私を救った人

ノベルバユーザー233171

地球最期の恋

突然ですが、今日地球は巨大隕石により滅亡します
皆さん、残り少ない時間の人生を楽しんで下さい

自分)私がテレビを付けると、いつも堂々としていたはずの総理大臣が半泣きになりながらそんな事を言っていた

…ふーん、地球滅亡かぁ

半泣きになっている当たり、ジョークなどの類では無いであろう…
だが…私は特に気にせず、いつも道理学校へ向かう支度をしていた








地球滅亡まで
12時間









家から出ると、そこにはおぞましい渋滞と人々の群れが広がっていた

…皆何をそんなに急いでいるのだろう

人々は罵声にも似た声で「地球滅亡」や「死」などといった単語を混ぜ、「命」を叫んでいた

だが私は、それでも気にせず学校へ向かっていた…





どうやら街に並ぶ店はほぼ機能していないらしい…とゆうか警察や消防までもが機能していない、おかげで街は強盗などで荒れ放題だ

…どうしてそこまでして皆生きたいのだろう







何の為に皆生きているのだろう

何の為に皆頑張っているのだろう

…皆、何を考えて死んで行くのだろう

私には、分からない







いつもと違う風景を見ながら歩を進めていると、いつの間にか学校の前に私は立っていた

まぁ、そんな事だろうとは思ったが…
学校はほぼ無人と化していた

だが、そんな事は気にせず
私はいつも道理自分の教室へ向い
自分の席に着席した

少し暗く荒れた教室は、私をどこか懐かしい感覚にさせ、不思議な雰囲気を漂わせていた

あと少しの人生かぁ、、、
何してようかなぁ


ガチャ…

自分)うん?


鈴仙)ふふっ、ここに居たか
全く、探したんだよ?

自分)探した?

鈴仙)うん、君に救われた命だし、最後は君と一緒に居ようかなって
見たでしょ?今朝のニュース

自分)まぁね

鈴仙)それで、君は何して過ごすの?

自分)うーん、別に決めてないかなぁ
特にしたい事も無いし
とりあえず思い出巡りでもしようかと学校に来てみたけど

鈴仙)思い出巡りかぁ、何だか君らしいね

それじゃぁ、思い出巡りも兼ねて2人でいろんな所見て回らない?

自分)そうだね、それじゃぁどこ行く?

鈴仙)パフェ屋さん!

自分)行っても良いがあの様子じゃぁ店員は居ないだろうしパフェは食べれないぞ

鈴仙)むぅ…いいもん、自分で作るし

鈴仙はそう言いながら頬を膨らませた
…可愛いなこいつ




外に出るとさっきとは違い、町はがらりと人気がなくなっていた

鈴仙)街のみんなは隕石が落ちる夜になる前に着弾地点から離れてるみたいだよ

自分)道理でさっきから物音1つ無い訳だ

ふふっ、何だかこの世界に私達しか居ないみたいだね

自分)…






地球滅亡まで
5時間






鈴仙)じゃじゃーん、鈴仙特製パフェだよ
ほら、食べて食べて!

鈴仙は自分の腰から頭まではあるであろうパフェを突き出しながら私にそう言葉をかけた
…でか過ぎない
つかこいつ器用過ぎない?
よくあの短時間でこれ作ったな

鈴仙)むう…

自分)??

鈴仙)食べないの?

自分)あっ、いや、食べるよ

笑顔
鈴仙)…良かった
それじゃあ
…はい、あーん

鈴仙は小さなスプーンでパフェをすくい、私の口元まで運んだ

自分)はい、あーん…?
あーん!?

ぱくっ、、、

…うまい

鈴仙)ふふっ、良かった

自分)俺らなんでカップルまがいな事してるの?

