僕は過ちを正すため、過去に飛んだ。
EP25 策略と救世主
隼人は浩二達の追手からなんとか逃れるも、車両の事故で新幹線が欠航になり致し方なく近くのホテルに泊まることになった。
西峰財閥からヘリコプターを呼んでも良かったのだが、それはあまりにも目立ちすぎる。なるべく潜伏しながら大阪に戻りたい。
ここ数日、東山財閥と接触するために東京に長期のホテルを取って滞在していた。
奇跡のようなタイミングで小鳥遊や早希も東京に来ていたのだが。
ここ数日のことを思い出すと色んな事があった。早希とのデート?その際には東山財閥での爆破事件を思い出し、それの回避を現在進行系で行っていて、小鳥遊との因縁も解決。
濃い数日だった。正直、受験よりもこの数日のほうがつかれたと言える。ついさっきのは命の危険もあったと思っているくらいだ。
しかし、この数日で分かったこととして東山財閥爆破事件を解決させるのはとんでもなく難しいということだ。事件の起こった日についてもはっきりとは分かっていない。明日かも、明後日かもしれないのだ。
付け足しに、隼人に敵対する人達もいることまでわかった。その一部に【風魔 恵】もいる。
本当に頭が沸騰しそうな隼人だった。
「ま、悩んでいても仕方ないか。先に進むしか今の俺には選択肢がないんだからな」
そう思い、おもむろにツイッターを開く。小鳥遊のお肉のツイートを見ているとグーと腹の虫が鳴いた。
「そういえば、お腹空いたな」
と、呟く隼人。グーグルを立ち上げ、小鳥遊がツイートしていたお店を調べる。しかし、
「閉店…だと?」
ホームページにはそのお店が一昨日、閉店をしたことを告げる言葉が書いてあった。
そこで再度小鳥遊のツイートを確認する。
「丁度一昨日のツイート…?」
ツイート自体に異変はなかった。しかし、少し前のツイートを見ると毎日しょうもない内容でも最低5ツイートほどはしているようだった。
しかし、昨日と今日は全くツイートがない。
少し気になったがこれもよくあることなのかと思ったその時だった。
プルルとスマホがなる。相手は西峰財閥の傘下にある病院の院長からだった。
「もしもし?」
電話に応じると院長は少し暗い声で言ってきた。
「隼人くん。小鳥遊 修斗くんって知っているかなかな?」
院長から出たその言葉は意外だった。
「あ、はい。友人です。でも、どうしてそんな事を?」
隼人自身、院長との関係はある。主治医でもあるので連絡先は交換しているのだ。だが、隼人と小鳥遊と仲がいいのは知らないはずだった。
「実は小鳥遊くんっていう子が昨日の夜に事故にあってね。病院に運ぶ際にずっと君の名前を言っていたからさ。だから隼人くんにこの事を伝えようと思ってね。友人ならぜひお見舞いに来てあげて欲しい。この子の親に連絡しても誰もお見舞いに来てくれていないしね。」
早希はそう言って隼人に戻ってくるように言った。
「どのくらいの怪我なんですか?」
「今の所、意識不明の重症だ。恐らく、今夜が山だろうと思う。」
ものすごい重症じゃないか。
「分かりました。すぐ向かいます。」
「分かった。」
そう言って院長は電話を切る。
「小鳥遊が心配だ。仕方ない。親に電話するか。」
その時、大きな音が隼人の耳に入ってくる。この周辺にヘリコプターが来たのだろうか。
そう思って窓を覗くとヘリコプターが低空を飛んでいる。間違いなくこの周辺に着地しそうだ。
予想通り、このホテルから1キロくらい離れたところに着地したようだ。恐らく学校の屋上とかだろう。
