暗黒騎士物語

根崎タケル

破壊の女神の宮殿

 クロキは暗黒騎士の姿になると、鍛冶の神ヘイボスと共にクタルの地下宮殿の入口へと行く。
 入り口の門は巨大で大地の巨人ギガテスでも簡単に中に入る事が出来そうであった。
 門はリベザルのゴーレム達が開けたので既に開いている。
 奥で凶獣の封印を解くために様々な工作をしている様子であった。

「お気を付け下さい。大親父様、暗黒騎士殿。我らが不甲斐ないばかりに……」

 門の管理者であるドワーフが頭を下げる。
 今この場にはクロキとヘイボス以外にも門の管理者であるドワーフが数名いる。
 彼らは本来門を守るゴーレムの暴走を止められなかった。
 そのゴーレム達は中に入っているようだ。
 暴走したゴーレムはここだけではない。ドワーフの里で暴れている。
 
「わかっている。お主は暴走したゴーレムを止める事に全力を尽くせ」

 ヘイボスは管理者のドワーフの肩を叩く。
 乱暴な言い方だが、元気を出せと言っているようにも感じられる。

「はい! 大親父様!」

 そう言うと管理者のドワーフは走り去る。
 他のドワーフと合流するようだ。
 技師のドワーフはゴーレムの暴走を止めるために動き、戦士のドワーフは狼達を止めるために動いている。
 正直手が足りていない。
 本来ならゴーレムは味方のはずだが、今は敵になってしまった。
 レーナがいるが、全てを押える事は難しいだろう。
 しかし、クロキにはそれを気にする余裕はなかった。
 なぜなら、もっと凶悪な獣に会いに行くのだ。
 誰もいなくなった門の前にクロキはヘイボスと自身のみになる。

「暗黒騎士よ。さて、行くか」

 そう言ってヘイボスは小型の空舟スカイボートに乗り込む。
 クタルの地下宮殿はとんでもなく広い。
 空舟スカイボートを使わないと時間がかかってしまう。
 そのため、この乗り物を使うのだ。

「はい、ヘイボス殿」

 クロキは頷くとヘイボスの後ろに乗る。
 空舟スカイボートは小型で4名ぐらいしか乗れないが、鍛冶の神であるヘイボスが作っただけあって高性能である。
 空舟スカイボートが床から少し浮かび上がると地下宮殿へと侵入する。
 地下宮殿の中は真っ暗で、長い坂を下りて行くごとに闇が深くなっているような気がする。
 いや実際に深いのだろう。
 進むほど、周囲には闇の下位精霊であるシェイドの気配を複数感じる。
 破壊の女神ナルゴルは闇の神々の大母神だ。進むほどに闇が濃くなるみたいである。
 だが、どんなに闇が深くても、クロキには暗視の力があるので、周囲の状況を見る事ができた。
 広い空間の中に、漆黒の艶やかな石が床に敷き詰められ、巨大な円柱がいくつも立っている。

(何だか魔王宮に似ているな……。いや違うか)

 そこまで考えてクロキは首を横に振る。
 魔王宮がこの地下宮殿に似ているのだろう。
 この地下宮殿は魔王であるモデスの母親が主であった場所だ。
 モデスが似せて作ってもおかしくはない。
 この地下宮殿は7層あり、7つの門をくぐり抜けた先に玉座がある。
 もっとも、凶獣は3層目にいるのでそこまでは行かないのだが。

「どうやら、周囲の景色が見えているようだな、暗黒騎士」

 ヘイボスがクロキの様子を見て言う。

「ヘイボス殿には見えていないのですか?」
「ここの闇は特殊でな、このヘイボスこれがないと見えぬ」

 そう言ってヘイボスは顔につけたゴーグルらしきものを触る。
 ゴーグルはヘイボスが中に入る時に装着したものだ。
 クロキは特に気にしなかったが、魔法の道具のようであった。

「この闇の世界は光に生きる者を拒む。暗黒騎士は闇に愛されているようだな」

 ヘイボスは笑う。
 ヘイボスも暗視の魔法が使えるから、クロキはそれで見えていると思っていたのである。
 だけど、実際は違うようだ。
 しばらくすると、大きな建造物が並んだ場所へと来る。
 
