暗黒騎士物語
第8章 幽幻の死都 大賢者
バンドールの地の大部分は広い平野である。
開けた土地なので、明るい場所を嫌うゴブリンは少ない。
しかし、ゴブリンが少ないだけで、人が住みやすい土地では無い。
アズィミド湾に面した場所には蜥蜴人や蛙人が住む湿原があり、そうで無い場所にはケンタウロスや狼人等の牙の血族が多く住み着いている。
これらの種族は人間を襲う事もある。そのためバンドールに住む人々は安心して暮らせない。
レンバーとニミュは共にそんなバンドールの地を歩く。
もうすぐ目的地にたどり着くはずであった。
目の前には多くの人が行き交っている。
そこを歩く者達は様々である。
彼等は皆、ある方向へと歩いている。
レンバーは丘の上から目をこらして先を見る。
この先には勇者レイジとその仲間達が作った国エルドがある。
「ここがエルド? あんまり良い場所じゃないな」
レンバーは思わず感想を口にしてしまう。
エルドが建国された場所はあまり良い立地には見えなかった。
国を作るのに、一番良いのは防御に適した丘である。
丘が広ければそこに国が作れる。
さらに丘の縁に沿って城壁を作る事でさらに防衛をしやすくする。
レンバーの故郷であるロクス王国もそんな国だった。
今では人口が多くなり、丘の下にも住居が作られたが、元は丘の上だけにしか人は住んでいなかった。
しかし、エルドは低地に作られている。
丘らしき場所は勇者の住む宮殿がある箇所だけだ。
しかも小さい。これだけの人数をいざという時は収容できないだろう。
つまり防衛に適してない。
それに城壁もまだしっかりとしたものが、作られていないようであった。
これではゴブリンの群れが近くにいたら、すぐに襲われてしまうだろう。
かなり危険である。
(それとも、勇者様達の事だから、何か対策をしているのだろうか?)
レンバーはそんな事を考える。
それは充分に考えられる事であった。
彼等の力は凄まじく、城壁がなくても、安心して暮らせるかもしれない。
そう考えればこれだけの人がエルドを目指すのも納得できる事であった。
「人は多いみたいだけど、みすぼらしいわ。ここが、あのレーナ様に愛された勇者の作った国なの? レンバー?」
レンバーの隣にいるニミュは眉を顰める。
ニミュは水エルフのナイアドである。
レンバーとはたまたま、旅の途中で知り合い同行している。
美しい女性と一時とはいえ旅が出来たのだから運が良かったとレンバーは思っている。
それが永遠の美を誇るエルフならなおさらであった。
「まだ、国がしっかりできていないのだと思う」
レンバーそう答える。
遠くから見ても、人々の住む家は雑多で整備されていない。
道の整備も遅れている。
レンバーが得た情報が確かなら、エルドはまだ建国されて日が浅いはずなので仕方がない事であった。
「まあ、良いわ。それじゃ行きましょう。姫様に報告しないといけないから」
ニミュはレンバーを引っ張る。
ニミュの水色の長い髪がふわっと風に揺れる。
ニミュは聖なるエリオス山の麓、その樹海にあるエルフの国の住民であった。
その彼女が何故森を出たのかというと、勇者の国を調べるためだ。
ニミュが仕えるハイエルフの姫が勇者の事が気になり、側近だったニミュが派遣されたである。
もっとも、レンバーが聞いたところによると、調べると言っても人々の様子を見るだけで、勇者達と接触する予定はないそうであった。
だからこそレンバーは同行したのだ。
レンバーは正直に言うと勇者達と顔を合わせたくないのである。
「待ってくれ! ニミュ!」
レンバーは立ち止まる。
するとニミュが振り返り、不思議そうな顔をする。
「どうしたの? レンバー?」
「君は顔を隠した方が良い。おそらくかなり治安が悪い」
かつて国の治安を預かっていたレンバーにはわかる。
離れた所から見ているだけでそんな雰囲気を出している。
「それなら、大丈夫。レンバー。私は強いもの。人間程度には負けないわ」
そう言ってニミュは腰の剣を触る。
レンバーはそれを見て苦笑する。
確かにニミュは強い。水の魔法が使えて、剣の腕もレンバーより上である。
だけど、争いは避けるべきであった。
ニミュは寿命が短い人を見下している。
特に人間の女性に対しては、すぐに枯れてしまう哀れな生き物と公言している。
それが、争いを引き起こしている。
レンバーはニミュと出会って間もないが、一緒にいて何度かそれが原因で争いになった事が多々あった。
そんなニミュが何故一緒に居たがるのか、レンバーにはわからない。
