好きな人には憑いて行きたい!

柚芽艿 歩夢

幽霊発見⁈旧校舎探索 前編

誰もがだるいと思っていたテストも終わり、ひと段落ついたと思っていたあの日。僕は確かに「あれ」を見た…
それは、また渡辺の一言から始まった。

渡辺「あーやっとテスト終わった〜。まあそんな点数に自信ないけど。お前はどうだった?疾風?」

疾風「ま、俺は誰かさんと違ってちゃんと勉強したからなー」

渡辺「いや俺だってしたわい!ま、いいわ、その話は置いといて、お前知ってるか?この学校の旧校舎がここから近いところにあるってこと」

疾風「あー、あの木造のやつのことか」

渡辺「それそれ、それが曰く付きってみたいでさー」

疾風「そうなの?」

渡辺「もうちょい興味持てよ…。でさ、その旧校舎に入ったやつの話によると、誰かの声が聞こえたか何かでさ、なんか興味湧いてこねえか?」

疾風「どうせ何かの勘違いだろ」

渡辺「お前…。俺のこと嫌いになったのか?」

疾風「いや、違えよ。ただそんな話をしてなんになるんだって思ったとこだよ」

渡辺「行こうぜ」

疾風「……今なんと?」

渡辺「いやだからその旧校舎に行こうぜって」

疾風「おいおいおいおい、冗談だろ?」

渡辺「冗談に見えるかよ」

疾風「お前、もしそれでその幽霊的な奴が出てきたらどうするんだよ」

渡辺「大丈夫だって、すぐ行って帰ってくる感じだから」

疾風「とか言って、見つけるまで帰らないって言ったりするんだろ。それで、出てきたらどうするんだよって言ってんだよ」

渡辺「うっ…」

どうやら図星で何も考えてないらしい。
というか、俺、疾風は絶叫系や心霊系はあまり好みではない。そういう話題を聞いていると、なぜそうまでして危ない橋を渡るのかと思う。
どうにかしてこの件も渡辺に説得して止めるようにしたいが…

○○「何話してるの?」

疾風・渡辺「うわぁ⁈」

渡辺「て、なんだ花宮かよ!驚かすなよ…」

花宮「いや、驚かしたつもりはないんだけど…で、何話してたの?」

疾風「いや、こいつ(渡辺)がここら辺にある曰く付きらしい旧校舎に行こうって言っててさ…」

花宮はクラス委員長だ、なんとかこの件を解決してくれるはず!

花宮「へ〜、いいね」

疾風「え」

花宮「私も行こっかなー、テレビで見て憧れてたんだよね〜」

いや普通テレビとかで見て俺は行きたくねえって思ったんだけど⁈

渡辺「花宮も来るか?でも、疾風の奴がな〜」

花宮「え、3人で行くんじゃないの?」

渡辺「なんか興味ないんだってよ」

疾風「いや、なんでそんなとこ行くのかって思ってるんだよ」

渡辺・花宮「楽しいからじゃん」

ハモった、さすが幼馴染

花宮「え〜、疾風君行かないの〜?」

花宮が猫なで声っぽく言ってきた
そんなのでいいのか委員長…

渡辺「俺たちは友情の輪(フレンドリング)で繋がってるんじゃないのかよ?」

渡辺も言ってくる。うっ、なんか断れない空気になっているぞこれは……

疾風「……分かったよ、一緒に行きゃーいいんだろ!」

渡辺・花宮「イェーイ」

2人はハイタッチをした。なんか負けた気分だ…

渡辺「じゃ、今日の放課後、いるもの持って集合な、旧校舎は裏口で違う門があるからそっから入ろう」

花宮「はーい」

疾風「うーい」

そうして、俺たちはあの旧校舎に向かうこととなったのだった……。

コメント

  • まう雪瀬

    早く新しい話し出してくれよ

    1
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