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僕は過ちを正すため、過去に飛んだ。

黒山羊

第1章ep13後悔

   まず、小鳥遊は隼人へ豪速のジャブを数発当ててくる

「いてッ!」

   ジャブは左手でかます高速のパンチの連呼。例えるならば、北斗の●ででてくる昇龍拳を少し弱めたものを片手で使っているということだ。

   威力は弱いと言っても、小鳥遊が使うと素人が打つ本気の右ストレート並みに強い。それが、隼人の口や目、お腹に手とたくさんのところへ繰り出される

   まずい、このままだと小鳥遊のペースだ!


   隼人はその高速のジャブをしっかりとみながら機会を疑っていた。

「おいおい、どうしたよ??さっきまでの異性は無くなったのか?」

   小鳥遊は余裕そうに言う。

「俺の右ストレートで一気に決めるわ」

   小鳥遊はそういうと右手を構える。
   右ストレートが来る!

   隼人はその手の動きを見逃さなかった。

   小鳥遊はジャブを放つ左手を止めたかと思うと、そのまま握った右の拳が隼人を目掛けて飛んでくる。

   それを上手くかわし先程津田に食らわせたような攻撃に出ようと試みた

   のだが…

「甘いな」

   彼の右ストレートは隼人の顔に到達する前に止まり、止まったはずの左手が隼人の頰にいれられた。

「うわぁ!」

   隼人はそのまま地面に勢いよく倒れこむ、そこに小鳥遊は右足を振り上げ、

「下段蹴りぃ!」

   恐ろしく強い力のこもった下段蹴りが隼人の腹に炸裂した。

「うッ!」

   カハッと口から胃のものが出た。幸い、今日は朝ごはんもろくに食べていなかったので出たものは胃液くらいだった。
   
   ぬかった。

「え、まじでこんなもん?やっぱり口だけだったのか?」

   完全に警戒を解いた小鳥遊はまた隼人を煽る。

「…」

   隼人は小鳥遊という男を見くびっていた。
   彼はボクシング経験者だ。故に、ボクシングの技だけで勝負してくるだろうという固定観念があったのだ。
   だから、彼の下段蹴りを想定できず、ここまでダメージを負うことになってしまった。

   今の隼人は身体中が痛み、彼の体自身が長時間立っているのを拒んでいるようだった。

   これは、どうにか一撃で決める必要があるな。

    隼人は心の中でそう悟る。

「財布は気づいているかもしれないが俺はボクシング経験者だが、空手をやっていたこともあるんだ。」

「なるほど、さっきの技は空手の技ってことだな」

   隼人はあくまで空手のことを知らないように装うことにした。でないと、彼の考える勝つ方法を成功させるのは難しくなってしまうからだ。

「財布はガリ勉でそんなヒョロヒョロだから、格闘術なんて今までロクにやったことなんてないだろう?俺は昔から、自分を守るために必死に努力して来たんだ」

「…」

    小鳥遊はそのまま話し続ける。

「さっき、お前は偉そうに【過去から逃げるな】なんでほざいていたが、それはお前の勘違いだ。俺は逃げてなんかいない。俺はずっと正しかったんだ。これが俺、小鳥遊 修斗の人生だ。そして、運命だ」

   小鳥遊は体制を整え、構える。

   正拳突きを喰らわせるような姿勢だ。正拳突きとは、空手の中で最もメジャーな攻撃で、いわゆる突き技の一種である。

   ふらふらになりながらも隼人も立った。

「少々痛いかもしれないが耐えろよ財布。これで楽にしてやる」

    隼人は軽くフッと笑ってみせた。

「これが運命だっていうんなら、残念なものだホモゴリラくん」

   隼人はあえて、小鳥遊が怒るように煽る。

「ま、また言いやがったな!お前、絶対に許さないからな」

   煽った理由はいたって普通で、感情的になりやすい小鳥遊のことだから、怒って興奮しているときほど、彼は思考を巡らせることはできないと推測した。
   
    隼人の考えを成功させるためには、もう準備が整っている彼の正拳突きの時でないといけない。

    故の悪口である。

「くたばれ!サイフ!」

    感傷的になった小鳥遊は正拳突きのフォームを少し崩し、威力をあげたパンチを繰り出した。

   隼人は今度こそ、拳の動きを見逃さなかった。

   この瞬間にのみ体のすべての精神と、
集中をこの一点に向ける。

   勢い余った小鳥遊の拳の先に開いた左手を軽く当て、下に向けて押す。そのせいで小鳥遊の重心は傾き、彼はバランスを崩しグラっと揺れる。
    そこにすかさず隼人は残していた右手で小鳥遊を精一杯の力を込めて押した。

カウンターだ。ちなみに、名前は後の先(ゴノセン)という

   ストンと小鳥遊は地面に腰をつけた。

   しかし、小鳥遊が隼人を見上げた時には隼人の右足は天高くあげられていた。

「ま、待てサイフ。」

「お前も知らないだろうけど、実は俺も小さい頃に空手習ってて、少年の部で結構いいところまでいったことあるんだよ。」

   小鳥遊は恐怖が混じった瞳を隼人に向ける。

   隼人は表情を一切変えなかった。



   【小鳥遊、一つだけ言うことがあるんだけど、】


「かかと落とし!」

「やめてくれぇ!」

   隼人は小鳥遊に向けて思いっきり足を振り下ろす。


【本当に運命を受け入れたものは、お前みたいな世の中を舐めきったような目はしないんだ。お前の目が、俺に訴えているんだよ。助けてくれってな】

   隼人の足があと少しで小鳥遊にあたるその瞬間。

「やめて!!」

   公園の入り口からした声とともに隼人は攻撃を止めた。小鳥遊にあたるほんの一歩手前であった。

「…ふ、風魔」

   小鳥遊から溢れたその名前の持ち主は先程まで彼自身がいじめていたあの女の子であった。

   彼女の目は憎悪やそういったものの見られない綺麗で済んでいるように見えた

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