そもそも、ニミュは何故かレンバーだけは見下していないようであった。
そのため、レンバーは困惑している。
ニミュはレンバーの左腕にしがみ付き、無理やり歩かせる。
レンバーは無理やり連れていかれるのだった。
◆
シロネが目を覚ましてから既に30日以上の月日が流れた。
目を覚ましたシロネは彼の所に行きたがったが、チユキは一応止めておいた。
彼の側にいる白銀の魔女はチユキ達に対して敵意がある。
それに彼の事に関して、チユキ達の間で意見が割れている。
レイジを除き、彼を一番嫌っているのはカヤだ。
理由はキョウカが彼の事を気に入っているかららしい。
その事がカヤには面白くないのだ。
面白くない理由をチユキは何となくわかる。
カヤはキョウカの一番側にいたいのだ。
そのため、他の者を排除しようとしている。
カヤはキョウカに男性との付き合いを覚えるべきと言っておきながら、気になる男性が出来たら反対する。
何とも複雑な感情だなとチユキは思う。
そのカヤが彼を迎え入れる事に反対して、またレイジに瀕死の重傷を負わせた彼の事を好きになれないサホコも消極的に反対した。
チユキも別の理由から迎え入れるのに消極的にならざるを得なかった。
そのため、彼の事は後回しになってしまった。
そもそも、ブルルルンとどうやって向き合えば良いのだろうかとチユキは思う。
それに、住民が増えたため国造りが忙しくなっている。今はそちらにかかりきりであった。
また、チユキは他にジプシールで出会ったザルキシスの事も気になるが、その後の動向についてはレーナも掴めていないらしく、手の打ちようもない。
結果として、チユキ達はどこにも行くことなくエルドで日々を過ごしている。
そんなある日、チユキは応接室で客を出迎える。
「久しぶりじゃのう。黒髪の賢者チユキ殿」
チユキの目の前の老人が名を呼ぶ。
老人はいかにも魔術師と言った格好であった。
黒いローブにつばの広い帽子。さらに長いひげを生やしている。
誰が見ても魔術師に見えるだろう。
それもそうである、目の前の人物は魔術師の中の魔術師なのだから。
「はい。お久しぶりです。大賢者マギウス師。ようこそエルドへ。歓迎いたします」
チユキは座った状態で頭を下げる。
大賢者マギウス。
それが、この老人の名である。
魔術師協会の名誉会長であり、その魔術師協会の最高意思決定機関である賢人会議の議長である。
一応魔術師協会の代表は賢人会議によって任命される会長という事になっている。
だけど、会長の言葉よりもマギウスの言葉の方が協会では尊重される。
つまり、事実上マギウスが魔術師協会の代表なのである。
チユキがその大賢者に合うのは2度目であった。
マギウスは勇者達が作った国を見にチユキを訪ねて来たのである。
個人的な客なので会うのはチユキだけだ。
「会うのは2度目じゃな、チユキ殿。賢者の称号を授ける時に会って以来かの?」
マギウスは長い髭を触りながら言う。
「はい。賢者へと推挙していただき、ありがとうございます」
チユキはお礼を言う。
賢者という呼び名は知識が豊富な者に与えられる尊称とは別に、魔術師協会が所属する魔術師に与える最高の称号でもある。
ただし、賢者の称号を与えられた魔術師は賢人会議へと出席する権利と義務があり、協会の発展に貢献する事が求められる。
チユキはこの世界での活動のために、聖レナリア共和国の魔術師協会の支部に入った。
そして、しばらくすると賢者の称号を与えられた。
チユキは最初訳がわからなかったが、この大賢者が推挙してくれたそうであった。
チユキはマギウスに理由を聞いてみたが、人を超越した魔力を持つ者を、ただの魔術師にしておくのは、もったいないかららしい。
それが、本当の理由かどうかはチユキにはわからない。
しかし、損はないと判断して称号を受けたのである。
「お礼を言われる事ではないよ。チユキ殿。それにしても、このエルドは面白い国じゃな。あえて、守りにくい場所に国を作る。どこまで、この国を大きくするつもりかね?」
マギウスはチユキを見る。
チユキはその言葉を聞いて感心する。
マギウスはチユキの意図を察しているようであった。
「その通りです。あえて平地に作ったのは大きな国を作る為です」
チユキは頷く。
この世界では国、つまりは都市を作る時に考慮せねばならない事が多々ある。
その中で一番重要なのは防衛である。
魔物の多いこの世界では防衛に適した丘の上が最適とされている。
もちろん一定の人が住めるだけの丘なんて都合よく見つかる訳がない。
だから、人々は出来るだけ防衛がしやすい土地を選んで国を作る。
