好きな人が国家最大の秘密兵器だった件について

夏灯

有野航先生

「先生、資料はこれでいいですか?」

科学委員の俺は放課後、化学の先生に呼び出され、雑用の手伝いをさせられていた。

「おう、悪かったな。そこに置いてくれ」
「そこってどこですか。物が散乱していて置く場所がありません」
「はは、適当でいいよ」

先生、有野航は割と適当で、かなりすぼらだ。
けど、科学者としてはかなり優秀らしく、何故か今年からこの学校で働いている。

「いつも悪いな、これでも飲め」
「悪いと思ってるなら仕事終わらせてください」

生徒に手伝わせるほど溜め込むなんてどこまでだらしないんだ。
まぁ内容は冊子作りだったりプリントの仕分けだったりの簡単なことだけど。
俺は先生に差し出されたコーヒーをありがたく受け取った。

「あ、実川さん…」

窓の外に彼女が見えた。
また告白されているみたいだ。

「OK、するのかな…」
「いやしないだろ」

こっそり呟いたつもりが、先生が返事をしてくれた。
独り言を聞かれるなんて恥ずかしい。

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