【Vease:Day】〜VRMMOだけして、稼ぎたい‼︎ 〜
《第一章》第5話 『流星ノ槍』
〜西暦2045年10月1日AM10:00〜
《ドワーフ工房》
〜作業場〜
カンッ、カンッ、カンッ、カンッ
作業場に金属をハンマーで叩く音が響き渡る。そして俺は何をしているかというと、、
「まずはこの鉄鉱石と炭石を炉に入れ溶かす。そして溶かした鉄鉱石と炭石を、型版に流し入れ冷やし固める。……おし、完成したぞ〜。これが武器の基礎となる金属、所謂インゴットだ。分かったかリュウ!」
「はい!デンゼル師匠!!それにしても意外と時間かかんなかったっすね。」
「ガハハハッ。インゴットだからこんなもんじゃよ。ほれ、今度はお前さんがやってみろ!。お前さんなりにインゴットを作り上げるんだ。完成したらワシを呼べ!。分かったか?」
「はい!了解です、デンゼル師匠!!」
何故か作業場で武器の作り方を教わっていた。というのも遡ること数分前……。
ーー俺はデンゼルと一緒にドワーフ工房の武器保管庫にいた。なんでも俺に合う[ランス]を探してくれるらしい。
「ほれ!これなんかどうだ?。素材は簡素だが、耐久性もそこそこあるぞ!。あと[大盾]をもつとバランスが取れてちょうどいいな。」
デンゼルが持ってきたのは、円柱型の[ランス]で、もう片方に自分の身が隠れるんじゃないかと思うぐらい大きい[盾]をもっていた。レトロゲーム『モン◯ン』シリーズで言うランス装備を彷彿させるようだった。
「いや、デンゼルさん。俺、ガチガチの戦闘職じゃないんで、そんな持てないですよ。」
「そうかのぅ?」
デンゼルは残念そうな顔をこちらに向けてきた。俺は求めているランスの特徴をデンゼルに伝えた。
「え〜と、どっちかって言うと持ちながら走り回れるような[ランス]探してんすよね。」
「ん?走り回る?ガハハハハッ。そんなんできる訳ないわい!。大体[ランス]ちゅうのはな、片手に[大盾]がセットなんじゃ!。重すぎて走り回ることすら難しいやつじゃぞ。」
デンゼルは、さもそれが当たり前と言わんばかりに俺をまくしたてた。俺はデンゼルに違うと主張しつつも欲しているものを伝えた。
「いえ、違いますもっと、なんて言うか軽快な感じで攻撃ができる[ランス]が欲しいんです!」
「ふむ。そうか…軽快な感じねぇ。」
するとデンゼルは持っていた武器を降ろし、蓄えた髭をスリスリと触りながら俺に質問をした。
「お前さんの言うとるのはもしかして、[薙刀]やないか?」
「えっと〜、確かに運用的には[薙刀]が1番近いですけど、俺が欲しいのはそれの[ランス]版です。」
するとデンゼルはうつむきながら、眉間にシワをよせ、何やら考えた様子になった。
「ふむ……。じゃと、お前さんが言うとるランスはワシんとこには無いかもしれんのぅ。」
「えっ、そうなんですか?じゃあ無いなら作ればいいんじゃないですか!」
「いや、すまんがそれは出来んのじゃ。その[ランス]の設計図がないことにはどうにもできんからのぅ。しかも初めて作るモノとなると時間もかかるしな…。」
デンゼルは困ったような素振りで俺に語りかけた。そこで俺は提案をした。
「そうですか…じゃあ俺が作りますよ!」
「むぅ?いや、お前さん作ったことあるのか?」
「いや、ないです!けど、頭の中には設計図がちゃんとありますし、それに俺の職業みてください。」
俺は記録石を捻り、簡易的なステータス画面を見せた。
「!?、おい!お前さん【鍛冶屋】もってるのか!しかも生産系3つって珍しい構成じゃのぅ。」
「俺、昔から生産職に憧れてたもんでつい3つ選んじゃいました。」
(いや、実際はそんなことはないけどね。)
「そ、そうか!憧れてたのか!なんか照れるのぅ。」
デンゼルは嬉しそうな素振りを見せたが、しばらくすると髭を触りながら、俺を見て真剣な眼差しになった。
「……なぁリュウよ、本当に作れる自信があるのかい?」
「はい!一生懸命頑張る所存です!というか作らせて下さい!お願いします!」
俺は最大限、誠心誠意の態度をデンゼルに見せた。というか土下座して頼み込んだ。するとデンゼルは大きなため息をつき、話しを呑んでくれた。
「はぁ…。…わかった。お前さんに作らすとしよう。だがワシの工房でつくるんじゃから、ここのルールに従ってもらうぞ!わかったか?」
「はい!了解です!デンゼルさん…いや、デンゼル師匠!」
ーーとゆうことがあり俺は今、デンゼルさんもとい師匠から武器作りの指南をしてもらっている。
まず教えてもらったのは、武器作りの基礎となるインゴットの作り方だ。このインゴットを作るには、それなりの技術が必要とされるらしい。
(まぁ、ゲームだからそこら辺は【スキル】でどうにかできるけどね。それにこんな良い環境で、自分専用武器を作れるなんてラッキーにもほどあるだろ。)
実はこのゲーム、自分でオリジナルの武器を製作できたりするのだ。しかも武器だけじゃなく、アイテムや料理、ましてやモンスターなんかも自分の手で作れちゃったりするのだ!
つまり俺はわざとこの世界にない武器を要求し、自分が作るように仕向けたのだ!
