話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

漆黒王の英雄譚

夜叉神

第22話 突然の展開

「おーい、準備はいいか?」

17の鐘が鳴って俺達は今屋敷の前にいた。
これから馬車に乗って王城に向かう。

「全員揃ってるわね!」

「ヴァイス兄さん大丈夫だった?」

「うむ!アルトがあんなに強いとは思わなかったな!奥の手を使う前にやられてしまった!」

「奥の手って・・・どんなやつ?」

「ふん!自ら手を明かすバカでは無いのだよ」

「つまり内緒ってこと?」

「そういうことだ!ははは!!」

「何があったんだ?」

「あ、親父。ヴァイス兄さんがいじわるする」

「な!アルトよ!父上!決してそんなことはしておりませんぞ!」

「どっちも馬鹿なことしてないでさっさと行くぞ」

「「はーい」」

「つーか、いつ戻ってきたんだよ。」

「ついさっきだ。ほれ、さっさと行くぞ」

「うい」

それから全員馬車に乗って王城へ向かった。王城に着くと1人の執事が出てきた。

「お待ちしておりました。お久しぶりですな。エルヴィン様」

「ええ、セバスさん。お久しぶりです。」

「2年ぶりですかな。奥様方もお久しぶりです」

「久しぶりですね!セバスさん」

「久しぶりです」

「お久しぶりです。セバスさん。この子達が私たちの子供たちです。右からヴァイス、フィーナ、レオナード、リンゼ、アルヴィン、アルベルトです。」

「ヴァイス坊ちゃん、フィーナお嬢様は何度かおあいしておりますな。私は王家専属執事長セバスチェンと申します。」

(おしい!セバスチャンじゃなかった!!)