足りない部分は城壁を厚く作って補う。
しかし、防衛に適した国は通行が難しくなる傾向があり、住める人間の数が限られてしまう。
そのため国の発展が難しくなる。
だけど、チユキ達は強い。
防衛に適さない土地でも、魔物に対抗できる。
だから、交通の便が良い土地に国を作ったのである。
「なかなかに剛毅。足りない部分は勇者殿の力で補う。さすがは黄金の夜明けをもたらす者と言われるだけの事はある。勇者殿達にしか出来ない芸当よ。見に来て良かったわい。これなら国造りも順調なのじゃろうな」
マギウスは笑う。
黄金の夜明けをもたらす者とはレイジの尊称の1つである。
神話では魔王が魔物を世界に放つまでは世界は人間のものであり、その時代を黄金時代と呼ぶ。
レイジは再び黄金時代を作る、人間の救世主と見做されている。
マギウスはレイジを黄金の夜明けをもたらす者と呼び讃える。
しかし、チユキは共に笑う事が出来なかった。
「いえ、それがそうでもないのです。実は最近湿地の一部を農地にするために干拓しようとしたのですが、それが蜥蜴人の怒りを買ってしまったようなのです」
チユキは首を振って言う。
エルドはこの地を支配していた魔獣ペルーダを退治して手に入れた土地である。
そして、ペルーダが支配していた土地の近くには湿地が含まれていた。
私達は、その湿地を干拓して農業用にする事にしたのである。
しかし、それがバンドールに住む蜥蜴人の怒りを買った。
この地に住む蒼鱗の蜥蜴人にとって湿地は聖なる土地だったのである。
僅かな部分だから大丈夫だと思ったが、蜥蜴人の湿地に対する思いを甘くみていた。
「なるほどのう。よくある問題にぶつかったようじゃの」
「はい、恥ずかしながら」
この世界に住む知的生物は人間だけではない。
そして、知的生物の多くは人間と生態が違う。
人間が住みやすい環境に変えようとすると、必ずと言っていい程邪魔が入る。
例えば耕作地を作ろうと森を切り開けば、森に住む者達が敵となる。
湿地を干拓しようとすれば湿地に生きる者達が敵となる。
人間はそんな彼等を纏めて魔物と呼ぶ。
以前はチユキも魔物と呼んでいたが、少し考えを改める事にした。
「しかし、そればかりはどうしようもないのう。この辺りの蜥蜴人は蒼き竜アズィミドを崇めているはずじゃ。下手をするとアズィミドやその配下の竜人も出て来るやもしれぬ。争いを広げると多くの人が死ぬかもしれぬな……」
マギウスは眉を顰める。
この地の蜥蜴人が生贄を捧げ、蒼き竜アズィミドの助力をお願いするかもしれない。
アズィミドは長い年月を生きた古竜であり、紺碧の海竜王に近い竜だ。
チユキ達ならアズィミドには勝てるだろう。だけど、神族と互角の竜王が出て来ると苦戦するかもしれない。
それに蜥蜴人の上位種族である竜人は人間よりも強い。
蒼き竜アズィミドや竜人が出て来たら多くの被害が出る可能性がある。
「はい、確かにそうなる可能性があります。この調子では黄金の夜明けは何時になるのかわかりません」
「そうか、大変じゃな」
そう言ってマギウスはうんうんと頷きながら髭を触る。
「時にマギウス師。1つ聞きたい事があるのですが。聞いてもよろしいでしょうか」
チユキは少し話題を変える。
「ほう、何じゃね? 儂に答えられる事なら答えよう」
「ありがとうございますマギウス師。それではお聞きします。神話で語られる黄金時代は本当に有ったのでしょうか?」
チユキがそう言うとマギウスは目が大きく開く。
「なぜ、そう思うのかね? チユキ殿? オーディス様の司祭が聞いておったら大変な事になるやもしれんぞ」
マギウスは心配そうに言う。
その通りであった。
黄金時代の神話を信じるオーディスの司祭が聞けば、魔女狩人を差し向けて来るかもしれない。
しかし、チユキはどうしても聞いておきたかった。
「疑問に思ったのは最近です。魔王が魔物を放つ前、地上は人間の物だったと言う割には、その確証を得られない所が多すぎます。 過去に人間が黄金時代を築いていたようには思えないのです」
そもそも、魔王が魔物を放ったというには不審な所がある。
例えば蜥蜴人がそうだ。
オーディスの司祭は魔物には蜥蜴人も含むと言う。
だけど、蜥蜴人は魔王を崇拝していない。
蜥蜴人が崇拝するのは竜だ。
魔王が魔物を放ったにしては変だ。
また文献を調べてみると蜥蜴人は人間が来る前からこの地に住んでいたらしい。
しかし、それだと人類の黄金時代が成り立たなくなる。 
人間が地上を支配していたはずではなかったのだろうか?
