じ懐かしいな。
「今何時だ?」
俺が首を曲げて外を見ると太陽が真上に来ている頃だった。
「随分寝ちゃったな。まあ、昨日は随分騒いだから仕方が無いか。」
昨日は屋敷に帰ったあとリリスと再会したり5年ぶりの使用人達と再開してついついテンションが上がってパーティなんてやってしまったからな。【絶剣】の奴らもまだ寝てるんだろうか?
「すぅ、すぅ」
「てか、いい加減離して欲しいんだが?アシュレイ」
「ぎくっ!すぅ、すぅ」
「いや、今わかりやすく反応したよな?起きてるのバレバレだからな?」
「う、うーん。あ、アルト君おはよう」
「何がなんでもシラを切るつもりか。まあ、いいや。おはよう。ところでなんでここで寝てるの?昨日は別々の部屋で寝たはずだったけど?」
「あれぇ?なんでだろう。おかしいなぁ?」
そう言いながら目を泳がす。
「なるほど。夜に忍び込んで入ってきたか」
「ど、どうして分かったの?!」
アシュレイは冷や汗をかきながら質問してきた。
「だって・・・ねぇ?アシュレイだもん。」
「ううぅ。その答え方はダメ!」
「そう言われても、何となく分かったとしか言い様がない」
「本当は心の中を見れるとかじゃなくて?」
「出来なくはないけどしてないよ。まあいいや。そろそろ離してくれない?今日もやることがあるし」
「はーい」
その後アシュレイに自分の部屋に帰ってもらい、着替えをしてから部屋を出て食堂に向かった。
「おはよう、リリス」
「おはようございます。昨日はお疲れ様です。昼食の準備をしてきますね」
「よろしく」
リリスに昼食の支度を頼んで俺が椅子に座ると隣にアシュレイが座ってきた。
「それで帰ってきてそうそう何をしなきゃ行けないの?」
「色々あるよ。まずはカストルの力の解放をする。5年間も待たせちゃってたからな。悪い事をした。それと昨日捕虜にした将軍達の事情聴取。他にもハドルフさんにも話したいことがあるし」
「大変だねぇ、アルト君も」
俺はリリスが持ってきてくれた昼食のスープを飲みながら聞く。
「アシュレイはいいのか?聞いたぞ、第一騎士団の部隊長になったって。親父たちよりも早い出世だってな。あの、貴族も平民も関係なく扱き使われる第一の中で凄いって言ってたよ」
「えへへぇ。実は辞めようと思うんだ。」
「ぶふぅぅ!!!」
危ねぇ、口の中のもの吹き出すところだった。
「だ、大丈夫?」
「う、うん。それよりも!辞めるってどういうこと?!」
「だってそもそも第一騎士団に入ったのは色んな所に行ってアルト君を探すためだもん。アルト君が帰ってきた今いる必要ないし」
「いやいや!今戦争中!」
「戦争で死んだらアルト君に会えないじゃん。やだよ」
「うっ!そ、それは・・・」
「それともアルト君は私が戦争で死んじゃってもいいわけ?」
「は?ダメに決まってるじゃん。」
俺は真顔で答える。
「でしょ?」
「けど俺多分ガムスタシア乗り込むよ?」
「へ?」
次はアシュレイがぽかんとした顔をする。
「言ったでしょ?ガムスタシアには多分邪神サイドの敵がいるって。そいつを倒しに行くの。」
「そ、それなら私も行く!」
「ダメだ。」
俺はキッパリと断った。
「ど、どうして?」
「まず敵はかなり強い。1人で国ひとつ潰せるほどの力を持っている。それに帝国全てを操る権力もね。さらに敵の持っているアーティファクト。あれもかなり強力だ。そして戦いでおそらく帝都は更地になるかもしれない。そんな所にアシュレイを連れて行けない」
「わ、私だって強くなって」
「次元が違う」
「ッ!!」
俺はキッパリと言った。もう傷つくのは見たくないから。
「また・・・」
「ん?」
「また1人で行くの!?そうやって他の人を置き去りにして1人で行くの?!こっちの気持ちも考えてよ!もうアルト君なんて知らない!どこにでも行っちゃえ!」
そう言ってアシュレイは食堂から出ていってしまった。
「はぁ・・・・・・やっちまった。」
「すぅ、すぅ」
隣でアシュレイが寝息を立てている。
別に昨日の夜一緒に寝たわけでもなく、ましてや大人になった訳でもない。
「なんでアシュレイがここに・・・?」
しかもアシュレイが抱きついていて起き上がることが出来ない。
ああ、この感じ懐かしいな。
「今何時だ?」
俺が首を曲げて外を見ると太陽が真上に来ている頃だった。
「随分寝ちゃったな。まあ、昨日は随分騒いだから仕方が無いか。」
昨日は屋敷に帰ったあとリリスと再会したり5年ぶりの使用人達と再開してついついテンションが上がってパーティなんてやってしまったからな。【絶剣】の奴らもまだ寝てるんだろうか?