(何か騙した感じで申し訳ない…。が、しかし後悔はしていない!。だって、俺専用武器とか超カッケェじゃん!男のロマンじゃん!作るしかないじゃん!)
俺は独り言を心の中で叫びながら、デンゼルに出されたお題、〔インゴット〕作りを1人ですることとなった。どうやら弟子達の指導もしているらしく、俺につきっきりではないらしい。
(まぁ、1人の方が何かと楽だし好都合。つう訳で、SPを割り振るか!。ステータスから、職業詳細画面へ。)
〈職業〉
『騎士』Lv1 SP+3
【斬強化】0/10【刺強化】0/10
【重量化】0/6【騎乗】0/6【運搬】0/10
『支援者』Lv1 SP+3
【支援術】0/8【陽属性】1/10
【地属性】2/10【海属性】0/10
【空属性】1/10【星属性】1/10
【霊属性】0/10
『鍛冶屋』Lv1 SP+3
【調合】0/6【形成】0/8【領域】0/8
【鍛錬】0/10【採取】0/10
『商人』Lv1 SP+3
【目利き】0/8【交渉術】0/6
【運搬】0/10【拡張】0/8【採取】0/10
『裁縫者』Lv1 SP+3
【回収】0/10【裁縫】0/10
【染め】0/5【形成】0/8【拡張】0/8
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
〈職業〉 スキル獲得
『騎士』Lv1 SP0
【刺強化】3/10 →【刺突】Lv3
刺属性の武器の攻撃力が3%up。
『支援者』Lv1  SP0
【支援】2/8 →【付与術】Lv2
付与魔法をLvに応じて覚えたり、強化する。
【陽属性】2/10 →【陽支援魔法】Lv2
陽属性の支援魔法をLvに応じて覚えたり、強化する。
【地属性】2/10 →【地支援魔法】Lv2
地属性の支援魔法をLvに応じて覚えたり、強化する。
【空属性】1/10 →【空支援魔法】Lv1 
空属性の支援魔法をLvに応じて覚えたり、強化する。
【星属性】1/10 →【星支援魔法】Lv1 
星属性の支援魔法をLvに応じて覚えたり、強化する。
『鍛冶屋』Lv1  SP0
【調合】3/8 →【精錬】Lv3
インゴットの成功率が14%up。
【形成】3/8 →【錬成】Lv3
インゴットで作る武器と防具の成型の成功率が14%up。
『商人』Lv1  SP0
【目利き】3/8 →【鑑定】Lv3
色々なモノの詳細な情報がLvに応じて見れるようになる。
『裁縫者』Lv1  SP0
【形成】3/8 →【型取】Lv3
布や魔物の皮、鱗で作る防具と装飾の成型の成功率が14%up。
取得魔法・・MPを消費して使える技。
【属性付与小】消費MP60
武器やアイテムに自分が獲得している属性を20秒間付与する。
【火球】消費MP30
火の玉を形成し、放つ。当たれば火傷ダメージを与える。
【火縄】消費MP80
火の縄を形成し、対象物を8秒間拘束する。拘束中は火傷ダメージを与える。
【石弾】消費MP40
小さな石を複数個形成し、弾丸のように放つ。
【石壁】消費MP100
目の前に自分と同じくらいの高さの石壁を形成する。
【風球】消費MP30
風の玉を形成し、放つ。当たれば裂傷ダメージを与える。
【光球】消費MP20
光の玉を複数個形成し、周りを明るくする。
(よっしゃ、こんなもんだろ。とりあえずは石の選定だ!)
俺は作業場の一画にある石置き場に行き、鉄鉱石と炭石を選びに行った。
「つうか、いっぱいありすぎるだろこれ。こん中からいちいち探せっていうのかよ。」
(こういう時こそ【鑑定】を使うべし!とりま【鑑定】スキル発動!!)
すると石置き場に大量のアイテム名がでてきた。
「うわぁ〜、スゲェ表示された。」
【鑑定】スキルでスキャンしたアイテムの一覧が俺の目の前に映し出された。
「なるほど、一目で分かるように違う画面で表示されてんのね。」
俺はアイテム一覧の方に目を移し、ソート機能でレア度の高い鉄鉱石と炭石を選んだ。すると石置き場に大量に表示された詳細画面が消え選んだものだけが表示された。
「なるほどこうやって探し出せるのね。素晴らしい機能じゃないか!とりあえずもう一回検索して何個か見繕おう。」
俺は【鑑定】スキルを駆使して、鉄鉱石と炭石、さらには洞石等を発見しそれらを取っていった。だが一つここで問題が発生した。
「【鑑定】!…ん〜やっぱりダメだ。レア度が高いと詳細な情報が出てこない。やっぱり【鑑定】スキルのレベルが低いのか。」
そう!レア度によって出てくる情報が違うのだ。色々繰り返した結果どうやらレア度Eまでは詳細な情報を得られるが、それ以上のレア度だとアイテム名とレア度しか表示されなかったり、ましてや表示されないモノもあった。
どうにかして見れないものかと試行錯誤している内に解決策がすぐに見つかった。
『テッテレ〜♪商人Lv2になりました』
「えっ?なんか知らんけどLvが上がった。」
そうLv upだ。どうやら【鑑定】スキルを使えば経験値が入るらしい。しかも、他の職業にも(戦闘職業は微量だが)経験値が入っていた。
(なるほど、こうゆう風にしてLvを上げてけばいいのね。ふむふむ。)
俺は感心しながらもLv upで得たSPを割り振った。
(とりあえず、【鑑定】をLv4にしてと、もう一度【鑑定】!!)
