チートじみた転生ボーナスを全て相棒に捧げた召喚士の俺は、この異世界を全力で無双する。

ジェス64

番外編第2話、クライム・クライ厶

「えっさ、ほいさ…っと」
 家から自転車漕いでやっと学校に到着にゃー。
 夜の7時半ぐらいにゃのに校門と玄関の鍵は当然の様に開いてるにゃ。リーダーとブタオの仕業にゃね。
「……二人共何時か補導されろにゃ」
 文句を呟いてから気付いたけど、これって良く考えればミーも共犯者……まぁミーは良いにゃ。普段の行いが良いからにゃー。
 兎に角、リーダーが心配にゃし、さっさと自転車を自転車置き場に置いて、1階の部室に向かうにゃ。
 モチのロン、廊下は真っ暗にゃけど、ミーは夜目が効くから大丈夫にゃー。


 部室には直ぐに着いたにゃ。明かりが点いてるから2人が居るのは間違いにゃいけど、一応ノックしてから入るかにゃー。
「リーダー、居るにゃ?」コンコン
「美依か!?ここに居るぞ、入れ!」
 リーダーの暑苦しい声が聞こえるにゃー。逆に安心するにゃ。
「たのもー」ガラガラ
 部屋の中はいつもの光景が広がってるにゃー。
 いや……優が居にゃいって事を除けば、だけどにゃ。
 ブタオ自作のスパコンにミーの黒いソファー。床に直置きされてる畳…冷蔵庫モドキにメチャクチャ厳重な鍵付きの宝箱…全部、化学部の大事な私物にゃ。

「おうふww美依殿wwwちょwww道場破りwwwww」
 高身長で金髪の、見た目はチャラい癖に、喋り方キモすぎるコイツがブタオにゃー。

「美依、待っていたぞ!」
 この人が残念な美人のサキ部長にゃ。面倒だからサキ部長じゃなくて、リーダーってミーは呼んでるにゃー。

「にゃは、待たれてたにゃー。つってもリーダーに用は無いけどにゃ。おいブタオ、ミーに状況を説明しろにゃ」
 先ずは優についてにゃ。誘拐されてたら大変にゃ。
 優は悟り誘惑系男子にゃから、男にも女にも攫われてても不思議じゃないのにゃー。
「んなー!私が最初に気付いたのにブタオを頼るだと!?し、失礼だと思わんのか!」
 一々リアクションが大きいリーダーは嫌いじゃにゃいけど、今は別にリアクション要らにゃいにゃ。
「おまww無慈悲すぎwww草生えるwwwww」
「笑うなー!」プンスカ
「リーダー、ちょっと黙ってて欲しいにゃ。優についての事なら流石のミーも真剣ににゃるにゃす」
 被ってた帽子を壁の出っ張りに掛けて、ブタオの隣の席に座るにゃ。今回はふざける気はにゃいから。
「にゃんころり」
「え、今北産業?おk。
やべぇwww
優殿見つからんww
失踪とか化学部オワタwwwww」
 パソコンのキーボードを叩きながら、ブタオが話してるにゃー。画面にはトゥイッターが表示されてるにゃ。
「それは知ってるにゃ!優についての情報はどれぐらい集まってるにゃ!」ベシベシ
 ブタオの肩を叩いて催促するにゃ。
「痛てぇwwwマジな話www今日の夕方辺りからwww何処にも見つから無いんだが?wwwww」
「目撃情報すら無いにゃ?」
「今調べてんすけどwwww画面見ろやwww」
 …イラっとしたぁ!殺すぞ!
「………!」ベシベシ
 これは正義の拳にゃ。さっきよりもちょっと強めに殴るにゃ。
「ちょwやめろww痛てぇwwww俺なんで叩かれてんのwwwww」
「ブタオ、おみゃーは何時ぐらいから優について調べてるにゃ?」ベシベシ
「部長に7時ぐらいに呼ばれたんすよwwwそれからずっと探してんのwwwうはww労基ガン無視wwwwあと叩くのやめ」
 ブタオがスパコン使って30分掛けても見つからない…!?これは面倒な匂いがするにゃ。
「労基!?え…ま、まだ30分程度じゃないか!私は悪くないだろう!」
 …客観的に見たら夜の学校に突然呼び付けるやべーやつにゃ?しかも男女でにゃ。まぁブタオにゃら万が一も無さそうにゃし、別に良いけどにゃ。
 あ、ちなみにミー達の通ってる高校は18時に完全に閉め切られるにゃす。ご都合主義にゃ。
「んにゃー…よし、ブタオはここで調べてろにゃ」
「りょwwwww」
「んで、リーダー。優の帰宅ルートは分かるにゃ?」
「お、おぉ。問題無い。分かるぞ」
 情報は何よりも重要なファクターにゃ。さっさと優を見つけるにゃー。
 …ちなみにリーダーと優は幼なじみらしいにゃ。だから帰宅ルートは似通ってると思って、確認を取ったにゃ。
 あれだけ聡明にゃ幼なじみとか、ちょっとリーダーが羨ましいにゃー。
「先手必勝にゃす。優の帰宅ルートに設置されてるカメラを根こそぎ調べ上げるにゃよ」
 今の時代、そこらじゅうに防犯カメラが付けられてるにゃ。それに手掛かりが有るのは殆ど確定にゃんね。
「なるほど…その手があったか…」
 それと化学部の面子で、頭が切れる順に並べたら、優>>>ミー≧ブタオ>>>[越えられない壁]>>>……>サキ部長、って感じにゃ。
 ぶっちゃけリーダーは馬鹿にゃ。強いけど。
「ほら、リーダー。ミーの行動力に感心してにゃいで、ミーを案内するにゃ。鉄は早いうちに打てにゃ」
「考えていても仕方ないしな…よし、行くか!美依、走るぞ!」
「いや、ミーは自転車で行くにゃ」
 体力バカのリーダーに合わせてたら、身体が持たにゃいのは目に見えてるにゃし…ミーは自分のペースで行くにゃす。
 ……だけど。優が居ないからか…なんて、知らにゃいけど。
 見慣れたハズの街灯に照らされた夜道が、少し不安なモノに見えたのは、たぶんミーだけじゃないにゃ。
 今回は一筋縄では行かない。そんな漠然とした不安を胸に……ミーはマイペースに、リーダーの後を付いて行くにゃ。

「あのぅ…www美依殿、他者のカメラを勝手に弄るのは犯罪では?w」
「……うるさい!」ベシベシ
 そんなのバレなきゃいいだけにゃ!死ね!
「なんでwwwww」

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