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漆黒王の英雄譚

夜叉神

第17話 出発前日


「帰ってきたな」

アルトは帰ったと同時に分身を消して2ヶ月分の記憶を取り込む。そしてこの2ヶ月で何があったかを確認した。

「ふむ。屋敷を出るのは明日か。今日はのんびりするか。2人は剣に戻るか?」

「その方が良いですか?」

「戻ってくれてもいいが、結局は無限収納にしまうことになるな」

「俺は別にどっちでもいいぜ。けど戻らないとどこでどうすればいいのか分からねえな」

「それは私もです。」

「じゃあ二人とも戻っててくれ、何かあったら呼ぶから」

「了解」「かしこまりました」

剣に戻った2人を無限収納にしまう。

「さて、明日から王都に出発か、あっちで作った魔道具は無限収納に入れたからあとは服とかか?」

部屋を見渡してみるが、とても綺麗な状態で部屋の隅の方にカバンがひとつあるだけ。

「そうだ。もう、準備終わったんだっけ。どうしよう・・・」

現在の太陽の角度的に今は昼頃だ。
食事はさっき終わったようで、これから貰いに行くのはおかしいだろう。

「ん〜〜〜ダメだ。なにすっかな。」

本当に何するか迷っている。
魔力操作に関しては現時点で既にやっている。本を読むにしてもこの屋敷にある本は大体読み終わっている。身体を動かすのはこの2ヶ月でかなりやった。

「あ、久しぶりにあれ作るか」

何かを思い出したかのようにアルトは部屋を出ていった。


アルトが向かったのは料理室。
横にはリリスがいる。

「あの、アルト様?何をするのですか?」

「うむ!リリス君!」

「り、リリス君?」

「まあまあ、これからお菓子を作ろうと思う。」

「お菓子・・・ですか?それならば私が作りますが?」

「それってクッキーだろ?いつもの」

「ええ、まあ。お菓子と言ったらそれくらいしか」

「やっぱりな・・・!これから作るのは全く別次元のお菓子なのだ!」

「別次元の・・・ですか?」

「うむ!それでは・・・・・・」

そうしてアルトのお菓子作りが始まって1時間後・・・・・・

「随分と沢山作っちまったな」

「そうですね・・・けどこのお菓子!なんですかこれは!このプリンというのはプルんとしていて甘いし、このアイスというのはキンっ!と冷たくて甘くて美味しいです!」

料理室のテーブルにはいくつものお菓子が置かれていた。

リリスが言ったプリンやアイス。それにゼリーやチョコケーキ、ラスクなどの甘い物から、ポテトチップス、チーズケーキ、塩をかけたフライドポテトなどのしょっぱいものまで様々なお菓子を用意した。

何故アルトがお菓子を作れるのか?
アルトは前世で一人暮らしをしていたので料理はほぼ自分でやっていた。
しかし、ご飯ばかり作っていては飽きてしまうので始めたのがお菓子作りだった。
最初は簡単なものだったが、のちのちにハマりだし、学校ではみんなに振舞っていたほどだ。

「まあ、前世で少しかじってたからな。さて、こんなに作っても俺たち2人じゃ食べきれないからみんなに分けるか。まずは親父の所に行くか?」

「そうですね。みんなでわけた方がいいです。全部食べてしまったら夕飯が食べれなくなってしまいますからね」

「分かった。それじゃあ俺は親父たちを連れてくるから調理器具の片付けをして貰ってていいか?」

「かしこまりました」

アルトはエプロンをとり、料理室を出るとエルヴィンの執務室に向かった。

「親父入っていいか?」

「アルトか?いいぞ」

扉を開けるとゼーダさんも執務室の中にいた。

「どうした?」

「実はさっきリリスと一緒にお菓子を作ったんだ。休憩がてらに食べないか?」

「お菓子?アルトがか?それは食べれるのか?」

「失敬な!親父が食べたことの無いものばっかりだろうな!」

「そ、そうか。それじゃあ休憩するか。ゼーダもどうだ?」

「よろしいのですか?」

「ああ、ゼーダさんも一緒に食べよう。食事はみんなで取った方が美味しく感じるしな」

「ありがとうございます。」

「俺は母さん達を呼んでくるから先に行っててくれ。リリスが待ってるはずだ」

「おう、楽しみだな」

「ゼーダさんもほかの使用人たちに声をかけてもらってもいいですか?」

「かしこまりました。それでは旦那様をお送りしたら呼びに行くとしましょう」

「お願いします」

それからアルトは執務室をでて、アイリスやシルク、アルヴィン達の元を訪れお菓子の誘いをして行った。

そして約5分後・・・・・・

「なんかパーティみたいになったな。」

「ですね」


いつも食事をする場所にお菓子やデザートがたくさん置かれ、その周りを親父達や母さん達、使用人の人達が食べながら歩いている。
その周りからリリスと一緒に見ていたアルトの元へアイリスとシルクがやってきた。

「これ全部アルトが作ったの?」

「うん。まあ、リリスにも手伝って貰ったよ」

「それでも凄い。このしょっぱいのはパリパリしていて美味しい」

「それはポテトチップス。アイリス母さんが食べてるのはゼリーだ。」

「ポテトチップス・・・」

「ゼリーは分かるのよ、けどこんなゼリーは見たことも食べたことも無いわ。」

「果肉ごと入れてるから食感も楽しめるんだよ。」

「これは異世界のお菓子?」

「ほとんどそうかな。あっちの世界でよく作ってたものを作ってみたんだ。」

周りを見てみるが好評だったようだ。

「みんな美味しそうに食べてる」

「うん。将来はお菓子屋さんになるのかな?」

「そのつもりは無いけどね。美味しいと言っても趣味の範囲だから、本職の人が作ったのには負けちゃうし」

「それはこれから練習すればいいんじゃない?」

「まあ暇があったら作るつもりだ。さて、リリス。俺達も食べに行こう。無くなりそうだ」

「はい」

既に作ってあった半分ほどが無くなっていてまだ食べていないアルトやリリスの分がなくなりそうだった。

それからアルト達は使用人や家族と談笑しながら1時間ほど過ごして解散した。


その後は明日からの王都に向けての荷物の最終確認や武器の手入れなどをして出発前日を終えた。

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