〔鉄鉱石〕  レア度D
鉱山の表面などでよく見られる灰色の石。年数が若い地層などでもよく取れる。耐久性に優れているが、基本的に重い。
[特性]
・耐久性:B・重量比:F・加工性:E・硬度:A
〔炭石〕 レア度D
鉱山を掘り起こす時によく出る炭の様な黒い石。強い衝撃を与えると脆くなるが、加工がしやすい。熱に対してある程度の耐性がある。
[特性]
・耐久性:E・重量比:E・加工性:A・硬度:D
〔砥石〕 レア度E
鉱山や、洞窟等で見つかる黄土色の石。武器を研ぐのに最適な石であり、これで磨くと光沢がでて、摩擦などが軽減される。レア度は一律E。
[特性]
・耐久性:F・重量比:A・加工性:B・硬度:E
〔洞石〕 レア度C
洞窟等で採掘すると出てくる白い石。この石は中に空気の気泡が多く見られ密度自体は低いが、鉄鉱石並みに硬い。レア度は一律C。
[特性]
???????????????????
〔魔鉱石〕 レア度B
???????????????????
[特性]
???????????????????
「今んところだとこんくらいかな。ふぅ。」
俺はひと段落ついて、汗を拭った。正確には汗はでてないので拭う仕草をした。
(でもまだ伏せられてる部分があるな…。まぁ気にしても仕方ない。とりあえずインゴットを作りにいくか!。)
俺は選んだ石をインゴットに加工するべく作業場の炉のある場所へと持っていった。
「よし!始めるとするか。まずは小手調べに基本のインゴットから作ろう。」
俺は鉄鉱石と炭石を炉に入れ溶かし、型版に入れて冷やし固めた。
「よし!完成したぞ〜。意外と簡単だったなぁ。まぁゲームだし、あと【精錬】スキルのおかげかな?。とりあえず次は他の組み合わせもやってみよう!」
俺は次々とインゴットを作り上げていき、その過程でLvupもした。そして試行錯誤を繰り返しやっと、自分が納得できるインゴットを作れるまでに至った。
『鍛冶屋』Lv4  SP0 スキル獲得
【調合】5/8 →【精錬】Lv5
インゴットの成功率が18%up。さらにいずれかの特性を1つ強化。
【形成】4/8 →【錬成】Lv4
インゴットで作る武器と防具の成型の成功率が16%up。さらにいずれかの特性を1つ強化。
【鍛錬】1/10    →【鍛錬】Lv1
インゴットで作った武器を強化する際に上昇幅が4%up。
『商人』Lv3 SP0
【目利き】5/8 →【鑑定】Lv5
『裁縫者』Lv2  SP0
【形成】4/8 →【型取】Lv4
布や魔物皮、鱗で作る防具と装飾の成型の成功率が16%up。さらにいずれかの特性を1つ強化する。
《新しく獲得した技能》
【宝石商】消費SN120
鉱石などの石材をより多く【鑑定】した時に得られる技能。石材を【鑑定】する際にこの技能を併用して使うと、一時的に【鑑定】Lv+2する。
【鍛冶の性】消費SN220
インゴットを1日に多く作った時に得られる技能。武器を作る際に併用すると、一時的に【精錬】Lv+1、【錬成】Lv+1、【鍛錬】Lv+1する。
《新しく【鑑定】したアイテム》
〔洞石〕 レア度C
洞窟内で採掘すると出てくる白い石。湿地帯などでもよく見られる。この石は中に空気の気泡が多く見られ密度自体は低いが、鉄鉱石並みに硬い。レア度は一律C。
[特性]
・耐久性:C・重量比:D・加工性:D・硬度:A
〔魔鉱石〕 レア度B
地中奥深くに眠っていることが多く、採れる量も少ないので貴重な石材として知られている。たまに一部のモンスターの核にもなっていることがある。基本的には黒がかった紫色をしている。魔力を溜め込む性質があり、これを介して魔法を放つと魔力の節約になる。杖などによく組み込まれる。加工するのにかなりの技術が必要とされる。
・耐久性:D・重量比:A・加工性:F・硬度:D
〔鉄炭のインゴット〕レア度C
鉄鉱石と炭石の組み合わせで作られたインゴット。
[特性]
・耐久性:C・重量比:D+・加工性:C・硬度:C
〔三石のインゴット〕レア度C
鉄炭のインゴットと砥石の組み合わせで作られたインゴット。
[特性]
・耐久性:C+・重量比:B・加工性:B・硬度:C
〔鉄洞(てつどう)のインゴット〕レア度C
鉄鉱石と洞石の組み合わせで作られたインゴット。
[特性]
・耐久性:B・重量比: E・加工性:D・硬度:S
〔四石のインゴット〕レア度B
三石のインゴットに洞石を組み合わせたインゴット。
[特性]
・耐久性:B・重量比:B+・加工性:C・硬度:B
〔魔五石のインゴット〕レア度A
四洞のインゴットに魔鉱石を組み合わせたインゴット。魔鉱石のように魔力を溜め込む性質も持ち合わせており、これを介して魔法を放てば、魔力の節約にもなり、魔法の強化も出来る。
[特性]
・耐久性:C・重量比:A・加工性:C++・硬度:C
「やっと出来た〜!。いや〜途中失敗続きで諦めかけたけど、(技能手に入れたおかげでギリギリで出来た!(技能とはSNを消費して使える技)よし、とりあえずデンゼルに見せに行くか!」
俺は出来上がったインゴットをデンゼルに見せに行った。
「デンゼル師匠!出来あがったんで見てください!!」
「おう!出来たか。今見るから少し待っとれ。フムフムッ…」
