漆黒王の英雄譚
第3話 篭城戦
王都に戻ったアシュレイ達は敵が砦を占拠し撤退した兵達を追いかけて来ないことから決戦は翌日になることが予想した。
そして今は軍会議を開いている。
この場にいるのはベルマーレ王国騎士団各騎士団長とその補佐として副団長。さらにリュシュトベルト帝国帝国騎士全権カサール騎士長。その他にも他国の援軍の長たちが集まっていた。
「それではガムストロ帝国は今日は攻めてこないと予想されたのですね?」
「ええ、奴らはあの砦ジャムス砦を拠点としているようです。決戦は明日になると」
「これは攻めるべきか、守るべきか・・・」
会議室内に重い沈黙が訪れる。
「やはり篭城戦にするべきでなくて?」
第四騎士団団長のステラ・ツーベルクがそう言った。
「それが常套手段だな。どう思う?カサール殿」
アルペリーニは自分の向かいにいるカサールに聞いた。
「恐らく敵も我々が篭城すると思っていると思います。」
「しかし・・・」
「ええ、攻めたいと言っても確実に勝てる要素がありません」
カサールの言葉に再び会議室は沈黙が訪れる。
「やはり篭城戦か・・・・・・」
そこに現ベルマーレ王国国王ハドルフがそういった。
「それしかありませんね、食料などは持って1ヶ月と言ったところですが・・・」
「・・・都を移すか」
「せ、遷都すると言うのですか?!」
ハドルフの言葉にシュヴィッツ・クロイツは驚きの声を上げる。
「しかし1ヶ月後敵が引いているとは限らないだろう?」
「それは・・・」
「仕方が無いさ。国民を逃がす準備を。騎士団には悪いが時間稼ぎを・・・」
「あのぉ、ちょっといいですか?」
『ッッッ!!!!』
部屋に突然響く誰の声でもない声に全員が驚き席を立って武器を構えた。
「そ、そんなにビックリすんじゃねぇよぉ」
そこに居たのは・・・・・・
「あ、あなたは!!」
エルヴィンが反応した。
「知り合いか?」
「知り合い・・・というか、今日俺を助けてくれた方です」
「さっきお前の言っていた奴か」
そう、そこに居たのはエルヴィンを助けたフードを被った男だった。
「俺は何もしねぇよ。その武器を下げてくれ。さすがに怖くてチビりそうだ」
男は手を挙げて降参の態度をとる。
アルペリーニは警戒をしながら武器を下げると話しかけた。
「今日、騎士団員を助けてくれたことは感謝する。しかしお前は一体何者だ?」
「そうだなぁ。まあいっか。俺の名前はフィゼル。仲間内では『久遠』のフィゼルと呼ばれてる。」
「『久遠』のフィゼル?」
アルペリーニは聞いたことがあるか?と仲間を見るな全員が顔を横に振った。
「そりゃ知られてないだろうな。まだ動き始めてすぐの組織だ。まあ、リーダーは知ってると思うぜ」
「・・・?誰だ?」
「悪いがこれは言えねぇ。リーダーに口止めされてんだ」
「そうか・・・お前の目的はなんだ?何故この場に現れた?」
「俺の目的は、いや俺達の目的はこの国を助けて元に戻すことさ。そして帝国に住み着いてるやつを排除する。それが俺達の目的だ。この場に現れたのはリーダーの言葉を伝えるためだ。『逃げるな、前を見ろ、自分たちを信じて突き進め』だそうだ。相変わらずよく分からねぇな、リーダーの言葉は。とりあえず俺は伝えた。それじゃあな。また合うと思うからよろしく」
そう言うと男は転移魔法を使ってどこかに行ってしまった。
「・・・どういうことだ?」
結局その日は篭城戦ということになり、会議が終わった。
そして翌日・・・・・・
王都に大量の帝国軍が押しかけていた。それぞれが武器を持ち城壁前に陣を引く連合軍に襲いかかる。
既に1時間以上が経過しているが帝国軍が攻めきれていないのはやはり強力な戦士がいるからにほかならない。
