絶対神の異世界チートハーレム無双!?

guju

ルーシェ3

「シルヴィ! 」

バタンと大きな音を立てて部屋の扉が開く。
部屋の中は薄暗く、窓から差し込んだ太陽の光だけが僅かに輝いている。

床には、幾枚もの割れた皿や壊れた椅子、倒れた本棚に撒き散らされた服。
この家の中で、一体どれほどの戦闘が行われたのかと目を疑うほどに荒れていた。

「クソっ! 」

その誰もいない部屋に、一つ憎しみ、怒りを含んだ声が響き渡る。


と、その時。

バリンッと、部屋の窓ガラスが割れる大きな音がなり、1本の矢が男の、ルーシェの足元に突き刺さる。
矢には、一枚の紙が巻き付けられている。
それを取り外すと、すかさず中を開いて読む。



ーーーーー

彼女は俺の手の中だ。  

失いたくなければ、俺の傘下に入れ。
ギルドのエースとして活躍し続けろ。

そうすれば、彼女の身の安全は保証してやる


ーーーーー



ーークシャ

ルーシェは、手に力を込めるとその手紙を握りつぶす。
それを地面に叩きつけるように投げ捨て、何度も、何度も何度も踏み続けた。


彼女を守れなかった自分の無力さを恨むように。


こんな事をした、ソニー・ラングラを恨むように、怒り狂ったように


その紙に、苛立ちをぶつけるように……



それから、俺は彼の忠実な犬となった。

歯向かうことは許されない。
どこにいるか分からない彼女を守るために、彼に従い続けた。

いつか彼女を救い出す、そんな日を待ち続けて……



目に涙を浮かべながら顔を上げた彼は、とても苦しそうな顔をしている。


「これが……俺の事ですわ」

「ふーん」

あまりにも素っ気なく返されたそのゼロの言葉に、ルーシェは驚きを隠せないようで目を大きく開いた。
それも当然だろう、聞いてきたのは、聞いてやると言ったのはゼロの方なのだから。

「その悩み、もう終わりだ」

「え? 」

「我が手を差し伸べよう。 ルーシェの全てを変えてやる」

ゼロはそう言うと、握手を求めるように右の手を差し出した。

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