『元SSSランクの最強暗殺者は再び無双する』
大魔王の自動防衛システム
竜王ゾンビの頭上。 そこに立っている人物は1人しかいない。
なぜ、魔王残党がソルの手下となり、命を捨ててまで戦い続けたのか?
答えは簡単な事だ。
なぜ、精霊たちが新しい勇者を求めたのか?
答えは簡単だ。
魔王復活。
ソルの生死を超越した能力によって、魔王を甦らそうとしたのだ。
そして、ソイツ――――魔王は、ベルトの方をゆっくりと向く。
勇者カムイと戦った時と同じ風貌。
魔族の薄紫色した肌。 白く蓄えられた髭。 深く刻まれた顔の皺。
そして、膨大な魔力を閉じ込めている杖。
魔王が、大魔王シナトラが立っていた。
「――――ッ!」と予想通り、最悪の状況に戦慄を隠せないベルト。
だが、違和感を感じる。
シナトラの表情はベルトを見ていない。 それどころか、まるで視点が合っていない視線。
「意識が……ないのか?」とベルトは近づいていく。 しかし――――
『炎よ』
シナトラの杖がベルトに向かう。 そして杖の先端からは魔力によって具現化された炎が――――ベルトに向かって放射された。
≪二重断首刀《ギロチンエックス》≫
ベルトの両腕から放たれるのは高速の手刀の二連撃。 それによって、大魔王シナトラの火球を相殺する。
「こいつ……意識がないのか? まるで自動防衛システムのように近づくと攻撃してくる?」
確かめるようにベルトは一歩前に、すると大魔王シナトラの目が怪しく光る。
『凍てつく氷塊』
空間や歪み、現れたのは先端が尖った氷の塊。
それが1つ、2つ、3つ……
「最終的に10個か……空中に浮かんでいるだけで寒気が来るぜ」
10本の氷塊がベルトを襲う。 同時……ではない。
僅かな時間差攻撃。 防御のタイミングも、回避のタイミングも僅かにずれている。
手刀と打撃の連続で、氷塊を砕きながら、さらに前へ向かう。すると――――
大魔王シナトラの体が朧気のように存在が薄くなる。
「なるほど……近づくたびに難易度が高くなってくるわけか……それじゃ、その体に触れたら何が起きる?」
さらに一歩――――いや、二歩、三歩、一気に走り出す。
朧のようだった魔王の体が質量を取り戻す。 しかし、数がおかしい。
大魔王シナトラは5人に増えていた。 そして同時に――――
『炎よ!』
5つの火球。 相殺するのも面倒と判断したのか? ベルトはさらに加速して回避を選択。
今度はシナトラが前にでる。 魔法ではない、杖を使った打撃技。
5人が同時に突きを放つ。 しかし、ベルトはそれらを避けない。
「いや、全部偽物だろ? お前等……本物が前にでるわけないだろが!」
5人のシナトラの攻撃はベルトの肉体をすり抜ける。 それらは幻術。
そして、本物は――――
「そこだ! ≪魂喰い≫」
姿を消してたシナトラに刃を放つ。 シナトラは杖で受けようとするも、防御にまわした杖ごとシナトラの体を切断する。
「む……これも偽物か。ならば、本体はどこに――――」
ベルとは気づいた。 本体の位置は――――
「ここだ!」と自身の体に拳を叩きこむ。 体にダメージを与えるのが目的ではない。
目標は自身の背後。
因果律の操作。
今のシナトラはそういう種類の魔法を使っている。
今の決して正面に立たない存在。
「逆に言えば、俺に知覚されない存在になっている大魔王シナトラは背後にいる可能性は高い!」
確かな手ごたえ。攻撃はシナトラに届いているはず――――
ならば、今の彼を揺り動かしている自動防衛システムは切断されたはず。
ベルトは振り返し、かの大魔王シナトラと対面する。
なぜ、魔王残党がソルの手下となり、命を捨ててまで戦い続けたのか?
答えは簡単な事だ。
なぜ、精霊たちが新しい勇者を求めたのか?
答えは簡単だ。
魔王復活。
ソルの生死を超越した能力によって、魔王を甦らそうとしたのだ。
そして、ソイツ――――魔王は、ベルトの方をゆっくりと向く。
勇者カムイと戦った時と同じ風貌。
魔族の薄紫色した肌。 白く蓄えられた髭。 深く刻まれた顔の皺。
そして、膨大な魔力を閉じ込めている杖。
魔王が、大魔王シナトラが立っていた。
「――――ッ!」と予想通り、最悪の状況に戦慄を隠せないベルト。
だが、違和感を感じる。
シナトラの表情はベルトを見ていない。 それどころか、まるで視点が合っていない視線。
「意識が……ないのか?」とベルトは近づいていく。 しかし――――
『炎よ』
シナトラの杖がベルトに向かう。 そして杖の先端からは魔力によって具現化された炎が――――ベルトに向かって放射された。
≪二重断首刀《ギロチンエックス》≫
ベルトの両腕から放たれるのは高速の手刀の二連撃。 それによって、大魔王シナトラの火球を相殺する。
「こいつ……意識がないのか? まるで自動防衛システムのように近づくと攻撃してくる?」
確かめるようにベルトは一歩前に、すると大魔王シナトラの目が怪しく光る。
『凍てつく氷塊』
空間や歪み、現れたのは先端が尖った氷の塊。
それが1つ、2つ、3つ……
「最終的に10個か……空中に浮かんでいるだけで寒気が来るぜ」
10本の氷塊がベルトを襲う。 同時……ではない。
僅かな時間差攻撃。 防御のタイミングも、回避のタイミングも僅かにずれている。
手刀と打撃の連続で、氷塊を砕きながら、さらに前へ向かう。すると――――
大魔王シナトラの体が朧気のように存在が薄くなる。
「なるほど……近づくたびに難易度が高くなってくるわけか……それじゃ、その体に触れたら何が起きる?」
さらに一歩――――いや、二歩、三歩、一気に走り出す。
朧のようだった魔王の体が質量を取り戻す。 しかし、数がおかしい。
大魔王シナトラは5人に増えていた。 そして同時に――――
『炎よ!』
5つの火球。 相殺するのも面倒と判断したのか? ベルトはさらに加速して回避を選択。
今度はシナトラが前にでる。 魔法ではない、杖を使った打撃技。
5人が同時に突きを放つ。 しかし、ベルトはそれらを避けない。
「いや、全部偽物だろ? お前等……本物が前にでるわけないだろが!」
5人のシナトラの攻撃はベルトの肉体をすり抜ける。 それらは幻術。
そして、本物は――――
「そこだ! ≪魂喰い≫」
姿を消してたシナトラに刃を放つ。 シナトラは杖で受けようとするも、防御にまわした杖ごとシナトラの体を切断する。
「む……これも偽物か。ならば、本体はどこに――――」
ベルとは気づいた。 本体の位置は――――
「ここだ!」と自身の体に拳を叩きこむ。 体にダメージを与えるのが目的ではない。
目標は自身の背後。
因果律の操作。
今のシナトラはそういう種類の魔法を使っている。
今の決して正面に立たない存在。
「逆に言えば、俺に知覚されない存在になっている大魔王シナトラは背後にいる可能性は高い!」
確かな手ごたえ。攻撃はシナトラに届いているはず――――
ならば、今の彼を揺り動かしている自動防衛システムは切断されたはず。
ベルトは振り返し、かの大魔王シナトラと対面する。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
1359
-
-
141
-
-
4503
-
-
70810
-
-
34
-
-
0
-
-
63
-
-
52
-
-
841
コメント