まず王都の正面門を抑えているのは王国第一騎士団騎士団長ことアルペリーニ・ハニアカルトと副団長エルヴィン・クロスフィードだ。エルヴィンはその愛用している槍を振り見事な槍さばきで敵を沈めていく。そしてアルペリーニはハニアカルト家に伝わる宝剣魔法剣ダクティニシアを奮って敵を葬り去っていく。
そして門の西側では王国騎士団第二騎士団団長シュヴィッツ・クロイツと第四騎士団ステラ・ツーベルクの奮闘する姿が見られた。シュヴィッツはその大柄な体を使って両刃の斧を振り回して敵を寄せつけない。ステラはミスリルで出来た杖を振るっていくつもの強力な魔法を放っている。
逆に門の東側では剣王ウォートニア・クラネルとリュシュトベルト帝国騎士長カサールの姿があった。剣王はその体からはどうやって降っているのだろうと思ってしまう大剣を振り回しす。しかも普通の剣を奮っているのと同程度のスピードで奮っていた。騎士長カサールもそれに負けじと皇帝と訓練した剣術で敵を倒していく。
ほかの場所ではアシュレイやクラウディア、さらにエルヴィンの妻アイリスが腕を奮っていた。
戦闘が開始してから2時間。ここまで持ったことが奇跡と言っても過言ではない。しかし、全員が人間であるためにいくら強かろうが疲労はするし、怪我もする。だんだんと勢いはなくなって行きついに前衛部隊の一部が崩れ始めた。
排除に崩れたのはアシュレイたちがいる場所だった。
「きゃぁ!!」
敵の奮った武器がアシュレイを掠めアシュレイの腕から血がとばしる。
「アシュレイ様!」
クラウディアがすぐさま援護に入るが、敵の数が多すぎた。
「くっ!!」
クラウディアも手傷をおってしまう。
「2人とも!エルの場所に戻るわ!動けるわね!」
「え、ええ!」
「もちろんです」
アイリスの声でエルヴィンの元へ戻ることが決まったが、そこに敵の将軍が来てしまった。
「これはこれはアシュレイ王女じゃないですか。このような場所で何をやっているんですか?」
「あなたは・・・」
「紹介が遅れてすみません。私は栄光なるガムストロ帝国第三部隊部隊長ハチョップ・エスタールですぅ、それにしても噂に聞いた以上に美しいぃ、ジュル」
そう言って舌なめずりをしながら近寄ってくる。
「き、気持ち悪い・・・」
アシュレイは体を抱きしめながら震えた。
「あ″あ″あ″ぁぁぁぁぁぁ!!!!なんと可憐なことでしょう?!見てみたい!見てみたい!この可憐で美しい王女が絶望に染まり、自ら死を願ってしまう所を!!」
そう言いながら敵の将軍は悶絶する。
「アシュレイ様!お逃げください!ここは私が!」
「クラウ!」
「ダメよ、2人とも私が時間を稼ぐわ、2人は直ぐにエル達の元に戻ってちょうだい。」
「そんなこと出来ません!」
「そうです!私が残ります!」
アシュレイもクラウディアもアイリスの申し出に異議を唱える。議論が始まるかと思ったがそんなことをしている暇はない。
「なぁにをやってるんですかァァァァァ」
そう言いながらハチョップは大きな斧を振り下ろしてくる。
3人は咄嗟によけ構えた。
「二人だけでも行ってちょうだい!」
「逃がしませんよォ?見ればほかの2人もとても美しい!私のペットにして差し上げましょう!!」
ハチョップはそう言いながら迫ってくる。
「どうやら逃がしてくれそうにありません。私たち3人で倒しましょう!」
「くっ!そうね、さすがに私一人では荷が重そうだわ。2人とも頼んだわよ」
「「はい!!」」
「きぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!!!!」
こうして3人対ハチョップの戦いが始まった。