そもそも人間が世界を支配していた痕跡がどこにもない。
人間が世界を支配していた時の遺跡が破壊されたようでもないのである。
チユキはおかしいなと思う事はあった。
それが、ジプシールに行った事でさらに強くなったのである。
あの地の獣人も人間よりも先にあの地に住んでいた。
チユキはその事をマギウスに説明する。
「なるほどのう……。確かにそうじゃのう」
マギウスは頷く。
(仮にも大賢者と呼ばれる者だ。私が疑問に思う事に気付かなかったとは思えない)
チユキはマギウスを見る。
「マギウス師は疑問には思わなかったのですか?」
チユキがそう言うとマギウスは首を振る。
「儂も黄金時代はなかったのではないかと思っておる。そもそも、その黄金時代の神話もこの400年の間に広まったものじゃ。それ以前は特に黄金時代の神話はなかったのじゃよ。チユキ殿」
「えっ!?」
チユキは驚きのあまり変な声が出てしまう。
マギウスはそんなチユキに構わず続ける。
「最初に言い出したのは誰か知らぬ。ただ、オーディス様の教団やレーナ様の教団ではないのは確かじゃ。しかし、都合の良い話よ。偉い神官様が公式に認定しても不思議ではない。 結果、誰もがその神話を信じているわけじゃよ」
そのマギウスの言葉はチユキにとって驚きであった。
大賢者マギウスは800年以上生きている。
そして、魔術師協会の創設者だ。
400年前の事を知っていてもおかしくない。
(まさか400年前に黄金時代の神話がなかったなんて……)
チユキは思考を巡らせる。
各教団が流したのではないのなら、レーナを始めとした神々が流したのではない。
そもそも、チユキは黄金時代の話をレーナの口から聞いたわけではない。
「そうなのですか……。マギウス師は本当の事を言わないのですか?」
「言ってどうするのかね? チユキ殿? そんな事をしても誰も喜ばんよ」
マギウスは髭を触りながら、真っ直ぐにチユキを見る。
確かに誰も喜ばない事であった。
そもそも黄金時代はなくて、人間の方が後から来た。
そう言った所でだからどうしたとなるだろう。
後から来たから魔物に遠慮して生きろと言われても、そんな事が出来る訳がない。
「それは……」
チユキは言葉に詰まる。
「悪い事は言わん。勇者殿は黄金時代を取り戻すために戦っている。それで良いのではないかのう。この地にいる者達はそう言って勇者殿を讃えておる」
マギウスの言葉がチユキに突き刺さる。
そもそも、ここも魔獣ペルーダを倒して建国した。
そのため多くの人間がエルドの建国を喜んでいる。我々の土地を取り戻したと。
人々に讃えられてチユキ達もまんざらではなかった。
だけど、今は嫌な感じがする。
その時だった。
応接室の扉がノックされる。
「チユキ様! 大変です! 竜です! 蒼い竜がここに向かって来ています! 至急来て欲しいとレイジ様が!」
声はカヤの部下のメイドである。
蒼い竜という事はアズィミドが来たのかもしれない。
どうやら、先程の懸念が現実になってしまったようだ。
「わかりました! 今行きます! マギウス師。どうやら急用が出来たようです。申し訳ありませんが席を外しても宜しいでしょうか?」
「構わんよ、チユキ殿。どうやらアズィミドが襲って来たようじゃの。儂としては殺さぬ方が良いと思うがのう。しかし、勇者殿しだいか」
チユキはその言葉に頷く。
マギウスの言いたい事は分かっている。
下手をすると竜王と争う事になる。それはチユキも避けたい。
「わかっています。マギウス師。何とか追い払うだけに止めます」
そう言ってチユキは応接室を出る。
色々と考えたい事がチユキにはあるが、それを考える暇はないようであった。
★★★★★★★★★★★★後書き★★★★★★★★★★★★
再開します。序盤は変更がないので、早く更新できます。
また暗黒騎士物語設定資料集の続きである「ヘイボスとイシュティア」をカクヨムとマグネットに投稿しました。
カクヨムはイラスト不可なのはマイナスだと思います。
ニミュの元ネタは湖の乙女ニミュエ。ニミュエはアーサー王に出て来るペレアス卿と恋に落ちます。
ペレアス卿はガウェイン卿にエタードという乙女の仲をとりもってくれるように依頼するが、ガウェインはエタードを自分のモノにしてしまう。
ペレアス卿は悲しみのあまり放浪していたが、その間に湖の乙女ニミュエと出会う。
つまりレンバーをペレアスに見立てたわけです。外伝だとレンバーとニミュの活躍を書く予定でした ( ;∀;) 
そして、鬼畜なエピソードがあるガウェインですがfateだと太陽の騎士で好青年だったりしますね。
魔術師協会については、設定資料集のトトナ編でくわしく書く予定でした。
下から「見習い魔術師」「魔術師」「魔導師」「賢者」の称号があります。
チユキが賢者と呼ばれるのも称号を貰っているからだったりします。
他に会長や副会長等の役職もあり、魔導師以上の称号を持つ者から選ばれます。
開けた土地なので、明るい場所を嫌うゴブリンは少ない。
しかし、ゴブリンが少ないだけで、人が住みやすい土地では無い。
アズィミド湾に面した場所には蜥蜴人や蛙人が住む湿原があり、そうで無い場所にはケンタウロスや狼人等の牙の血族が多く住み着いている。
これらの種族は人間を襲う事もある。そのためバンドールに住む人々は安心して暮らせない。
レンバーとニミュは共にそんなバンドールの地を歩く。
もうすぐ目的地にたどり着くはずであった。
目の前には多くの人が行き交っている。
そこを歩く者達は様々である。
彼等は皆、ある方向へと歩いている。
レンバーは丘の上から目をこらして先を見る。
この先には勇者レイジとその仲間達が作った国エルドがある。
「ここがエルド? あんまり良い場所じゃないな」
レンバーは思わず感想を口にしてしまう。
エルドが建国された場所はあまり良い立地には見えなかった。
国を作るのに、一番良いのは防御に適した丘である。
丘が広ければそこに国が作れる。
さらに丘の縁に沿って城壁を作る事でさらに防衛をしやすくする。
レンバーの故郷であるロクス王国もそんな国だった。
今では人口が多くなり、丘の下にも住居が作られたが、元は丘の上だけにしか人は住んでいなかった。
しかし、エルドは低地に作られている。
丘らしき場所は勇者の住む宮殿がある箇所だけだ。
しかも小さい。これだけの人数をいざという時は収容できないだろう。
つまり防衛に適してない。
それに城壁もまだしっかりとしたものが、作られていないようであった。
これではゴブリンの群れが近くにいたら、すぐに襲われてしまうだろう。
かなり危険である。
(それとも、勇者様達の事だから、何か対策をしているのだろうか?)
