漆黒王の英雄譚
第4話 英雄帰還
アシュレイ、クラウディア、アイリスは奮闘した。相手の動きはそこまで素早くなく、技術も高いものではなかった。しかし、硬かった。
ただ単純に硬かった。
「ぐあはははははは!!!!どうしたァ!こんなものかぁ!」
「くぅっ!」
敵の重たい攻撃にアシュレイは吹き飛ばされ地面を転がる。
動き終わった瞬間にアイリスとクラウディアが魔法を放っているが、当たっても火傷ひとつ出来ない。
「なんでそんなに硬いのよ!」
「刃が全く通らない!」
どんな角度から切りつけても、様々な魔法を当てても傷一つ付かない身体に文句を言う。
「これは我らが王から与えられた宝具の力である!帝国の12人の将軍には一人一つ宝具が与えられている。私の宝具は『完全なる結界』どんな攻撃も通さず、結界を纏わせることによって攻撃すらも固くなり相手に大きなダメージを与える。」
「面倒わね!」
「そうだな。そろそろ飽きてきた。貴殿らは意外と骨があって楽しかったぞ。しかしもう面白くない。同じパターンを繰り返すだけの人形だ。もう用はない。終わらせてもらおう」
すると先程までよりも圧倒的に速いスピードで迫ってくる。
「な!なんでこんなに!」
「驚いたか?そもそも力が強いだけで宝具を与えられる程の将軍になれるわけが無いだろう。確かに力は強いが私の本領はスピードを生かした破壊の戦闘である。さて、死に行くものにこれ以上話しても仕方がない。」
それからは一方的な攻撃だった。スピードで完全に負けてしまったアシュレイはなんとか反応するもその力に負け吹き飛ばされてしまう。クラウディアとアイリスは魔法で牽制しようとするが元々聞かなかった相手に聞くはずもなくすぐさま懐に入られて地に伏してしまった。
「お義母様!クラウ!」
「貴殿がいちばん厄介であるな。先に潰させてもらおう」
「がっは!!」
アシュレイの腹を殴って屈んだところを頭を掴んで釣り上げる。
「このまま頭を潰させてもらう。」
徐々に強くなっていく力にアシュレイは叫び声を上げる。
「あああああああああああ″あ″あ″ァァっっっっっ!!!!」
「ダメぇ!!」
「辞めな・・・さい・・・!」
アイリスとクラウディアは立ち上がり助けようとするが魔力欠乏と殴られた影響で力が入らずに立つことができない。
(痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!!!!)
アシュレイは必死に抵抗するがハチョップの力の前では無力だった。
「助け・・・て、」
「残念ながらそれは無理だ。大人しく死ね」
「だめぇぇぇぇぇ!!」
ハチョップが最後の力を入れようとする。
ーーーーああ、最後に会いたかったな。アルト君・・・・・・
アシュレイは自らの最後のときを待った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・?
しかしいつまで経ってもその時は来ない。アシュレイはゆっくりと目を開けるとハチョップは別の方向を見ながら震えていた。
「な、なんだ・・・!この気配は・・・!!」
ハチョップはアシュレイを離して自分の部下の元へ戻る。
「アシュレイ・・・!」
「アシュレイ様!」
なんと立ち上がることのできたアイリスとクラウディアがよって抱き抱える。
「今すぐ警戒態勢を引け!敵は無視しろ!南からのやつに全力で備えろ!!」
ハチョップはすぐさま部下に命令を出した。
帝国兵は何を言っているのか分からなかったが、しぶしぶという感じで準備を始めた。
「はやくしろぉぉぉ!!しにたいのかぁぁぁ!!!!」
ハチョップが怒鳴ったことにより部下達は気がつく。
自分が感知できないものに殺されるかもしれないという状況に。だからハチョップという将軍は自分達に命令しているのだと。
そしてそれはついに来た。
はるか遠くまで曇っていた雲。その1点が渦を巻くように穴が開き、太陽の光が入って来た。
気がつくと戦場でつい先程まで聞こえていた怒号や剣戟の音、魔法が破裂する音全てがやんで全ての兵士が、帝国兵も王国騎士も、連合軍も空を見ていた。
そしてその穴から出てきたのは黄金に輝く1匹の竜。キラキラと太陽光を反射し、荘厳な姿をした黄金の竜だった。
「美しい・・・」
兵士の誰かがそういった。
そんな中ハチョップは焦っていた。
(なんだあの存在は・・・!確かに竜はやばい。しかし、それに乗っている人間の方が遥かにやばい!・・・いや、あれは人間なのか・・・・・・・・・?!)
