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僕は過ちを正すため、過去に飛んだ。

黒山羊

一章16話後日談

 小鳥遊との喧嘩から一日たった。

「はぁ、まだドキドキしてるな。」

 朝だというのに隼人の体から緊張という名の筋肉の張りが解けない。

 さすがに緊張した。喧嘩と言っても相手のほうが圧倒的に有利でしかも、小鳥遊だ。強気で振る舞っていたがやはり内心はビクビクしていたものだ。

「それにしても…」

【ただ、歩いてればいいんだ。止まってさえなければ自然と価値は出るものだ。それに、過去も未来も絶対にお前を捨てないから】

「…」

 少しの沈黙の後

「ああああああああ」

 隼人は布団を締め付けながら一人もがいていた。

「なんてくさいセリフだよおおおお。今になって猛烈に激しくなってきたああ」

 隼人の顔は恥ずかしさのあまり、真っ赤になっていた。しかも近くには女の子までいたという始末。恥ずかしいしか感想は出ない。でも、

「なんか、いろいろスッキリしたな。」

 東山財閥の爆破事件について、隼人は出鼻がくじかれた直後で、色々と躍起になっていたところがあった。
 昨日のことが正しい行動だったのか、それは分からない。でも、結果なんかあとでいいと思っている。重要なのは結果を出すまでの過程なのだ。例え、バットエンドで終わったとしても、自分の努力は後々の自分を助けてくれる鍵になるはずだから。すべてを糧に強くなっていこう。

 昨日はあの喧嘩の後、小鳥遊は自分がいじめの標的にしていった人たちのもとへ丁寧に謝りに行っていた。

 隼人と風魔はその姿を見て、ただただ感心していた。必死に謝るその姿に安堵と嬉しみの入り混じった笑みを浮かべながら。

 その後、小鳥遊とは家の方向が違ったので別々に別れた。帰りは風魔と一緒に帰り、その際に色々教えてもらった。どうやら彼女はもともと孤児であり、今の父親に引き取られていたらしい。その事で学校でもいじめに遭っているんだとか。
 そのことを話す風魔の表情からは苦しさや悲しさは感じなかった。だが、淡々と話す彼女だが、心の中はとても傷ついているのだろうと、隼人に嫌な思いをさせないように苦しさを顔に出さない強い子であるということが分かった。

 そんなとき、ピロンと携帯がなった。

「あ、早希からだ」

【昨日残念だったね。また今度必ず行こうね!それで、用事はどうだった?隼人くんとってもつらそうな顔していたから心配だよ?】

 そうだ。昨日はデートのあとだった。

 隼人にとって、昨日の出来事はとても長く感じていた。まるで一日に起こったことだとは思えない。前の人生では一日なんて勉強だけしていた薄っぺらい記憶だけだ。一日が長いなんて感じたことがなかった。そんなことを感じることがないくらい毎日が同じことの繰り返しだったから。

【ああ。昨日のドタキャンは本当に悪いと思っている。今度絶対行こうな。あと、心配ありがとう。まだ解決はしていないけど、早希さんは気にしなくて大丈夫だよ。本当に色々とごめんね。】

 隼人は慣れていないメールをしっかり打って返信した。

「頑張らなくちゃな。」

 隼人は自分の胸をトンっとたたく。

「なんとしても、東山財閥は救わないと。」

 そう、言うと隼人は朝ごはんの準備に取り掛かる。

 さて、今日は吹雪を論破して俺が言っていることが正しいんだって言うことを証明するための情報確保だ。まずは、証拠をゲットしなきゃ論破もクソもないからな。

 隼人はそう、今日やることを頭の中で整理する。

 本日も出陣なり

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