するとデンゼルは驚いた形相になり、俺のいる方向へと目を向けた。
「!?リュ、リュウ、お前さん、コレ?!良質なインゴットばっかじゃねぇか!しかも魔鉱石まで練りこんで…。お前さん天才じゃったか!」
「いや〜〜そんなことないっすよ〜。まぁそれほどでもあるけどね〜。」
俺は照れながらも鼻を高くして自慢した。するとデンゼルは髭を触りながらしばらく考え込んでいた。
「うーむ…。」
「どうしたんですか?デンゼル師匠。」
俺はデンゼルに問うと少し困った顔をして俺に返答した。
「いや、その師匠っていうのはやめてくれんかのぅ。その内抜かされそうでこっちが恥ずかしいわい。それにこの魔五石のインゴット…。多分ワシの見た中でも随一のインゴットじゃ。」
「えっそうなんですか?確かに苦労しましたけど、また作れって言われれば作れないことはないですよ。それ。」
「はぁ?リュウ、お前、作れるのかい?このインゴットを?」
俺はインゴットを指しながらデンゼルにそう言い返すと、デンゼルは一度は驚いたが、その後神妙な面持ちになった。
「ふむ…なるほど……。…ところで、ちょいと相談なんだがワシんところでインゴットを作ってくれんかのぅ?もちろん無料でとは言わんぞぅ。グフフフフッ」
デンゼルは卑しい感じで、俺にねだってきた。正直引いたが、ぶっちゃけ悪い話しではないので、俺は受けることにした。
「えぇ………、えーと……分かりました…。それクエストとして俺に依頼して下さい。後でお受けしますんで…。とりあえず次のステップには行けるんですよね?」
デンゼルは少し間を置いて、思い出したかのような反応を見せた。
「お、おぉ、すまんすまん。ついカネもうけ…ゲフンッゲフンッ。つ、ついこのインゴットに見惚れてしもうてのぅ。では!次のステップに移るとするかのぅ。」
(今このジジィ、なんか誤魔化したな…)
俺は疑いの目を向けながら、次のステップ…つまり武器のパーツ形成を教わった。
一見難しそうだが、そんなことはなくただ武器のパーツの造形を思い浮かべて、ハンマーを打ちおろすだけだった。
注意点があるとすれば武器のパーツがそれぞれハマるように、作らなければならないと言う点だ。
俺は教わった通りに今度はデンゼル監修のもと作り始め、ついに自分専用[ランス]を完成させた。
「出来た!やっっっと!完成したぞ!!」
俺は出来た瞬間手放しで喜んだ。その横でデンゼルは驚いた様子で完成したランスを眺めていた。
「こ、これは!?………見事なもんじゃい。ワシじゃあこうはいかんなぁ。」
「いやいや、デンゼル師匠がいてくれたから、作れたんですよ!」
「い〜や、お前さんの腕が良かったから完成したんじゃ。それにワシにはこんなアイデア思いつかんわい。」
デンゼルはそう言ってくれたが、アドバイスをしてくれたところもあり、俺1人では完成できなかっただろう。
「…ところでリュウよ。お前さん大事なもん忘れとるぞ!。その武器の名前をつけてやらんか。」
「そうだ!すっかり忘れてた。」
俺は完成したランスの名前決めを、1人悩んでいた。
「そうだな…、『リュウ製の槍』 …いや違うな、もっとこう…言いやすくて尚且つカッコいい名前にしないと……」
俺はしばらく考えているうちに、ピンッときた名前があったのでその名前をつけることにした。
「…ッ、決めた!!こいつの名前は
『流星ノ槍』だ!」
『流星ノ槍』
レア度A 分類〈ランス〉
このランスは、通常のランスと違い鍔の部分が円柱型ではなく円柱を斜めに切り落としたような形となっており、その内部には槍状の魔五石がある。その魔五石を覆うような形で、側面に4つの穴が空いたランス型の鉄洞で作った外殻がある。
《ステータス》
重量[ミドル級]・AK450・HP740・属性 無
〈スキル〉
【破壊耐性】lv8
HPへのダメージ80%downする。
【刺突】lv6
刺属性の武器の攻撃力が6%up。
【魔力節制】lv5
魔法を使う際のMP消費を25%downする。
【魔法強化】lv2
魔法で攻撃する際に、MAを+8%する。
《製作者》『リュウ』
「よし!これで完成だ!!」
俺は武器をとり、目をキラキラさせながら喜んだ。そこで俺は、はっと何か思い出した。
(あっ…そういえば、値段聞いてなかった…。)
俺は恐る恐るデンゼルに尋ねた。
「…あの〜お値段っておいくらでしょうか?」
その言葉を聞いたデンゼルは一瞬、「何を言っておるんじゃ」的な顔をし、その後大笑いをした。
「ガハハハハハハッ。値段なんか、そんなもん要求する訳にゃぁいかんだろう。逆にこっちが教わったぐらいだ。無料でいいよ。無料で!!」
「えっ…マジっすか!!ありがとうございます!!」
俺は深々と頭をさげ早速武器を装備し、一旦宿の方へと行くため、売り場に移動した。
〜西暦2045年10月1日AM10:20〜
《ドワーフ工房》
〜売り場〜
「デンゼル師匠!色々手伝って頂きありがとうございます。」
「いや、いいってことよ!それより師匠はやめてくれと言っておろう。普通にデンゼルで構わん。」
「分かりました…。デンゼルさん!また来ますね!」
「おう!お前さんならいつでも大歓迎じゃよ。」
俺はドワーフ工房から去ろうとしたその時、何やら見知った顔の人達が入店してきた。よく見ると、それは俺の受付をしたリーファさんと、最初に見た受付のお堅そうなお姉さん、そして白耳兎の赤目をした褐色肌の獣人が立っていた。
