俺の許嫁は幼女!?

白狼

10話 幼女とデートなんて……

「よ、よし!撮るぞ!」
「え、ええ!早くしてよね!」
「分かってるよ。」





 俺は、急かされながらスマホのカメラで写真を撮る。
 ここは、一つ目のデートスポット、『恋人たちの湖』なのだ。
 俺たちは、ここでボートを漕ぎそこで写真を撮った。
 周りもほとんどが恋人同士だ。
 くそっ!いちゃつきやがって!






「よし、うまく撮れたな。この写真を母さんに送信っと。」
「ねぇ、その写真私にもちょうだい。」
「え?でも、どうやって?」
「レインを使えばいいでしょ。」
「いいのか?静香に写真をやることになると静香のレインのアカウント、教えてもらうことになるぞ?」
「べ、別にいいわよ!それくらい!ほら、早くスマホ出して!」
「はいはい。」






 俺たちは、それからレインのアカウントを送った。
 レインのトプ画は、子猫の写真だった。





「静香って猫が好きなのか?」
「え、ええ、そうよ。」
「へぇ、そうなんだ。」
「な、何よ。悪い?」
「いや、全然。可愛いなって思っただけだよ。」
「う、うるさい!可愛いとか言うな!」






 おお、照れてる、照れてる。





「それじゃ、写真送るからな。」




 俺は、そう言って静香にいまさっき撮った写真を送った。






「それじゃ、私の方もお父様に送信っと。」
「よし、次の場所行こうぜ。」
「はぁ〜、まだあるの〜。」
「当たり前だ。後5つくらいは残ってるぞ。」
「そ、そんなに!?早くしないと日が暮れちゃうじゃない!」
「ああ、だから急ぐぞ。」






 俺たちは、次の目的地『ラブァーズブリッチ』へと向かった。
 移動手段はバスだ。





「はぁ〜、バス代、結構な出費だな。」
「あんた、そんなにお金に困ってるの?」
「当たり前だろ?俺は、毎日学食だからそれだけで金が減っていくんだよ。」
「バイトでもしたら?」
「一応してるよ。でも、今は休ませてもらっている。」
「どうして?」
「お前との件があったからな。もう少し落ち着いてからバイト復帰しようと考えてる。」
「へぇ〜、そうなんだ。まっ、早く復帰できるといいわね。」
「ああ、そう願いたいね。」





 静香って結構優しいところがあるんだよな。
 こんな俺の応援をしてくれる所とか。
 そんなことを話していると俺たちの降りるバス停に着くとアナウンスが鳴った。
 それから間もなくそのバス停に着いて俺たちは、バスから降りた。
 そこから5分ほど歩くと俺たちの目的地『ラブァーズブリッチ』に着いた。
 またもや恋人同士がイチャイチャしてやがる。





「早く写真を撮って次の場所行きましょ。」
「ああ、分かってる。それじゃもうちょっとこっちへ寄ってくれ。画面に入らない。」
「うぅ〜、仕方ないってわかってるけどどうしてあんたと写真なんか……」
「もう1枚撮ってるんだから別に何枚撮っても同じだろ?早くしてくれ。」






 周りのイチャイチャしてるカップルからの目線が痛い。
 なんでそんな幼女を連れ回してるんだ?っていう目線が本当に痛い。
 というか今日だけでそんな目線を送られたのは何度目だろうか。
 はぁ〜、早く帰りたい。





「よし、撮るぞ。」
「ええ、早くして。」
「分かってるって。っと、よし、撮れたな。それじゃ、この写真静香に送るからな。」






 俺は、静香に今撮った写真を送って母さんにもその写真を送った。





「ほら、次の場所に行くぞ。」
「次はどこなの?」
「え〜っと、ん?ここってファミリーレストランじゃないのか?」
「え?ファミレスがデートスポットなの?」
「さぁ?まっ、行ってみるか。というかそろそろ腹も減ったしちょうど良かった。」






 俺たちは、そのファミレスへと向かった。
 ありがたいことにそのファミレスは、ここから10分ほど歩いてつく距離だったのでバス代がかからなかったことが嬉しい。

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