好きな人には憑いて行きたい!

柚芽艿 歩夢

新たな日常

これから話すのは、SFでもないし、かといって異世界で生活したり、魔王を倒したりする物語でもない。
人間の僕がこの中学校生活最後の一年間を現代世界で体験した出来事だ。今思うと、なんかあの一年間は僕の妄想や夢だったのかもしれないと思う。
さてと、前置きはこれくらいにして、僕のあの輝いていた一年間をお話ししよう…。
……
……

ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ、(目覚ましの音)
母「疾風(はやて)ー!早く起きなさーい!今日始業式でしょー!」

僕「分かってるよー!っと今何時だ…って!やべっ!」
どたたたたた(階段を降りる音)

僕「お母さーん!もっと早く起こしてよー!」

母「ずっと呼んでたわよ…」

僕「まあいいや、僕適当にパンとか食って行くからね!」

母「あ、ちょっと疾風はやて!ちゃんとご飯を食べなさい!」

僕「時間ねーんだからしょうがねーだろー!」
ガチャ、バタン(玄関を出る音)

僕「やべー、初日から遅刻するとこだった〜」

僕の名前は疾風!シップウって書いて はやて だ!
一人称は僕だったり俺だったりする!今年から中学3年生!結構名前読みにくいからクラスメイトに覚えられるの難しかった〜。
今に思えば笑い話だけど国語の四字熟語で疾風迅雷を教えられたときはクラスの全員が、はやて迅雷!はやて迅雷!ってうるさかったなー。あとなんか犬の名前みたいだし。
まあ疾風だからその名の通り足は速いし運動神経は抜群!って言われたりする。
部活は陸上部でエースだった!でももうそろそろ引退だな〜。1年にも抜かれてきたし…。
いや!くよくよしても仕方ない!今年は受験だし!
前向いて挑むぜ!

僕「えーと、今年のクラスは…3-6か…」

?「また同じクラスだな!はやて!」

僕「その声は、渡辺か⁈」

渡辺「おうよ!」

こいつは渡辺(わたなべ)、小学校2年の時に知り合った、小学校から同じクラスが多くて、まさか今年も同じになれるとは…

渡辺「じゃ、一緒に我がクラスに行きますか」

僕「そうだな」

そういえば名簿書いてあったけど知ってる名前多かったなあ… 今年はまた楽しくなりそうだぜ!
胸が高鳴った、僕はこれからどんな学校生活を送れるのかを楽しみにしていた…。
でも、まさかあんな子と出会う事になるとはこの時は思ってもいなかった…。

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