そして今は軍会議を開いている。
この場にいるのはベルマーレ王国騎士団各騎士団長とその補佐として副団長。さらにリュシュトベルト帝国帝国騎士全権カサール騎士長。その他にも他国の援軍の長たちが集まっていた。
「それではガムストロ帝国は今日は攻めてこないと予想されたのですね?」
「ええ、奴らはあの砦ジャムス砦を拠点としているようです。決戦は明日になると」
「これは攻めるべきか、守るべきか・・・」
会議室内に重い沈黙が訪れる。
「やはり篭城戦にするべきでなくて?」
第四騎士団団長のステラ・ツーベルクがそう言った。
「それが常套手段だな。どう思う?カサール殿」
アルペリーニは自分の向かいにいるカサールに聞いた。
「恐らく敵も我々が篭城すると思っていると思います。」
「しかし・・・」
「ええ、攻めたいと言っても確実に勝てる要素がありません」
カサールの言葉に再び会議室は沈黙が訪れる。
「やはり篭城戦か・・・・・・」
そこに現ベルマーレ王国国王ハドルフがそういった。
「それしかありませんね、食料などは持って1ヶ月と言ったところですが・・・」
「・・・都を移すか」
「せ、遷都すると言うのですか?!」
ハドルフの言葉にシュヴィッツ・クロイツは驚きの声を上げる。
「しかし1ヶ月後敵が引いているとは限らないだろう?」
「それは・・・」
「仕方が無いさ。国民を逃がす準備を。騎士団には悪いが時間稼ぎを・・・」
「あのぉ、ちょっといいですか?」
『ッッッ!!!!』
部屋に突然響く誰の声でもない声に全員が驚き席を立って武器を構えた。
「そ、そんなにビックリすんじゃねぇよぉ」
そこに居たのは・・・・・・
「あ、あなたは!!」
エルヴィンが反応した。
「知り合いか?」
「知り合い・・・というか、今日俺を助けてくれた方です」
「さっきお前の言っていた奴か」
そう、そこに居たのはエルヴィンを助けたフードを被った男だった。
「俺は何もしねぇよ。その武器を下げてくれ。さすがに怖くてチビりそうだ」
男は手を挙げて降参の態度をとる。
アルペリーニは警戒をしながら武器を下げると話しかけた。
「今日、騎士団員を助けてくれたことは感謝する。しかしお前は一体何者だ?」
「そうだなぁ。まあいっか。俺の名前はフィゼル。仲間内では『久遠』のフィゼルと呼ばれてる。」
「『久遠』のフィゼル?」
アルペリーニは聞いたことがあるか?と仲間を見るな全員が顔を横に振った。
「そりゃ知られてないだろうな。まだ動き始めてすぐの組織だ。まあ、リーダーは知ってると思うぜ」
「・・・?誰だ?」
「悪いがこれは言えねぇ。リーダーに口止めされてんだ」
「そうか・・・お前の目的はなんだ?何故この場に現れた?」
「俺の目的は、いや俺達の目的はこの国を助けて元に戻すことさ。そして帝国に住み着いてるやつを排除する。それが俺達の目的だ。この場に現れたのはリーダーの言葉を伝えるためだ。『逃げるな、前を見ろ、自分たちを信じて突き進め』だそうだ。相変わらずよく分からねぇな、リーダーの言葉は。とりあえず俺は伝えた。それじゃあな。また合うと思うからよろしく」
そう言うと男は転移魔法を使ってどこかに行ってしまった。
「・・・どういうことだ?」
結局その日は篭城戦ということになり、会議が終わった。
そして翌日・・・・・・
王都に大量の帝国軍が押しかけていた。それぞれが武器を持ち城壁前に陣を引く連合軍に襲いかかる。
既に1時間以上が経過しているが帝国軍が攻めきれていないのはやはり強力な戦士がいるからにほかならない。