〈第一章 第5話 完〉
《ドワーフ工房》
〜作業場〜
カンッ、カンッ、カンッ、カンッ
作業場に金属をハンマーで叩く音が響き渡る。そして俺は何をしているかというと、、
「まずはこの鉄鉱石と炭石を炉に入れ溶かす。そして溶かした鉄鉱石と炭石を、型版に流し入れ冷やし固める。……おし、完成したぞ〜。これが武器の基礎となる金属、所謂インゴットだ。分かったかリュウ!」
「はい!デンゼル師匠!!それにしても意外と時間かかんなかったっすね。」
「ガハハハッ。インゴットだからこんなもんじゃよ。ほれ、今度はお前さんがやってみろ!。お前さんなりにインゴットを作り上げるんだ。完成したらワシを呼べ!。分かったか?」
「はい!了解です、デンゼル師匠!!」
何故か作業場で武器の作り方を教わっていた。というのも遡ること数分前……。
ーー俺はデンゼルと一緒にドワーフ工房の武器保管庫にいた。なんでも俺に合う[ランス]を探してくれるらしい。
「ほれ!これなんかどうだ?。素材は簡素だが、耐久性もそこそこあるぞ!。あと[大盾]をもつとバランスが取れてちょうどいいな。」
デンゼルが持ってきたのは、円柱型の[ランス]で、もう片方に自分の身が隠れるんじゃないかと思うぐらい大きい[盾]をもっていた。レトロゲーム『モン◯ン』シリーズで言うランス装備を彷彿させるようだった。
「いや、デンゼルさん。俺、ガチガチの戦闘職じゃないんで、そんな持てないですよ。」
「そうかのぅ?」
デンゼルは残念そうな顔をこちらに向けてきた。俺は求めているランスの特徴をデンゼルに伝えた。
「え〜と、どっちかって言うと持ちながら走り回れるような[ランス]探してんすよね。」
「ん?走り回る?ガハハハハッ。そんなんできる訳ないわい!。大体[ランス]ちゅうのはな、片手に[大盾]がセットなんじゃ!。重すぎて走り回ることすら難しいやつじゃぞ。」
デンゼルは、さもそれが当たり前と言わんばかりに俺をまくしたてた。俺はデンゼルに違うと主張しつつも欲しているものを伝えた。
「いえ、違いますもっと、なんて言うか軽快な感じで攻撃ができる[ランス]が欲しいんです!」
「ふむ。そうか…軽快な感じねぇ。」
するとデンゼルは持っていた武器を降ろし、蓄えた髭をスリスリと触りながら俺に質問をした。
「お前さんの言うとるのはもしかして、[薙刀]やないか?」
「えっと〜、確かに運用的には[薙刀]が1番近いですけど、俺が欲しいのはそれの[ランス]版です。」
するとデンゼルはうつむきながら、眉間にシワをよせ、何やら考えた様子になった。
「ふむ……。じゃと、お前さんが言うとるランスはワシんとこには無いかもしれんのぅ。」
「えっ、そうなんですか?じゃあ無いなら作ればいいんじゃないですか!」
「いや、すまんがそれは出来んのじゃ。その[ランス]の設計図がないことにはどうにもできんからのぅ。しかも初めて作るモノとなると時間もかかるしな…。」
デンゼルは困ったような素振りで俺に語りかけた。そこで俺は提案をした。
「そうですか…じゃあ俺が作りますよ!」
「むぅ?いや、お前さん作ったことあるのか?」
「いや、ないです!けど、頭の中には設計図がちゃんとありますし、それに俺の職業みてください。」
俺は記録石を捻り、簡易的なステータス画面を見せた。
「!?、おい!お前さん【鍛冶屋】もってるのか!しかも生産系3つって珍しい構成じゃのぅ。」
「俺、昔から生産職に憧れてたもんでつい3つ選んじゃいました。」
(いや、実際はそんなことはないけどね。)
「そ、そうか!憧れてたのか!なんか照れるのぅ。」
デンゼルは嬉しそうな素振りを見せたが、しばらくすると髭を触りながら、俺を見て真剣な眼差しになった。
「……なぁリュウよ、本当に作れる自信があるのかい?」
「はい!一生懸命頑張る所存です!というか作らせて下さい!お願いします!」
俺は最大限、誠心誠意の態度をデンゼルに見せた。というか土下座して頼み込んだ。するとデンゼルは大きなため息をつき、話しを呑んでくれた。
「はぁ…。…わかった。お前さんに作らすとしよう。だがワシの工房でつくるんじゃから、ここのルールに従ってもらうぞ!わかったか?」
「はい!了解です!デンゼルさん…いや、デンゼル師匠!」
ーーとゆうことがあり俺は今、デンゼルさんもとい師匠から武器作りの指南をしてもらっている。
まず教えてもらったのは、武器作りの基礎となるインゴットの作り方だ。このインゴットを作るには、それなりの技術が必要とされるらしい。
(まぁ、ゲームだからそこら辺は【スキル】でどうにかできるけどね。それにこんな良い環境で、自分専用武器を作れるなんてラッキーにもほどあるだろ。)
実はこのゲーム、自分でオリジナルの武器を製作できたりするのだ。しかも武器だけじゃなく、アイテムや料理、ましてやモンスターなんかも自分の手で作れちゃったりするのだ!
つまり俺はわざとこの世界にない武器を要求し、自分が作るように仕向けたのだ!
(何か騙した感じで申し訳ない…。が、しかし後悔はしていない!。だって、俺専用武器とか超カッケェじゃん!男のロマンじゃん!作るしかないじゃん!)