「まるで街みたいですね」
「うむ、この宮殿には巨人が多く住んでいた。そのなごりだ」
「なるほど……」

 ヘイボスの言う通り、ここには巨人が住んでいたのだろう。
 周囲の建造物の造りは人間には大きすぎる。
 巨人は種類によって大きさが違うが、小さい者でも4メートル近くはある。
 そして、古の巨人達の技術力は高く、周囲の建造物はとても立派で、美しい装飾が施されている。
 巨人族はエリオスの神々との戦いに敗れ、その多くが死んだと聞いている。
 世界中にある石造りの遺跡はその巨人達が造った物の名残だ。
 この地にいた巨人達もどこかに行き、この世界のどこかでひっそりと暮らしているかもしれなかった。
 クロキとヘイボスは街の大通りを通り、奥へと向かう。
 すると奥に一際大きな建造物が見える。

「あれが第2層に入る門がある場所だ暗黒騎士。許しなく入る者を襲う守護者がおる。命なきゴーレムには襲ってこぬが、このヘイボスとお主は別だ。気を付けろ」
「はい。ヘイボス殿」

 クロキが返事をすると、やがて門の手前の巨大な広場へと出る。
 その広場の端には多くの石像が並んでいる。
 蝙蝠のような羽に、獣の顔をした巨大な石像は奇怪な化け物の姿をしていて、今にも動き出しそうであった。

「来るぞ、暗黒騎士!」

 ヘイボスがそう言って、空舟スカイボートを止めた時だった。
 突然全ての石像の首が動きこちらを見る。

「こ、これは!?」
「ガルグイユだ! 暗黒騎士! ガーゴイルの上位種だ!」

 そのヘイボスの言葉が言い終わらないうちにガルグイユは翼を広げて、クロキ達に向かって飛んで来る。
 クロキはガーゴイルの事は知っている。
 なぜなら、魔王宮で見た事があるからだ。
 ガーゴイルは普通の生き物と違う。
 ガーゴイルはトロルと同じように石の体を持ち、普段は本物の石像のようにしているが、侵入者が入ると動き出し襲い掛かる。
 そのガーゴイルの祖ともいえるのがガルグイユなのである。
 ガルグイユが迫る。
 ガルグイユはガーゴイルに比べて大きい。
 クロキが普段見ているガーゴイルは人間と同サイズだが、ガルグイユはその3倍はある。
 これが動き出し素早く飛ぶことにクロキは驚く。

「ヘイボス殿は下がっていてください!」

 そう言うとクロキは魔剣を構えて飛び出す。
 ガルグイユはクロキには目もくれずヘイボスの方に向かう。
 光の眷属である、ヘイボスを敵とみなしたのだろう。

「させるか!」

 クロキは体を回転させてヘイボスへと向かうガルグイユの首を落とす。
 それを見た他のガルグイユ達の動きが止まる。
 クロキがヘイボスを守った事が信じられない様子だ。
 少しは知恵があるのかもしれなかった。
 残りのガルグイユは5体。
 クロキの様子を窺うように見ている。
 やがて、意を決したのか5体のガルグイユが大口を開けて水を吐き出す。
 ガーゴイルは体の中に水をため込む習性がある。
 それはガルグイユも同じようである。
 ガーゴイルは建物に上部に住み着いてくれると、雨樋替わりになり、ため込んだ水を攻撃にも使って来る。

「黒炎よ!」

 すかさずクロキは黒い炎で壁を作り、水を防ぐ。
 そして、ガルグイユが動かないうちに距離を詰めると剣を振るい、1体ずつ倒す。
 ガルグイユは巨大な爪で応戦する。
 ガーゴイルに比べて遥かに強いのだろうが、クロキの敵ではない。
 やがて、全てガルグイユが動かなくなる。

「さすがだな。暗黒騎士よ。ガルグイユ達を簡単に倒すとはな。これだけ壊せばしばらくは復活するまい」

 ヘイボスがガルグイユの残骸を見て言う。
 
「このガルグイユ達は復活するのですか?」
「ああ、今倒したガルグイユと同じものかどうかはわからぬ。しかし、倒しても、倒しても、しばらくすると同じ場所に復活して戻るのは確かだ」
「不思議ですね。トロルでもそこまでの再生力はないのに……」

 クロキもまたガルグイユの残骸を見る。
 不思議な生き物だ。そもそも、ガーゴイルにしても、生態はかなり謎だ。
 クロキは解明してみたいと思うが、今はそれどころではないだろう。

