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じゃくまる

第15話 フィルの依頼


 新しいスキルを覚えたボクは、そのまま待ち合わせ場所である世界門へと向かった。
 世界門へと続く道には、屋台が多く出ているため、見ているだけで時間を使ってしまいそうだ。
 

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――世界門広場――

「う~ん、どこだろう? 見た目をいじらないと思うから、すぐわかると思うんだけどなぁ……」
 世界門広場前は待ち合わせの人、新規登録者などでごった返している。
 人が多くて目当ての人間が見つからないのは困ったものだけど、過疎化するよりはよっぽどいいだろう。

「う~ん? お~い、ミナ~?」
 ボクがたまらずミナの名前を呼ぶと、服の裾を引っ張られるのを感じた。

「うん? 黒銀色の髪、黒目……。もしかして、ミナ?」
 振り向いた場所にいた、少し小さな少女に声を掛ける。
 言わずと知れた低身長、どうやらミナのようだ。

「名前、マイアだよ。お姉ちゃん」
 妹のミナは、『マイア』というキャラ名にしたようだ。

「マイアねぇ。エレクトラにしたかと思ったんだけどな~」
「エレクトラは別に使いたいから、マイアにしたんだよ」
 マイア、それはプレイアデス星団の星の一つだ。
 アトラスの娘の七姉妹の名前でもあるけど。

「見た目そのままにしたんだ? 職業とかはキャンペーンのをそのまま?」
「うん、だからかわからないけど、神官見習いだね。回復系っぽい」
 マイアの職業は神官見習いかぁ。
 マイアっぽい感じがしないから不思議だなぁ。

「お兄ちゃんは?」
「ギルドにいるはずだよ。登録を教えてくれるはず」
「そうなんだ。いこ?」
 マイアはすぐさま動き出す。
 ボクの手を引っ張りながら。

「ま、マイア、早いって」
「急がないと混んじゃうでしょ?」
「大丈夫だと思うけど、この姿になってからギルド行くの初めてなんだよ~」
 実はあれからまだギルドにはいけてなかったりする。
 だって、怖いから。
 はぁ、アニスさんやほかの人にいじられなきゃいいけど……。

「女は度胸、だよ?」
「んなこと言っても……。はぁ。もう」
 マイアのやる気を削ぐわけにもいかないし、指名依頼も確認しなきゃいけないからね。
 結局行くしかないんだ。
 でも、ボクは割り切ったって言っても、まだ壁を乗り越えられるほど割り切れたわけじゃないんだよ。

「あの大きな建物がそう?」
 ミナが指さす先には、大きな三角屋根の建物があった。
 南大通りの大きな三角屋根の建物といえば一つしかない。
 メルヴェイユ冒険者ギルドだ。

「大きいね、人もたくさん」
「間違ってついて行かないようにね?」
「お姉ちゃんじゃないんだから、大丈夫だよ」
「それって、ボクがついていきそうってことなのかな?」
 マイアは無視してさっさとギルドへと行ってしまった。
 薄情者め!


 カランカラン

 乾いたベルの音が来客を知らせる。
 誰が来たのかを確認するのはもうお決まりのパターンだよね。

「いらっしゃいませ、メルヴェイユ冒険者ギルドへようこそ。新規受け付けはこちらになります。小さなお嬢さんは登録でよろしいのですか?」
 新規受付担当の女性がマイアをそっちの窓口へと誘導していく。
 
 あれ?
 てっきりボクもその流れかと思ったんだけどな。

「おいおい、スピカちゃん! どんだけ美少女になったってんだよ!?」
「前のままでも可愛かったけど、今の姿もいいなぁ」
「えっ? なんで!?」
「すーぴーかーちゃ~ん!!」
 ボクを見る男性冒険者達の驚きの声に戸惑っていると、アニスさんが駆け寄ってきて抱き着いてきた。

 むぎゅ~

「ちょっ、苦しいよ」
 何とか全力を振り絞ってアニスさんを引きはがすことに成功。
 Aランク冒険者なだけあって、力が強すぎだよ。

「あはは、スピカちゃんのことならわかるよ。匂いでね。それと、フィルちゃんが来て依頼だしてきたんだよ。はい、これ」
 アニスさんが渡してくれた紙には、フィルさんからの指名依頼の内容が書かれていた。

■指名依頼書
 受注条件:冒険者スピカを含むソロ、もしくはパーティーで受領すること。
 依頼内容:メルヴェイユ南ダンジョンでの魔力結晶の採集と、ダンジョン内の花畑にあるムーンリーフの採集、各10個。
 報酬:銀貨3枚と消耗品、及びスピカ用武具類。
 備考:期限は無期限、要塞戦へ向けてのレベルアップやダンジョン探索なども行ってかまいません

 各10個集めればいいと言うことなので、探索しながら集めることになるだろう。
 報酬や期限に関しては、ほぼボクへの配慮がされているようだった。
 まぁ、装備の話は寝耳に水だったけどさ……。

「受けるでしょ? アークさんと妹のマイアちゃん? だっけ? それと、カレンさん達のパーティーで合同で」
 依頼を受けることに関しては問題はない。
 けど、何でカレンさん達もなんだろう?

「あれ? 言ってなかったか? カレン達、うちらのパーティーに合流することにしたらしいぞ」
 ボクが首をかしげていると、どこからともなくアーク兄がやってきた。
 いつの間にそんなことになってるんだか……。

「リーンさんやコノハちゃんとかもってこと?」
 二人が了承するなら、必然的にコノハちゃんも了承はするだろうけど。
 そういえば、あれから会えてないなぁ。
 でも、会うのが怖いってのもあるし……。

「あぁ、リーンもコノハちゃんも了承してる。てか、発案はコノハちゃんだぞ?」
「えぇ? コノハちゃんが?」
 お姉さん二人の意見に同調しそうな感じはあったけど、まさか積極的に提案するなんて……。

「そうなんだ。まぁでも、これ、傍から見ればアーク兄の一人勝ちだよね? 夜道に気を付けてね?」
「ちょっ、まっ」
「待たないし!  じゃあボクは先に準備して待ってるから、合流したら来てよね」
「あっ、おい!」
 引き留めるアーク兄を放っておいて、ボクはマイアとギルドを飛び出した。
 ちょっとくらい意地悪したっていいよね?
 だって、傍から見ればアーク兄以外全員女の子なわけだしさ。

「お姉ちゃん、悪い顔してる」
「あは、ばれちゃった? でも、良い薬だよ」
「ハーレム男、アークトゥルス」
「マイア、思ったより辛辣だよね。どこでそんな言葉覚えるのさ」
「ネット」
「なにそれこわい」
 ボクとマイアは出発の準備のため、食料と水などを買い込みに、屋台を回ることにした。

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