俺は独り言を心の中で叫びながら、デンゼルに出されたお題、〔インゴット〕作りを1人ですることとなった。どうやら弟子達の指導もしているらしく、俺につきっきりではないらしい。
(まぁ、1人の方が何かと楽だし好都合。つう訳で、SPを割り振るか!。ステータスから、職業詳細画面へ。)
〈職業〉
『騎士』Lv1 SP+3
【斬強化】0/10【刺強化】0/10
【重量化】0/6【騎乗】0/6【運搬】0/10
『支援者』Lv1 SP+3
【支援術】0/8【陽属性】1/10
【地属性】2/10【海属性】0/10
【空属性】1/10【星属性】1/10
【霊属性】0/10
『鍛冶屋』Lv1 SP+3
【調合】0/6【形成】0/8【領域】0/8
【鍛錬】0/10【採取】0/10
『商人』Lv1 SP+3
【目利き】0/8【交渉術】0/6
【運搬】0/10【拡張】0/8【採取】0/10
『裁縫者』Lv1 SP+3
【回収】0/10【裁縫】0/10
【染め】0/5【形成】0/8【拡張】0/8
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
〈職業〉 スキル獲得
『騎士』Lv1 SP0
【刺強化】3/10 →【刺突】Lv3
刺属性の武器の攻撃力が3%up。
『支援者』Lv1  SP0
【支援】2/8 →【付与術】Lv2
付与魔法をLvに応じて覚えたり、強化する。
【陽属性】2/10 →【陽支援魔法】Lv2
陽属性の支援魔法をLvに応じて覚えたり、強化する。
【地属性】2/10 →【地支援魔法】Lv2
地属性の支援魔法をLvに応じて覚えたり、強化する。
【空属性】1/10 →【空支援魔法】Lv1 
空属性の支援魔法をLvに応じて覚えたり、強化する。
【星属性】1/10 →【星支援魔法】Lv1 
星属性の支援魔法をLvに応じて覚えたり、強化する。
『鍛冶屋』Lv1  SP0
【調合】3/8 →【精錬】Lv3
インゴットの成功率が14%up。
【形成】3/8 →【錬成】Lv3
インゴットで作る武器と防具の成型の成功率が14%up。
『商人』Lv1  SP0
【目利き】3/8 →【鑑定】Lv3
色々なモノの詳細な情報がLvに応じて見れるようになる。
『裁縫者』Lv1  SP0
【形成】3/8 →【型取】Lv3
布や魔物の皮、鱗で作る防具と装飾の成型の成功率が14%up。
取得魔法・・MPを消費して使える技。
【属性付与小】消費MP60
武器やアイテムに自分が獲得している属性を20秒間付与する。
【火球】消費MP30
火の玉を形成し、放つ。当たれば火傷ダメージを与える。
【火縄】消費MP80
火の縄を形成し、対象物を8秒間拘束する。拘束中は火傷ダメージを与える。
【石弾】消費MP40
小さな石を複数個形成し、弾丸のように放つ。
【石壁】消費MP100
目の前に自分と同じくらいの高さの石壁を形成する。
【風球】消費MP30
風の玉を形成し、放つ。当たれば裂傷ダメージを与える。
【光球】消費MP20
光の玉を複数個形成し、周りを明るくする。
(よっしゃ、こんなもんだろ。とりあえずは石の選定だ!)
俺は作業場の一画にある石置き場に行き、鉄鉱石と炭石を選びに行った。
「つうか、いっぱいありすぎるだろこれ。こん中からいちいち探せっていうのかよ。」
(こういう時こそ【鑑定】を使うべし!とりま【鑑定】スキル発動!!)
すると石置き場に大量のアイテム名がでてきた。
「うわぁ〜、スゲェ表示された。」
【鑑定】スキルでスキャンしたアイテムの一覧が俺の目の前に映し出された。
「なるほど、一目で分かるように違う画面で表示されてんのね。」
俺はアイテム一覧の方に目を移し、ソート機能でレア度の高い鉄鉱石と炭石を選んだ。すると石置き場に大量に表示された詳細画面が消え選んだものだけが表示された。
「なるほどこうやって探し出せるのね。素晴らしい機能じゃないか!とりあえずもう一回検索して何個か見繕おう。」
俺は【鑑定】スキルを駆使して、鉄鉱石と炭石、さらには洞石等を発見しそれらを取っていった。だが一つここで問題が発生した。
「【鑑定】!…ん〜やっぱりダメだ。レア度が高いと詳細な情報が出てこない。やっぱり【鑑定】スキルのレベルが低いのか。」
そう!レア度によって出てくる情報が違うのだ。色々繰り返した結果どうやらレア度Eまでは詳細な情報を得られるが、それ以上のレア度だとアイテム名とレア度しか表示されなかったり、ましてや表示されないモノもあった。
どうにかして見れないものかと試行錯誤している内に解決策がすぐに見つかった。
『テッテレ〜♪商人Lv2になりました』
「えっ?なんか知らんけどLvが上がった。」
そうLv upだ。どうやら【鑑定】スキルを使えば経験値が入るらしい。しかも、他の職業にも(戦闘職業は微量だが)経験値が入っていた。
(なるほど、こうゆう風にしてLvを上げてけばいいのね。ふむふむ。)
俺は感心しながらもLv upで得たSPを割り振った。
(とりあえず、【鑑定】をLv4にしてと、もう一度【鑑定】!!)