「さて、先に行くか暗黒騎士よ。この先に下層に続く扉があるはずだ」

 ヘイボスに促され、クロキは再び空舟スカイボートに乗る。
 次は第2階層である。




 エルフの姫ルウシエンの目の前で知恵と勝利の女神レーナが戦っている。
 相手は暴走した2体のオリハルコンゴーレムだ。
 ゴーレムはドワーフの里を守るべく壁の近くに配置されていたものだ。
 オリハルコンゴーレムは最後の守りであったが、暴走して壁を壊そうと動き出した。
 レーナはそれを止めるべく戦っているのだ。
 石のゴーレムならともかく、オリハルコンゴーレムは硬く強い。
 また、再生機能があるので、生半可な攻撃ではすぐに回復してしまう。
 さすがの女神も手を焼いている。
 ルウシエンは強力なオリハルコンゴーレムを暴走させたドワーフに怒りを覚える。
 側にいるルウシエン達も戦わないといけないが、相手がオリハルコンゴーレムでは何もできない。
 
「さすがに硬いわね。こんなの相手にしていられないわ。数が少ないのが幸いね……」

 レーナはオリハルコンゴーレムを見て言う。
 このドワーフの里に残ったオリハルコンゴーレムは3体。
 その内の2体をレーナが相手にしている。
 残りのオリハルコンゴーレムと鉄や石のゴーレムはドワーフが相手をしている。
 だから、ここにドワーフはいないのである。
 ドワーフ達は暴走したゴーレムを元に戻すので必死だ。
 レーナがいなかったら、この里は簡単に落ちていただろう。
 ルウシエンの側にいるコウキは不安そうな目でレーナを見る。

「ルウシエン。貴方はコウキを連れて下がっていなさい。もし、何かあったら逃げるように。わかっているわね。コウキに何かあったら許さないわよ」
「はいっ、わかっております! レーナ様! さあ、コウキ様、下がりましょう! みんな行くわよ!」

 ルウシエンはコウキの手を取ると、側にいる仲間達に言う。

「ええ、でも……」

 しかし、母親が心配なのかコウキは行きたがらない。

「コウキ様、さがりましょう。ここは危険です」
「ここにあたい達がいるとレーナ様が戦いにくいのですよ~。下がるべきです~」 

 オレオラとピアラがコウキを促す。

「コウキ。下がりなさい。オリハルコンゴーレムは強力ですが、負ける相手ではありません。心配はいらないわ。良いわね」
「はい、母様」

 母親に強く言われたので渋々コウキも下がる事を了承する。

「それではレーナ様。ご武運を」

 ルウシエンはコウキの手を引き、その場を離れる。
 向かうのはドワーフの里の奥だ。
 壁から離れた方が安全のはずである。
 ルウシエンが壁の上を見るとドワーフの戦士と野伏がいる。
 昇って来る狼達を追い払おうとしているようであり、かなり苦戦している感じだ。
 急いで離れた方が良さそうであった。
 ルウシエン達は急ぐ。
 ドワーフの里は城塞と言った方が良く、強固な造りだ。
 ただ、通路は巨体のゴーレムを移動させるため、広い。
 だから、中に入られると守りにくくなる。

「ピアラ、テス。安全な場所はどこかわかる?」
「ダメみたい。変な風が吹いてて動きが読めない~」
「私もです、ルウシエン様。探知がうまくできません。おそらく、この結界の影響です」

 走りながらルウシエンが問うとピアラとテスは首を振る。

「貴方達もそうなの……。ちょっとまずいわね」

 実はルウシエンも魔法がうまく使えなくなっている。
 これは良くない状況であった。
 
「待って!」

 突然、コウキが止まる。

「どうしたの? コウキ様?」
「何か嫌な予感がする」

 コウキは真っすぐ前を見ている。
 言われてルウシエンは魔法を発動させる。
 強く精神を集中させると複数の何かが近付いてくるようだ。
 その気配はドワーフやゴーレムではない。
 そして、前方の通路先の曲がり角、そこから何者かが姿を見せる。
 現れたのは赤い毛並みの狼人ウルフマンである。
 ルウシエンはその姿に見覚えがあった。