しかし、今はそんな事はどうでも良かった。
浩二たちにバレてしまうのは避けたかったがこうなったら自分の身より友人の方が優先だ。
隼人は父 幸之助にヘリコプターの要請をする。
隼人が止まっているホテルはそれなりに高級ホテルで屋上はヘリコプターも着陸できる。ちなみに、ホテルには許可はとっている。その際、店員がどこかに電話していた気がするが、まぁ関係ないだろう。
1時間半ほど立つとヘリコプターの音が近づいてくるのが分かり、エレベーターで屋上に上がる。
そして数分も立たずにヘリコプターはホテルに着陸する。
「ありがとう」
隼人はそう言って乗り込んだ。
「出発お願いできますか?西峰総合病院へ」
隼人が目的地を言う。だが、運転手の手は動かない。
「あ、あの…」
隼人は少し困惑をしながらもう一度言おうとすると、運転手は静かに一言言った。
「横を見てみな」
そう促され、横(屋上への入り口)を見る。
「…!」
そこには浩二と何人かの真っ黒いスーツに身を包んだSPのようなやつが2人もいた。一人はとても小柄で高校生にも見えた。しかし、いずれも顔が見えないように深くフードをかぶっているようだった。そして、さっき見た謎の女はどうやらいないようだ。
「やぁ。西峰隼人くん。今日あったのはこれで3回目かな?」
浩二は余裕を持った笑みをしながら言ってきた。
「もしかして?」
隼人は運転手を見て悟ったように言った。
「俺は西峰財閥で働いているけど、実際は東山財閥の人間だよ」
これはまずい状況だ。
「俺は東山財閥の取締役副社長の立ち位置に立っている人間だ」
風魔はそう言ってきた。どうやら、結構重役なようだ。
「ということは…」
隼人は悟ったように言う。この男が東山財閥爆破事件の犯人なのだと。
「ということはって?」
風魔は焦らすように返答する。
「とぼけんな!お前が東山財閥の爆破事件の犯人なんだろう?しかも、俺のことを知っている素振りもあったし、俺が未来から来たことも知っているんだろ?」
隼人は核心を突くような質問する。しかし、浩二達はSPたちと顔を合わせては首をかしげる。そして、
「君は何を言っているんだね?」
浩二はそういったのだ。
「とぼけても無駄だぞ。でないと俺をここでこんな風に俺を包囲する意味がどこにあるんだ?俺が事件を阻止しようとしているのが邪魔なだけだろ!」
浩二はもう一度首を傾げてから言う。
「すまんがこれは吹雪様のご命令なのだよ。西峰隼人は何を考えているのかわからない不思議なやつだ。目障りだから始末してくれと」
ふ、吹雪が!
「そんな、わけが…」
こっちは東山財閥を救出しようと尽力したというのに…
隼人は膝を付き絶望する。
しかし、そうやすやすと捕まってやるほど彼も弱くはない。
「どうした?どうせなら質問を聞いてやってもいいぞ?お前の妄想をぶった切ってやるだけだがな」
浩二はそんなふうに威圧をかける。そこで隼人は思い切った行動に出る。
「なら、質問だ」
「何だ。言ってみろ」
浩二は余裕たっぷりで構える。
隼人は自身のスマホを強調させながら出す。
「もし、俺が今日の建物内での会話を録音していたとしたら?」
その言葉に浩二の表情が少し強ばる。
そして彼は顎でヘリコプターの運転手に指示をする。隼人はその瞬間を見逃さなかった。
襲いかかってくる運転手からの攻撃を交わし、一撃を食らわす。
顎に弱めアッパーだが彼はその場で意識を失う。軽い脳震盪といったところか?