〔鉄鉱石〕  レア度D
鉱山の表面などでよく見られる灰色の石。年数が若い地層などでもよく取れる。耐久性に優れているが、基本的に重い。
[特性]
・耐久性:B・重量比:F・加工性:E・硬度:A
〔炭石〕 レア度D
鉱山を掘り起こす時によく出る炭の様な黒い石。強い衝撃を与えると脆くなるが、加工がしやすい。熱に対してある程度の耐性がある。
[特性]
・耐久性:E・重量比:E・加工性:A・硬度:D
〔砥石〕 レア度E
鉱山や、洞窟等で見つかる黄土色の石。武器を研ぐのに最適な石であり、これで磨くと光沢がでて、摩擦などが軽減される。レア度は一律E。
[特性]
・耐久性:F・重量比:A・加工性:B・硬度:E
〔洞石〕 レア度C
洞窟等で採掘すると出てくる白い石。この石は中に空気の気泡が多く見られ密度自体は低いが、鉄鉱石並みに硬い。レア度は一律C。
[特性]
???????????????????
〔魔鉱石〕 レア度B
???????????????????
[特性]
???????????????????
「今んところだとこんくらいかな。ふぅ。」
俺はひと段落ついて、汗を拭った。正確には汗はでてないので拭う仕草をした。
(でもまだ伏せられてる部分があるな…。まぁ気にしても仕方ない。とりあえずインゴットを作りにいくか!。)
俺は選んだ石をインゴットに加工するべく作業場の炉のある場所へと持っていった。
「よし!始めるとするか。まずは小手調べに基本のインゴットから作ろう。」
俺は鉄鉱石と炭石を炉に入れ溶かし、型版に入れて冷やし固めた。
「よし!完成したぞ〜。意外と簡単だったなぁ。まぁゲームだし、あと【精錬】スキルのおかげかな?。とりあえず次は他の組み合わせもやってみよう!」
俺は次々とインゴットを作り上げていき、その過程でLvupもした。そして試行錯誤を繰り返しやっと、自分が納得できるインゴットを作れるまでに至った。
『鍛冶屋』Lv4  SP0 スキル獲得
【調合】5/8 →【精錬】Lv5
インゴットの成功率が18%up。さらにいずれかの特性を1つ強化。
【形成】4/8 →【錬成】Lv4
インゴットで作る武器と防具の成型の成功率が16%up。さらにいずれかの特性を1つ強化。
【鍛錬】1/10    →【鍛錬】Lv1
インゴットで作った武器を強化する際に上昇幅が4%up。
『商人』Lv3 SP0
【目利き】5/8 →【鑑定】Lv5
『裁縫者』Lv2  SP0
【形成】4/8 →【型取】Lv4
布や魔物皮、鱗で作る防具と装飾の成型の成功率が16%up。さらにいずれかの特性を1つ強化する。
《新しく獲得した技能》
【宝石商】消費SN120
鉱石などの石材をより多く【鑑定】した時に得られる技能。石材を【鑑定】する際にこの技能を併用して使うと、一時的に【鑑定】Lv+2する。
【鍛冶の性】消費SN220
インゴットを1日に多く作った時に得られる技能。武器を作る際に併用すると、一時的に【精錬】Lv+1、【錬成】Lv+1、【鍛錬】Lv+1する。
《新しく【鑑定】したアイテム》
〔洞石〕 レア度C
洞窟内で採掘すると出てくる白い石。湿地帯などでもよく見られる。この石は中に空気の気泡が多く見られ密度自体は低いが、鉄鉱石並みに硬い。レア度は一律C。
[特性]
・耐久性:C・重量比:D・加工性:D・硬度:A
〔魔鉱石〕 レア度B
地中奥深くに眠っていることが多く、採れる量も少ないので貴重な石材として知られている。たまに一部のモンスターの核にもなっていることがある。基本的には黒がかった紫色をしている。魔力を溜め込む性質があり、これを介して魔法を放つと魔力の節約になる。杖などによく組み込まれる。加工するのにかなりの技術が必要とされる。
・耐久性:D・重量比:A・加工性:F・硬度:D
〔鉄炭のインゴット〕レア度C
鉄鉱石と炭石の組み合わせで作られたインゴット。
[特性]
・耐久性:C・重量比:D+・加工性:C・硬度:C
〔三石のインゴット〕レア度C
鉄炭のインゴットと砥石の組み合わせで作られたインゴット。
[特性]
・耐久性:C+・重量比:B・加工性:B・硬度:C
〔鉄洞(てつどう)のインゴット〕レア度C
鉄鉱石と洞石の組み合わせで作られたインゴット。
[特性]
・耐久性:B・重量比: E・加工性:D・硬度:S
〔四石のインゴット〕レア度B
三石のインゴットに洞石を組み合わせたインゴット。
[特性]
・耐久性:B・重量比:B+・加工性:C・硬度:B
〔魔五石のインゴット〕レア度A
四洞のインゴットに魔鉱石を組み合わせたインゴット。魔鉱石のように魔力を溜め込む性質も持ち合わせており、これを介して魔法を放てば、魔力の節約にもなり、魔法の強化も出来る。
[特性]
・耐久性:C・重量比:A・加工性:C++・硬度:C
「やっと出来た〜!。いや〜途中失敗続きで諦めかけたけど、(技能手に入れたおかげでギリギリで出来た!(技能とはSNを消費して使える技)よし、とりあえずデンゼルに見せに行くか!」
俺は出来上がったインゴットをデンゼルに見せに行った。
「デンゼル師匠!出来あがったんで見てください!!」
「おう!出来たか。今見るから少し待っとれ。フムフムッ…」
するとデンゼルは驚いた形相になり、俺のいる方向へと目を向けた。
「!?リュ、リュウ、お前さん、コレ?!良質なインゴットばっかじゃねぇか!しかも魔鉱石まで練りこんで…。お前さん天才じゃったか!」