レンバーはそんな事を考える。
それは充分に考えられる事であった。
彼等の力は凄まじく、城壁がなくても、安心して暮らせるかもしれない。
そう考えればこれだけの人がエルドを目指すのも納得できる事であった。
「人は多いみたいだけど、みすぼらしいわ。ここが、あのレーナ様に愛された勇者の作った国なの? レンバー?」
レンバーの隣にいるニミュは眉を顰める。
ニミュは水エルフのナイアドである。
レンバーとはたまたま、旅の途中で知り合い同行している。
美しい女性と一時とはいえ旅が出来たのだから運が良かったとレンバーは思っている。
それが永遠の美を誇るエルフならなおさらであった。
「まだ、国がしっかりできていないのだと思う」
レンバーそう答える。
遠くから見ても、人々の住む家は雑多で整備されていない。
道の整備も遅れている。
レンバーが得た情報が確かなら、エルドはまだ建国されて日が浅いはずなので仕方がない事であった。
「まあ、良いわ。それじゃ行きましょう。姫様に報告しないといけないから」
ニミュはレンバーを引っ張る。
ニミュの水色の長い髪がふわっと風に揺れる。
ニミュは聖なるエリオス山の麓、その樹海にあるエルフの国の住民であった。
その彼女が何故森を出たのかというと、勇者の国を調べるためだ。
ニミュが仕えるハイエルフの姫が勇者の事が気になり、側近だったニミュが派遣されたである。
もっとも、レンバーが聞いたところによると、調べると言っても人々の様子を見るだけで、勇者達と接触する予定はないそうであった。
だからこそレンバーは同行したのだ。
レンバーは正直に言うと勇者達と顔を合わせたくないのである。
「待ってくれ! ニミュ!」
レンバーは立ち止まる。
するとニミュが振り返り、不思議そうな顔をする。
「どうしたの? レンバー?」
「君は顔を隠した方が良い。おそらくかなり治安が悪い」
かつて国の治安を預かっていたレンバーにはわかる。
離れた所から見ているだけでそんな雰囲気を出している。
「それなら、大丈夫。レンバー。私は強いもの。人間程度には負けないわ」
そう言ってニミュは腰の剣を触る。
レンバーはそれを見て苦笑する。
確かにニミュは強い。水の魔法が使えて、剣の腕もレンバーより上である。
だけど、争いは避けるべきであった。
ニミュは寿命が短い人を見下している。
特に人間の女性に対しては、すぐに枯れてしまう哀れな生き物と公言している。
それが、争いを引き起こしている。
レンバーはニミュと出会って間もないが、一緒にいて何度かそれが原因で争いになった事が多々あった。
そんなニミュが何故一緒に居たがるのか、レンバーにはわからない。
そもそも、ニミュは何故かレンバーだけは見下していないようであった。
そのため、レンバーは困惑している。
ニミュはレンバーの左腕にしがみ付き、無理やり歩かせる。
レンバーは無理やり連れていかれるのだった。
◆
シロネが目を覚ましてから既に30日以上の月日が流れた。
目を覚ましたシロネは彼の所に行きたがったが、チユキは一応止めておいた。
彼の側にいる白銀の魔女はチユキ達に対して敵意がある。
それに彼の事に関して、チユキ達の間で意見が割れている。
レイジを除き、彼を一番嫌っているのはカヤだ。
理由はキョウカが彼の事を気に入っているかららしい。
その事がカヤには面白くないのだ。
面白くない理由をチユキは何となくわかる。
カヤはキョウカの一番側にいたいのだ。
そのため、他の者を排除しようとしている。
カヤはキョウカに男性との付き合いを覚えるべきと言っておきながら、気になる男性が出来たら反対する。
何とも複雑な感情だなとチユキは思う。
そのカヤが彼を迎え入れる事に反対して、またレイジに瀕死の重傷を負わせた彼の事を好きになれないサホコも消極的に反対した。
チユキも別の理由から迎え入れるのに消極的にならざるを得なかった。
そのため、彼の事は後回しになってしまった。
そもそも、ブルルルンとどうやって向き合えば良いのだろうかとチユキは思う。
それに、住民が増えたため国造りが忙しくなっている。今はそちらにかかりきりであった。
また、チユキは他にジプシールで出会ったザルキシスの事も気になるが、その後の動向についてはレーナも掴めていないらしく、手の打ちようもない。
結果として、チユキ達はどこにも行くことなくエルドで日々を過ごしている。
そんなある日、チユキは応接室で客を出迎える。
「久しぶりじゃのう。黒髪の賢者チユキ殿」
チユキの目の前の老人が名を呼ぶ。
老人はいかにも魔術師と言った格好であった。
黒いローブにつばの広い帽子。さらに長いひげを生やしている。
誰が見ても魔術師に見えるだろう。
それもそうである、目の前の人物は魔術師の中の魔術師なのだから。
「はい。お久しぶりです。大賢者マギウス師。ようこそエルドへ。歓迎いたします」
チユキは座った状態で頭を下げる。
大賢者マギウス。