「まさか、また会うとはエルフの姫」

 赤い毛並みの狼人ウルフマンヤサブが笑う。
 ヤサブの後ろには白い狼婆のカジーガに複数の狼人ウルフマン達がいる。

「まさか、既に侵入されているなんて……」

 ルウシエンはコウキを後ろに下がらせると剣を抜く。
 狼の数はヤサブとカジーガを入れて7匹。
 幸い数は少ないが、こちらも少ない。
 そして、ヤサブの剣はルウシエンよりも強い。
 ルウシエンの背中に冷たい汗が流れる。

「この奥で指揮を執っているドワーフの大将を殺すつもりだったんだけどねえ。見つかるとは運のない」

 カジーガは残念そうに言う。
 侵入して来た敵を発見できたのは良い事なのだろう。
 だけど、発見できたとしても対処できなければ意味がない。
 絶体絶命であった。

「まあ、良いよ! まずはお前を血塗られた御方の贄にしてやる! 行きな、ヤサブ!」
「おう!」

 カジーガの声でヤサブの蛮刀が振るわれる。
 ルウシエンは後ろに少し飛び、躱そうとする。

「えっ?」

 ルウシエンは驚きの声を出す。
 思った以上にヤサブの蛮刀が伸びたのだ。
 何とか剣で防ぐが無理な体勢で受けたためか尻もちをついてしまう。
 しかも、剣も落としてしまう。

「姫様!」

 オレオラの悲痛な叫び。
 しかし、カジーガ達がいるのでこちらに来ることは出来ないようであった。
 目の前でヤサブが蛮刀を大きく振り上げる。
 魔法を使おうにも間に合わない。
 
「ひっ!」

 ルウシエンは思わず悲鳴を上げて目を瞑ってしまう。  
 蛮刀が空を斬る音がする。

(もうダメ!)

 ルウシエンが斬られると思った時だった。

「何っ!」

 金属音と共にヤサブの驚く声がする。
 ルウシエンが目を開けると、そこには自身の剣を持ったコウキが立っている。

「馬鹿な! こんなチビが、俺様の蛮刀を受け流しただと!」

 ヤサブが信じられない目でコウキを見ている。
 後ろを見るとカジーガ達も驚いている。
 それは信じられない光景だった。
 狼人ウルフマンの体躯は人間やエルフよりも大きい。
 その狼人ウルフマンの中でも特にヤサブは一回り以上も大きい。
 その巨大な狼人ウルフマンに小さいコウキが立ち向かおうとしているのだ。
 ルウシエンはコウキの背中を見る。
 自身の腰にも届かない背丈なのに、ルウシエンはその背中がなぜか大きく感じられた。
  
「お前は自分がやっつけてやる!」

 コウキは剣を構えるとヤサブに向かって叫ぶのだった。
 
★★★★★★★★★★★★後書き★★★★★★★★★★★★

 更新です。

 そして、お知らせです。
 9月はリアルがとても忙しいので日曜の週一更新になります。
 また、9月26日と27日は本当に大変なので、更新は不可能だったりします。
 本業を疎かにすると死ぬのですよ……(≧◇≦)
 しかし、9月中には9章を終わらせたいです。
 これが過ぎると楽になるので10月には新章に入れると思います。
 
 ノベルバアプリで読まれていない方はカクヨムで読んで下さると嬉しいです。

コメント

  • ラピュタ

    そういやガーゴイルから違うのに変わってるな

    0
  • cyber

    眠気覚ましが足りない

    第6章では、アルフォスは当初、探査のために黒木と戦いましたが、その後、非常に深刻になり、最強の魔法を解き放ちました。したがって、黒木が勝利したことには疑問の余地はありませんでした。
    それが避けられない限り、アルフォスは戦いません。それは何も証明しません、アルフォスは戦いたくありませんが、本当に戦っているとき、失うことは意図的ですか?