戦場に居る極わずかな実力者には分かった。来たのが竜だけではなかったことを。
竜ゆっくりと旋回しながら地面に降り立った。そしてようやく気がつく。竜の上に数人の人間が乗っていることを。
その人間達はフードを被っていて素顔は分からなかった。しかし分かることはあった。
「おい、真ん中のヤツガキじゃねぇか?」
誰かそういった。そう、降りてきた人間の真ん中にいる人間は身長の低く子供だと思われる。
そしてその人間達が王都に向けて1歩踏み出した時戦場が動き出した。
ベルマーレ王国、連合軍側はそれぞれの代表達が、帝国側はこの場に来ていた宝具を持つ将軍7人が一斉にその集団の前に立ちはだかったのだ。
そしてハチョップが話し始める。
「貴殿に聞こう。貴殿らは我らガムストロ帝国軍に敵対するか、否か」
「場合による。」
真正面の子供がそう答えた。
「なら私も聞こう。お前は一体何者だ?」
「俺の名は・・・・・・」
そして少年が外套のフードを取った。
その素顔が明らかになる。
その顔を知るものは目を見開いて驚いた。
「俺はアルベルト。アルベルト・クロスフィードだ!」
帰ってきたのだ。5年前は失踪した英雄が・・・!
ただ単純に硬かった。
「ぐあはははははは!!!!どうしたァ!こんなものかぁ!」
「くぅっ!」
敵の重たい攻撃にアシュレイは吹き飛ばされ地面を転がる。
動き終わった瞬間にアイリスとクラウディアが魔法を放っているが、当たっても火傷ひとつ出来ない。
「なんでそんなに硬いのよ!」
「刃が全く通らない!」
どんな角度から切りつけても、様々な魔法を当てても傷一つ付かない身体に文句を言う。
「これは我らが王から与えられた宝具の力である!帝国の12人の将軍には一人一つ宝具が与えられている。私の宝具は『完全なる結界』どんな攻撃も通さず、結界を纏わせることによって攻撃すらも固くなり相手に大きなダメージを与える。」
「面倒わね!」
「そうだな。そろそろ飽きてきた。貴殿らは意外と骨があって楽しかったぞ。しかしもう面白くない。同じパターンを繰り返すだけの人形だ。もう用はない。終わらせてもらおう」
すると先程までよりも圧倒的に速いスピードで迫ってくる。
「な!なんでこんなに!」
「驚いたか?そもそも力が強いだけで宝具を与えられる程の将軍になれるわけが無いだろう。確かに力は強いが私の本領はスピードを生かした破壊の戦闘である。さて、死に行くものにこれ以上話しても仕方がない。」
それからは一方的な攻撃だった。スピードで完全に負けてしまったアシュレイはなんとか反応するもその力に負け吹き飛ばされてしまう。クラウディアとアイリスは魔法で牽制しようとするが元々聞かなかった相手に聞くはずもなくすぐさま懐に入られて地に伏してしまった。
「お義母様!クラウ!」
「貴殿がいちばん厄介であるな。先に潰させてもらおう」
「がっは!!」
アシュレイの腹を殴って屈んだところを頭を掴んで釣り上げる。
「このまま頭を潰させてもらう。」
徐々に強くなっていく力にアシュレイは叫び声を上げる。
「あああああああああああ″あ″あ″ァァっっっっっ!!!!」
「ダメぇ!!」
「辞めな・・・さい・・・!」
アイリスとクラウディアは立ち上がり助けようとするが魔力欠乏と殴られた影響で力が入らずに立つことができない。
(痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!!!!)