それが、この老人の名である。
魔術師協会の名誉会長であり、その魔術師協会の最高意思決定機関である賢人会議の議長である。
一応魔術師協会の代表は賢人会議によって任命される会長という事になっている。
だけど、会長の言葉よりもマギウスの言葉の方が協会では尊重される。
つまり、事実上マギウスが魔術師協会の代表なのである。
チユキがその大賢者に合うのは2度目であった。
マギウスは勇者達が作った国を見にチユキを訪ねて来たのである。
個人的な客なので会うのはチユキだけだ。
「会うのは2度目じゃな、チユキ殿。賢者の称号を授ける時に会って以来かの?」
マギウスは長い髭を触りながら言う。
「はい。賢者へと推挙していただき、ありがとうございます」
チユキはお礼を言う。
賢者という呼び名は知識が豊富な者に与えられる尊称とは別に、魔術師協会が所属する魔術師に与える最高の称号でもある。
ただし、賢者の称号を与えられた魔術師は賢人会議へと出席する権利と義務があり、協会の発展に貢献する事が求められる。
チユキはこの世界での活動のために、聖レナリア共和国の魔術師協会の支部に入った。
そして、しばらくすると賢者の称号を与えられた。
チユキは最初訳がわからなかったが、この大賢者が推挙してくれたそうであった。
チユキはマギウスに理由を聞いてみたが、人を超越した魔力を持つ者を、ただの魔術師にしておくのは、もったいないかららしい。
それが、本当の理由かどうかはチユキにはわからない。
しかし、損はないと判断して称号を受けたのである。
「お礼を言われる事ではないよ。チユキ殿。それにしても、このエルドは面白い国じゃな。あえて、守りにくい場所に国を作る。どこまで、この国を大きくするつもりかね?」
マギウスはチユキを見る。
チユキはその言葉を聞いて感心する。
マギウスはチユキの意図を察しているようであった。
「その通りです。あえて平地に作ったのは大きな国を作る為です」
チユキは頷く。
この世界では国、つまりは都市を作る時に考慮せねばならない事が多々ある。
その中で一番重要なのは防衛である。
魔物の多いこの世界では防衛に適した丘の上が最適とされている。
もちろん一定の人が住めるだけの丘なんて都合よく見つかる訳がない。
だから、人々は出来るだけ防衛がしやすい土地を選んで国を作る。
足りない部分は城壁を厚く作って補う。
しかし、防衛に適した国は通行が難しくなる傾向があり、住める人間の数が限られてしまう。
そのため国の発展が難しくなる。
だけど、チユキ達は強い。
防衛に適さない土地でも、魔物に対抗できる。
だから、交通の便が良い土地に国を作ったのである。
「なかなかに剛毅。足りない部分は勇者殿の力で補う。さすがは黄金の夜明けをもたらす者と言われるだけの事はある。勇者殿達にしか出来ない芸当よ。見に来て良かったわい。これなら国造りも順調なのじゃろうな」
マギウスは笑う。
黄金の夜明けをもたらす者とはレイジの尊称の1つである。
神話では魔王が魔物を世界に放つまでは世界は人間のものであり、その時代を黄金時代と呼ぶ。
レイジは再び黄金時代を作る、人間の救世主と見做されている。
マギウスはレイジを黄金の夜明けをもたらす者と呼び讃える。
しかし、チユキは共に笑う事が出来なかった。
「いえ、それがそうでもないのです。実は最近湿地の一部を農地にするために干拓しようとしたのですが、それが蜥蜴人の怒りを買ってしまったようなのです」
チユキは首を振って言う。
エルドはこの地を支配していた魔獣ペルーダを退治して手に入れた土地である。
そして、ペルーダが支配していた土地の近くには湿地が含まれていた。
私達は、その湿地を干拓して農業用にする事にしたのである。
しかし、それがバンドールに住む蜥蜴人の怒りを買った。
この地に住む蒼鱗の蜥蜴人にとって湿地は聖なる土地だったのである。
僅かな部分だから大丈夫だと思ったが、蜥蜴人の湿地に対する思いを甘くみていた。
「なるほどのう。よくある問題にぶつかったようじゃの」
「はい、恥ずかしながら」
この世界に住む知的生物は人間だけではない。
そして、知的生物の多くは人間と生態が違う。
人間が住みやすい環境に変えようとすると、必ずと言っていい程邪魔が入る。
例えば耕作地を作ろうと森を切り開けば、森に住む者達が敵となる。
湿地を干拓しようとすれば湿地に生きる者達が敵となる。
人間はそんな彼等を纏めて魔物と呼ぶ。
以前はチユキも魔物と呼んでいたが、少し考えを改める事にした。
「しかし、そればかりはどうしようもないのう。この辺りの蜥蜴人は蒼き竜アズィミドを崇めているはずじゃ。下手をするとアズィミドやその配下の竜人も出て来るやもしれぬ。争いを広げると多くの人が死ぬかもしれぬな……」
マギウスは眉を顰める。
この地の蜥蜴人が生贄を捧げ、蒼き竜アズィミドの助力をお願いするかもしれない。