「いや〜〜そんなことないっすよ〜。まぁそれほどでもあるけどね〜。」
俺は照れながらも鼻を高くして自慢した。するとデンゼルは髭を触りながらしばらく考え込んでいた。
「うーむ…。」
「どうしたんですか?デンゼル師匠。」
俺はデンゼルに問うと少し困った顔をして俺に返答した。
「いや、その師匠っていうのはやめてくれんかのぅ。その内抜かされそうでこっちが恥ずかしいわい。それにこの魔五石のインゴット…。多分ワシの見た中でも随一のインゴットじゃ。」
「えっそうなんですか?確かに苦労しましたけど、また作れって言われれば作れないことはないですよ。それ。」
「はぁ?リュウ、お前、作れるのかい?このインゴットを?」
俺はインゴットを指しながらデンゼルにそう言い返すと、デンゼルは一度は驚いたが、その後神妙な面持ちになった。
「ふむ…なるほど……。…ところで、ちょいと相談なんだがワシんところでインゴットを作ってくれんかのぅ?もちろん無料でとは言わんぞぅ。グフフフフッ」
デンゼルは卑しい感じで、俺にねだってきた。正直引いたが、ぶっちゃけ悪い話しではないので、俺は受けることにした。
「えぇ………、えーと……分かりました…。それクエストとして俺に依頼して下さい。後でお受けしますんで…。とりあえず次のステップには行けるんですよね?」
デンゼルは少し間を置いて、思い出したかのような反応を見せた。
「お、おぉ、すまんすまん。ついカネもうけ…ゲフンッゲフンッ。つ、ついこのインゴットに見惚れてしもうてのぅ。では!次のステップに移るとするかのぅ。」
(今このジジィ、なんか誤魔化したな…)
俺は疑いの目を向けながら、次のステップ…つまり武器のパーツ形成を教わった。
一見難しそうだが、そんなことはなくただ武器のパーツの造形を思い浮かべて、ハンマーを打ちおろすだけだった。
注意点があるとすれば武器のパーツがそれぞれハマるように、作らなければならないと言う点だ。
俺は教わった通りに今度はデンゼル監修のもと作り始め、ついに自分専用[ランス]を完成させた。
「出来た!やっっっと!完成したぞ!!」
俺は出来た瞬間手放しで喜んだ。その横でデンゼルは驚いた様子で完成したランスを眺めていた。
「こ、これは!?………見事なもんじゃい。ワシじゃあこうはいかんなぁ。」
「いやいや、デンゼル師匠がいてくれたから、作れたんですよ!」
「い〜や、お前さんの腕が良かったから完成したんじゃ。それにワシにはこんなアイデア思いつかんわい。」
デンゼルはそう言ってくれたが、アドバイスをしてくれたところもあり、俺1人では完成できなかっただろう。
「…ところでリュウよ。お前さん大事なもん忘れとるぞ!。その武器の名前をつけてやらんか。」
「そうだ!すっかり忘れてた。」
俺は完成したランスの名前決めを、1人悩んでいた。
「そうだな…、『リュウ製の槍』 …いや違うな、もっとこう…言いやすくて尚且つカッコいい名前にしないと……」
俺はしばらく考えているうちに、ピンッときた名前があったのでその名前をつけることにした。
「…ッ、決めた!!こいつの名前は
『流星ノ槍』だ!」
『流星ノ槍』
レア度A 分類〈ランス〉
このランスは、通常のランスと違い鍔の部分が円柱型ではなく円柱を斜めに切り落としたような形となっており、その内部には槍状の魔五石がある。その魔五石を覆うような形で、側面に4つの穴が空いたランス型の鉄洞で作った外殻がある。
《ステータス》
重量[ミドル級]・AK450・HP740・属性 無
〈スキル〉
【破壊耐性】lv8
HPへのダメージ80%downする。
【刺突】lv6
刺属性の武器の攻撃力が6%up。
【魔力節制】lv5
魔法を使う際のMP消費を25%downする。
【魔法強化】lv2
魔法で攻撃する際に、MAを+8%する。
《製作者》『リュウ』
「よし!これで完成だ!!」
俺は武器をとり、目をキラキラさせながら喜んだ。そこで俺は、はっと何か思い出した。
(あっ…そういえば、値段聞いてなかった…。)
俺は恐る恐るデンゼルに尋ねた。
「…あの〜お値段っておいくらでしょうか?」
その言葉を聞いたデンゼルは一瞬、「何を言っておるんじゃ」的な顔をし、その後大笑いをした。
「ガハハハハハハッ。値段なんか、そんなもん要求する訳にゃぁいかんだろう。逆にこっちが教わったぐらいだ。無料でいいよ。無料で!!」
「えっ…マジっすか!!ありがとうございます!!」
俺は深々と頭をさげ早速武器を装備し、一旦宿の方へと行くため、売り場に移動した。
〜西暦2045年10月1日AM10:20〜
《ドワーフ工房》
〜売り場〜
「デンゼル師匠!色々手伝って頂きありがとうございます。」
「いや、いいってことよ!それより師匠はやめてくれと言っておろう。普通にデンゼルで構わん。」
「分かりました…。デンゼルさん!また来ますね!」
「おう!お前さんならいつでも大歓迎じゃよ。」
俺はドワーフ工房から去ろうとしたその時、何やら見知った顔の人達が入店してきた。よく見ると、それは俺の受付をしたリーファさんと、最初に見た受付のお堅そうなお姉さん、そして白耳兎の赤目をした褐色肌の獣人が立っていた。
〈第一章 第5話 完〉
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