他愛もない僕の今日
1時限目 学校へ
梅ノ駅に着いた僕はまず時間の確認をした。腕時計を見ると、8時3分となっている。駐輪場を出て、急いで駅のホームへと向かう。
8時という時間帯のためか駅は少し人が多く感じる。これからはもう少し早い時間に電車に乗る。その時は、もっと混んでいるだろう。そう考えると少し憂鬱になってしまう。と、今は絵翔を探さなければ。えーと…いたいた。
「おはよう、絵翔」
「おお!おっす!」
相変わらずのいい笑顔だな。絵翔は顔が整っているため笑うだけで絵になる。中野さんも可愛らしい顔立ちで、2人に比べると僕は平凡だ。ただ、悪い訳ではないのでそれほど気にしていない、うん。
「あれ?絵翔髪染めたんだね」
「ああ!うちの学校染めるのオーケーだからな。前から染めてみたかったんだよ。どうだ?似合うか?」
「うん、似合ってるよ」
その茶髪明るめの色で絵翔の明るい感じによく合っていた。
絵翔の言う通り僕の学校は校則が厳しくない。ゆるゆるとまではいかないが、ある程度の事は許可している。その点も人気の1つかも知れない。
「春は染めたりしないのか?」
「あー、僕はしないかな。姉さんから春は茶髪とか似合わなそ〜って入られてるからね。自分でも染めているのを想像すると笑っちゃうよ」
「確かに!」
そう言って僕らは笑い合った。ただ、そこまで笑わなくてもいいと思うけどな。
「そういえば、冬美さんは先週から仕事始まってたっけ?」
「うん。今日も遅刻しないようにって言ってきたよ」
「あ〜、冬美さんちょっとルーズなところあるからなぁ」
「まあ、そういうところも可愛いんだけどね」
姉さんの可愛いところは他にもあるけれどここでは割愛しよう。
「相変わらず好きだな、冬美さんのこと…」
そう言って絵翔は少し引いていた。自分が少しシスコンなことぐらい分かっている。そういう絵翔も弟の旬君を結構甘やかしていると思うんだけどな〜。
「いやいや!絵翔も」
「お!電車来たぞ!」
「ちょっと!」
間の悪いタイミングで電車が来てしまった。僕も絵翔の後を追って電車に乗った。
ホームに人が多かったが、僕たちは席に着くことが出来た。人が多すぎる訳ではないので、立っているお客さんはそこまで大変そうではない。ふと気になることを思い出したので僕は絵翔に聞いてみた。
「そういえば、高校で部活はどうするの?サッカー続けるの?」
「ああ。もう春休みのうちから参加させてもらってる。出来たばっかだけどレベル高いな。監督がすげー人でさ!これから本格的に参加するから楽しみなんだよ!」
「へ〜そうなんだ。楽しそうで良かったよ」
「そういう春は部活どうするんだ?あそこいろんな部活あったろ?」
「まだ決めてないよ。実際に見てから決めようと思ってるから」
絵翔の言うように僕の学校は、部活が多い。オーソドックスなものから、オカルト研究会なんていう不思議な部活もある。全校生徒の人数を考えるとその多さも頷ける。天ヶ河高校は1学年400人前後で、10クラスに分けられている。そのため部活動だけでなく、文化祭や体育祭といった行事もとても活気のあるものになっている。文化祭は6月初旬に行われる。中間テストが5月中旬にあるため、準備は大変そうだ。
「ただ、運動部に入ろうとは考えているよ」
「お!そうか!お互い頑張ろうぜ!」
「そうだね」
桜岡駅に無事着いた僕たちは駅を出て学校へ向かっていた。学校のあるここ海前町桜岡に来ることはあまりなかったので、歩いているだけで新鮮だ。
「春はここら辺来たことあるか?」
「あまりないかな。絵翔はもう何回かあるんだよね?」
「まあな。部活で来たからな。あ!そうだ。ちょっと行ったとこにすげ〜うまい店があったんだよ。今度行こうぜ!」
「そんなに美味しかったんだ。そうだね、帰りが合ったら行こうか」
絵翔が美味しいというお店に外れはないからとても楽しみだ。
新しい町に期待を寄せながら歩いていると学校へ着いた。新入生がもう結構な数来ており、送迎の車も多い。自転車で来ている生徒もちらほらいる。入学式は講堂で行われるため、僕たちは講堂へ向かった。
オープンスクールで来たけどやっぱり綺麗な所だな〜。敷地も広いし入学してすぐに迷子にならないように気をつけないと。
「そういえば受付の時にクラスを教えられて、クラス毎に分かれて座るはずだったよね?」
「ああ。いや〜何組になるかな〜。おもしれ奴と一緒だといいな!」
「僕は特進クラスって分かってるから楽しみが1つ減ってるよ。絵翔は中野さんと同じクラスになるかもね」
「夕紀と同じクラスだとうるさそうだな」
そう言って絵翔は少しため息を吐いた。2人はよく喧嘩になるからな〜。同じクラスの人は大変そうだ。
絵翔と話しながら講堂へ行く道を歩いていると見知った後ろ姿を見つけた。
「絵翔、あれ中野さん達かな?」
「あれか?あの小ささは夕紀だな。後ろから驚かしてやろうぜ!」
「また?入学式始まる前に喧嘩とかするのはやめてね」
「分かってるって」
そうして僕たちは中野さん達のもとへ向かった。
 