アズィミドは長い年月を生きた古竜であり、紺碧の海竜王に近い竜だ。
チユキ達ならアズィミドには勝てるだろう。だけど、神族と互角の竜王が出て来ると苦戦するかもしれない。
それに蜥蜴人の上位種族である竜人は人間よりも強い。
蒼き竜アズィミドや竜人が出て来たら多くの被害が出る可能性がある。
「はい、確かにそうなる可能性があります。この調子では黄金の夜明けは何時になるのかわかりません」
「そうか、大変じゃな」
そう言ってマギウスはうんうんと頷きながら髭を触る。
「時にマギウス師。1つ聞きたい事があるのですが。聞いてもよろしいでしょうか」
チユキは少し話題を変える。
「ほう、何じゃね? 儂に答えられる事なら答えよう」
「ありがとうございますマギウス師。それではお聞きします。神話で語られる黄金時代は本当に有ったのでしょうか?」
チユキがそう言うとマギウスは目が大きく開く。
「なぜ、そう思うのかね? チユキ殿? オーディス様の司祭が聞いておったら大変な事になるやもしれんぞ」
マギウスは心配そうに言う。
その通りであった。
黄金時代の神話を信じるオーディスの司祭が聞けば、魔女狩人を差し向けて来るかもしれない。
しかし、チユキはどうしても聞いておきたかった。
「疑問に思ったのは最近です。魔王が魔物を放つ前、地上は人間の物だったと言う割には、その確証を得られない所が多すぎます。 過去に人間が黄金時代を築いていたようには思えないのです」
そもそも、魔王が魔物を放ったというには不審な所がある。
例えば蜥蜴人がそうだ。
オーディスの司祭は魔物には蜥蜴人も含むと言う。
だけど、蜥蜴人は魔王を崇拝していない。
蜥蜴人が崇拝するのは竜だ。
魔王が魔物を放ったにしては変だ。
また文献を調べてみると蜥蜴人は人間が来る前からこの地に住んでいたらしい。
しかし、それだと人類の黄金時代が成り立たなくなる。 
人間が地上を支配していたはずではなかったのだろうか?
そもそも人間が世界を支配していた痕跡がどこにもない。
人間が世界を支配していた時の遺跡が破壊されたようでもないのである。
チユキはおかしいなと思う事はあった。
それが、ジプシールに行った事でさらに強くなったのである。
あの地の獣人も人間よりも先にあの地に住んでいた。
チユキはその事をマギウスに説明する。
「なるほどのう……。確かにそうじゃのう」
マギウスは頷く。
(仮にも大賢者と呼ばれる者だ。私が疑問に思う事に気付かなかったとは思えない)
チユキはマギウスを見る。
「マギウス師は疑問には思わなかったのですか?」
チユキがそう言うとマギウスは首を振る。
「儂も黄金時代はなかったのではないかと思っておる。そもそも、その黄金時代の神話もこの400年の間に広まったものじゃ。それ以前は特に黄金時代の神話はなかったのじゃよ。チユキ殿」
「えっ!?」
チユキは驚きのあまり変な声が出てしまう。
マギウスはそんなチユキに構わず続ける。
「最初に言い出したのは誰か知らぬ。ただ、オーディス様の教団やレーナ様の教団ではないのは確かじゃ。しかし、都合の良い話よ。偉い神官様が公式に認定しても不思議ではない。 結果、誰もがその神話を信じているわけじゃよ」
そのマギウスの言葉はチユキにとって驚きであった。
大賢者マギウスは800年以上生きている。
そして、魔術師協会の創設者だ。
400年前の事を知っていてもおかしくない。
(まさか400年前に黄金時代の神話がなかったなんて……)
チユキは思考を巡らせる。
各教団が流したのではないのなら、レーナを始めとした神々が流したのではない。
そもそも、チユキは黄金時代の話をレーナの口から聞いたわけではない。
「そうなのですか……。マギウス師は本当の事を言わないのですか?」
「言ってどうするのかね? チユキ殿? そんな事をしても誰も喜ばんよ」
マギウスは髭を触りながら、真っ直ぐにチユキを見る。
確かに誰も喜ばない事であった。
そもそも黄金時代はなくて、人間の方が後から来た。
そう言った所でだからどうしたとなるだろう。
後から来たから魔物に遠慮して生きろと言われても、そんな事が出来る訳がない。
「それは……」
チユキは言葉に詰まる。
「悪い事は言わん。勇者殿は黄金時代を取り戻すために戦っている。それで良いのではないかのう。この地にいる者達はそう言って勇者殿を讃えておる」
マギウスの言葉がチユキに突き刺さる。
そもそも、ここも魔獣ペルーダを倒して建国した。
そのため多くの人間がエルドの建国を喜んでいる。我々の土地を取り戻したと。
人々に讃えられてチユキ達もまんざらではなかった。
だけど、今は嫌な感じがする。
その時だった。
応接室の扉がノックされる。
「チユキ様! 大変です! 竜です! 蒼い竜がここに向かって来ています! 至急来て欲しいとレイジ様が!」
声はカヤの部下のメイドである。
蒼い竜という事はアズィミドが来たのかもしれない。
どうやら、先程の懸念が現実になってしまったようだ。