「すぅ、すぅ」
「てか、いい加減離して欲しいんだが?アシュレイ」
「ぎくっ!すぅ、すぅ」
「いや、今わかりやすく反応したよな?起きてるのバレバレだからな?」
「う、うーん。あ、アルト君おはよう」
「何がなんでもシラを切るつもりか。まあ、いいや。おはよう。ところでなんでここで寝てるの?昨日は別々の部屋で寝たはずだったけど?」
「あれぇ?なんでだろう。おかしいなぁ?」
そう言いながら目を泳がす。
「なるほど。夜に忍び込んで入ってきたか」
「ど、どうして分かったの?!」
アシュレイは冷や汗をかきながら質問してきた。
「だって・・・ねぇ?アシュレイだもん。」
「ううぅ。その答え方はダメ!」
「そう言われても、何となく分かったとしか言い様がない」
「本当は心の中を見れるとかじゃなくて?」
「出来なくはないけどしてないよ。まあいいや。そろそろ離してくれない?今日もやることがあるし」
「はーい」
その後アシュレイに自分の部屋に帰ってもらい、着替えをしてから部屋を出て食堂に向かった。
「おはよう、リリス」
「おはようございます。昨日はお疲れ様です。昼食の準備をしてきますね」
「よろしく」
リリスに昼食の支度を頼んで俺が椅子に座ると隣にアシュレイが座ってきた。
「それで帰ってきてそうそう何をしなきゃ行けないの?」
「色々あるよ。まずはカストルの力の解放をする。5年間も待たせちゃってたからな。悪い事をした。それと昨日捕虜にした将軍達の事情聴取。他にもハドルフさんにも話したいことがあるし」
「大変だねぇ、アルト君も」
俺はリリスが持ってきてくれた昼食のスープを飲みながら聞く。
「アシュレイはいいのか?聞いたぞ、第一騎士団の部隊長になったって。親父たちよりも早い出世だってな。あの、貴族も平民も関係なく扱き使われる第一の中で凄いって言ってたよ」
「えへへぇ。実は辞めようと思うんだ。」
「ぶふぅぅ!!!」
危ねぇ、口の中のもの吹き出すところだった。
「だ、大丈夫?」
「う、うん。それよりも!辞めるってどういうこと?!」
「だってそもそも第一騎士団に入ったのは色んな所に行ってアルト君を探すためだもん。アルト君が帰ってきた今いる必要ないし」
「いやいや!今戦争中!」
「戦争で死んだらアルト君に会えないじゃん。やだよ」
「うっ!そ、それは・・・」
「それともアルト君は私が戦争で死んじゃってもいいわけ?」
「は?ダメに決まってるじゃん。」
俺は真顔で答える。
「でしょ?」
「けど俺多分ガムスタシア乗り込むよ?」
「へ?」
次はアシュレイがぽかんとした顔をする。
「言ったでしょ?ガムスタシアには多分邪神サイドの敵がいるって。そいつを倒しに行くの。」
「そ、それなら私も行く!」
「ダメだ。」
俺はキッパリと断った。
「ど、どうして?」
「まず敵はかなり強い。1人で国ひとつ潰せるほどの力を持っている。それに帝国全てを操る権力もね。さらに敵の持っているアーティファクト。あれもかなり強力だ。そして戦いでおそらく帝都は更地になるかもしれない。そんな所にアシュレイを連れて行けない」
「わ、私だって強くなって」
「次元が違う」
「ッ!!」
俺はキッパリと言った。もう傷つくのは見たくないから。
「また・・・」
「ん?」
「また1人で行くの!?そうやって他の人を置き去りにして1人で行くの?!こっちの気持ちも考えてよ!もうアルト君なんて知らない!どこにでも行っちゃえ!」
そう言ってアシュレイは食堂から出ていってしまった。
「はぁ・・・・・・やっちまった。」
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