まず王都の正面門を抑えているのは王国第一騎士団騎士団長ことアルペリーニ・ハニアカルトと副団長エルヴィン・クロスフィードだ。エルヴィンはその愛用している槍を振り見事な槍さばきで敵を沈めていく。そしてアルペリーニはハニアカルト家に伝わる宝剣魔法剣ダクティニシアを奮って敵を葬り去っていく。
そして門の西側では王国騎士団第二騎士団団長シュヴィッツ・クロイツと第四騎士団ステラ・ツーベルクの奮闘する姿が見られた。シュヴィッツはその大柄な体を使って両刃の斧を振り回して敵を寄せつけない。ステラはミスリルで出来た杖を振るっていくつもの強力な魔法を放っている。
逆に門の東側では剣王ウォートニア・クラネルとリュシュトベルト帝国騎士長カサールの姿があった。剣王はその体からはどうやって降っているのだろうと思ってしまう大剣を振り回しす。しかも普通の剣を奮っているのと同程度のスピードで奮っていた。騎士長カサールもそれに負けじと皇帝と訓練した剣術で敵を倒していく。
ほかの場所ではアシュレイやクラウディア、さらにエルヴィンの妻アイリスが腕を奮っていた。
戦闘が開始してから2時間。ここまで持ったことが奇跡と言っても過言ではない。しかし、全員が人間であるためにいくら強かろうが疲労はするし、怪我もする。だんだんと勢いはなくなって行きついに前衛部隊の一部が崩れ始めた。
排除に崩れたのはアシュレイたちがいる場所だった。
「きゃぁ!!」
敵の奮った武器がアシュレイを掠めアシュレイの腕から血がとばしる。
「アシュレイ様!」
クラウディアがすぐさま援護に入るが、敵の数が多すぎた。
「くっ!!」
クラウディアも手傷をおってしまう。
「2人とも!エルの場所に戻るわ!動けるわね!」
「え、ええ!」
「もちろんです」
アイリスの声でエルヴィンの元へ戻ることが決まったが、そこに敵の将軍が来てしまった。
「これはこれはアシュレイ王女じゃないですか。このような場所で何をやっているんですか?」
「あなたは・・・」
「紹介が遅れてすみません。私は栄光なるガムストロ帝国第三部隊部隊長ハチョップ・エスタールですぅ、それにしても噂に聞いた以上に美しいぃ、ジュル」
そう言って舌なめずりをしながら近寄ってくる。
「き、気持ち悪い・・・」
アシュレイは体を抱きしめながら震えた。
「あ″あ″あ″ぁぁぁぁぁぁ!!!!なんと可憐なことでしょう?!見てみたい!見てみたい!この可憐で美しい王女が絶望に染まり、自ら死を願ってしまう所を!!」
そう言いながら敵の将軍は悶絶する。
「アシュレイ様!お逃げください!ここは私が!」
「クラウ!」
「ダメよ、2人とも私が時間を稼ぐわ、2人は直ぐにエル達の元に戻ってちょうだい。」
「そんなこと出来ません!」
「そうです!私が残ります!」
アシュレイもクラウディアもアイリスの申し出に異議を唱える。議論が始まるかと思ったがそんなことをしている暇はない。
「なぁにをやってるんですかァァァァァ」
そう言いながらハチョップは大きな斧を振り下ろしてくる。
3人は咄嗟によけ構えた。
「二人だけでも行ってちょうだい!」
「逃がしませんよォ?見ればほかの2人もとても美しい!私のペットにして差し上げましょう!!」
ハチョップはそう言いながら迫ってくる。
「どうやら逃がしてくれそうにありません。私たち3人で倒しましょう!」
「くっ!そうね、さすがに私一人では荷が重そうだわ。2人とも頼んだわよ」
「「はい!!」」
「きぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!!!!」
こうして3人対ハチョップの戦いが始まった。
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