漆黒王の英雄譚
第26話 邪神の使徒と雷神の鎧装
『化け物で悪かったな・・・』
「誰だ!」
俺は声のした瓦礫の方を見る。
声がしたのは俺が先程ぶっ飛ばした所だった。しかし、そこにはドモロスが座っている。いや、ドモロスの身体だが、明らかに別の何かがそこにいる。
『しかし、化け物とは心外だな・・・貴様も随分と化け物なのではないか?神の使徒よ』
「一体何を・・・」
「神の・・・使徒?」
なんとか立てているのは親父とアイリス母さん、アシュレイだけだった。
「親父!今すぐここから逃げろ!」
「し、しかしお前が!」
『ふはははは!!もう英雄気取りか神の使徒よ』
「ち!黙れ!」
「アルト・・・お前は一体・・・」
「すまない。親父、アイリス母さん、みんな・・・転移!」
「まっ!」
俺は観客席にいる人も合わせて全員纏めて先程の部屋に転移させた。
『ほほう。なかなか器用なことをするではないか』
「うっせぇ。てめぇ、なんなんだ。何故俺が・・・」
『何故貴様が神の使徒だと分かったか?であろう?』
「・・・・・・」
『簡単なことだ。私も同じ存在だからさ』
「同じ存在だと?」
『私も神の使徒・・・ということさ』
「なんだと!ばかな!」
『しかしまあ、邪神の使徒だがな』
「邪神」
そう言えば転生する時にタクロス様達から聞いた覚えがある。昔邪神ってやつがいたって。
けれど・・・
「邪神は死んだはずだ・・・」
『ふははははは!!いつだってそうだ。貴様ら神の使徒は最後に油断する。邪神様が生きていたことにも気づかずに!』
「それでも・・・」
『それでも神の目はごまかせるはずがない・・・か?』
「なんで・・・!」
こいつは俺の心を?
『なに、簡単なことさ。そう想像しているだけ。もし私が貴様の立場ならどう質問するか。そう考えているだけだ。簡単であろう?』
「ムカつくな・・・」
『ふはははは!!さて、仮初の肉体を手に入れたと言っても目の前に神の使徒がいるのであれば意味が無い。排除するか』
「っっ!!!!」
その瞬間俺は反対側の壁に打ち付けられていた。
「がっは!!!」
『なんだ!この程度か!』
「なめん・・・じゃねぇえぇ!!!」
拳と拳がぶつかり合う。それだけで衝撃波が生まれ当たりを撒き散らす。
そこからは肉弾戦が始まった。
殴り殴られ蹴り蹴られ互いに傷つけあった。
しかし、優勢なのは邪神の使徒の方があからさまだった。
アルトはそれまでの戦闘で魔力をかなり消費している。魔力が足りないのだ。
「ごぶぅぅぅ!!」
そしてついに攻撃をくらってしまった。
それだけで脳が揺られ吐き気を催す。
『所詮は子供に変わりはなかったか。これで終わりにするとしよう』
「・・・・・・よ」
『ん?』
「ふざけんじゃねぇぞぉぉぉぉ!!!」
その瞬間魔力が吹き荒れる。
そしてアルトは現在の切り札のひとつを発動した。
それはあまりにも人間とは思えぬ姿をしていた。
発動した瞬間アルトの身体は実態を失い物理攻撃は無効化される。
その姿はまさに雷神。
「完全魔纏武装術 雷門 雷神の鎧装」
『なんだ!その姿は!』
「さすがにこんなに早くこれを使う羽目になるとは思わなかった。」
『ふん。少し雷を纏ったくらいで結果は変わらんぞ』
そして殴りかかり、アルトに当たると思った瞬間・・・
『なんだと!』
アルトの身体を突き抜けた。
その代わり使徒の身体に残るのは雷の熱によって出来た傷と身体に残る痺れのみ。
「無駄だ。今の俺の身体は魔法と一体化している。物理攻撃は聞かない」
『それならば!』
「それも無駄だ。」
使徒がなにかしようとした瞬間落雷が落ちる。
『がァァァァァ!!』
「今の俺は雷を自在に操り周囲の空間を支配している。この空間にある魔力は全て俺のものだ。貴様は体の中の魔力しか使うことが出来ないし、その魔法すらもこの空間では俺の方が早い。お前に勝ち目はないんだよ」
『ふふふ、ふはははははははは!!!!』
「何が面白い?」
『いや!500年ぶりに地上へでてみればこれほどの者がいるとは!よかろう!仮初の肉体ながら本気で相手してやる!我は邪神将が1人、強欲のエキューデ!』
「アルベルト・クロスフィード」
『参る!』
エキューデは先程よりも圧倒的な速さで走り始める。しかし・・・・・・
「遅いな」
気がつくとエキューデは反対側の壁にめり込んでいた。身体はあちこちがボロボロになり、内臓が傷ついているのか血反吐を吐いている。
『ガフッ!一体・・・何が・・・』
「スピードは力になる。お前のスピードじゃ遅くて欠伸が出そうだ」
『ギザまァァァァァァァ!!!!!』
「あばよ、邪神の使徒」
俺は手の平に魔力を集める。
周囲の魔力も全て集め、限界まで魔力を絞り出して放つ。
「散れ!雷滅閃光!!」
光が走った。
否、それは光を発する神雷のごとき雷。
訓練場が吹き飛んだ。
光がおさまった時、そこに居たのは元の体に戻ったアルトと倒れているドモロスだった。
『この借りは必ず返そう。覚えているがいい。アルベルトよ』
ドモロスから黒い霧のようなものが出て散っていった。
アルトはその光景を見て力尽きその場に倒れた。