    状況がどうしようもないと黒木は戦わないのではないか。
    第5章から第6章から第7章まで、黒木は常に平和に後退したかったが、レイジとアルフォスに追い詰められ、黒木は戦って勝利した。
    だから、アルフォスの「状況が避けられない限り戦わない」理由は間違っていると思います。
    EliosとNargolの戦いは別の問題です。

    1
  • 眠気覚ましが足りない

    >cyberさん

    自分とてクロキの勝利を疑うわけではありません。
    おっしゃる通り、案外次回はアルフォスが最初から全力を出しても勝てないくらい、クロキが強くなっているかもしれません。
    というか、自分もそんな気はしてます。
    しかし、アルフォスはクロキに再戦を挑むか、と考えると、不可避でない限り戦わない、と思います。
    アルフォスは無駄を嫌う性格な可能性があるので、負けた相手に固執しないように思います。まぁ、クロキが初黒星なわけですが。
    そもそも、クロキに戦いを挑んだのは、確かめたいことがあったからです。アルフォスがどのような答えを出したかはわかりませんが、結果が出ている以上、次に戦うのはは模擬戦かエリオスとナルゴルの全面戦争の時になるのではないでしょうか。

    ま、全ては作者次第なんですけどね。

    1
  • cyber

    眠気覚ましが足りない
    もちろん次回も黒木が優勝します。
    アルフォスは今はもっと攻撃的だったかもしれませんが、黒木は今も長い間積極的に戦っています。
    第6章の戦いでは、クリスタルガーデンマジックのため、アルフォスは黒木よりも有利ですが、最終的に黒木に負けます。
    第8章では、黒木は独自の黒薔薇の庭の魔法を開発し、さらに強力になりました。
    第7章では、黒木も究極のダークスピリットを持っています。
    第8章の戦いでは、アルフォスは黒木が勝利する間、あえて死の神に直面しません
    =>アルフォスは少し変更されましたが、まだギャップがあり、黒木に追いつく方法はありません。
    アルフォスは黒木が間違っていたので動揺しなかったとあなたは言った。アルフォスはまだ彼の周りの他の女神と黒木を軽蔑します。
    第8章「乱雑な死の街」を読む

    1
  • 眠気覚ましが足りない

    >元RuneMinorさん

    その辺りが『ヒーローごっこ』なのですよ。
    自分達は正義の味方なのだから、自分達の行動は全て正しいこと。最初にレーナに説明された半分以上が嘘である世界の状況を鵜呑みにしているのでしょう。クロキに対しては、悪事から足を洗い罪を償って一緒に悪しき魔王を倒そう、と考えているのかと。

    シロネははたして“命の危険”など、自覚しているのでしょうか?
    地球にいたときも、クロキからその懸念は何度もされていましたが、シロネは気にも止めず、そしてとうとう懸念通りの事が起こりましたが、その場はレイジによって事なきを得てしまいました。
    結果としてシロネは自分より強いレイジの威を借りて前より安全にヒーローごっこを続けていくことに。クロキが魔王側としてレイジを倒すまで脅威など微塵も感じなかったでしょう。
    さらにその後、レイジは再び今度は完膚なきまでに敗れてしまいました。それでもシロネに危機感はなかったでしょう。だって相手はクロキだから。
    自分達同様クロキには強い魔法耐性もあるはずで、自由意思も残っている、結局は自分(シロネ)に甘い。
    いったい何処に脅威があるのか。だから強気なままクロキに言うのでしょう。
    結局は誤解はさらに深まり、レーナの茶番劇によって救われた様感じになりましたが、自分の死を意識した様子ではありません。
    あの場で“死”という言葉を口にしたのはサホコで、その時シロネはいませんでしたし。
    ひょっとしたら、今章のヒュドラ戦で初めて命の危機を感じたかもしれません。あるいはシロネは無事でも他の非戦闘員は死んでいたでしょう。
    シロネは隠しステータスとして幸運値がすごく高くて、脅威を感じる前に助けが入る補正がかかってるのかもしれませんね。
    シロネが変わるには、絶望を味わわせるのが1番なのかも……



    >cyberさん

    6章でクロキと戦ってからアルフォスは積極的に戦っています。
    アルフォスが動かなければならない相手と戦うためだけでなく、クロキに負けたことで彼自身に怠けていた自覚があるのでしょう。部下にやらせるのではなく自ら動いている印象です。
    自分はクロキとアルフォスの力量は拮抗していると思っています。負けたことでクロキを恨んでいる様子もないので、とうとう現れた好敵手クロキに追い抜かれないように、あるいは追い付こうとしているなら、次は最初から慢心無しの戦いになります。ただし、6章のようにお互いの全てを出しきる戦いではなく何処かで降参するでしょうけど。なので、次はどちらが勝ってもおかしくないだろうと思っての発言でした。

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