第29話ベルマーレ国王

俺が目覚めてから1週間が経った。
俺は既に自分で歩けるまで回復した。

そして現在俺はひとつの部屋に向かっている。一緒にいるのはハドルフさんとアシュレイの2人。あとは近衛兵だ。

「ここだよ」

着いたのは1つの部屋に向かっている。

「ここに国王陛下が？」

「お爺様がいるわ」

そう、ここに居るのはベルマーレ王国現国王陛下アレクドル･ベルマーレ国王の病室だ。今国王陛下は病気で寝ているそうだ。

「入っていいかな？」

「はっ！」

ハドルフさんが扉の前にいる兵士に声をかけるとひとりが入ってすぐに出てきた。

「許可が降りましたので扉を開けます。」

「ありがとう」

2人の兵士が扉を開けると中には、天幕で閉められたベットがあった。
近くには医者のような人がいる。

「ガウェン、父上の様子は」

「変わりありません。」

「そうか。」

俺達は天幕まで近づくと天幕の外からハドルフさんが声をかける。

「父上、ハドルフです。アシュレイと呼んでいたアルベルトも連れてきました」

「入ってこい」

重みのある声が聞こえハドルフさんが天幕を開ける。

「お久しぶりです父上、母上」

「うむ」

「久しぶりですね」

中には椅子に座った銀色の髪のおばあさんとベットに腰掛けている赤い髪のおじいさんがいた。恐らくこの2人がアシュレイのお祖母さんとお祖父さん要するに現国王様と王妃様なのだろう。

「アシュレイも久しぶりだな。学院は楽しいか？」

「はい、お爺様。毎日楽しく過ごしております」

「それは良かったわ」

すると国王陛下達がアシュレイにつけていた目線を俺に向けた。

「お主がアルベルトか」

「はっ。申し遅れました。お初にお目にかかります。エルヴィン･クロスフィード伯爵の四男のアルベルト･クロスフィードです。」

「ふふふ、礼儀正しい子ね」

「うむ、そうだな。」

「ありがとうございます」

2人は優しそうに微笑む、

「それでは一度聞いてはおるが、もう一度説明してもらっても良いか？」

「はい」

俺は2週間前何があったのかを話した。
話すには俺の事も話さなければいけないので話した。

「そうか。お主が神の使徒とは･･･」

「気にしないでください。今の俺はベルマーレ王国の貴族の子息なので。」

「そうか。そうするとしよう。」

「この目で神の使徒様をお目にかかれるとわね。長生きするもんだよ」

「陛下と王妃様にはもっと生きていただかないと」

「そうだな」

「そうねぇ」

2人は笑って受け入れてくれた。
これで重要人物には話すことが出来ただろう。国王陛下達は初めてあったが、アシュレイ達からも話を聞いていたし、ある程度の信頼はしている。

「よかったわね、アルト」

「ああ、ありがとう。アシュレイ」

「そう言えば2人は婚約をしたんだったな。」

「はい。これも二週間前に･･･」

「聞いておるよ。孫を頼む。」

「あはは、まだ私がお世話になる立場ですからね。まだ5歳なので」

「そうであったな。」

みんなで笑い合う。

「それでは父上、そろそろ。お体にもさわりますので」

「そうだな、アルトよ。今回はお咎めなしとする。国を守ってくれたからな。エルヴィンが怯えるほどの相手なのだ。感謝する」

「いえ、当然のことをしたまでです。」

「そうか」

その日はそれで解散になった。

･･･さて、ケジメをつけに行きますか･････････