「普段は王太子殿下ハドルフ殿下の執事をしております。今回は皆様の案内をさせていただきます」

「「「「よろしくお願いします」」」」

「はい。それではご案内致します」

俺達はセバスさんに1つの部屋に案内された。

「皆様がお揃いになるまでこちらでお待ちください。何かありましたら、近くにいるメイドにお申し付けください」

そう言うと直ぐにセバスさんは出ていってしまった。

「セバスさんはな、元々第1騎士団副団長だったんだ。」

「マジか」

「けれど怪我を機に引退して王家の執事になったんだ。現役の頃には《軍斬》って異名が着いてたんだ。それくらい強かったんだ」

「軍斬って・・・軍隊を切るってこと?」

「そうだ。持っていた武器は大剣。それをひと振りすれば幾十の兵士が吹き飛んだとされるすごい人だぞ。だから、ハドルフの執事と護衛を兼ねてるんだ。」

「それは凄いですね。ということは父さんもできるのですか?」

「俺は雷を使った槍使いだからな。吹き飛ばすよりも焼き焦がすの方が合ってるかもな」

「そう言えば父上。今日アルトと模擬戦をしたのですが、アルトの奴、すごい雷の魔法を使ってきたんですよ!」

「ああ、あれだろ?《雷帝の聖鎧トール・アルマデュール》とかってやつだろ?あれはふざけてるよな」

「そんなことないよ。現に親父だって後ちょっとで完成するだろうが」

「まだ、部分的にしか鎧化出来ないけどな。足と腕くらいだ。お前は全身できるだろうが」

「まあ教える側としてはこれくらいはな」

「くっそぉぉぉ!!アルト!今度それを俺にも教えてくれ!」

「ヴァイス兄さんの属性は雷じゃなくて火でしょ?」

「雷も少しだが使えるぞ!」

「まあ、炎版もあるからいいけどな」

「なんだと!」

「俺が持つ基本属性の武纏装術は全部あるから安心しろ」

「アルト・・・ついでに聞いておくがお前の属性はなんだ?」

「ん?えーと、炎、水、風、土、雷、光、闇だな。武纏装術が出来るのはこの7つだけだ。」

「全部かよ!」

「アルト君すごいね!全属性持ちなんて記録にないんじゃないの!?」

「そうなのか?」

「いや、過去の勇者がそうじゃなかったか?」

「そう言えば七色の勇者が7属性持ちだったっけ?」

「え?あれってお伽噺じゃないの?」

「実際にあった話って調査結果の方が多いそうだ。・・・そうか。アルトは勇者になるのか?」

「ならないよ!」

実際は勇者よりも格が高いことをアルト自身も知らない。

「けど、7属性だけじゃないぞ?空間とか時間、太陽とか月もあるからな」

「じゅ、11属性?!」

「正確には14だし、これからも増えるけどな・・・・・・」

「ん?何か言ったか?アルト」

「いや、なんにも言ってないよ。」


そんなふうに話していると再びセバスさんがやってきた。

「エルヴィン様、ハドルフ様とリーシュ様がお見えになられました」

そして入ってきたのは赤い髪をして頭の良さそうな男性と金髪の優しそうな目をした女性だった。

「久しぶりだな、エルヴィン」

「そうだな。ハドルフ」

どうやら王太子殿下のハドルフ様と王太子妃の奥様のようだ。

「エルザも久しぶりだね」

「久しぶりなの!リーシュちゃんもね!」

「ふふふ、久しぶりですねエルザさん、シルクさん、アイリスさん」

どうやらみんな知り合いのようだ。


「この子達が4人の子供かい?」

「ああ、長女、長男は知ってるだろ?次男のレオナード、次女のリンゼ、三男のアルヴィンと末っ子のアルベルトだ。」

「へぇ、君がアルベルト君ね。ふむふむ」

そう言ってハドルフ様は俺の事をじっくりと見てくる。

「ええっと、なんでしょうか?」

「大きくなったものだな。」

「え?」

「アルト。ハドルフはあのことを知ってるから、アルトの赤ちゃんの頃を知ってるんだ。だから、会うのは初めてじゃないんだぞ?」

「そうだったっけ。あ、アルベルト・クロスフィードです。父がお世話になってます」

「はっはっはっはっ!!礼儀正しい子だ。」

そう言ってハドルフ様は俺の頭を撫でた。

「そう言えばお前のところのはどうした?姿が見えないが」

「もうすぐ来ると思うんだけど・・・エルヴ、済まないな。もしかしたら決闘になるかもしれん」

「へ?決闘?」

なんだ?なにか危ないことにでもなるのか?

すると、扉が開いて4人の男女が入ってきた。

「お待たせしました。お父様、お母様」

1人目は1番年上だろう。少しお姉さんっぽい赤い髪をした女の子で、赤い髪をサイドテールでまとめて髪と同じ赤い色をした人だった。

2人目はリーシュ様と同じような金髪の男の子で10歳にはいってなさそうな、大人しげの男の子だった。

3人目と4人目はアルトと同じ位の身長で赤い髪をした男の子と女の子だった。

「来たきた。ほらアシュレイ。こいつがお前が話したがってたエルヴィンだ」

アシュレイ?どっかで聞いたことのある名前・・・・・・ってそうだ!第1王女様だ!
ということはあの子供たちは王子と王女達か!

「初めまして、ベルマーレ王国第1王女アシュレイ・ベルマーレです。よろしくお願いします。」

「初めまして、エルヴィン・クロスフィードです。お会いできて光栄です。アシュレイ王女殿下」

「あれ?ねえ、フィーナ姉さん。2人って初めて会うの?」

「そうっぽいわね。そう言えば1年前もお父様が帰った時、アシュレイは別の用事で王都を出てたから会えてなかったし」

「ふーん」

視線を2人に戻すと話はまだ続いていた。

「ずっとあなたにお会いしたかったですわ。学院を首席で卒業し、ハニアカルト騎士団長と共に歴代最年少で騎士団長、副団長まで登り詰めた天才」

(親父ってそんなふうに言われてたのか・・・)

「それほど評価して頂けるとは思いませんでした。ありがとうございます」

「いえいえ!そこであなたに失礼ながらお願いがございますの」

「お願いですか?はて、私に出来ることならば何なりと」

(親父って普段あんな喋り方しないだろ!なんかキモい)

「では!私と決闘して頂けませんか?!」

「決闘・・・ですか?」

「ええ!アルペリーニ騎士団長とは何度も手合わせしておりますが、あの騎士団長すらも高評価する副団長のクロスフィード伯爵と手合わせしてみたいのです!それにあなたの槍捌きも見てみたいですわ!」

「なるほど・・・」

すんごいキラキラしてる。俺は親父の方を見ると親父と目が合った。するとニヤッととっても悪そうな顔をしてきた。
不味い!嫌な予感しかしない!

「アシュレイ王女殿下。私と手合わせする前にまずは我が息子としてみてはいかがですかな?」

「は?」

「ヴァイス君とですか?それならもう学院で何度も・・・・・・」

「いえいえ!私が言っているのは長男のヴァイスではなく・・・」

まさか・・・

「4男のアルベルトです」

そう親父が言うとギロっとアシュレイ様の目がこっちに向いた。

「我が息子に勝てたのならば、その時は私が御相手しましょう。しかしまあ、勝てたら・・・ですが」

「私がこの5歳の子供に負けるとお思いで?」

「さぁ?私にはわかりませぬ。しかし、我が息子に勝てたのなら私も勝てるかは分かりません。」

なにいってんだ!この親父は!
ほらっ!アシュレイ王女の目がこっち向いてんじゃん!何その笑顔!超怖いんですけど!!

「なるほど。分かりました。私が勝てば相手してもらいます!さあボク!行きますよ!お父様!訓練場をお借りします!」

「はぁ、仕方がない。我々も行こう。みんなもそれでいいかな?」

その時既に俺はアシュレイ王女に抱えられ部屋を出ていた。




「漆黒王の英雄譚」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

  • 神弥

    ちょっと楽しくなってきた

    0
  • ケモ耳最高

    使える属性全部使って戦って欲しいw

    2
コメントを書く