「誰だ!」
俺は声のした瓦礫の方を見る。
声がしたのは俺が先程ぶっ飛ばした所だった。しかし、そこにはドモロスが座っている。いや、ドモロスの身体だが、明らかに別の何かがそこにいる。
『しかし、化け物とは心外だな・・・貴様も随分と化け物なのではないか?神の使徒よ』
「一体何を・・・」
「神の・・・使徒?」
なんとか立てているのは親父とアイリス母さん、アシュレイだけだった。
「親父!今すぐここから逃げろ!」
「し、しかしお前が!」
『ふはははは!!もう英雄気取りか神の使徒よ』
「ち!黙れ!」
「アルト・・・お前は一体・・・」
「すまない。親父、アイリス母さん、みんな・・・転移!」
「まっ!」
俺は観客席にいる人も合わせて全員纏めて先程の部屋に転移させた。
『ほほう。なかなか器用なことをするではないか』
「うっせぇ。てめぇ、なんなんだ。何故俺が・・・」
『何故貴様が神の使徒だと分かったか?であろう?』
「・・・・・・」
『簡単なことだ。私も同じ存在だからさ』
「同じ存在だと?」
『私も神の使徒・・・ということさ』
「なんだと!ばかな!」
『しかしまあ、邪神の使徒だがな』
「邪神」
そう言えば転生する時にタクロス様達から聞いた覚えがある。昔邪神ってやつがいたって。
けれど・・・
「邪神は死んだはずだ・・・」
『ふははははは!!いつだってそうだ。貴様ら神の使徒は最後に油断する。邪神様が生きていたことにも気づかずに!』
「それでも・・・」
『それでも神の目はごまかせるはずがない・・・か?』
「なんで・・・!」
こいつは俺の心を?
『なに、簡単なことさ。そう想像しているだけ。もし私が貴様の立場ならどう質問するか。そう考えているだけだ。簡単であろう?』
「ムカつくな・・・」
『ふはははは!!さて、仮初の肉体を手に入れたと言っても目の前に神の使徒がいるのであれば意味が無い。排除するか』
「っっ!!!!」
その瞬間俺は反対側の壁に打ち付けられていた。
「がっは!!!」
『なんだ!この程度か!』
「なめん・・・じゃねぇえぇ!!!」
拳と拳がぶつかり合う。それだけで衝撃波が生まれ当たりを撒き散らす。
そこからは肉弾戦が始まった。
殴り殴られ蹴り蹴られ互いに傷つけあった。
しかし、優勢なのは邪神の使徒の方があからさまだった。
アルトはそれまでの戦闘で魔力をかなり消費している。魔力が足りないのだ。
「ごぶぅぅぅ!!」
そしてついに攻撃をくらってしまった。
それだけで脳が揺られ吐き気を催す。
『所詮は子供に変わりはなかったか。これで終わりにするとしよう』
「・・・・・・よ」
『ん?』
「ふざけんじゃねぇぞぉぉぉぉ!!!」
その瞬間魔力が吹き荒れる。
そしてアルトは現在の切り札のひとつを発動した。
それはあまりにも人間とは思えぬ姿をしていた。
発動した瞬間アルトの身体は実態を失い物理攻撃は無効化される。
その姿はまさに雷神。
「完全魔纏武装術 雷門 雷神の鎧装」
『なんだ!その姿は!』
「さすがにこんなに早くこれを使う羽目になるとは思わなかった。」
『ふん。少し雷を纏ったくらいで結果は変わらんぞ』
そして殴りかかり、アルトに当たると思った瞬間・・・
『なんだと!』
アルトの身体を突き抜けた。
その代わり使徒の身体に残るのは雷の熱によって出来た傷と身体に残る痺れのみ。
「無駄だ。今の俺の身体は魔法と一体化している。物理攻撃は聞かない」
『それならば!』
「それも無駄だ。」
使徒がなにかしようとした瞬間落雷が落ちる。
『がァァァァァ!!』
「今の俺は雷を自在に操り周囲の空間を支配している。この空間にある魔力は全て俺のものだ。貴様は体の中の魔力しか使うことが出来ないし、その魔法すらもこの空間では俺の方が早い。お前に勝ち目はないんだよ」
『ふふふ、ふはははははははは!!!!』
「何が面白い?」
『いや!500年ぶりに地上へでてみればこれほどの者がいるとは!よかろう!仮初の肉体ながら本気で相手してやる!我は邪神将が1人、強欲のエキューデ!』
「アルベルト・クロスフィード」
『参る!』
エキューデは先程よりも圧倒的な速さで走り始める。しかし・・・・・・
「遅いな」
気がつくとエキューデは反対側の壁にめり込んでいた。身体はあちこちがボロボロになり、内臓が傷ついているのか血反吐を吐いている。
『ガフッ!一体・・・何が・・・』
「スピードは力になる。お前のスピードじゃ遅くて欠伸が出そうだ」
『ギザまァァァァァァァ!!!!!』
「あばよ、邪神の使徒」
俺は手の平に魔力を集める。
周囲の魔力も全て集め、限界まで魔力を絞り出して放つ。
「散れ!雷滅閃光!!」
光が走った。
否、それは光を発する神雷のごとき雷。
訓練場が吹き飛んだ。
光がおさまった時、そこに居たのは元の体に戻ったアルトと倒れているドモロスだった。
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コメント
こんのボルボックス野郎がぁ!
小説家になろうの【転生少年の転生記】と王女の設定が被ってる。