君へ贈る魔法

べるまん

第一話 朝のHR

はじめに俺、雪平 司はごく普通の高校生だ。
あることを除けばだけど…

4月のとある日俺はF高校に転校することになって今すでにHR中の廊下を歩いていた。
「あー緊張するなぁ…自己紹介ってどんな風にやればいいのかな…」
すると正面から一人の20代ほどの男の先生が走ってきた。
「すまんすまん!家の用事で遅れてしまってな!君が転校生の雪平くんだね?校長先生から話は聞いていますよ?」
この人は担任か?
「では教室まで一緒に行こうか」
「あ、はい」
そして教室のドアの前まで来た
2―Aか…
「それじゃあ先生が呼んだら入ってきてください」
「はい」
こういうのやったことないから緊張する…
「それじゃあ、みんな!話を聞いてくれ!」
ガヤガヤしていた教室はすぐに静まりかえった。
この人は生徒からの人望が厚いのだろう。少し話しただけなのにこの安心感はなんだろう…

「それじゃ!入ってきてくれ!」
ガララッ
…やばい
「雪平くん?どうした?」
視線が怖い!
「ほら、こっちの教壇のとこまでおいで」
「は、はい」
金髪の男「なんだ?あいつカチカチだぞ」
「緊張してるのかー?じゃあ細かいとこは先生が説明するから名前だけ自分でお願いできるかな?」
うわー助かるーまじで神
「ゆ、雪平 司です…よろしくお願いします。」
「みんな拍手ー」
パチパチパチ
「じゃああそこのー窓側の春風さんの隣空いてるだろ。そこに座ってくれ。座ったら説明を始めるよ。どうやら校長先生から君の資料がたくさん来ていてね…」

「あそこか…」
ふーやっと座れたー………左から視線を感じる。気のせいかな…
「あのー…」
「ん?……!? お前は朝の…!なんでここに??」
「あ、はい。私一応ここの生徒なので…」
「あーそーなんだ…偶然…だね!」
「偶然なんかじゃないですよ。」
そう言って優しく俺に微笑んだ。
「それじゃあみんな聞いてくれー!!恥ずかしがり屋の雪平君の代わりに雪平君の説明をする。ちゃんと聞いとけよー」
恥ずかしがり屋だと?余計なことを…違う。俺はコミュ障なんだよ。
「えーっと…雪平君は第二魔法大学付属高校から来たようです!……え!?魔法!?まったく校長先生も歳だなぁ。ハハハハ」
「いや、普通ですよね?」
教室中がどよめいている。
すると右斜め前の金髪の男が振り向いた。
「高校2年になって魔法とかふざけてんのかぁ? 絵本の世界に入り込んじまったのか?」
え、何言ってんのこいつ。
そう思いつつ俺は金髪の男に威嚇魔術を撃った。
第二階魔法ミニファイアーガン
「熱っづ!?」
まぁフライパンを触った程度の火傷なんだけどな。
「何しやがる!!?」
「魔法だけど」
「はぁ?なんかのトリックや手品だろーがよ!!」
すると先生が止めに入った。
「まぁまぁ!先生も状況が理解できていないんだ。これからゆっくり話し合っていけばいいじゃないか」
「いやでもこの傷は…」
キーンコーンカーンコーン
金髪野郎の言葉を遮るようにチャイムが鳴った。
「それじゃあ朝のHRはここまでー」
何かおかしい。こいつら初めて魔法を見るかのような目をしている…

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