アシュレイは必死に抵抗するがハチョップの力の前では無力だった。
「助け・・・て、」
「残念ながらそれは無理だ。大人しく死ね」
「だめぇぇぇぇぇ!!」
ハチョップが最後の力を入れようとする。
ーーーーああ、最後に会いたかったな。アルト君・・・・・・
アシュレイは自らの最後のときを待った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・?
しかしいつまで経ってもその時は来ない。アシュレイはゆっくりと目を開けるとハチョップは別の方向を見ながら震えていた。
「な、なんだ・・・!この気配は・・・!!」
ハチョップはアシュレイを離して自分の部下の元へ戻る。
「アシュレイ・・・!」
「アシュレイ様!」
なんと立ち上がることのできたアイリスとクラウディアがよって抱き抱える。
「今すぐ警戒態勢を引け!敵は無視しろ!南からのやつに全力で備えろ!!」
ハチョップはすぐさま部下に命令を出した。
帝国兵は何を言っているのか分からなかったが、しぶしぶという感じで準備を始めた。
「はやくしろぉぉぉ!!しにたいのかぁぁぁ!!!!」
ハチョップが怒鳴ったことにより部下達は気がつく。
自分が感知できないものに殺されるかもしれないという状況に。だからハチョップという将軍は自分達に命令しているのだと。
そしてそれはついに来た。
はるか遠くまで曇っていた雲。その1点が渦を巻くように穴が開き、太陽の光が入って来た。
気がつくと戦場でつい先程まで聞こえていた怒号や剣戟の音、魔法が破裂する音全てがやんで全ての兵士が、帝国兵も王国騎士も、連合軍も空を見ていた。
そしてその穴から出てきたのは黄金に輝く1匹の竜。キラキラと太陽光を反射し、荘厳な姿をした黄金の竜だった。
「美しい・・・」
兵士の誰かがそういった。
そんな中ハチョップは焦っていた。
(なんだあの存在は・・・!確かに竜はやばい。しかし、それに乗っている人間の方が遥かにやばい!・・・いや、あれは人間なのか・・・・・・・・・?!)
戦場に居る極わずかな実力者には分かった。来たのが竜だけではなかったことを。
竜ゆっくりと旋回しながら地面に降り立った。そしてようやく気がつく。竜の上に数人の人間が乗っていることを。
その人間達はフードを被っていて素顔は分からなかった。しかし分かることはあった。
「おい、真ん中のヤツガキじゃねぇか?」
誰かそういった。そう、降りてきた人間の真ん中にいる人間は身長の低く子供だと思われる。
そしてその人間達が王都に向けて1歩踏み出した時戦場が動き出した。
ベルマーレ王国、連合軍側はそれぞれの代表達が、帝国側はこの場に来ていた宝具を持つ将軍7人が一斉にその集団の前に立ちはだかったのだ。
そしてハチョップが話し始める。
「貴殿に聞こう。貴殿らは我らガムストロ帝国軍に敵対するか、否か」
「場合による。」
真正面の子供がそう答えた。
「なら私も聞こう。お前は一体何者だ?」
「俺の名は・・・・・・」
そして少年が外套のフードを取った。
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その顔を知るものは目を見開いて驚いた。
「俺はアルベルト。アルベルト・クロスフィードだ!」
帰ってきたのだ。5年前は失踪した英雄が・・・!
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コメント
華羅朱
面倒わね→面倒くさいわね
竜ゆっくり→竜は、ゆっくり
だと思います
カムイ
俺もできたら1日一回更新してくれると嬉しいです
音街 麟
まっち〜さんに同意です!
更新頻度を上げて欲しいです!
まっち〜
出来れば1日1回更新して欲しいです!