フェードアウト
そのまま
フェードイン
鈴仙)それじゃあ食器も置いた事だし、次行くところは君が決めて
自分)うーん…
じゃあ鈴仙の家で
鈴仙)行って何するのよ…
自分)思い出巡り?
鈴仙)なぜ疑問形に…
まぁ、それなら良いけど…行っても何も無いよ?
自分)いいよ、暇になったらだべってればいいし
鈴仙)そうだね、暇になったら君をからかって遊べばいいしね!
自分)えぇ…
鈴仙)それじゃあ、行こっか!
フェードアウト
そうして私達は荒れた街を横目に見ながら鈴仙の家へ向かうのだった…






地球滅亡まで
3時間






自分)…これは酷いな
私達が鈴仙の家へ入ると、そこには窓が割られ、物が漁られた後の部屋があった

鈴仙)どうせ人生最後だからって、空き巣とか破壊行動をする人が増えてるらしいよ
私の家も空き巣に入られちゃったみたい

鈴仙は落ち着いた顔でそう言った

まぁ、でも今更なにとられようがこんな状況じゃ関係無いんだけどね

自分)そういえば、隕石が落ちるのって何時位なんだろう、、、

鈴仙)あぁ、それなら確か7時だよ

鈴仙にそう言われ、私は時刻を確認する

自分)あと2時間ちょいかぁ…

鈴仙)ねぇねぇ、最後に私達が初めて会った学校の屋上に行かない?

自分)屋上?




外に出ると隕石接近により、空は少し赤くなっていた

自分)おぉ、これはこれで綺麗だな

鈴仙)そうだね、なんだか空が焼けてるみたい…
このままずっとあの空のままでいればいいのにね

自分)…このままずっとかぁ
逃げてった街の人もそんな事を考えているのかなぁ

鈴仙)…おっと、あんな所にコンビニが
ねね、ちょっと寄ってかない?



コンビニ

看板に7のマークがついたコンビニに入ると店内は無人だった為私達は金銭の事を考えず買い物を楽しむ事ができた
…これは買い物と言えるのか?

鈴仙)法も秩序も無くなっちゃった世界だし、そんな事は気にしなくて良いんだよ

自分)サラッと心を読むな

鈴仙)ふふっ、それで君は何か持ってくの?

自分)あぁ、コンビニにあったコーヒーは冷めちゃってたからそこの自販機からコーヒー貰ってきた

鈴仙)ふーん、どうせならもっと持ってけばいいのに

…それじゃあ行こっか




鈴仙)…自販機壊したの?


屋上

…ガチャ

いつもと変わらず、少し重たい扉を開けた瞬間、爽やかな風が私達を出迎えた

やはり屋上の風は気持ちが良い

そんなことを思いながら私はいつも道理の足取りで近くのベンチへ座った

カチッカチッ

自分)うん?
ふと、隣を見ると
鈴仙がタバコを吸っていた

…タバコ、辞めてなかったんだ

鈴仙)まぁね、これだけは辞められなかったよ
…君も吸ってみる?

自分)…最後だしね

鈴仙)うん、最後だから

カチッ、カチッカチッ

…あれれ、ライターオイル切れちゃったみたい
あのコンビニから貰ってくれば良かった

鈴仙)…そうだ、ちょっとこのタバコくわえてて

そう私に言って、手に持ってたタバコを私にくわえさせ

鈴仙はタバコをくわえたまま顔を近ずけ
そのまま私がくわえてたタバコに鈴仙がくわえてたタバコを押し付けた

鈴仙)すーーー
ふぅ…

おっ、火がついた

自分)…

鈴仙)うん?どうしたの?顔が赤いぞ

自分)…いや


鈴仙)…もうすぐだね、隕石衝突
辛い事も多かったけど…
君と一緒に居る事ができた人生、楽しかったな
君は…どうだった?


自分)…まぁ、それなりに?

鈴仙)ふふっ、君らしい答えだね

最後にこれだけ言わせて

…大好きだよ
私を救ってくれたあの時からずっと



……


……………

地球最後の告白

皆はどんな気持ちで…
皆どんな思いでこの地球から去っていったのだろう

…私は、分かった気がする

コメント

コメントを書く

「学園」の人気作品

書籍化作品