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漆黒王の英雄譚

夜叉神

第44話 犯罪者ども

俺ことアルベルトは王都の南西に通じる道を走っていた。

俺が王城を飛び出したのは爆発が起こってすぐだ。

今頃親父がテキパキと指示を出して母さん達が俺が居ないことに気がついた頃だろう。

俺が誰にも告げないで出てきたのには理由がある。

一つ目は俺の嫌な予感が的中してしまったこと。

二つ目は爆発が起こって直ぐになんというか、行かなくては行けない感じがしたからだ。

という理由で俺は飛び出してきたのだが・・・・・・


「おいおいおい!なんだこりゃ!」

辿り着いた爆心地は酷い有様だった。

家々は破壊され、あちこちで火の手が上がり、子供が泣き叫ぶ声や助けてなどと叫ぶ声。まさに阿鼻叫喚の地獄だった。


「まだそんなに時間経ってないはずなのに・・・・・・!!」

あまりの火の回りの速さに驚いていた。

「くそっ!俺一人じゃ足りない!」

俺は直ぐに念話をする。


『イグニス!アクア!ウェンティス!ソル!オスカー!リヒト!今すぐここに来い!』

すると、すぐ近くに火の塊、水の塊、風の塊、土の塊、雷の塊、光の塊が出来てそこから6人が現れる。


「お呼びでしょうか」

「とにかく人手が足りない!俺の魔力はどんどん使っていいから火の消火と人の救助をしてくれ!リヒトは助けた人の傷を治してくれ。止血程度で構わない。オスカーは俺と一緒に来てくれ!」


「「「「「「かしこまりました」」」」」」

すると、直ぐに精霊達は行動を始めた。

どんどんと近くの火を消したり人を助けたりしている。

「俺らはどうするんですかい?」

俺のそばについていたオスカーが尋ねてきた。


「俺達はこの奥から出てくる奴らを倒す。正直かなり手強い」

「そうみたいだな、数人だがかなり強い奴がいるみたいだぜ、どっかの軍隊ってわけじゃなさそうだが」

「たしかこの辺には犯罪者の収容所があったはずだ」

「じゃあ、その犯罪者達ってことか?」

「多分な」

そんなことを話しながら奥に駆けて行くと、突然横から人が飛び出してきた。


「久しぶりの外だぜェェェエエ!!!!!」

俺はその男を蹴り飛ばしそのまま進む。

「いいのかい?一般人かもしれないのに」

「あんなことを言う一般人がいるかよ。」

「それもそうだな」

そして走り始めて直ぐにその場所に着いた。

そこには10数人の人間がいる。
瓦礫の上に座ったり、寝そべったりしている。

すると、頭に角の生やした男がこっちに気がついた。

「んぁ?なんだァ?ガキが一匹紛れ込んでやがる」

「ほほぅ?まだ若くて新鮮そうな子供じゃないかい?その子は妾が貰うぞ?」

「勝手にしろ。ガキに興味はない」

「くひひひひっ!後ろのは精霊じゃないかい?精霊の血は美味しいのかねぇ?」

俺に向かってくるのは一人の少女。

「お前は誰だ?」

俺は問い掛けた。

「ほほぅ?!この妾を前に物怖じけしないとは!よかろう!妾はシュナーク!偉大なる吸血姫にして最強の存在!」

「そうか。なんでこんな所にいるんだ?」

「ふん!あの忌わしい魔剣王に捕まえられてから寒ったらしい部屋からやっと出られたんだよ!血が吸いたくて吸いたくて仕方が無い!さっさと妾に血を飲ませな!」

そう言って俺の対して掴みかかってくる。


「良かった・・・犯罪者か・・・・・・」

「ならどうしたァァ!!」

「手加減しなくて済みそうだ・・・・・・!」

俺はシュナークに向けて走り出す!
俺と吸血姫シュナークが交差した瞬間・・・・・・・・・シュナークの首が落ちた。

いつの間にか俺の手には俺が作った刀、麒麟刀が握られ抜刀されていた。

確かに吸血鬼は強力だ。しかし俺の身体能力はそれを上回る。

首を切り落としたシュナークはその場で血を拭きながら倒れた。

これを見たほかの犯罪者達は目の色を変えて俺の前に立ちはだかった。

「小僧・・・貴様一体何者だ?」

先程シュナークと話していた角の生えた男が問いかけてきた。

「俺は5歳の子供だが?」

「そんなことを聞いてるんじゃねぇ!!」

男はその場で足を踏み鳴らす。

それだけで地面が陥没しひび割れる。

「まあ、そう言われると思ったよ。俺はアルベルト、アルベルト・クロスフィードだ。第一騎士団副団長エルヴィン・クロスフィードの息子だ」

「あの男の子か・・・」

すると、左の方にいた切れ目な男が反応した。

「親父を知ってるのか?」

「あの男には借りがあるからな。しかしまあ、ここで返させてもらおうか」

男が火の玉を出して攻撃してくる。
俺はそれを下がって避けた。

そして下がったところにいたオスカーに話しかける。

「オスカー、宿れるか?」

「もちろんだぜ、『宿霊術』!」

すると、オスカーが雷のようになって俺の持っている麒麟刀に宿る。

この麒麟刀は雷属性と光属性の武器だ。魔力を込めることでその効果を発揮する。しかし魔力の使えない俺ではその価値は下がってしまう。そこで編み出したのが【宿霊術】だ。これは武器に精霊を宿らせる術で、この麒麟刀には雷属性のオスカーと光属性のリヒトが宿ることが出来、それでこの刀の効果を発揮しているわけだ。

麒麟刀を鞘に収め抜刀の構えをとる。

「新・覡神鳴流抜刀術 雷切・・・!!」

新・覡神鳴流は俺が覡神鳴流をベースにこの世界に適応させた新しい覡神鳴流だ。

俺はその場で新たなる技を放った。
それはその場を真っ白く染め上げるほど大きな落雷を落とし、辺り一面が吹き飛ぶ。

そしてその光が止んだ頃には十三人ほどいたうちの3人が地面に伏していた。

「これをやって3人か・・・・・・なかなか手強いな」

『そうみたいだな』

麒麟刀を伝わってオスカーの言葉が伝わってくる。

「さて、残りはどこに行った?」

この場にいるのは既に倒したシュナークと雷切で倒した3人、それと角を生やした男とその他6人。あと3人ほどどこかに消えた。

そう思っていた矢先、俺の後ろに切れ目の男が現れ攻撃してくる。

それを前方に転がって避け前を向くと次は角を生やした男が殴りかかってきた。

それを俺は紙一重で避ける。

「危なかったな。」

俺がそうつぶやくと切れ目の男が言った。

「貴様・・・なかなか強いな。名前は確かアルベルトと言ったな?」

「ああ、お前は?」

「俺はシュメール。深紅のシュメールだ」

「シュメールね。あんたは?」

俺は角の男に問いかける。

「俺は竜人族出身の鋼鉄のアムルだ」

「アムルね」

俺はほかの犯罪者にも名前を聞こうか迷ったがめんどくさいので辞めた。

「全員犯罪者か・・・・・・ダメだろ?犯罪者が檻から出てちゃ」

「偶然だ。あの男の手引きによって俺達はコキュートスから出ることが出来た。」

「あの男?」

「貴様には関係ない。」

「そうか・・・」

なんだろうか。なにか引っかかる・・・・・・
しかしそれよりも今は・・・


「これよりベルマーレ王国貴族としてお前達を拘束させてもらう!」


俺は麒麟刀を握りしめ駆け出した。


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