『元SSSランクの最強暗殺者は再び無双する』

チョーカー

勇者カムイと魔王シナトラの終結

勇者パーティ

 それは魔王を倒すためだけの存在。 プロフェショナルだ。

 そんな彼等が集結する。

 アルデバラン その異名は『超前衛戦士』

 前衛として、立ちふさがるソルに対して――――

「フン」と片手で胴を掴むと、力任せに投げ捨てる。

 一瞬に魔王に接近する。

「この怪物め! 水よ押し返せ!」

 魔力によって構成たれた大量の水――――地形を変えかねない鉄砲水がアルデバランを襲う。

 だが――――

「くっ! それも前に進み続けるか! 後退して魔法の強化を……むっ!」

 魔王シナトラは、後退できなかった。

 何かが足に絡みつく。 それは後方から鞭による攻撃であり、拘束だ。

「逃がしません」

「マシロ姫か。王族分際で、傀儡として生きればよかろうにっ!」

「その傲慢さ。まさに魔王らしさ――――けど、それも終わりです」

「ぬかせ! 護衛のアルデバランがいない今――――我の魔力を浴びよ! 風よ舞え!」

 不可視の風。切れ味を有した斬撃として、マシロに飛翔していく。

 だが、届かない。

「これは……結界か! おのれ、魔法にも劣る東洋の技で我の魔法に――――魔の根本に触れるか!」

「マシロ姫がいう貴方の傲慢さ。それが、貴方を終わらせるのです!」

 シン・シンラ――――『東方の方術士』

 五芒星の魔方陣  方術の結界が完成していた。

 ≪伽藍堂世界≫

「――――行くぞ、魔王シナトラ」

「ここで貴様か 剣の勇者カムイ」

「あの日、実現できなかった僕たちの戦い――――これで決着だ」

「させぬ! こんな所でさせぬぞ!」

「っ!? 魔力を膨張させ、爆発を狙うのか? 『煌け、聖剣よ』」

 魔王の黒い魔力が世界を浸食していく。

 そうはさせまいと勇者の聖剣が白い光で押し戻していく。

「おのれ、勇者め――――人である事を捨て、それでも何故、そこまでの力を!」

「この身は精霊に捧げても、それでも僕は――――人間だ」

「――――」と魔王は、何かを叫んだ。

 しかし、それをかき消すほどの音が――――

 音を表現する事もできない空気の震動が周辺を支配した。

 やがて――――

「やった……のか?」

 誰かの声がする。

 時を超え、勇者が魔王を討伐する。 その光景は歴史の1ページ。

 神話となるだろう――――もしも、本当に魔王が倒せていたならば

 だが、空中に浮かんでいる影があった。 2つの影――――いや、違う。

 影は3つ!?

 2つは勇者と魔王の影。ならば、最後の1つは何者か?

「ま、間に合ったか」と魔王。

「――――」と勇者は乱入者を見る。 

(まだ、幼い少年? それがシンラの結界を突破して、僕と魔王の攻撃を止めた?) 

 その姿に見覚えはない。 

(まだ見ぬ実力者が、この世界に存在したというのか?)

 カムイは、その少年に魔王に対する以上に警戒を強める。

「やれやれ、生き返らせてくれた事は感謝するよ、魔王。でも人の体を要塞に使ったらしいね? 全く、無茶苦茶だよ」

「はっはっは……すまぬ。この世で貴様の肉体こそ、我が城に相応しかったからのう」

「まぁ、仕方ないね。君は『勇者』に負ける運命を世界から押し付けられている。準備しても、準備し足りないって事はないからね――――さて」

「君は何者だ?」とカムイ

「うむ、君が当代の勇者――――いや、少しだけ型遅れだね。そんな君に興味はないんだ。これから同窓会だからね」

「同窓会? 何を言っているだ?」

「何ってやるでしょ? この世に3人の王が顕現したんだぞ?」

「3人の王――――君は、本当に誰なんだ!」

「わからない人間だ。 魔王と冥王がいるんだぜ。最後の1人は――――

 竜王に決まっているじゃないか?」


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