菊の花は闇夜に狂い咲く

彗麗

帝宮

とても豪奢な宮殿だった。
呆然としていると、白銀の髪の男昂 暝玲(コウ メイレ)というそうだ。昂家といえばまぁまぁな名門地方貴族である。確か今の昂州の州主だ。名前の通り。昂家にいる四人兄弟の中の一人だろう。

「では考え事の最中、すみませんが龍帝様の元へ案内してよろしいでしょうか?」
知らぬ間に考え込んでいたらしい。
「あ、はい」
「では、着いてきてください」
宮殿のなかは豪華だが無駄な装飾はひとつもない、聞いた通りこの代の龍帝になったことで無駄な散財はしないようになったということは本当だったらしい。しかも、後宮は貴族一家に1人ずつ後宮に入れていたみたいだが、今は貴族一家に一人娘を集めるものの、気に入った娘を数人後宮に入れることになったらしい。今の龍帝は先帝の三男で、側室の子供らしい。
正室の子である兄2人より優秀で次男である現龍帝の兄君は自ら臣下に下り、現龍帝の護衛の武官として働いているらしい。賜った姓はなんだったか…

また考え事をしていた気をつけないと、少しとはいえ宮殿いや昂さんによると帝宮というらしい、その後宮に滞在するのだから。

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