「わかりました! 今行きます! マギウス師。どうやら急用が出来たようです。申し訳ありませんが席を外しても宜しいでしょうか?」
「構わんよ、チユキ殿。どうやらアズィミドが襲って来たようじゃの。儂としては殺さぬ方が良いと思うがのう。しかし、勇者殿しだいか」
チユキはその言葉に頷く。
マギウスの言いたい事は分かっている。
下手をすると竜王と争う事になる。それはチユキも避けたい。
「わかっています。マギウス師。何とか追い払うだけに止めます」
そう言ってチユキは応接室を出る。
色々と考えたい事がチユキにはあるが、それを考える暇はないようであった。
★★★★★★★★★★★★後書き★★★★★★★★★★★★
再開します。序盤は変更がないので、早く更新できます。
また暗黒騎士物語設定資料集の続きである「ヘイボスとイシュティア」をカクヨムとマグネットに投稿しました。
カクヨムはイラスト不可なのはマイナスだと思います。
ニミュの元ネタは湖の乙女ニミュエ。ニミュエはアーサー王に出て来るペレアス卿と恋に落ちます。
ペレアス卿はガウェイン卿にエタードという乙女の仲をとりもってくれるように依頼するが、ガウェインはエタードを自分のモノにしてしまう。
ペレアス卿は悲しみのあまり放浪していたが、その間に湖の乙女ニミュエと出会う。
つまりレンバーをペレアスに見立てたわけです。外伝だとレンバーとニミュの活躍を書く予定でした ( ;∀;) 
そして、鬼畜なエピソードがあるガウェインですがfateだと太陽の騎士で好青年だったりしますね。
魔術師協会については、設定資料集のトトナ編でくわしく書く予定でした。
下から「見習い魔術師」「魔術師」「魔導師」「賢者」の称号があります。
チユキが賢者と呼ばれるのも称号を貰っているからだったりします。
他に会長や副会長等の役職もあり、魔導師以上の称号を持つ者から選ばれます。
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コメント
ホソノンスロット
コメント失礼します。自分は最近なろうで暗黒騎士物語を読んでこちらに来たものなのですが、なろうの暗黒騎士物語とこちらの暗黒騎士物語での設定の違い等ありますか?まだこちらの暗黒騎士物語を読んでいないのですが、最初から読むべきか物語の進行が同じくらいになった時に読むべきか迷っています。もし可能であればその点について返事を貰えると有難いです。長文失礼しました。
眠気覚ましが足りない
大賢者より修正報告を追加します。
~地上は人間の物だったと言う割には、可笑しな所が多すぎます。
↓
~地上は人間の物だったと言う割には、その確証を得られない所が多すぎます。
以前の可笑しい指摘の漏れです。
眠気覚ましが足りない
修正報告を追加します。
チユキは可笑しいなと思う事はあった。
↓
チユキはそれを不審に思った事はあった。
これは前回の修正報告の取り零しです。
プラス、“思う”を過去形にして過去完了に。
確かに誰も喜ばない事であった。
↓
確かに誰も喜ばない事だ。
現在形に。
眠気覚ましが足りない
大賢者より修正報告を追加します。
そもそも、魔王が魔物を放ったと言うには可笑しな所がある。
↓
そもそも、魔王が魔物を放ったというには不審な所がある。
魔王が魔物を放ったにしては可笑しい。
↓
魔王が魔物を放ったにしては変だ。
しかし、それだと人類の黄金時代が可笑しくなる。
↓
しかし、それだと人類の黄金時代が成り立たなくなる。
偉い神官様が公式に認定しても可笑しくはない。
↓
偉い神官様が公式に認定しても不思議ではない。
上記は全て“可笑しい”が使われたものです。
“可笑しい”と“おかしい”は別の言葉で、多くは平仮名で変だと意味を表現し、漢字あるいは片仮名では面白いという意味で使われます。
混同を避けるために、全て言い換えられる別の言葉にしましたが、平仮名にするか別の言葉に置き換えるかの修正をお願いします。
眠気覚ましが足りない
更新お疲れ様です。
判断は先生にお任せしますが、一応、不要ではないか、ということと、外伝や幕間を書くことは別の問題なので、混同しないでくださいね。
修正報告なのですが、
1つ目は、アズィミド湾に面する場所にいる魔物の説明のところ、ルビが変です。
2つ目
そして、どうやら大変な事になったようであった。
蒼い竜という事はアズィミドが来たのかもしれなかった。
↓
蒼い竜という事はアズィミドが来たのかもしれない。
どうやら、先程の懸念が現実になってしまったようだ。
まず、メイドのセリフから2つの文を入れ換えました。
修正後の1文目は、よく使われますが、“かもしれなかった”は過去推量なので“た”は不要です。
2文目、これは先生の癖なのでしょう、どうやら大変なことになったようであった、ですが、先程アズィミドの話題が出たことに絡めてみました。