『元SSSランクの最強暗殺者は再び無双する』
刹那! 剣の勇者カムイ
いるはずのない幻影。
冥王ですら驚きのあまり思考を止める。
彼はベルトの体から知識を吸収していた。
だから、知っていた。剣の勇者カムイは、この場に存在しえないと言う事を――――
だから、入る。
勇者カムイの剣が煌めく。
袈裟蹴り。左肩から右の腰へ剣が通っていく。
「――――馬鹿な、勇者カムイがなぜ?」
「驚いた。ベルトを殺してしまうかもしれない覚悟で聖剣を振った」
その言葉通り、冥王の体に剣の跡。 赤い線が走っている。
だが、それだけだ。
確かなダメージは見て取れる。しかし、致命傷には見えない。
「ふんッ!」とカムイは今度は逆に剣を跳ね上げる。
左の腰から右肩へ。冥王の体に剣が通っていく。
「――――っ! ベルトの奴め、人間の体で、どれほどの鍛錬を積めば聖剣で斬れぬ肉体が作れるのか?」
「その点は俺っちも感謝してるさ」と冥王。 動きは鈍いとはいえ、最強の暗殺者の速度。
一気に防戦に追い込まれるカムイ。
「どうした? どうした? 勇者カムイよ! 当代の勇者はこんなものか!」
さらに加速していく冥王の攻撃。 ついに勇者カムイであっても捌けきれずに――――
≪致命的な一撃》
聖剣で防御したカムイであったが、その拳撃は防御を貫通して、胴に直撃する。
「ぐっあぁ」と大きく息を吐き出す。 それほどのダメージが勇者カムイを襲った。
「うむ、その命を獲ったぞ? さらばだ、勇者よ!」
冥王の腕に魔力が通る。 二重断首刀 高速の手刀で、首を刎ねるつもりだ。
しかし――――
「あぁ、さようならだな。冥王」
冥王の手刀は勇者の首を刎ねた……そのはずだった。
しかし、勇者の姿は消えてなくなっていた。
「――――やはり、幻影だったか?」と冥王は呟く。
「離れた場所から幻影と聖剣を操り、俺っちを追い詰めた。いずれ、本体を叩かねば脅威であることに変わりはない」
勇者が消えた場所から視線を外さず、冥王は嗤う。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「ここは?」とメイル。
メイル、カレン、エルマの3人は、先ほどと違う場所にいた。
自ら移動した記憶はない。だとすれば……
「だとすれば……転移魔法。我々も気づかないレベルで発動できるとは、流石だな、勇者カムイよ」
エルマは闇を睨む。 いや、睨むのは、その闇の先か?
「お褒めにあずかり光栄ですね」
闇が払われる。現れたのは勇者カムイだ。
その姿は、かつて見せたダンジョンに取り込まれてままの姿だった。
「もっとも、全盛期に及ばず。あの冥王ハーデスに大したダメージも与えられず――――」
「いや、我々を助けるために無理をしてくれたのだろう? 感謝する」
「そう言われると救われる……さて、本題だ。
最強の暗殺者 ベルト・グリムに憑りついた冥王ハーデスを引き剝がす方法がある」
冥王ですら驚きのあまり思考を止める。
彼はベルトの体から知識を吸収していた。
だから、知っていた。剣の勇者カムイは、この場に存在しえないと言う事を――――
だから、入る。
勇者カムイの剣が煌めく。
袈裟蹴り。左肩から右の腰へ剣が通っていく。
「――――馬鹿な、勇者カムイがなぜ?」
「驚いた。ベルトを殺してしまうかもしれない覚悟で聖剣を振った」
その言葉通り、冥王の体に剣の跡。 赤い線が走っている。
だが、それだけだ。
確かなダメージは見て取れる。しかし、致命傷には見えない。
「ふんッ!」とカムイは今度は逆に剣を跳ね上げる。
左の腰から右肩へ。冥王の体に剣が通っていく。
「――――っ! ベルトの奴め、人間の体で、どれほどの鍛錬を積めば聖剣で斬れぬ肉体が作れるのか?」
「その点は俺っちも感謝してるさ」と冥王。 動きは鈍いとはいえ、最強の暗殺者の速度。
一気に防戦に追い込まれるカムイ。
「どうした? どうした? 勇者カムイよ! 当代の勇者はこんなものか!」
さらに加速していく冥王の攻撃。 ついに勇者カムイであっても捌けきれずに――――
≪致命的な一撃》
聖剣で防御したカムイであったが、その拳撃は防御を貫通して、胴に直撃する。
「ぐっあぁ」と大きく息を吐き出す。 それほどのダメージが勇者カムイを襲った。
「うむ、その命を獲ったぞ? さらばだ、勇者よ!」
冥王の腕に魔力が通る。 二重断首刀 高速の手刀で、首を刎ねるつもりだ。
しかし――――
「あぁ、さようならだな。冥王」
冥王の手刀は勇者の首を刎ねた……そのはずだった。
しかし、勇者の姿は消えてなくなっていた。
「――――やはり、幻影だったか?」と冥王は呟く。
「離れた場所から幻影と聖剣を操り、俺っちを追い詰めた。いずれ、本体を叩かねば脅威であることに変わりはない」
勇者が消えた場所から視線を外さず、冥王は嗤う。
・・・
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「ここは?」とメイル。
メイル、カレン、エルマの3人は、先ほどと違う場所にいた。
自ら移動した記憶はない。だとすれば……
「だとすれば……転移魔法。我々も気づかないレベルで発動できるとは、流石だな、勇者カムイよ」
エルマは闇を睨む。 いや、睨むのは、その闇の先か?
「お褒めにあずかり光栄ですね」
闇が払われる。現れたのは勇者カムイだ。
その姿は、かつて見せたダンジョンに取り込まれてままの姿だった。
「もっとも、全盛期に及ばず。あの冥王ハーデスに大したダメージも与えられず――――」
「いや、我々を助けるために無理をしてくれたのだろう? 感謝する」
「そう言われると救われる……さて、本題だ。
最強の暗殺者 ベルト・グリムに憑りついた冥王ハーデスを引き剝がす方法がある」
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