しかし、浩二はどこから取り出したのか拳銃を隼人に向けて構える。
「拳銃はセコいだろ…」
万事休すと両手を上げる。武術ならワンチャンあったのだが、拳銃には流石にかなわない。降参が無難だった。
「すまない。状況が変わった。これ以上の質問は受け付けない。黙って付いてこい。」
浩二はそう言って隼人についてくるように促す。
「小鳥遊。すまん」
隼人はそう言って浩二の指示に従おうとしたその瞬間
「俺、そんな指示した記憶ないけどな」
そう言って、浩二の背後から何者かが彼の足を引っ掛け、その場所に尻もちをつかせる。そのまますばやく浩二の持つ拳銃を奪い、SP二人に交互に向けながら隼人の方に近づいてくる。
「元気?隼人」
そう訪ねてきたこの救世主は意外な人物だった。
西峰財閥からヘリコプターを呼んでも良かったのだが、それはあまりにも目立ちすぎる。なるべく潜伏しながら大阪に戻りたい。
ここ数日、東山財閥と接触するために東京に長期のホテルを取って滞在していた。
奇跡のようなタイミングで小鳥遊や早希も東京に来ていたのだが。
ここ数日のことを思い出すと色んな事があった。早希とのデート?その際には東山財閥での爆破事件を思い出し、それの回避を現在進行系で行っていて、小鳥遊との因縁も解決。
濃い数日だった。正直、受験よりもこの数日のほうがつかれたと言える。ついさっきのは命の危険もあったと思っているくらいだ。
しかし、この数日で分かったこととして東山財閥爆破事件を解決させるのはとんでもなく難しいということだ。事件の起こった日についてもはっきりとは分かっていない。明日かも、明後日かもしれないのだ。
付け足しに、隼人に敵対する人達もいることまでわかった。その一部に【風魔 恵】もいる。
本当に頭が沸騰しそうな隼人だった。
「ま、悩んでいても仕方ないか。先に進むしか今の俺には選択肢がないんだからな」
そう思い、おもむろにツイッターを開く。小鳥遊のお肉のツイートを見ているとグーと腹の虫が鳴いた。
「そういえば、お腹空いたな」
と、呟く隼人。グーグルを立ち上げ、小鳥遊がツイートしていたお店を調べる。しかし、
「閉店…だと?」
ホームページにはそのお店が一昨日、閉店をしたことを告げる言葉が書いてあった。
そこで再度小鳥遊のツイートを確認する。
「丁度一昨日のツイート…?」
ツイート自体に異変はなかった。しかし、少し前のツイートを見ると毎日しょうもない内容でも最低5ツイートほどはしているようだった。
しかし、昨日と今日は全くツイートがない。
少し気になったがこれもよくあることなのかと思ったその時だった。
プルルとスマホがなる。相手は西峰財閥の傘下にある病院の院長からだった。
「もしもし?」
電話に応じると院長は少し暗い声で言ってきた。
「隼人くん。小鳥遊 修斗くんって知っているかなかな?」
院長から出たその言葉は意外だった。
「あ、はい。友人です。でも、どうしてそんな事を?」
隼人自身、院長との関係はある。主治医でもあるので連絡先は交換しているのだ。だが、隼人と小鳥遊と仲がいいのは知らないはずだった。
「実は小鳥遊くんっていう子が昨日の夜に事故にあってね。病院に運ぶ際にずっと君の名前を言っていたからさ。だから隼人くんにこの事を伝えようと思ってね。友人ならぜひお見舞いに来てあげて欲しい。この子の親に連絡しても誰もお見舞いに来てくれていないしね。」
早希はそう言って隼人に戻ってくるように言った。
「どのくらいの怪我なんですか?」
「今の所、意識不明の重症だ。恐らく、今夜が山だろうと思う。」
ものすごい重症じゃないか。
「分かりました。すぐ向かいます。」
「分かった。」
そう言って院長は電話を切る。
「小鳥遊が心配だ。仕方ない。親に電話するか。」
その時、大きな音が隼人の耳に入ってくる。この周辺にヘリコプターが来たのだろうか。
そう思って窓を覗くとヘリコプターが低空を飛んでいる。間違いなくこの周辺に着地しそうだ。
予想通り、このホテルから1キロくらい離れたところに着地したようだ。恐らく学校の屋上とかだろう。
しかし、今はそんな事はどうでも良かった。
浩二たちにバレてしまうのは避けたかったがこうなったら自分の身より友人の方が優先だ。
