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私の世界に色がついた
貴方は私に色を与えてくれた
色が見えなくなったあの日から

私は必死に頑張ってきた水泳が出来なくなってしまった
あの日を境目に
その日から私の人生はかわった
まず色がなくなった
毎日キラキラしていた世界がモノクロ世界になった
そして今まで当たり前に出来ていたことが出来なくなった

私は必死に足掻いた
前の日常に戻れるように
だけど現実は違った
元のようにはならなかった

私は水泳に背を向けた

あの日たまたまプールを見に行った
何故見に行ったのかは私にも分からない
だけどそこで貴方を見つけた
貴方の泳ぎを見た瞬間私に少し色が戻った
私は驚いた

貴方は私を見つけた時
戸惑っていた
誰も来るとは思っていなかったのかな
私はその時もう一度色が見たくなり
「貴方の泳ぎもう一度見して!
そして私にもう一度色を見して!」
心の底からの叫びだった
貴方は何言ってるんだこいつと思っているような顔をしていたけど泳いでくれた

色が見えた
プールサイドの白色
プールのそこの水色
水を照らしている太陽の色
雲の色
空の色
そしてあなたの色

貴方は泳ぎ終わったあと驚いてあたふたしていた
何故だろうと思っていたら
「なんで泣いてるの?」
貴方が私に聞く
泣いてる?
私は顔に手を当てると手が濡れた
それは涙なんだと気づいた瞬間
何故が涙が止まらななった

泣き止んだ後貴方は私の話を聞いてくれた
私の世界に色がなくなった理由
私が水泳に背を向けてしまった理由
貴方は私の話を頷きながら聞いてくれた

「じゃぁ、色が見たくなったらここにおいで。
君に色を見せてあげる。」
貴方は私に色を見せてくれると言った
私は驚いた
普通こんな話誰も信じてくれないから
「いいの?」
私は不安だった
色が見れるのはすごい嬉しい
だけど貴方にも裏切られると思ったから
あの日みたいに
「いいよ。」
貴方はそれだけ放ってまたプールの中に入っていった
「ありがとう。」
私はそう呟いてプールから離れていった

その帰り道はいつもより足が軽かった
モノクロの世界が少し明るくなった
明日も色を見にいけると思うと

ありがとう
私に色を与えてくれて

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