8時という時間帯のためか駅は少し人が多く感じる。これからはもう少し早い時間に電車に乗る。その時は、もっと混んでいるだろう。そう考えると少し憂鬱になってしまう。と、今は絵翔を探さなければ。えーと…いたいた。
「おはよう、絵翔」
「おお!おっす!」
相変わらずのいい笑顔だな。絵翔は顔が整っているため笑うだけで絵になる。中野さんも可愛らしい顔立ちで、2人に比べると僕は平凡だ。ただ、悪い訳ではないのでそれほど気にしていない、うん。
「あれ?絵翔髪染めたんだね」
「ああ!うちの学校染めるのオーケーだからな。前から染めてみたかったんだよ。どうだ?似合うか?」
「うん、似合ってるよ」
その茶髪明るめの色で絵翔の明るい感じによく合っていた。
絵翔の言う通り僕の学校は校則が厳しくない。ゆるゆるとまではいかないが、ある程度の事は許可している。その点も人気の1つかも知れない。
「春は染めたりしないのか?」
「あー、僕はしないかな。姉さんから春は茶髪とか似合わなそ〜って入られてるからね。自分でも染めているのを想像すると笑っちゃうよ」
「確かに!」
そう言って僕らは笑い合った。ただ、そこまで笑わなくてもいいと思うけどな。
「そういえば、冬美さんは先週から仕事始まってたっけ?」
「うん。今日も遅刻しないようにって言ってきたよ」
「あ〜、冬美さんちょっとルーズなところあるからなぁ」
「まあ、そういうところも可愛いんだけどね」
姉さんの可愛いところは他にもあるけれどここでは割愛しよう。
「相変わらず好きだな、冬美さんのこと…」
そう言って絵翔は少し引いていた。自分が少しシスコンなことぐらい分かっている。そういう絵翔も弟の旬君を結構甘やかしていると思うんだけどな〜。
「いやいや!絵翔も」
「お!電車来たぞ!」
「ちょっと!」
間の悪いタイミングで電車が来てしまった。僕も絵翔の後を追って電車に乗った。
ホームに人が多かったが、僕たちは席に着くことが出来た。人が多すぎる訳ではないので、立っているお客さんはそこまで大変そうではない。ふと気になることを思い出したので僕は絵翔に聞いてみた。
「そういえば、高校で部活はどうするの?サッカー続けるの?」
「ああ。もう春休みのうちから参加させてもらってる。出来たばっかだけどレベル高いな。監督がすげー人でさ!これから本格的に参加するから楽しみなんだよ!」
「へ〜そうなんだ。楽しそうで良かったよ」
「そういう春は部活どうするんだ?あそこいろんな部活あったろ?」
「まだ決めてないよ。実際に見てから決めようと思ってるから」
絵翔の言うように僕の学校は、部活が多い。オーソドックスなものから、オカルト研究会なんていう不思議な部活もある。全校生徒の人数を考えるとその多さも頷ける。天ヶ河高校は1学年400人前後で、10クラスに分けられている。そのため部活動だけでなく、文化祭や体育祭といった行事もとても活気のあるものになっている。文化祭は6月初旬に行われる。中間テストが5月中旬にあるため、準備は大変そうだ。
「ただ、運動部に入ろうとは考えているよ」
「お!そうか!お互い頑張ろうぜ!」
「そうだね」
桜岡駅に無事着いた僕たちは駅を出て学校へ向かっていた。学校のあるここ海前町桜岡に来ることはあまりなかったので、歩いているだけで新鮮だ。
「春はここら辺来たことあるか?」
「あまりないかな。絵翔はもう何回かあるんだよね?」
「まあな。部活で来たからな。あ!そうだ。ちょっと行ったとこにすげ〜うまい店があったんだよ。今度行こうぜ!」
「そんなに美味しかったんだ。そうだね、帰りが合ったら行こうか」
絵翔が美味しいというお店に外れはないからとても楽しみだ。
新しい町に期待を寄せながら歩いていると学校へ着いた。新入生がもう結構な数来ており、送迎の車も多い。自転車で来ている生徒もちらほらいる。入学式は講堂で行われるため、僕たちは講堂へ向かった。
オープンスクールで来たけどやっぱり綺麗な所だな〜。敷地も広いし入学してすぐに迷子にならないように気をつけないと。
「そういえば受付の時にクラスを教えられて、クラス毎に分かれて座るはずだったよね?」
「ああ。いや〜何組になるかな〜。おもしれ奴と一緒だといいな!」
「僕は特進クラスって分かってるから楽しみが1つ減ってるよ。絵翔は中野さんと同じクラスになるかもね」
「夕紀と同じクラスだとうるさそうだな」
そう言って絵翔は少しため息を吐いた。2人はよく喧嘩になるからな〜。同じクラスの人は大変そうだ。
絵翔と話しながら講堂へ行く道を歩いていると見知った後ろ姿を見つけた。
「絵翔、あれ中野さん達かな?」
「あれか?あの小ささは夕紀だな。後ろから驚かしてやろうぜ!」
「また?入学式始まる前に喧嘩とかするのはやめてね」
「分かってるって」
そうして僕たちは中野さん達のもとへ向かった。
 
「現代ドラマ」の人気作品
書籍化作品
-
-
59
-
-
2813
-
-
157
-
-
20
-
-
89
-
-
70810
-
-
104
-
-
23252
-
-
1
コメント