絶対神の異世界チートハーレム無双!?

guju

購入2

手足に付けられていた鎖は外され、水で洗ったのだろう身体に汚れは無い。
決して良いものとはいえないものの、先程来ていたものよりかは清潔な麻布のワンピースを身にまとっていた。

「こちらがこの度の御商品、魔族のリルでございます。容姿もよく、勉学もある程度行え、何より薬漬けにされていないことから、こちらのお値段とさせていただきます」

初老の男が羊用紙に値段と彼女の名前、店の名前と所有権利の意を示したものを万年筆とともに差し出してきた。

「こちらにサインを」
「分かった」

ルーシェが横から値段を除く。

「げ……金貨800枚」

未だ価値がよく分かっていないゼロは何も言わなかったが、相当な額だ。

「おいルーシェ、金を用意しろ」
「わ、分かりました」

少し顔を歪ませながらもコートから金貨の入った袋を取り出す。

この世界のコートには、高価なものであれば大抵のものがコートの内側に貨幣を入れる異空間がある。
大層なものは入らないが、精々金貨数千枚程度なら入るだろう。

「これで」

契約書にサインをしているゼロを横目に、ルーシェは金を男に渡す。

「少々お待ちください」

金貨の入った袋を持った男は、謎の機械に金貨を投入する。

この機会は貨幣を数えるためのものだ。
蓋の上に金貨が乗ると、その重みで蓋が開く。ちょうど1枚しか入らないその穴を金貨が通過すると同時に、また別の蓋が締まり、下にあるレバーを押してから落ちる。
そのレバーには、金貨をカウントする機能と、蓋を元に戻す機能がついており、これが繰り返されることで正確に枚数を数えられるというものだ。

だが、欠点は割と時間がかかるというものだ。勿論、人が数えるよりは数段早いのだが、それでも金貨800枚ともなれば5分はかかるだろう。

「お待たせしました、確かに800枚を頂戴致しました。では、今この時より彼女の所有権は貴方にあります。お買い上げありがとうございました。またのご来店お待ちしております」

丁寧に頭を下げる男にゼロは一声かけてリルを連れて奴隷屋を出た。

「よし、取り敢えずはそのみすぼらしい服装をどうにかしよう。共に歩いていて恥ずかしい」
「また俺の金ですかい? 」
「頼んだぞ」
「分かりやした」

そう言ってゼロは奴隷を連れ貴族街へ向かった。

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