隼人は父 幸之助にヘリコプターの要請をする。
隼人が止まっているホテルはそれなりに高級ホテルで屋上はヘリコプターも着陸できる。ちなみに、ホテルには許可はとっている。その際、店員がどこかに電話していた気がするが、まぁ関係ないだろう。
1時間半ほど立つとヘリコプターの音が近づいてくるのが分かり、エレベーターで屋上に上がる。
そして数分も立たずにヘリコプターはホテルに着陸する。
「ありがとう」
隼人はそう言って乗り込んだ。
「出発お願いできますか?西峰総合病院へ」
隼人が目的地を言う。だが、運転手の手は動かない。
「あ、あの…」
隼人は少し困惑をしながらもう一度言おうとすると、運転手は静かに一言言った。
「横を見てみな」
そう促され、横(屋上への入り口)を見る。
「…!」
そこには浩二と何人かの真っ黒いスーツに身を包んだSPのようなやつが2人もいた。一人はとても小柄で高校生にも見えた。しかし、いずれも顔が見えないように深くフードをかぶっているようだった。そして、さっき見た謎の女はどうやらいないようだ。
「やぁ。西峰隼人くん。今日あったのはこれで3回目かな?」
浩二は余裕を持った笑みをしながら言ってきた。
「もしかして?」
隼人は運転手を見て悟ったように言った。
「俺は西峰財閥で働いているけど、実際は東山財閥の人間だよ」
これはまずい状況だ。
「俺は東山財閥の取締役副社長の立ち位置に立っている人間だ」
風魔はそう言ってきた。どうやら、結構重役なようだ。
「ということは…」
隼人は悟ったように言う。この男が東山財閥爆破事件の犯人なのだと。
「ということはって?」
風魔は焦らすように返答する。
「とぼけんな!お前が東山財閥の爆破事件の犯人なんだろう?しかも、俺のことを知っている素振りもあったし、俺が未来から来たことも知っているんだろ?」
隼人は核心を突くような質問する。しかし、浩二達はSPたちと顔を合わせては首をかしげる。そして、
「君は何を言っているんだね?」
浩二はそういったのだ。
「とぼけても無駄だぞ。でないと俺をここでこんな風に俺を包囲する意味がどこにあるんだ?俺が事件を阻止しようとしているのが邪魔なだけだろ!」
浩二はもう一度首を傾げてから言う。
「すまんがこれは吹雪様のご命令なのだよ。西峰隼人は何を考えているのかわからない不思議なやつだ。目障りだから始末してくれと」
ふ、吹雪が!
「そんな、わけが…」
こっちは東山財閥を救出しようと尽力したというのに…
隼人は膝を付き絶望する。
しかし、そうやすやすと捕まってやるほど彼も弱くはない。
「どうした?どうせなら質問を聞いてやってもいいぞ?お前の妄想をぶった切ってやるだけだがな」
浩二はそんなふうに威圧をかける。そこで隼人は思い切った行動に出る。
「なら、質問だ」
「何だ。言ってみろ」
浩二は余裕たっぷりで構える。
隼人は自身のスマホを強調させながら出す。
「もし、俺が今日の建物内での会話を録音していたとしたら?」
その言葉に浩二の表情が少し強ばる。
そして彼は顎でヘリコプターの運転手に指示をする。隼人はその瞬間を見逃さなかった。
襲いかかってくる運転手からの攻撃を交わし、一撃を食らわす。
顎に弱めアッパーだが彼はその場で意識を失う。軽い脳震盪といったところか?
しかし、浩二はどこから取り出したのか拳銃を隼人に向けて構える。
「拳銃はセコいだろ…」
万事休すと両手を上げる。武術ならワンチャンあったのだが、拳銃には流石にかなわない。降参が無難だった。
「すまない。状況が変わった。これ以上の質問は受け付けない。黙って付いてこい。」
浩二はそう言って隼人についてくるように促す。
「小鳥遊。すまん」
隼人はそう言って浩二の指示に従おうとしたその瞬間
「俺、そんな指示した記憶ないけどな」
そう言って、浩二の背後から何者かが彼の足を引っ掛け、その場所に尻もちをつかせる。そのまますばやく浩二の持つ拳銃を奪い、SP二人に交互に向けながら隼人の方に近づいてくる。
「元気?隼人」
そう訪ねてきたこの救世主は意外な人物だった。
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